株式会社　サイネックス 業績等の概要 (2014年3月期)

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融緩和策により、円安や株高基調に転じたものの、新興国経済は景気減速傾向が見られ、欧州経済は引き続き低調に推移するなど、依然として不透明な状況で推移いたしました。また、都市部での景気回復の恩恵は、いまだ地方には行き渡っておらず、本格的な景気回復には、相当な時間を要するものと思われます。
広告業界におきましては、主に景気回復の影響により、総じて順調に推移いたしましたが、当社グループの市場である地方におきましては、本格的な広告出稿意欲の回復までには至っておりません。
このような経営環境のもと、当社グループは、官民協働の精神に基づき、「社会貢献型企業」を目指して、地域行政情報誌『わが街事典』等の発行を中心に、官と民の連携により地域再生支援に取り組むとともに、中小事業者のプロモーションやソリューションを支援するサービスの提供をおこないました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、対前期比2.1%増の100億16百万円となりました。利益面におきましては、売上高の拡大により、営業利益が対前期比21.4%増の6億56百万円、経常利益が対前期比21.4%増の7億31百万円となり、当期純利益につきましては、対前期比8.8%増の4億37百万円となりました。
また、個別決算の業績につきましては、売上高が対前期比1.0%増の78億96百万円、営業利益が対前期比27.5%増の6億75百万円、経常利益が対前期比25.4%増の7億46百万円、当期純利益が対前期比14.4%増の4億51百万円となりました。
事業部門別の状況は次のとおりであります。
①プリントメディア事業
プリントメディア事業におきましては、50音別電話帳『テレパル50』は、前連結会計年度に引き続き、東日本大震災や原子力発電所の事故の影響により、発行できない地区があったものの、既存の発行地区において、積極的な広告販売活動に取り組みました。
一方、地域行政情報誌『わが街事典』につきましては、発行地区拡大を積極的に進め、静岡県浜松市や広島県尾道市など新規に発行するほか、埼玉県所沢市や千葉県松戸市、東京都西東京市など2版目を発行するなど再版の発行に注力し、当連結会計年度において134の市区町村と共同発行いたしました。これらの結果、売上高は対前期比0.1%増の72億28百万円となりました。
②ITメディア事業
ITメディア事業におきましては、ヤフー株式会社との販売提携による『Yahoo!プロモーション広告』や、当社の地域情報ポータルサイト『CityDO!』へのインターネット広告の積極的な販売に取り組むとともに、連結子会社株式会社サイネックス・ネットワークが運営する『トラベルサーチ』等旅行業サイトにおける旅行商品の販売や、『食彩ネット』における業務用食材の販売も引き続き好調に推移し、売上高は対前期比14.4%増の27億88百万円となりました。なお、当連結会計年度において、全国のふるさと寄付金制度の情報を発信するサイト『わが街ふるさと納税』をオープンしました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、売上債権の増加、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が7億55百万円(前年同期比18.6%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3億61百万円増加し、当連結会計年度末には32億48百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5億39百万円(同35.4%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益7億55百万円、減価償却費2億18百万円等による収入に対し、法人税等2億81百万円、売上債権の増加額2億5百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1億10百万円(前年同期は35百万円の収入)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入8億5百万円、有価証券の償還による収入1億円等による収入に対し、定期預金の預入による支出8億18百万円、投資有価証券の取得による支出1億円、有形固定資産の取得による支出51百万円、無形固定資産の取得による支出43百万円等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は67百万円(同29.6%減)となりました。
これは主に、リース債務の返済による支出40百万円、配当金の支払27百万円によるものであります。