有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002BW4
関東電化工業株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
2013年4月よりスタートした第9次中期経営計画(3ヵ年)では、企業目標として、研究開発を中心に据え、間断なく新規製品を開発・上市する「創造的開発型企業」を目指すことを定めております。また、研究開発活動を促進するためには、研究・営業・製造等の連携を強化しユーザーや研究機関からの情報収集の精度を深め機動的な開発体制を取れるようにもしております。
これまでの当社の研究開発は、研究統括部が研究全体を統括指導すると共に市場動向などの情報も集中管理し、基礎研究を行う基礎研究所と、市場導入に向けた研究を行う開発研究所(渋川分室と水島分室を含む)と、特許戦略及び知的財産保護に特化した知的財産室からなる体制で、研究開発の目的を明確にして市場ニーズへの迅速な対応を図ることで新規製品の開発に注力してまいりました。
2014年4月からは、さらに上記の各目的を明確にし、活動を活発化させるために新製品開発本部のもとに長期的な観点から基礎研究を進める研究企画部とユーザーに直結したテーマを進める開発営業部、知的財産関係を担当する研究・知的財産部の3部に分け、それぞれの担当部門の課題をスピーディに解決する体制に変更いたしました。また、研究所も独立させ、基礎研究を行う基礎研究所と、市場導入に向けた研究を行う渋川開発研究所、水島開発研究所とし、各研究所が責任を持って各々の技術的課題を解決する体制としました。
なお、当連結会計年度の研究開発投資額は、890百万円でありました。
主要研究テーマの概要及び今後の方向を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素樹脂、鉄系機能材料・無機ナノ材料が主要5テーマであります。更に、有機半導体やイオン液体等の新材料の探索研究に関しても積極的に取り組んでおります。
(1)半導体・液晶製造用の特殊ガス
現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとしてNF3、CF4、C2F6等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガスについて独自の特徴ある技術により開発し、世界でもトップクラスの製造能力と品質を持つ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。これらの用途としては主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチング用と、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄化するためのクリーニング用があります。半導体分野ではムーアの法則に従い、年々微細化が進み、当社でも微細エッチング用のガス・C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)など開発、上市をしております。近年では、3D化等の新技術の導入も進んでおり、これらに対応すべくガス開発を進めております。
今後は、さらなる微細化を見据えた新たなエッチングガスの開発の他に新材料や新プロセスに対応したエッチング、クリーニングガスの開発にも注力してまいります。
(2)電池材料
リチウムイオン二次電池(LiB)は、ハイブリッド車用など電池搭載型自動車等に大きな需要が期待されており、従来から軽量化、長寿命化などの課題に対して、電池メーカー各社を中心に研究が盛んに行われております。当社も、LiB用電解質としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入しました(1997年)。LiPF6に続くLiB用の新しい電解質の開発も進め、LiBF4(ホウフッ化リチウム)の市場投入を開始しております。
また、新規電解質の探索、並びに高性能電解液用添加剤の開発も推進しており、当社が得意とするフッ素化技術を利用してLiB用添加剤であるFEC(フルオロエチレンカーボネート)を開発いたしました。
今後、ハイブリッド車や燃料電池自動車などの普及により電池材料分野が、長期的にはさらに発展することは間違いなく、難燃性機能を有する添加剤を含め幾つかの添加剤の開発も進めております。
(3)有機ファインケミカルズ
当社が得意とするフッ素化技術やその他のハロゲン化技術、有機合成技術を活用して、医農薬原料・中間体や液晶材料、各種機能性材料として使用されるフッ素を含有する有機化合物を中心に、高付加価値化合物の合成研究に取り組んでおります。2005年7月には水島工場内に有機ファイン多目的拡大設備を建設し、医農薬中間体・液晶材料などの生産を開始しました。また、受託合成にも積極的に取り組んでおり、この有機ファイン受託合成も今後の研究の一つの柱として育て上げていきます。このために昨年12月には、有機機能性材料事業を立ち上げると共に上市し、開発を促進させてまいります。
(4)機能性フッ素系樹脂
撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野には1997年から参入し、耐候性や防汚性に優れたフッ素樹脂「エフクリア」(2004年商標登録)を開発し、その特性を活かした市場開発を進めております。以来、ニッチな分野でユーザーからの採用件数は徐々に伸び、現在では防汚性を活かした各種製品(住宅建材;バス、キッチン等)のトップコートなどを中心に展開しております。さらに耐久性や耐擦傷性、防汚性等の特性を兼ね備えたアップグレード品の開発や新規用途の開拓(タッチパネル用など)を進めております。
(5)鉄系機能材料・無機ナノ材料
渋川開発研究所では、複写機、プリンター等向け現像剤用キャリヤーを開発し、ユーザー毎に取り組んでおります。キャリヤーとは、静電荷像現像方式の複写機等で使用される粉体材料であり、複写機内でトナーを搬送する役割をしております。30~100μmの導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の各種樹脂をコーティングして製造しております。
一方、時流や市場ニーズに即した新規機能性材料の開発にも取り組んでおり、長年に亘って培ってきた微細化技術を利用し、鉄系以外の材料も含めた無機ナノ材料を開発しました。現在では、積層セラミックコンデンサー用途や光学用途への展開を目指し、種々試作品のサンプルワークを進めております。
(6)新材料の研究探索
基礎研究所では、将来有望な分野を狙い、当社が保有する技術をベースに長期的研究テーマを中心に、積極的に調査・研究探索を行っております。具体的には、有機半導体材料や医薬中間体、電池関連材料などが有ります。今年度からは、上述の研究企画部と連携し、当社独自のフッ素化技術と有機・無機合成技術を基に研究開発を進め、5~10年先の当社のコアとなる新規技術や新規製品の開発を行ってまいります。
これまでの当社の研究開発は、研究統括部が研究全体を統括指導すると共に市場動向などの情報も集中管理し、基礎研究を行う基礎研究所と、市場導入に向けた研究を行う開発研究所(渋川分室と水島分室を含む)と、特許戦略及び知的財産保護に特化した知的財産室からなる体制で、研究開発の目的を明確にして市場ニーズへの迅速な対応を図ることで新規製品の開発に注力してまいりました。
2014年4月からは、さらに上記の各目的を明確にし、活動を活発化させるために新製品開発本部のもとに長期的な観点から基礎研究を進める研究企画部とユーザーに直結したテーマを進める開発営業部、知的財産関係を担当する研究・知的財産部の3部に分け、それぞれの担当部門の課題をスピーディに解決する体制に変更いたしました。また、研究所も独立させ、基礎研究を行う基礎研究所と、市場導入に向けた研究を行う渋川開発研究所、水島開発研究所とし、各研究所が責任を持って各々の技術的課題を解決する体制としました。
なお、当連結会計年度の研究開発投資額は、890百万円でありました。
主要研究テーマの概要及び今後の方向を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素樹脂、鉄系機能材料・無機ナノ材料が主要5テーマであります。更に、有機半導体やイオン液体等の新材料の探索研究に関しても積極的に取り組んでおります。
(1)半導体・液晶製造用の特殊ガス
現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとしてNF3、CF4、C2F6等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガスについて独自の特徴ある技術により開発し、世界でもトップクラスの製造能力と品質を持つ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。これらの用途としては主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチング用と、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄化するためのクリーニング用があります。半導体分野ではムーアの法則に従い、年々微細化が進み、当社でも微細エッチング用のガス・C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)など開発、上市をしております。近年では、3D化等の新技術の導入も進んでおり、これらに対応すべくガス開発を進めております。
今後は、さらなる微細化を見据えた新たなエッチングガスの開発の他に新材料や新プロセスに対応したエッチング、クリーニングガスの開発にも注力してまいります。
(2)電池材料
リチウムイオン二次電池(LiB)は、ハイブリッド車用など電池搭載型自動車等に大きな需要が期待されており、従来から軽量化、長寿命化などの課題に対して、電池メーカー各社を中心に研究が盛んに行われております。当社も、LiB用電解質としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入しました(1997年)。LiPF6に続くLiB用の新しい電解質の開発も進め、LiBF4(ホウフッ化リチウム)の市場投入を開始しております。
また、新規電解質の探索、並びに高性能電解液用添加剤の開発も推進しており、当社が得意とするフッ素化技術を利用してLiB用添加剤であるFEC(フルオロエチレンカーボネート)を開発いたしました。
今後、ハイブリッド車や燃料電池自動車などの普及により電池材料分野が、長期的にはさらに発展することは間違いなく、難燃性機能を有する添加剤を含め幾つかの添加剤の開発も進めております。
(3)有機ファインケミカルズ
当社が得意とするフッ素化技術やその他のハロゲン化技術、有機合成技術を活用して、医農薬原料・中間体や液晶材料、各種機能性材料として使用されるフッ素を含有する有機化合物を中心に、高付加価値化合物の合成研究に取り組んでおります。2005年7月には水島工場内に有機ファイン多目的拡大設備を建設し、医農薬中間体・液晶材料などの生産を開始しました。また、受託合成にも積極的に取り組んでおり、この有機ファイン受託合成も今後の研究の一つの柱として育て上げていきます。このために昨年12月には、有機機能性材料事業を立ち上げると共に上市し、開発を促進させてまいります。
(4)機能性フッ素系樹脂
撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野には1997年から参入し、耐候性や防汚性に優れたフッ素樹脂「エフクリア」(2004年商標登録)を開発し、その特性を活かした市場開発を進めております。以来、ニッチな分野でユーザーからの採用件数は徐々に伸び、現在では防汚性を活かした各種製品(住宅建材;バス、キッチン等)のトップコートなどを中心に展開しております。さらに耐久性や耐擦傷性、防汚性等の特性を兼ね備えたアップグレード品の開発や新規用途の開拓(タッチパネル用など)を進めております。
(5)鉄系機能材料・無機ナノ材料
渋川開発研究所では、複写機、プリンター等向け現像剤用キャリヤーを開発し、ユーザー毎に取り組んでおります。キャリヤーとは、静電荷像現像方式の複写機等で使用される粉体材料であり、複写機内でトナーを搬送する役割をしております。30~100μmの導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の各種樹脂をコーティングして製造しております。
一方、時流や市場ニーズに即した新規機能性材料の開発にも取り組んでおり、長年に亘って培ってきた微細化技術を利用し、鉄系以外の材料も含めた無機ナノ材料を開発しました。現在では、積層セラミックコンデンサー用途や光学用途への展開を目指し、種々試作品のサンプルワークを進めております。
(6)新材料の研究探索
基礎研究所では、将来有望な分野を狙い、当社が保有する技術をベースに長期的研究テーマを中心に、積極的に調査・研究探索を行っております。具体的には、有機半導体材料や医薬中間体、電池関連材料などが有ります。今年度からは、上述の研究企画部と連携し、当社独自のフッ素化技術と有機・無機合成技術を基に研究開発を進め、5~10年先の当社のコアとなる新規技術や新規製品の開発を行ってまいります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00772] S1002BW4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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