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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002EKT

有価証券報告書抜粋 日本酸素ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社及び連結子会社)は、従来技術の延長線上にないナンバーワン技術・オンリーワン技術に代表される「ワン」技術を次々と生み出し、他社との差別化を達成することで、世界の産業ガスメジャーと比肩しうる企業を目指しております。
環境・エネルギー、エレクトロニクス、医療分野といった先端産業分野を中心に、ファインマテリアル等の新素材分野の開発にも積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は31億70百万円であり、その内訳は「産業ガス関連事業」に17億46百万円、「エレクトロニクス関連事業」に10億21百万円、「その他事業」に4億2百万円となっております。主な研究開発活動の概要は次のとおりです。

〔産業ガス関連事業〕
産業ガス関連では、鉄鋼、化学工業、自動車産業等、様々な産業で当社製品・技術をご利用戴いております。当社では、山梨事業所、つくば事業所及び京浜事業所の3拠点が連携して研究開発を実施しています。

熱処理分野では、電気加熱変成炉が普及する中、当社の酸素燃焼技術を利用することで、工場の電気使用量を最大95%削減可能な「省エネ型酸素燃焼式高濃度ガス変成炉」(商品名:「CycroFlex」)を商品化いたしました。「CycroFlex」で生成する雰囲気ガスは、CO(一酸化炭素)、H2(水素)を従来よりも高濃度で生成することができるため、浸炭処理の時間を数十%短縮することが可能となりました。今後は、省エネ・省コストをアピールし、熱処理工場への拡販を図ってまいります。
高温超電導分野では、参画していた独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)プロジェクト「イットリウム系超電導電力機器技術開発」(期間:2008~2012年度)において、メンテナンスフリーネオン冷凍機の研究開発を完了いたしました。これに伴い、超電導電力機器を-200℃以下まで冷却することが可能な、世界初のネオンガスを冷媒とする2kW級「ターボ冷凍機」を商品化いたしました。今期は、国内向けに2kW級のターボ冷凍機を4基受注しております。また、海外においては、当社のターボ冷凍機を利用した超電導電力機器の冷却実験が開始されております。超電導電力機器は、省エネルギー電力技術の切り札として期待されており、実用化研究の段階に入っております。現在、長距離送電用ケーブルの冷却に適した10kW級ターボ冷凍機を開発中であり、商品ラインアップの充実を図ってまいります。
新エネルギー分野では、燃料電池自動車(以下、FCV)に70MPaという高圧の水素ガス供給が可能で、低コスト・コンパクトなパッケージ型水素ステーション(商品名:「Hydro Shuttle」)を商品化いたしました。FCVは、2015年より自動車メーカーによる一般販売が計画されており、水素ステーションの設置が急務となっております。水素ステーションは、2013年度からの3年間で、全国4大都市圏に100か所程度の設置が計画されておりますが、設置場所の制限、高額な設置コストが普及の大きな課題となっております。「Hydro Shuttle」は、“移動式”の水素ステーションとしても対応可能であり、FCVの普及初期において導入しやすい設備として評価されています。今期、すでに水素ステーション関連での受注実績をあげております。
ジェネレータ分野では、自社開発した高性能吸着剤と新たな分離プロセスを採用することで消費電力を大幅に削減可能なPSA 式窒素ガス発生装置の新型機(REシリーズとLTシリーズ)を商品化いたしました。99.999%(ファイブナイン)の高純度が必要とされるファイバーレーザ加工機向けに採用頂き、好評をいただいております。一方、海外展開として、台湾のPSAメーカーであるBenson社へ出資を行い、同社中国工場において窒素ガス発生装置(当社仕様)の現地生産を開始いたしました。今後は、東南アジア市場における主力の工場として、競争力を高めてまいります。
新素材分野では、フッ素樹脂に長尺で結晶度の高い自社製カーボンナノチューブを微量添加することで、高い電気伝導性を付加した「高機能フッ素樹脂」を商品化いたしました。現在、フッ素樹脂メーカーを中心に、販売促進を行っております。また、スマートフォン向けタッチパネルセンサーに用いられる透明導電膜や帯電防止膜等への用途に向けて開発を継続して進めております。
また、金属ナノ粒子では、酸素燃焼技術を活用した乾式の微粒子製造プロセスを開発し、球形で100nm前後の微細な金属ナノ粒子を高品質で大量に製造する技術を確立いたしました。適応可能な金属種としては、既に実用化しているガラスを初めとして、電子部品材料分野で幅広く使用されている銅、ニッケル、銀等が挙げられます。今期には、さらに付加価値を高めた「コアシェル粒子」の合成にも成功しました。今後は、これらの金属ナノ粒子を先端産業ユーザーに幅広くPRし、本格的な事業化を目指してまいります。
〔エレクトロニクス関連事業〕
エレクトロニクス分野では、半導体メーカーを中心に、材料ガス、精製・除害装置、MOCVD装置等をご利用戴いております。当社では、つくば事業所及び水江事業所の2拠点が連携して研究開発を実施しています。
MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置関連では、8インチ基板6枚(6インチ基板10枚)に対応した、大量処理能力を有する「UR26K」を上市し、複数の顧客へ受注実績を上げております。さらに、窒化ガリウム(以下、GaN )パワーデバイスのコンソーシアムである名古屋工業大学「窒化物半導体マルチビジネス創生センター」に参画し、更なる高性能化に取り組んでいます。また、GaN素子の新しい用途として、家電、通信機器、車載など電力制御の省エネを目的として使用されるパワーデバイスの実用化が始まりつつあります。このGaNパワーデバイスの製造では、基板にシリコンウエハーを用いるため、従来のLED製造用途よりも一層の大口径化(8インチ対応)が必要とされています。当社では大口径化開発を継続して実施しており、MOCVD装置へのガス供給、精製及び排気等を担うガス関連機器の開発にも引き続き取り組んでまいります。また、顧客の仕様に合わせた供給から排気までの最適なガストータルシステムの提供を行ってまいります。
地球温暖化対策関連では、新たにIC、パワーデバイス市場に向けた小流量、低コスト除害装置として直流アークプラズマ式除害装置「VEGA-PLAZMAⅡ」を上市し、販売実績を上げております。半導体、液晶、太陽電池の製造プロセスで使用される地球温暖化係数が高いパーフルオロ化合物(PFCs)に対しては、従来の燃焼除害、乾式除害と共に排出削減に貢献する技術開発を継続してまいります。
SiCパワー半導体市場向けでは、エピ装置用部品の再利用を目的としたSiCデバイスの製造コストを低減するドライクリーニング技術を確立いたしました。SiCデバイスは、省エネデバイスとして今後の成長が期待されております。
半導体の更なる集積化に対応するための最先端の研究開発では、原子スケールの技術開発が進められており、当社では、トレンドに合わせた材料ガスとその供給システムの開発を実施しています。特に半導体製造装置メーカーとのコラボレーションワークを推進することで、顧客への材料及びプロセスの一括提案を行ってまいります。

〔その他事業〕
医療・ライフサイエンス分野では、タンパク質の機能解明や抗体医薬研究に資する「タンパク質の無細胞合成技術」の開発を進めております。その中で、抗体たんぱく質の合成を目的としたキット「無細胞くんSI SS」を商品化いたしました。このキットは、多品種の抗体を効率的に合成することができることから、大学・研究所や製薬企業などで高い評価を頂いており、現在、新たなアプリケーションの開発を大学・研究所等と共同で進めております。「無細胞くん」シリーズのグローバル展開においても、米国Sigma-Aldrich社を通じ、取り組みを開始いたしました。
その他には、タンパク質や代謝物解析用SIタグ試薬キット「Py-Tag for proteins」を開発し、販売を開始しております。今後は、新製品・アプリケーション開発と併せ、事業の拡大を目指してまいります。
バイオメディカル分野では、iPS細胞専用の凍結プログラムを組み込んだ液体窒素式全自動凍結保存装置「クライオライブラリー CAPS-i3000」を商品化いたしました。2011年度から参画しているNEDO事業「ヒト幹細胞産業応用促進基盤技術開発」において、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)主導のもと、培養から凍結・保存・解凍まで一連の操作の自動化に取り組んでまいりました。これらの成果として、産業応用に必要なヒトiPS細胞専用の凍結プログラムを確立し、凍結保存されたヒトiPS細胞の解凍後における高い生細胞率(80%以上)を達成いたしました。今後も、創薬分野や再生医療分野での研究応用が活発化しており、先端医療分野に向けた凍結保存システムである「クライオライブラリー」のラインアップ充実を図ってまいります。
家庭用品分野においては、「おいしさ、なるほど。サーモスマジック」をコンセプトに掲げ、独自の断熱技術とユニークな生活快適発想を柔軟に組合せた夢あるライフスタイルの創造を目指し、積極的な商品開発を推進しております。
直接飲めるスポーツ&キッズボトルのカテゴリーでは、さらなる軽量化を計り擦れなどにも強い丈夫なポーチを採用した新商品を投入いたしました。
ホームカテゴリーの卓上用ポットでは新技術を用い軽量化を図り、倒れても漏れない衛生的な分解中栓を採用した商品を開発いたしました。
ケータイマグ真空断熱フードコンテナーは、より多くのシーンでご使用頂けるようサイズとカラーバリエーションを増やしユーザーへの訴求を強化いたしました。
冷たさが長持ちする魔法瓶構造のタンブラーもサイズバリエーションを増やし自宅やアウトドアでも楽しめ好評を得ました。また、サントリーと共同でマイボトルドリンク「drop(ドロップ)」を開発し市場で高い評価を得ました。
当該通期に投入した新商品は38機種となります。
これら積極的な新商品投入を続けることにより、サーモスブランドは「新しいライフスタイルやそれを可能にする商品を提案するブランド」として、市場やエンドユーザーから高い評価を受けています。

(注) 上記の金額に、消費税等は含まれておりません。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00783] S1002EKT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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