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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002B0X

有価証券報告書抜粋 雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱およびビーンスターク・スノー㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、中期事業戦略上急務となっている研究開発課題や、長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料やエネルギーの高騰など、当社を取り巻く環境は今後更に急速に変化していくものと捉えており、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行なっております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は3,804百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〔乳製品事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,740百万円です。
① 当社
ナチュラルチーズカテゴリーでは、伸長するおやつ・おつまみ用チーズのさらなる拡大を図り、ほたてのような食感と味わいが楽しめる「雪印北海道100 さけるチーズ ほたて味」、お酒に合う「雪印北海道100 カマンベールチーズ ハーブ&ガーリック 切れてるタイプ」を発売いたしました。また、日本のチーズ需要拡大に向けた新たな食シーンの提案として、もっちりとのびるチーズ料理「アリゴ(ALIGOT)」を発売いたしました。当社は業務用としても「チーズソフトアリゴ」を発売しており、家庭用、業務用の両面からメニューの認知度を高め、アリゴの定着化を図って参ります。さらに、フレッシュチーズをスイーツとしてお召し上がりいただける「マスカルポーネ スイーツ ラムレーズン」、「マスカルポーネ スイーツ バニラ」を発売し、チーズの消費シーンの拡大を図って参ります。
プロセスチーズカテゴリーでは、内容量、価格を変更した「ベビーチーズ」シリーズを市場に投入し、ユーザーのニーズに応えるお求めやすさの実現を図りました。また、幼児向けチーズのバラエティ品として「1才からのチーズ かぼちゃ&りんご入り」、おなじみの6Pチーズブランドからクリーミーでマイルドな味わいの「6Pチーズ クリーミー」、粉チーズにサクサクした食感とこんがりチーズの香ばしさを付与した新しいタイプの商品「こんがり粉 チーズ風味」を発売いたしました。
バター・油脂カテゴリーでは、ロングセラーブランド「ネオソフト」のさらなる活性化を図るべく、ほのかな甘みのミルク味が楽しい「白いネオソフト」を発売し、若年女性層のファン獲得を図っております。
乳製品事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主においしさの評価技術と当社独自の乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・食品に含まれる香気成分の香りが味の強さに及ぼす影響について、新たな知見を得ました。
・食品の微細構造の観察において、特に困難とされていた水分の多い乳製品の観察について、従来とは異なる手法を試みて新たな知見を得ました。
・当社独自の機能性素材である「ホエイペプチドHW-3」の摂取が、紫外線による肌のダメージを抑制する可能性を、新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である「ホエイペプチドHW-3」の摂取が、肝臓での脂質代謝を改善する可能性を、新たに見出しました。
・当社独自の乳酸菌である「ヘルベティカス菌SBT2171」が免疫細胞の過剰な活性化を制御し、炎症を制御する可能性を新たに見出しました。
これらの研究成果は、AChemS 2013 Annual Meeting(開催地:米国・カリフォルニア州)、日本顕微鏡学会、日本栄養・食糧学会などの各学会で発表いたしました。

より使い易い商品をお客様にお届けするために培ってきた容器包装技術を駆使し、使用途中で紙パッケージの不要部分を切り離してよりコンパクトに再封できるよう改良した「雪印 切れてるチーズ180g(2袋入り)」については、日本包装技術協会主催の2013日本パッケージングコンテストで「アクセシブルデザイン包装賞」を受賞するなど、高い評価を得ました。

② ビーンスターク・スノー㈱
商品開発では、基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売いたしました。「ビーンスターク・すこやかM1」は、長年の母乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。「ビーンスターク・つよいこ」は、離乳期からの乳幼児の発育に重要なDHAと鉄を強化したフォローアップミルクです。また、ベビーフードでは、どこでも具だくさんの食事が食べられるカップ入りレトルトタイプの「どこでも素材満菜」シリーズ4品を発売いたしました。
研究開発では、「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでおります。

専門学会での外部発表では、乳幼児や母親周辺での調査・研究成果として、DHAサプリメント摂取による母乳成分に及ぼす影響(栄養・食糧学会、新生児栄養フォーラム)や母乳成分の昼夜変動に関する研究(栄養・食糧学会)、ポリアミン投与による低栄養モデルマウスへの影響(ポリアミン学会)について講演いたしました。また、外部研究機関との共同研究成果として、牛乳アレルギーにおける免疫寛容誘導(アレルギー学会、小児アレルギー学会)について発表いたしました。さらに、埼玉県立大学、大妻女子大学の学生への研修や母乳育児支援セミナー(福岡、長崎、鹿児島)での講演なども実施いたしました。

〔飲料・デザート類事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,269百万円です。
・ 当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、会社を代表する商品として「メグミルク牛乳」を「雪印メグミルク牛乳」に変更するとともに、白物飲料においてビジュアルアイデンティティ(VI)の統一を行ない、お客様が商品特長を一目でわかり、売り場で楽しく商品選択ができるデザインに改良しました。あわせて酸味が苦手な方も手軽にビフィズス菌が摂取できる「ビフィズス菌入りミルク」を発売いたしました。カップ飲料商品では、シェイクしてくだけたジュレの食感を楽しめる「GELEE GELEE LATTE」シリーズを新たに発売いたしました。あわせて、“ミルクのおいしさにこだわったラテ”のコンセプトで「FARM LATTE」シリーズを改良して商品力を向上させました。
果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、野菜系飲料において、伸張している「野菜1日分」のコンセプトでターゲット別の新しい提案商品「食べ順1日野菜プラス」、「鉄分1日野菜プラス」、「カルシウム1日野菜プラス」を発売いたしました。
ヨーグルトカテゴリーでは、乳酸菌研究において様々な健康効果が明らかになっている当社独自の2つのプロバイオティクス乳酸菌、「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を使用した商品開発および商品力向上に引き続き注力いたしております。「恵 megumi」ブランドにおいては、簡易的に乳酸菌を摂取しやすいことから成長性が高い商品群である、小型ボトルタイプの「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト(ドリンクタイプ)」「ビフィズス菌SP株カプセルヨーグルト(ドリンクタイプ)」を発売すると共に、4ポットタイプを「ナチュレ 恵 megumi はちみつりんご+彩りフルーツミックス」の発売により4品8フレーバーに拡充しました。その他3品についても一部アイテムを入れ替え「ナチュレ 恵 megumi ブルーベリー+いちご」、「ナチュレ 恵 megumi 7種のフルーツミックス+白桃」、「ナチュレ 恵 megumi アロエ+マンゴーミックス」の組み合わせで発売いたしました。
さらには健康美容食品市場の拡大を背景に、当社独自素材「ミルクセラミドMC-5」を配合した美容系フルーツヨーグルト「ミルクセラミドヨーグルト アセロラミックス」を開発いたしました。
デザートカテゴリーでは、当社独自の特許技術を活用した多層デザート「重ねドルチェ」シリーズにおいて、新たな組み合わせのおいしさを提案する、ヨーグルトを使った本格的なスイーツ「重ねドルチェ 新しい出会い ヨーグルトスイーツ」を開発するとともに、基幹フレーバーの「重ねドルチェ ティラミス」を季節に合わせた風味改良を行ない、市場での定着化をさらに進めました。また、コーヒー・紅茶との相性をポイントにした「コーヒーといっしょに。ビターチョコプリン」、「紅茶といっしょに。レアチーズプリン」を新たにシリーズとして立ち上げました。
クリームカテゴリーでは、基幹商品である植物性ホイップ2品をより口どけよく改良いたしました。

飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「牛乳・乳飲料」、「ヨーグルト」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス乳酸菌である「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を含むヨーグルトの摂取が、ヒトのストレスホルモンを減少させてストレス低減に寄与する可能性を新たに見出しました。
・当社独自のプロバイオティクス乳酸菌である「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を含むヨーグルトの摂取が、免疫活性の指標であるNK細胞の活性を上昇させるという新たな知見を得ました。
・当社独自のプロバイオティクス乳酸菌である「ガセリ菌SP株」が歯周病に対する抗炎症効果を有する可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である乳塩基性タンパク質「MBPⓇ」が、真皮の成分であるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの生成を促進する可能性を新たに見出しました。
これらの研究成果は日本乳酸菌学会、第16回国際粘膜免疫学会(開催地:カナダ・バンクーバー)、2013年度酪農科学シンポジウム、日本栄養・食糧学会などの各学会で発表するとともに、「ガセリ菌SP株」および「ビフィズス菌SP株」を使用した「ナチュレ 恵 megumi」をはじめとする「恵 megumi」ブランド商品や、「MBPⓇ」を使用した「毎日骨太」ブランド商品をはじめとした当社基幹商品の価値向上に活用いたしました。
さらに、北海道大学遺伝子病制御研究室に開設している当社寄附講座「プロバイオティクス・イムノロジー研究部門」においては、プロバイオティクス乳酸菌がもたらす疾病予防機能の評価および作用機序の解明を目指した研究を行なっております。本寄附講座では、「ガセリ菌SP株」の摂取がA型インフルエンザウイルスの感染に対する予防効果を示したり、モデル動物の寿命を延長するなどの新たな知見に関する研究成果をあげており、日本基礎老化学会、腸内細菌学会、日本乳酸菌学会、日本食品免疫学会などの学会にて発表いたしました。
また、「重ねドルチェ」シリーズの開発において培った当社独自の特許製造技術「風味・食感の良好な多層デザート(特許第4022558号)」は、2013年度北海道地方発明表彰において日本弁理士会会長奨励賞を受賞するなど、高い評価をいただきました。

〔飼料・種苗事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は794百万円です。
・ 雪印種苗㈱
「農業と環境」への貢献をめざして、牧草・飼料作物種子や乳牛用・肉牛用の配・混合飼料製品、また、良質なサイレージ発酵を促す乳酸菌資材などの酪農畜産に係る分野を中心に、安全・安心や低コスト生産をサポートする緑肥作物や野菜種子などの畑作園芸分野、豊かな生活と環境に配慮した芝草種子・緑化技術などの環境緑化分野まで、幅広い分野で研究開発を進めております。
飼料事業分野では、代用乳の新規素材の評価が終わり、試作製造・現地調査について継続して検討しています。人工乳の新原料についても効果が確認され、試験製造を行ない現地確認の予定です。ペレニアルライグラス、オーチャードグラスのサイレージの給与試験を行ないペレニアル給与により乳量2kg/日・頭増加し、給与穀類も少なくできることが示されました。次年度はこれらサイレージに対応する製品について検討いたします。
種苗事業分野では、寒地牧草は、品種選定試験に供試しているチモシー早生チモシー「ホライズン」の後継系統(仮称マオイ)、メドウフェスク「リグロ」の後継系統(コスモポリタン)が優良品種になり、チモシーにつきましては品種登録申請を済ませました。販売開始は両系統ともに2018年頃を予定しております。イタリアンライグラスは、低硝酸系統が硝酸含量が少なく、耐倒伏性に優れることから試験と並行して種子増殖を進めております。トウモロコシは、府県ではスノーデント125T「SH2821」(スノー125V後継)を品種採択、スノー118後継(スノーデントSM1023)の実規模採種を行ない採種性を確認しております(2015年販売予定)。北海道ではニューデント85「エリオット」が優良品種となりました。また、北海道用の次期販売品種としてネオデント90日「クロノス90」、ネオデント95日「エスパス95」を品種採択し、既存品種と随時切り替えを予定しております。野菜種子は、ダイコンでトンネル播きの春宴は汎用性のある品種であることが確認されました。コマツナ「CM-10」は試作結果が良好で営業試作へ移行いたしました。エダマメはレギュラータイプの良食味系エダマメ「サヤタカラ」(H28年販売予定)、エダマメ(SB1018、仮称青豊、H26年販売予定)を品種採択しSB1018は品種登録申請いたしました。花卉種苗では、ポットカーネーション事業の海外における苗生産が軌道に乗り良質な苗の供給が可能になるとともに、今後拡売が期待されております。品種開発では7月には導入品種の「フルート」、「オルフィカ」、「ケアロハ」、8月には自社開発の「パナシェ」、導入の「レッチーノ」、「カプア」の品種登録を出願いたしました。シクラメンでは12月には(オペレッタドレス)を品種採択し、品種登録を申請いたしました。乳酸菌関係では畜草1号の改良版「畜草1号プラス」を販売に移しました。闘根の拡売のために培養土への利用を検討しておりますが、製造原価高が障害になっています。この解決に向け製造部門と協力し闘根原料回収装置を試作し試験を行なったところ回収の目途が立ちましたので、次年度装置を製作予定であります。また、根菜類の肥大を促進する商材を開発し現地試験を展開したところ安定した結果が認められたことから、根菜用液肥「SSH-555」の商品名で2014年に試験販売、その結果を受けて商品採択する予定であります。
環境緑化事業分野では、導入開発を継続し、本年度は昨年に引き続き品種を絞り込み、次年度にはアワードなどの後継品種を選定できる予定であります。ベントグラス「CY-2」の後継系統の開発は、構成株を決定し北海道に採種圃場を設置し、2014年秋から評価試験へ移行予定であります。

2013年度はIDF(国際酪農連盟)主催のIDFワールドデイリーサミットが10月28日から11月1日に横浜で開催され、56カ国から2,226名が参加いたしました。当社および共同研究先からは24件の研究発表を行ない、チーズのテクスチャー・風味や機能性、電子顕微鏡を用いた食品の評価や当社独自の乳酸菌である「ガセリ菌SP株」の様々な健康機能、当社独自の機能性素材である乳塩基性タンパク質「MBPⓇ」の骨代謝など、乳を中心とした食品に展開可能な新たな研究成果を幅広く発表いたしました。

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23202] S1002B0X)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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