有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10024HH
武田薬品工業株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社は、医薬事業を中心に、幅広い研究開発活動を展開しております。
当年度における全体の研究開発費は3,416億円であり、うち、医療用医薬品事業において 3,355億円、ヘルスケア事業において13億円を計上しております。当社では、全体にかかる研究開発費のほとんどを医療用医薬品の研究開発活動にあてております。
(医療用医薬品事業)
当社は、アンメットメディカルニーズが高く、当社の強みが発揮できる「代謝性・循環器系疾患」、「癌」、「中枢神経系疾患」、「免疫・呼吸器系疾患」、「消化器・腎臓系・その他疾患」、「ワクチン」を重点領域と位置付け、経営資源を投下し、画期的新薬の創出に挑戦しています。なお、研究開発の戦略を整合させつつ、強靭かつ効率的なオペレーティングモデルを構築するため、当社の100%子会社であるミレニアム社の癌領域に関する研究開発機能を、昨年5月、CMSO部門に統合しました。
当年度における研究開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです。
①自社創製品に関する取り組み
・昨年4月、高血圧症治療剤「アジルバ(一般名:アジルサルタン)」とアムロジピンベシル酸塩の合剤について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出し、本年3月、高血圧症治療剤「ザクラス配合錠」として製造販売承認を取得し、同年6月、日本にて販売を開始しました。
・昨年6月、多発性骨髄腫治療薬「MLN9708(一般名:ixazomib)」について、米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO)において、再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした単独投与の臨床第1相試験結果を発表しました。
昨年11月、グローバルで実施している再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした臨床第3相試験(TOURMALINE-MM1試験)への日本の参加を決定し、本試験を開始しました。
また、昨年12月、第55回米国血液学会年次総会(ASH)において、未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした、「MLN9708」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」併用療法の臨床第1/2相試験について、第1相パートの最終結果と第2相パートの初期データを発表しました。
・昨年6月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、成人の中等度から重度の活動期クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とした生物学的製剤承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出し、昨年9月、潰瘍性大腸炎を適応症とした生物学的製剤承認申請がFDAより優先審査に指定されました。
昨年12月、FDAの消化器系用薬諮問委員会および医薬安全・リスク管理諮問委員会の合同委員会において、成人の中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療薬として、FDAでの承認を推奨するという見解が示され、本年5月、両適応症について、FDAより販売承認を取得し、同年6月、米国にて販売を開始しました。
本年3月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)において標準治療薬もしくは抗TNFα抗体による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病の治療薬として、承認を推奨する見解が示され、同年5月、両適応症について、欧州委員会(EC)より販売許可を取得しました。
本年1月、日本における中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象とした2つの臨床第3相試験を開始しました。
なお、昨年8月、本剤の臨床第3相試験結果が医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。
・昨年7月、2型糖尿病治療剤「ビピディーア(一般名:アログリプチン)」、「ビプドメット(「ビピディーア」と同治療剤「メトホルミン」の合剤)」、および「インクリーシンク(「ビピディーア」と同治療剤「アクトス」の合剤)」について、EMAのCHMPより販売承認を推奨する見解が示され、同年9月、ECより販売許可を取得しました。昨年7月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」について、中国国家食品薬品監督管理局(CFDA)より輸入販売許可を取得しました。
昨年9月、「アログリプチン」について、欧州心臓学会(ESC)において、心血管への安全性を評価した試験(EXAMINE試験)の結果概要を発表しました。なお、本試験結果については医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。さらに、本年3月、米国心臓病学会(ACC)において、EXAMINE試験のサブ解析結果を発表しました。
本年5月、「ネシーナ」について、厚生労働省より、効能・効果を「2型糖尿病」とする一部変更承認を取得しました。これにより、これまで併用効能が承認されていなかった速効型インスリン分泌促進薬を含め、本剤と実臨床において併用が想定される全ての経口血糖降下薬およびインスリン製剤との併用が可能となりました。
・昨年10月、当社が現在開発中のノロウイルスワクチン(筋注、GI/GII の2価ワクチン)について、米国感染症学会週間(Infectious Disease Week 2013)において、臨床第1/2相試験の結果を発表しました。
・昨年12月、多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)」について、第55回ASHにおいて、未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした臨床第3相試験であるVISTA試験から得られた全生存期間に関する試験結果を発表しました。
・本年2月、酸関連疾患治療薬「TAK-438(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。本年5月、米国消化器病週間(Digestive Disease Week)において、本薬の5つの臨床第3相試験結果を発表しました。
・本年3月、2型糖尿病治療薬「SYR-472(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。
・本年3月、消化性潰瘍治療剤「タケプロン(一般名:ランソプラゾール)」と低用量アスピリンの合剤である「タケルダ配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年6月、日本にて販売を開始しました。
・昨年12月、2型糖尿病治療薬「TAK-875(一般名:fasiglifam)」について、肝における安全性の懸念から、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。
・本年6月、前立腺がん治療薬「TAK-700(一般名:オルテロネル)」について、2つの臨床第3相試験において、主要評価項目である全生存期間の改善がみられなかった結果を踏まえ、他に前立腺がんに対して治療オプションが存在することも考慮し、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。
②導入品(アライアンス)等に関する取り組み
・昨年5月、デンマーク「ルンドベック社」より導入した大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)」について、第166回米国精神医学会年次総会において、全般的なうつ症状の改善効果を評価した臨床第3相試験結果を発表しました。昨年9月、本剤について、FDAより、成人の大うつ病を適応症とした販売許可を取得しました。
本年6月、米国臨床精神薬理学会年次総会において、本剤が、大うつ病治療に起因する性機能障害に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。また、同月、国際神経精神薬理学会において、本剤が、認知機能に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。
・昨年6月、米国「シアトルジェネティクス社」より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ・ベドチン)」について、ASCOにおいて、小児の再発・難治性CD30陽性ホジキンリンパ腫患者または全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした臨床第1/2相試験の第1相パートの中間解析結果を発表しました。また、昨年12月、第55回ASHにおいて、再発・難治性ホジキンリンパ腫患者および再発・難治性全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした2つの臨床第2相試験の全生存期間に関する最新データを発表しました。
本年1月、本剤について、再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫を適応症として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年7月、当社と米国「ジンファンデル社」は、国際アルツハイマー病学会において、TOMM40遺伝子も加えたバイオマーカーを用いたアルゴリズムによるアルツハイマー病発症リスク評価のシミュレーションの結果を発表しました。昨年8月、「AD-4833(一般名:ピオグリタゾン)/TOMM40」について、臨床第3相試験(TOMMORROW試験)を開始しました。
・昨年8月、「大日本住友製薬株式会社」より導入した非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン塩酸塩)」について、統合失調症を適応症として、スイス医薬品局(swissmedic)より販売許可を取得しました。また、本年1月、EMAのCHMPより、本薬の承認を推奨する見解が示され、本年3月、ECより、統合失調症を適応症として販売許可を取得しました。
・昨年9月、オランダ「ノルジーン社」より導入した肥満症治療剤「オブリーン(一般名:セチリスタット)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・昨年9月、スイス「ノバルティス社」より導入したHibワクチン「TAK-816」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。
・昨年12月、当社は、米国「ナトロジェン・セラピューティクス・インターナショナル社」と、同社が保有する潰瘍性大腸炎治療薬「Natura-alpha」(現在、臨床第2相試験の段階)に関し、当社が独占的開発権等とともに、同社買収のオプション権を取得する契約を締結しました。
・昨年12月、カナダ「パラディン社」より導入したエチレングリコール・メタノール中毒治療薬「ホメピゾール(一般名)」について、製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。本薬は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討を受け、「一般社団法人未承認薬等開発支援センター」より開発費の助成を受けています。
・本年3月、当社は、米国「トリアーニ社」と、同社が保有するモノクローナル抗体作製の基盤技術である「Trianniマウス」の使用権を獲得するライセンス契約を締結しました。当社は、「トリアーニ社」の有する次世代の遺伝子導入マウスの基盤技術を用いて、研究対象とする全ての疾患領域において、ヒト型モノクローナル抗体の作製が可能になります。
・本年3月、米国「バクスター・インターナショナル社」より導入した細胞培養技術を用いて当社光工場で製造する新型インフルエンザワクチン「細胞培養インフルエンザワクチンH5N1「タケダ」 1mL(一般名:細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1株))」および「細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ※)「タケダ」1mL(一般名:細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ))」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
※プロトタイプワクチンとは、H5N1以外のインフルエンザウイルスが流行した場合に迅速に対応するために開発するワクチンです。
・本年4月、当社は、イスラエル「テバ社」と、同社が保有するパーキンソン病治療薬「ラサジリン(一般名)」について、日本における製品化に関する契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における開発および製造販売承認申請を行います。
・本年5月、当社は、米国「マクロジェニクス社」と、同社が保有する新薬候補物質である「MGD010」(現在、自己免疫疾患を対象に前臨床試験を実施)について、開発・販売に関するオプション契約を締結しました。
・本年6月、米国「アフィマックス社」より導入した腎性貧血治療剤「オモンティス(一般名:ペギネサタイド)」について、重篤な過敏性反応の原因究明のための調査結果と同社との協議に基づき、本剤の米国における新薬承認申請の取り下げと本剤に関する同社との共同事業を本年9月をもって解消することを決定しました
③共同研究に関する取り組み
・昨年9月、当社は、米国の「メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター」、「ロックフェラー大学」、「コーネル大学」およびこれら3つのアカデミア研究機関が共同で設立した「Tri-Institutional Therapeutics Discovery Institute (Tri-I TDI)」と共同研究に関する契約を締結しました。Tri-I TDIの目的は、基礎研究の成果を、特定の生体内反応と疾病の発症・進展の関係について医薬品候補化合物を用い検証する「プルーフ・オブ・コンセプト(POC)(注)」試験へ進めることにあります。
(注)ヒトにおける有効性・安全性の実証
・昨年12月、当社は、「一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)」の第1回助成案件に選定されたMedicines for Malaria Venture (MMV)の抗マラリア薬「DSM265」の開発および「ELQ300」の製剤化について、MMVと共同研究開発を実施する契約締結を発表しました。
④研究開発体制の整備・強化
・昨年5月、ワクチン事業の強化を目的として、米国「インビラージェン Inc.」を買収しました。
・昨年8月、当社は、国内の癌領域開発体制の強化を目的として、当社の100%子会社である「武田バイオ開発センター株式会社」と、同社全事業に関する事業譲渡契約を締結するとともに、2014年4月に事業譲渡を完了し、その後同社を解散することを決定しました。
・本年4月、当社は、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備に関する日本政府の財政支援事業(第二次実生産設備整備事業)の追加公募について、助成金交付先として選定されました。
(ヘルスケア事業)
健康維持・増進に対する生活者の意識やニーズが高まる中で、常に生活者の立場から発想し、生活者のニーズに合った製品を提供し続けることを使命と考えております。
高付加価値を追求しながら、エビデンスに裏付けられた高品質かつ有効性・安全性の高い製品の開発を進めてまいります。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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