有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10024HH
武田薬品工業株式会社 対処すべき課題 (2014年3月期)
当社は、「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を全ての企業活動の根幹に位置付け、研究開発型の製薬企業として、継続的に新薬を創出し、世界中の患者さんにお届けすることで、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションの実現を目指しております。
当社は、進出地域の拡大や製品の多様化といったビジネスモデルが急激に変化している状況において、タケダが目指す2020年の姿を示した「ビジョン 2020」を策定しています。その実現に向けてスタートした2013年度を起点とする中期成長戦略では、「Globalization(グローバル化の推進)」「Diversity(多様性の追求)」「Innovation(革新への挑戦)」の基本戦略を実行し、グローバル製薬企業に相応しい強靭で効率的なオペレーティングモデルへの変革を実現することで、持続的な成長をより確かなものとしてまいります。中長期の全社経営戦略およびグローバル経営に関わる重要な方針決定を担当するChief Executive Officer (CEO)と、業務執行全般の責任を担うChief Operating Officer (COO)がリードする新たな体制で臨む2014年度は、これまでの戦略のさらなる強化と、その展開の加速化に取り組んでまいります。
「Better Health, Brighter Future」
“病気に苦しむ患者さんに、人生のかけがえのない時間を少しでも取り戻していただきたい” 創業から230年以上にわたり、タケダはその想いのもと、革新的な新薬の創出を通じて社会に貢献してきました。 そしてこれからも、世界のより多くの人々がそれぞれの人生を豊かに過ごせるよう予防から治療・治癒にわたる医療の多様なニーズに応える新しい解決方法を提供していくことが私たちタケダの使命です。
“世界の国々や地域に根を下ろし、それぞれ異なる真の医療ニーズを理解する” “つねに社会に奉仕する気持ちを忘れず、緊迫感とスピード感を持ち、どこよりも高い効率性を発揮して業界をリードする最適な答えを提供する” ダイバーシティが活きる組織の力を「Global One Takeda」として結集させ、医療の未来を変革する努力を、私たちタケダは続けていきます。
医療に対する飽くなき情熱と人々の生命に貢献するという揺るぎない信念を持ち、世界中の人々がより健康で明るく過ごせる新たな230年を切り拓いていきます。
・Our Business:すべては人々の健康のために
世界には、新しい医療の解決策を今か今かと待ち望んでいる人々が数多くいます。 “革新的な新薬、そして高品質なブランドジェネリック医薬品、ワクチン、OTC医薬品をお届けすることで、少しでも早く、少しでも多くの人々の願いに応えていきたい” それが私たちタケダの変わらぬ想いです。
・Our Organization:ダイバーシティを力に
世界中で働く私たちは「タケダイズム」という一つの価値観で繋がっています。 同時にタケダは、一人ひとりの多様な能力や考え方を大切にしています。 そうすることで世界各地の異なるニーズにこれまでにない新しい方法で応えていくことができると信じているからです。 働く一人ひとりの意思決定を尊重し、迅速に行動することで、人々のQuality of Lifeの向上を追求し続けます。
・Our People:情熱を原動力に
ともに働く仲間こそ、タケダの最大の財産です。 私たちは、もっと成長したい、もっと人々や社会に貢献したい、という強い想いに突き動かされ、確かな自信と偏見のない公正な心で、つねに新しい目標に向かって挑戦を続けます。 こうした情熱を原動力に、未来のより良い医療への変革をリードしていきます。
当社は、2014年度以降も引き続き「Globalization」「Diversity」「Innovation」の基本戦略を実行してまいります。
・Globalization
当社は、革新的な新薬を事業の中心に位置付け、世界中に事業基盤を有する強みを最大限に活用し、先進国と新興国の市場特性に合わせた競争力の高い製品ポートフォリオを構築し、最適な販売戦略のもと、グローバルでの成長を遂げてまいります。
先進国市場
先進国市場においては、疾患領域における最適なコマーシャルモデルを新たに構築することで、多様な新製品と今後も増加する有望なパイプラインの製品価値を早期に最大化します。
日本市場
戦略製品である糖尿病治療剤「ネシーナ」ファミリーと高血圧症治療剤「アジルバ」ファミリーを中心として、新製品と注力品の売上最大化を実現します。新たな疾患領域担当MR体制のもと、専門性を一層高めた情報活動を行うとともに、今後も増加することが見込まれる新製品の価値を早期に最大化する効果的・効率的な取り組みを推進することで、引き続き、国内No.1シェアを堅持します。
米国市場
糖尿病治療剤「ネシーナ」ファミリーと大うつ病治療剤「ブリンテリックス」をはじめ、今後承認が見込まれるクローン病・潰瘍性大腸炎治療薬と肥満症治療薬を加えた新製品の速やかな立ち上げと市場浸透を実現するため、積極的にマーケティング費用を投下します。また、痛風治療剤「コルクリス」、高尿酸血症治療剤「ユーロリック」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」などを含めた多様な製品の価値を最大化するため、疾患領域毎の最適な販売戦略の立案・実行とコマーシャルモデルの構築を一層推進します。
欧州市場
既存品の売上を維持・拡大するとともに、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」などの癌領域を含む新製品の早期市場浸透に注力することでスペシャリティケア事業を強化し、厳しい市場環境の中でも高い収益性と持続的成長を実現する事業体制を整備します。
新興国市場
ロシア・ブラジル・中国を中心に、ブランドジェネリック医薬品やOTC医薬品など、既存品の売上を最大化するとともに、市場ニーズの高まりに応える革新的な新薬やワクチンを含めた多様な新製品の上市および市場浸透を着実に進め、投資効率を追求した販売戦略を実行することで、市場の伸びを上回る成長を実現します。
・Diversity
当社は、様々な国の異なる背景や価値観を持つ多様な人材がお互いを尊重し、それぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、継続して創造的な思考を生み出す企業文化を醸成します。
・Innovation
当社は、Innovationを、予防から治療・治癒にわたる医療の多様なニーズに応える新しい解決方法を提供する「Scientific Innovation」と、グローバル競争を勝ち抜くためのビジネスプロセスの改善や新しいビジネスモデルを創造する「Business Process Innovation」の2つに分類・定義しています。
Scientific Innovation
Scientific Innovationでは、世界中の人々のアンメットメディカルニーズに応えるために、「緊急性」、「イノベーション」、「パフォーマンス評価」、「連携」の研究開発における4つの行動原則に、「Quality of Thought(注1)」と「Operational Excellence(注2)」という2つの方針を加えた戦略的な取り組みにより、研究開発生産性を着実に向上させて革新的な医薬品の創出に挑戦し続けています。
(注1)思考の質
(注2)徹底した業務プロセスの改善により、オペレーションを最大限まで効率化させること
重点領域における競争力のあるパイプラインポートフォリオの構築
「代謝性・循環器系疾患」「癌」「中枢神経系疾患」「免疫・呼吸器系疾患」「消化器・腎臓系・その他疾患」「ワクチン」の6つの重点領域において、引き続き、医療ニーズが未だ十分に満たされない疾患領域の新薬およびワクチンの研究開発を推進するとともに、領域を跨る新たな価値を創造し、競争力のあるパイプラインポートフォリオを構築します。
研究開発生産性の向上
「充実した開発後期パイプラインの上市およびその価値最大化」
短期的な施策として、臨床第3相試験のプログラムへの注力を図り着実な承認取得に取り組み、さらにはライフサイクルマネジメントを含めた開発後期パイプラインの価値最大化に努めます。
「開発中期パイプラインの拡充」
中期的な施策として、研究開発の初期プログラムを迅速に進めるとともに、開発中期におけるPOC&C※試験準備段階にある新規化合物の導入や、既存化合物の新規効能・追加効能といった機会応用を追求します。
※POC&C(Proof of Concept and Competitiveness): ヒトにおける有効性・安全性、競合優位性が立証されたパイプラインの価値
「創薬研究能力の競合優位性、生産性の強化」
長期的な施策として、創薬研究の活性化につながる次世代の科学技術への投資を推進するとともに、研究機関やコンソーシアムとの連携を深めていきます。また、優れた研究者への権限委譲や研究早期に正しい判断を可能とする試験の実施などによる創薬能力の最大化、さらにはExperimental/Translational Medicine※の推進を図り、一層の研究開発生産性向上を図ります。
※Experimental Medicine: 新規治療法の有効性・安全性を実験的に検証する臨床研究
Translational Medicine: 基礎研究を実際の臨床応用に試みる医学研究
Business Process Innovation
Business Process Innovationでは、事業のあらゆる面において競争力のある企業への変革を追求した全社的な取り組みであるProject Summitを推進しています。また、グローバルでの豊富な経験を有する人材が加わり、強靭かつ効率的なオペレーティングモデルの構築をより一層力強く進めています。
具体的には、グローバルでブランドマーケティングを推進するとともに、グローバルからローカルまで販売活動を効率化することでマーケティングオペレーションの最適化を図ります。また、製造ネットワークの最適化とグローバルでの原材料調達を進め、生産関連のオペレーションを効率化します。研究開発においても拠点の統合を進め、さらなる生産性の向上を図るとともに、必要な研究開発の継続的な投資と両立します。さらに、財務・IT・人事などの一般管理機能および管理プロセスをグローバルで標準化することで効率的なオペレーションを推進します。
2014年度の業績予想 a)
売上収益 | 17,250億円 |
研究開発費 | 3,500億円 |
営業利益 | 1,500億円 |
当期利益(親会社の所有者帰属分) | 850億円 |
EPS | 107.67円 |
Core Earnings b) | 2,800億円 |
a)為替レートは、1米ドル=100円、1ユーロ=140円を前提としています。
b)営業利益から、企業買収に係る会計処理の影響や無形資産の償却費および減損などの一時的要因を控除して算定しております。
中期成長戦略期間における持続的成長目標
経営指標 | 目標 | ||
成長性 | 売上収益 | 2013-2017年度 年平均成長率 | 1桁台半ばの成長 |
効率性 | Core Earnings | 2013-2017年度 | 対売上収益比率を 2017年度までに25%※ |
株主還元 | 一株当たり配当金 | 2013-2015年度 | 年間180円を維持 |
※ 営業利益の2013-2017年度年平均成長率20%以上で達成
当社は、運転資本の圧縮やキャッシュマネジメントの強化を含めたバランスシートの最適化を推進することでより一層の資金効率の向上に取り組み、継続的な成長投資と着実な有利子負債の返済および柔軟な財務戦略を立案・実行することで、中期成長戦略の遂行を支える健全で強固な財務基盤の維持・強化に努めます。
本格的なグローバル化に向けて事業構造が大きく転換する中にあっても、当社は、長い歴史の中で培われた普遍の価値観である「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を経営の根幹に据え、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスのさらなる徹底を図り、環境やCSRに配慮した経営に取り組み、引き続き全社一丸となって事業に邁進することで、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションを実現してまいります。
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