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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10020S4

有価証券報告書抜粋 アステラス製薬株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、有効な薬剤が存在せず治療満足度の低い疾患領域で、革新的で有用な新薬を継続的かつ早期に創出することにより、中長期にわたる持続的な成長を目指しています。このため新薬創出力の強化を最重点事項として積極的に取り組んでいます。

(1)創薬研究の取り組み
「泌尿器疾患」、「免疫疾患(移植を含む)及び感染症」、「がん」、「精神・神経疾患」、「糖尿病合併症及び腎疾患」を重点研究領域と位置づけ、経営資源を集中しています。
創薬研究においては、分子標的と精密診断に基づくPrecision Medicineの創薬アプローチを推進するとともに、外部との提携を通じて最先端の技術・ノウハウを積極的に取り込み、革新的新薬の創出を目指しています。再生医療の領域では、従来から取り組んできた再生医薬研究開発に加えて、細胞そのものを医療に応用する(細胞医療)ための研究にも本格的に取り組んでいきます。この取り組みの一環として、2014年4月に再生医療及び細胞医療を専門に研究する「再生医療ユニット」を新設しました。
2013年5月に、研究体制の再編と新たな仕組みの導入を決定しました。この改革は、研究開発に関わる経営資源配分の最適化により、i)外部資源の更なる活用、ii)新規領域と再生医療やワクチン等の新技術への取り組み、iii)有望な前臨床開発プロジェクトの加速、iv)後期臨床開発プロジェクトへの十分な資源投下、を目的としたものです。前臨床開発段階における外部イノベーション機会の探索・獲得活動を強化するため、2013年10月に新たにイノベーションマネジメント部を設置したほか、研究マネジメント体制の強化や研究プロセスの複線化を推進しています。また、経営資源の戦略的な再配分及びオペレーションの高質化・効率化を目指し、研究所の閉鎖・縮小並びに機能移転など研究機能・組織の再編を順次行っています。

(2)技術開発の取り組み
がん領域を中心とした開発パイプラインの充実に伴い需要が増大する高薬理活性の開発用原薬を安定供給するため、アステラス ファーマ テック株式会社の高萩技術センター内に8号棟を建設しました(2013年8月竣工)。

(3)臨床開発の取り組み及び主な研究開発の進展状況
グローバル開発体制を一層強化するとともに、より優先度の高いプロジェクトに資源を集中することにより、開発のスピードアップを図っています。当連結会計年度における主な開発の進展状況は以下の通りです。

(海外での臨床開発)
・ HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)に関し、「既承認の診断法で確認されたEGFR遺伝子変異を有する転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療」の追加適応症について、2013年5月に米国で承認を取得しました。
・ 過活動膀胱治療剤コハク酸ソリフェナシン(一般名)と前立腺肥大症の排尿障害改善剤タムスロシン塩酸塩(一般名)の合剤(開発コード:EC905)に関し、「単剤治療で効果不十分な、前立腺肥大症に伴う中等症から重症の蓄尿症状(尿意切迫感、頻尿)と排尿症状」の適応症について、2013年5月にオランダで承認を取得し、同年9月にベソムニの製品名で発売しました。
・ エンザルタミド(一般名、開発コード:MDV3100)に関し、「ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん」の適応症について、2013年6月に欧州で承認を取得し、同年7月に英国においてXTANDIの製品名で発売しました。
・ キャンディン系抗真菌剤マイカミン(一般名:ミカファンギンナトリウム)に関し、「生後4カ月以上の小児患者への点滴静注に対する、カンジダ血症、急性播種性カンジダ症、カンジダ腹膜炎・膿瘍、食道カンジダ症の治療、及び造血幹細胞移植患者のカンジダ感染症予防」の追加適応症について、2013年6月に米国で承認を取得しました。
・ 免疫抑制剤タクロリムス水和物(一般名)の徐放性製剤に関し、「成人腎臓移植患者における拒絶反応の抑制」の適応症について、2013年7月に米国で承認を取得し、同年8月にアスタグラフXLの製品名で発売しました。
・ XTANDI(一般名:エンザルタミド、開発コード:MDV3100)に関し、「化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん」の追加適応症について、2014年3月に米国で、また同年4月に欧州でそれぞれ承認申請しました。

(日本での臨床開発)
・ 免疫抑制剤プログラフ(一般名:タクロリムス水和物)に関し、「多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎」の追加適応症について、2013年6月に承認を取得しました。
・ 下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)の追加剤形として開発している口腔内崩壊錠に関し、「男性における下痢型過敏性腸症候群」の適応症について、2013年8月に承認を取得し、2014年1月にイリボーOD錠の製品名で発売しました。
・ 催眠鎮静剤ドルミカム(一般名:ミダゾラム)に関し、「歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静」の追加適応症について、2013年12月に承認を取得しました。
・ 選択的SGLT2阻害剤スーグラ(一般名:イプラグリフロジン L-プロリン、開発コード:ASP1941)に関し、「2型糖尿病」の適応症について、2014年1月に承認を取得し、同年4月に発売しました。
・ 経口アンドロゲン受容体阻害剤イクスタンジ(一般名:エンザルタミド、開発コード:MDV3100)に関し、「去勢抵抗性前立腺がん」の適応症について、2014年3月に承認を取得し、同年5月に発売しました。

(4)研究開発における経営資源配分最適化の取り組み
・ 2013年4月、米国アンブレックス社と、がん領域における次世代抗体-薬物複合体(ADC)技術に関する提携契約を締結し、ADCを全世界で開発及び商業化する権利を取得しました。
・ 研究開発プロセスの各段階での戦略を複線化し、革新的研究の取り込みを推進するとともに、外部のリソースを有効的に活用してリスクとコストを管理しながら、高質かつ強固な自社パイプラインを構築する、研究開発プロセスのマルチトラック化に積極的に取り組んでいます。その一環として、米国ドレイス ファーマ シューティカルズ社との間で、夜間頻尿を対象疾患として開発を進めているASP7035について、2013年4月に同社が運営する米国タキュリオン ファーマ社との独占的ライセンス契約を締結しました。
・ 2013年5月、米国アムジェン社との間で日本における戦略的提携に関する契約を締結しました。この戦略的提携は、2つのパートから構成されています。一つ目のパートは、生物学的製剤を主とするアムジェン社由来の5つの開発品についての日本での共同開発及び共同商業化に関する長期提携です。対象となる開発品は、高脂血症治療薬(開発コード:AMG 145)、骨粗鬆症治療薬(開発コード:AMG 785)、がん領域の3つの薬剤(開発コード:AMG 102、AMG 337、AMG 103)です。二つ目のパートは、当社とアムジェン社が協働する合弁会社であるアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社の設立です。アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は、2013年10月から業務を開始し、上記の5つの開発品について日本における共同開発及び共同商業化を当社と行います。
・ 2013年6月、米国サイトキネティックス社と骨格筋活性化剤の研究、開発及び商業化に関する提携契約を締結しました。両社は、骨格筋の減弱に関連する疾患や病状に対する新規の治療法を提供することを主な目的として、骨格筋活性化に関する共同研究及び共同開発を行います。
・ 米国アンビット社との間で2009年に締結した全世界でのキザルチニブ(一般名、開発コード:AC220)を含むFLT3チロシンキナーゼ阻害剤の共同開発及び商業化に関する契約について、2013年3月に当社は戦略上の理由で解約権を行使し、2013年9月3日をもって契約を終了しました。
・ 2013年10月、米国マイトカイン社とミトコンドリア関連疾患領域における共同研究及び開発に関する独占的な提携契約を締結しました。両社は、未だ有効な治療法が確立されていない本疾患領域における研究開発を共同で進めていきます。
・ 2013年12月、株式会社免疫生物研究所と、遺伝子組換えカイコを用いて生産されるヒト型タンパク質の医薬品への応用に関する共同研究契約を締結しました。両社は、遺伝子組換えカイコを用いて生産される有用なタンパク質について、製造方法の検討や評価、医薬品としての開発可能性の検討等の研究開発を共同で実施していきます。
・ 2014年1月、米国クリアパス デベロップメント社と感染症領域におけるワクチンのポートフォリオ構築のための戦略的提携に関する契約を締結しました。当社は本提携を通じ、クリアパス デベロップメント社の管理・運営下にあるRSV社が米国マイメティックス社より導入した呼吸器合胞体ウイルス感染予防ワクチンの開発に投資し、ワクチンポートフォリオの拡充を図ります。
・ 2014年2月、米国アヴェオ社と共同で開発を進めてきた血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体1、2、3阻害剤チボザニブ(一般名、開発コード:ASP4130)について、3つの適応症(腎細胞がん、大腸がん、乳がん)での臨床試験の状況を踏まえ戦略的な理由により、2011年に同社と締結した開発及び商業化に関するライセンス契約の解約権を行使しました。当該ライセンス契約は、2014年8月11日をもって終了しますが、その時点でチボザニブの権利はアヴェオ社に返還されます。
・ 2014年2月、スイス バシリア ファーマシューティカ インターナショナル社と共同で開発を進めているアゾール系抗真菌剤イサブコナゾール(一般名)に関し、戦略的な理由により、2010年2月に締結したライセンス契約を一部変更する契約を同社と締結しました。ライセンス契約の対象地域は、これまでの「日本を除く全世界」から「米国・カナダ」に変更され、当社は同地域向けの製品の承認申請を行い、製造及び販売を独占的に行うことになります。
・ 2014年3月、第一三共株式会社と両社における革新的な新薬の創出を目指し、それぞれが保有する化合物ライブラリーのうち、交換可能な約40万化合物を相互に交換・利用する提携契約を締結しました。

なお、当連結会計年度の研究開発費は1,915億円(前連結会計年度比20.3%増)、対売上高研究開発費比率は16.8%となりました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00920] S10020S4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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