有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002ASP
小野薬品工業株式会社 業績等の概要 (2014年3月期)
※当社グループは当連結会計年度(2013年4月1日から2014年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、本書においては前連結会計年度の数値をIFRSに則り、組み替えて比較分析を行っております。
一方、国内医薬品市場では、新薬の成功確率が低下し研究開発費が増加するなか、後発医薬品使用促進策の浸透などによる医療費抑制政策の強化が進み、新薬開発型企業にとっては厳しい事業環境が続いています。
こうしたなかで当社グループは、革新的な新薬開発と製品価値のさらなる向上を目指し、世界最先端の知見・技術の活用も含めた研究開発体制の一層の強化と主要製品を中心とした学術情報活動の充実を図るとともに、経営全般にわたって効率化に努めましたが、当期の連結業績は次のとおりとなりました。
[売上収益]
売上収益は前連結会計年度比440百万円(0.3%)増加の143,247百万円となりました。
・講演研究会、説明会など、引き続き積極的な情報提供活動を進め、主要新製品の売上は増加しましたが、一方で後発品使用促進策の浸透もあり長期収載品の売上は減少となりました。
・主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は357億円(前連結会計年度比 2.6%増)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は111億円(同比 45.0%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」は合わせて88億円(同比 10.5%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は64億円(同比63.8%増)となりました。
なお、昨年11月、心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動・粗動)の効能効果追加の承認を取得しました術中術後の頻脈性不整脈治療剤「注射用オノアクト」は44億円(同比18.8%増)、昨年8月新発売の関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は8億円となりました。
・主な長期収載品では、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は325億円(前連結会計年度比 4.2%減)、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「オノンカプセル」は135億円(同比16.6%減)、糖尿病性神経障害治療剤「キネダック錠」は74億円(同比14.5%減)となりました。
[営業利益]
営業利益は前連結会計年度比3,512百万円(11.7%)減少の26,423百万円となりました。
・売上原価は前連結会計年度比1,268百万円(4.0%)増加の32,747百万円となりました。
・研究開発費は前連結会計年度比350百万円(0.8%)減少の44,413百万円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、市販後調査費用やコンピュータおよびソフト関連投資に伴う償却費用が増加し、前連結会計年度比2,551百万円(7.1%)増加の38,381百万円となりました。
[当期利益(親会社の所有者帰属)]
当期利益は、復興特別法人税が1年前倒しで廃止されたことに伴う繰延税金資産の取り崩しもあり、前連結会計年度比2,569百万円(11.2%)減少の20,350百万円となりました。
なお、当社および関係会社の事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減額は、15,712百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が29,458百万円、減価償却費及び償却費が5,109百万円、棚卸資産の増加1,038百万円、法人税等の支払額10,862百万円などにより28,422百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券などの取得と売却および償還などにより差し引き20,173百万円の収入があり、一方では有形固定資産取得による支出5,816百万円、無形資産取得による支出7,041百万円などにより6,926百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払いなどから19,636百万円の支出となりました。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
(研究開発費)
日本基準において、開発段階における契約一時金またはマイルストンは、発生時に研究開発費として販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは資産計上の要件を満たす場合には無形資産とし、製品発売時から特許権の有効期間等にわたり、売上原価として償却しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、研究開発費が4,493百万円減少しております。
(退職給付費用)
日本基準において、発生した数理計算上の差異は、翌連結会計年度に一括して費用処理しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益として認識しております。また、退職給付債務計算の前提が、日本基準とIFRSでは異なるため、その分の退職給付費用を調整しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、売上原価、販売費及び一般管理費が176百万円増加し、その他の包括利益が596百万円増加しております。
なお、前連結会計年度における差異に関する事項は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記 40 初度適用 (2) 日本基準からIFRSへの調整」をご参照ください。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀が進めた景気刺激に向けた諸施策によって個人消費や企業収益に改善が見られ、景気はゆるやかながら回復基調で推移しました。一方、国内医薬品市場では、新薬の成功確率が低下し研究開発費が増加するなか、後発医薬品使用促進策の浸透などによる医療費抑制政策の強化が進み、新薬開発型企業にとっては厳しい事業環境が続いています。
こうしたなかで当社グループは、革新的な新薬開発と製品価値のさらなる向上を目指し、世界最先端の知見・技術の活用も含めた研究開発体制の一層の強化と主要製品を中心とした学術情報活動の充実を図るとともに、経営全般にわたって効率化に努めましたが、当期の連結業績は次のとおりとなりました。
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) | |
売上収益 | 142,806 | 143,247 | 440 | 0.3 |
営業利益 | 29,935 | 26,423 | △3,512 | △11.7 |
税引前当期利益 | 33,001 | 29,458 | △3,542 | △10.7 |
当期利益 (親会社の所有者帰属) | 22,919 | 20,350 | △2,569 | △11.2 |
[売上収益]
売上収益は前連結会計年度比440百万円(0.3%)増加の143,247百万円となりました。
・講演研究会、説明会など、引き続き積極的な情報提供活動を進め、主要新製品の売上は増加しましたが、一方で後発品使用促進策の浸透もあり長期収載品の売上は減少となりました。
・主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は357億円(前連結会計年度比 2.6%増)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は111億円(同比 45.0%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」は合わせて88億円(同比 10.5%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は64億円(同比63.8%増)となりました。
なお、昨年11月、心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動・粗動)の効能効果追加の承認を取得しました術中術後の頻脈性不整脈治療剤「注射用オノアクト」は44億円(同比18.8%増)、昨年8月新発売の関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は8億円となりました。
・主な長期収載品では、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は325億円(前連結会計年度比 4.2%減)、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「オノンカプセル」は135億円(同比16.6%減)、糖尿病性神経障害治療剤「キネダック錠」は74億円(同比14.5%減)となりました。
[営業利益]
営業利益は前連結会計年度比3,512百万円(11.7%)減少の26,423百万円となりました。
・売上原価は前連結会計年度比1,268百万円(4.0%)増加の32,747百万円となりました。
・研究開発費は前連結会計年度比350百万円(0.8%)減少の44,413百万円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、市販後調査費用やコンピュータおよびソフト関連投資に伴う償却費用が増加し、前連結会計年度比2,551百万円(7.1%)増加の38,381百万円となりました。
[当期利益(親会社の所有者帰属)]
当期利益は、復興特別法人税が1年前倒しで廃止されたことに伴う繰延税金資産の取り崩しもあり、前連結会計年度比2,569百万円(11.2%)減少の20,350百万円となりました。
なお、当社および関係会社の事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 差額 (百万円) | |
現金及び現金同等物の期首残高 | 85,067 | 89,117 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 18,992 | 28,422 | 9,430 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 4,365 | 6,926 | 2,561 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △19,372 | △19,636 | △264 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 3,985 | 15,712 | |
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額 | 65 | 69 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 89,117 | 104,898 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減額は、15,712百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が29,458百万円、減価償却費及び償却費が5,109百万円、棚卸資産の増加1,038百万円、法人税等の支払額10,862百万円などにより28,422百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券などの取得と売却および償還などにより差し引き20,173百万円の収入があり、一方では有形固定資産取得による支出5,816百万円、無形資産取得による支出7,041百万円などにより6,926百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払いなどから19,636百万円の支出となりました。
(3) 並行開示
連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、およびIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)前連結会計年度 (2013年3月31日) | 当連結会計年度 (2014年3月31日) | ||
資産の部 | |||
流動資産 | 214,742 | 212,123 | |
固定資産 | |||
有形固定資産 | 49,630 | 53,793 | |
無形固定資産 | 1,383 | 2,751 | |
投資その他の資産 | 189,817 | 198,117 | |
固定資産合計 | 240,831 | 254,661 | |
資産合計 | 455,573 | 466,784 | |
負債の部 | |||
流動負債 | 25,787 | 26,673 | |
固定負債 | 6,495 | 8,538 | |
負債合計 | 32,282 | 35,210 | |
純資産の部 | |||
株主資本 | 406,048 | 406,224 | |
その他の包括利益累計額 | 13,941 | 21,851 | |
少数株主持分 | 3,302 | 3,498 | |
純資産合計 | 423,291 | 431,573 | |
負債純資産合計 | 455,573 | 466,784 |
② 要約連結損益計算書および要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円)前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | ||
売上高 | 145,393 | 145,170 | |
売上原価 | 33,983 | 34,621 | |
売上総利益 | 111,410 | 110,549 | |
販売費及び一般管理費 | 79,489 | 84,848 | |
営業利益 | 31,921 | 25,701 | |
営業外収益 | 3,208 | 3,502 | |
営業外費用 | 1,176 | 1,508 | |
経常利益 | 33,954 | 27,694 | |
特別利益 | 771 | - | |
特別損失 | 66 | - | |
税金等調整前当期純利益 | 34,659 | 27,694 | |
法人税等合計 | 10,317 | 8,206 | |
少数株主損益調整前当期純利益 | 24,341 | 19,488 | |
少数株主利益 | 221 | 188 | |
当期純利益 | 24,120 | 19,300 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | ||
少数株主損益調整前当期純利益 | 24,341 | 19,488 | |
その他の包括利益合計 | 17,083 | 7,922 | |
包括利益 | 41,424 | 27,410 | |
(内訳) | |||
親会社株主に係る包括利益 | 41,190 | 27,210 | |
少数株主に係る包括利益 | 234 | 200 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
(単位:百万円)前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | ||
株主資本合計 | |||
当期首残高 | 401,021 | 406,048 | |
当期変動額 | 5,027 | 176 | |
当期末残高 | 406,048 | 406,224 | |
その他の包括利益累計額合計 | |||
当期首残高 | △3,129 | 13,941 | |
当期変動額 | 17,070 | 7,910 | |
当期末残高 | 13,941 | 21,851 | |
少数株主持分 | |||
当期首残高 | 3,077 | 3,302 | |
当期変動額 | 225 | 197 | |
当期末残高 | 3,302 | 3,498 | |
純資産合計 | |||
当期首残高 | 400,968 | 423,291 | |
当期変動額 | 22,323 | 8,283 | |
当期末残高 | 423,291 | 431,573 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円)前連結会計年度 (自 2012年4月1日 至 2013年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 15,662 | 22,131 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 7,170 | 12,819 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △18,847 | △19,238 | |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 65 | 69 | |
現金及び現金同等物の増減額 | 4,050 | 15,781 | |
現金及び現金同等物の期首残高 | 85,067 | 89,117 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 89,117 | 104,898 |
⑤ IFRSと日本基準との連結財務諸表における主要な項目の差異
(研究開発費)
日本基準において、開発段階における契約一時金またはマイルストンは、発生時に研究開発費として販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは資産計上の要件を満たす場合には無形資産とし、製品発売時から特許権の有効期間等にわたり、売上原価として償却しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、研究開発費が4,493百万円減少しております。
(退職給付費用)
日本基準において、発生した数理計算上の差異は、翌連結会計年度に一括して費用処理しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益として認識しております。また、退職給付債務計算の前提が、日本基準とIFRSでは異なるため、その分の退職給付費用を調整しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、売上原価、販売費及び一般管理費が176百万円増加し、その他の包括利益が596百万円増加しております。
なお、前連結会計年度における差異に関する事項は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記 40 初度適用 (2) 日本基準からIFRSへの調整」をご参照ください。
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