有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10027P4
株式会社免疫生物研究所 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、製品開発型のバイオベンチャー企業として経営資源を医薬品研究開発へ積極的に投資しております。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は152,770千円であり、各事業の研究開発費については、診断・試薬事業は103,594千円、遺伝子組換えカイコ事業は45,955千円、検査事業は3,220千円となりました。各事業における内容等は次のとおりであります。
事業別の研究開発活動
① 遺伝子組換えカイコ事業
当社は、遺伝子組換えカイコの繭から抗体等のタンパク質を発現させる技術を用いて、種々のタンパク質の産業利用に向けた研究を進めており、研究用試薬から診断薬原料、化粧品原料、さらに、ヒト及び動物向け医薬品としての開発を推進してまいります。
イ インフルエンザワクチン
当社は、有限会社生物資源研究所との共同研究から、新たなインフルエンザワクチンの生産および産業利用に向けた開発を行っております。遺伝子組換えカイコを用いて、パンデミックインフルエンザH1N1、および強毒性鳥インフルエンザH5N1のワクチンと成り得るヘマグルチニンの生産に成功しており、特許出願も完了しております。
ロ 動物用医薬品原料の生産
当社は、動物用医薬品メーカーと共同で、遺伝子組換えカイコによって動物用医薬品原料となるタンパク質の生産を進めております。GMP などの高度な規制への対応が要求される動物用医薬品の原料として活用することを目指すものであります。
ハ ヒトフィブリノゲン
当社は、日本製粉株式会社と共同で、血液凝固活性を有する組換えヒトフィブリノゲンを遺伝子組換えカイコの繭中に生産させることに成功し、血液に代わって、ウイルス等の混入の可能性が無い、安全な製剤原料を提供できる可能性が見出せたことをご報告してまいりました。今後、医薬品原料としての製品化を目指し、開発を進めてまいります。
ニ 研究用試薬および体外診断用医薬品原料としての抗体
当社は、研究用試薬や体外診断用医薬品に使用する抗体を、遺伝子組換えカイコにより生産する技術を開発してまいりました。この技術を活用して、当社の製品であるアミロイドβ測定キットに用いている抗体を、遺伝子組換えカイコ生産抗体に切り替えたほか、大手体外診断用医薬品メーカーへも、抗体の供給を行っております。
ホ ヒトコラーゲン
当社は、遺伝子組換えカイコにより、アレルギーを起こす危険性が低い安心・安全なヒトコラーゲンを開発することに成功しました。このコラーゲンを「ネオシルクⓇ-ヒトコラーゲンⅠ」と命名し、化粧品原料としての販売を開始しております。
② 診断・試薬事業(医薬用関連)
当社では、抗体作製技術を基盤として、治療用医薬品あるいは診断用医薬品に適した抗体の創製に取り組んでおります。治療用医薬品開発においては、製薬企業各社がパイプラインを充実させるために医薬シーズに係る権利の譲渡又は許諾を受ける活動を積極的に展開していることを受けて、当社の人的資源と効率を鑑み、創薬ターゲットの探索及びそのターゲットに対する各種抗体の作製とそれらの抗体の薬効評価に特化しております。
また、診断用医薬品開発においては、当社研究用試薬として製品化してまいりました、アルツハイマー病、がん・炎症及び糖・脂質代謝関連疾患の領域での研究開発を進めております。
主な研究開発の進捗状況は以下の通りであります。
イ がん領域における抗体医薬品シーズ探索
当社は、大学医学部との共同研究から、がん領域等における新たな抗体医薬品のシーズ開発を行っております。
某大学との共同研究では、ヒト成人T細胞白血病(ATL)の発症原因であるHTLV-1ウイルスに対して中和効果を有するネズミの抗体を見出しており、その抗体を医薬品としてヒトに適用するためのヒト化に成功しました。
ATLはHTLV-1ウイルスの感染が引き起こす血液のがんの一種で、主に母乳を通じた母子感染で起こり、九州・沖縄に多いとされていました(全体の約46%)。しかし、近年関東など大都市圏で増えていることが明らかになり、厚生労働省は20年ぶりに方針転換し、全妊婦の検査を実施するよう医療現場や自治体に対策を促し、2010年の秋から妊婦健診の検査項目に加えられるようになりました。その治療には化学療法、造血幹細胞移植、及び分子標的医薬品などが用いられますが、その効果、副作用等において充分満足のいくものとはいえない状況です。今後は、本抗体を新規治療薬シーズとして研究開発してまいります。
ロ アルツハイマー病領域における治療用医薬品候補抗体の研究開発
当社は、大学等との共同研究から、神経細胞に毒性を有するとされているアミロイドβの毒性コンフォマーに対する抗体を創出しております。さらに大学及び専門研究機関と共同でアルツハイマー型認知症治療、あるいは診断における臨床的意義を究明するべく、研究を行っております。
ハ アルツハイマー病に対する体外診断用医薬品
当社は、海外他社とアルツハイマー病の診断を目的とした原因タンパク質の測定キットの共同開発を行っております。今後、国内外での体外診断用医薬品の製造販売承認を目指してまいります。
ニ 耳鼻科領域における、めまい・難聴にかかわる疾患の体外診断用医薬品
当社は、大学のシーズを元に、めまい・難聴の原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(Cochlin-tomoprotein)」に関して体外診断用医薬品としての開発を行っております。今後、国内での体外診断用医薬品の製造販売承認を目指してまいります。
③ 診断・試薬事業(研究用関連)
研究用関連では、将来、診断に役立つ事を目指した抗体開発、及びそれを用いた測定キットの新製品の開発に取り組んでおります。分野として、当社の強みであるアルツハイマー病、がん・炎症及び糖・脂質代謝関連疾患の領域に特化した開発を行っております
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 6コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
事業別の研究開発活動
① 遺伝子組換えカイコ事業
当社は、遺伝子組換えカイコの繭から抗体等のタンパク質を発現させる技術を用いて、種々のタンパク質の産業利用に向けた研究を進めており、研究用試薬から診断薬原料、化粧品原料、さらに、ヒト及び動物向け医薬品としての開発を推進してまいります。
イ インフルエンザワクチン
当社は、有限会社生物資源研究所との共同研究から、新たなインフルエンザワクチンの生産および産業利用に向けた開発を行っております。遺伝子組換えカイコを用いて、パンデミックインフルエンザH1N1、および強毒性鳥インフルエンザH5N1のワクチンと成り得るヘマグルチニンの生産に成功しており、特許出願も完了しております。
ロ 動物用医薬品原料の生産
当社は、動物用医薬品メーカーと共同で、遺伝子組換えカイコによって動物用医薬品原料となるタンパク質の生産を進めております。GMP などの高度な規制への対応が要求される動物用医薬品の原料として活用することを目指すものであります。
ハ ヒトフィブリノゲン
当社は、日本製粉株式会社と共同で、血液凝固活性を有する組換えヒトフィブリノゲンを遺伝子組換えカイコの繭中に生産させることに成功し、血液に代わって、ウイルス等の混入の可能性が無い、安全な製剤原料を提供できる可能性が見出せたことをご報告してまいりました。今後、医薬品原料としての製品化を目指し、開発を進めてまいります。
ニ 研究用試薬および体外診断用医薬品原料としての抗体
当社は、研究用試薬や体外診断用医薬品に使用する抗体を、遺伝子組換えカイコにより生産する技術を開発してまいりました。この技術を活用して、当社の製品であるアミロイドβ測定キットに用いている抗体を、遺伝子組換えカイコ生産抗体に切り替えたほか、大手体外診断用医薬品メーカーへも、抗体の供給を行っております。
ホ ヒトコラーゲン
当社は、遺伝子組換えカイコにより、アレルギーを起こす危険性が低い安心・安全なヒトコラーゲンを開発することに成功しました。このコラーゲンを「ネオシルクⓇ-ヒトコラーゲンⅠ」と命名し、化粧品原料としての販売を開始しております。
② 診断・試薬事業(医薬用関連)
当社では、抗体作製技術を基盤として、治療用医薬品あるいは診断用医薬品に適した抗体の創製に取り組んでおります。治療用医薬品開発においては、製薬企業各社がパイプラインを充実させるために医薬シーズに係る権利の譲渡又は許諾を受ける活動を積極的に展開していることを受けて、当社の人的資源と効率を鑑み、創薬ターゲットの探索及びそのターゲットに対する各種抗体の作製とそれらの抗体の薬効評価に特化しております。
また、診断用医薬品開発においては、当社研究用試薬として製品化してまいりました、アルツハイマー病、がん・炎症及び糖・脂質代謝関連疾患の領域での研究開発を進めております。
主な研究開発の進捗状況は以下の通りであります。
イ がん領域における抗体医薬品シーズ探索
当社は、大学医学部との共同研究から、がん領域等における新たな抗体医薬品のシーズ開発を行っております。
某大学との共同研究では、ヒト成人T細胞白血病(ATL)の発症原因であるHTLV-1ウイルスに対して中和効果を有するネズミの抗体を見出しており、その抗体を医薬品としてヒトに適用するためのヒト化に成功しました。
ATLはHTLV-1ウイルスの感染が引き起こす血液のがんの一種で、主に母乳を通じた母子感染で起こり、九州・沖縄に多いとされていました(全体の約46%)。しかし、近年関東など大都市圏で増えていることが明らかになり、厚生労働省は20年ぶりに方針転換し、全妊婦の検査を実施するよう医療現場や自治体に対策を促し、2010年の秋から妊婦健診の検査項目に加えられるようになりました。その治療には化学療法、造血幹細胞移植、及び分子標的医薬品などが用いられますが、その効果、副作用等において充分満足のいくものとはいえない状況です。今後は、本抗体を新規治療薬シーズとして研究開発してまいります。
ロ アルツハイマー病領域における治療用医薬品候補抗体の研究開発
当社は、大学等との共同研究から、神経細胞に毒性を有するとされているアミロイドβの毒性コンフォマーに対する抗体を創出しております。さらに大学及び専門研究機関と共同でアルツハイマー型認知症治療、あるいは診断における臨床的意義を究明するべく、研究を行っております。
ハ アルツハイマー病に対する体外診断用医薬品
当社は、海外他社とアルツハイマー病の診断を目的とした原因タンパク質の測定キットの共同開発を行っております。今後、国内外での体外診断用医薬品の製造販売承認を目指してまいります。
ニ 耳鼻科領域における、めまい・難聴にかかわる疾患の体外診断用医薬品
当社は、大学のシーズを元に、めまい・難聴の原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(Cochlin-tomoprotein)」に関して体外診断用医薬品としての開発を行っております。今後、国内での体外診断用医薬品の製造販売承認を目指してまいります。
③ 診断・試薬事業(研究用関連)
研究用関連では、将来、診断に役立つ事を目指した抗体開発、及びそれを用いた測定キットの新製品の開発に取り組んでおります。分野として、当社の強みであるアルツハイマー病、がん・炎症及び糖・脂質代謝関連疾患の領域に特化した開発を行っております
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 6コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
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