有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100BCUV
株式会社壽屋 事業等のリスク (2017年6月期)
生産、受注及び販売の状況メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示をしております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 製造形態について(ファブレス型の企業であることについて)
当社は、自社に製造施設を持たないファブレス企業であり、自社製品の製造については主に中国広東省に所在する製造拠点に委託しております。このようなファブレス型のビジネスモデルを採用することにより、自社製品の製造に係る設備や人員といった固定費の負担が少なく、ラインの管理・立ち上げ等の費用を負担することも不要であり、営業活動と企画開発に経営資源を集中し、外部環境の変化、技術革新等への機敏な対応をとれるといったメリットがあります。しかし、当社が採用するファブレス型の製造形態に関連し、以下のリスクが考えられます。
a.特定の外部委託先への依存について
当社製品であるフィギュア等の製造は、主に中国にある外部委託先に依存しております。当社としては、中国以外のアジア地域に製造委託先を開拓し製造拠点の拡充を図っていく方針ではありますが、現時点において中国以外に主要な製造拠点を有しておりません。そのため何らかの理由により、外部委託先における取引方針の変更、収益構造の悪化、供給能力ダウン、品質問題の発生、事業活動の停止等が発生した場合、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。
b.中国に関するリスク
当社製品の製造は、上記のとおり主に中国にある外部委託先にて製造されています。そのため当該地域に関係する市場リスク、信用リスク、地政学的リスクは当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。また、中国の経済情勢等の変化により現地で調達される原材料費や人件費が当社の想定を超えて上昇した場合には、当社の仕入原価を押し上げ、当社業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(2) 版権管理について
当社では、第三者が権利を保有する版権の使用許諾に係るロイヤリティーを支払い、ホビー関連品の製造・販売を行っております。特に、海外市場において好評を博しているアメリカンコミックス系、映画系などのコンテンツは当社の事業運営上重要であり、今後も継続して版権を保持できるよう常に品質向上に努め、版元に認められるメーカーであり続けるべく事業を展開しております。
今後、当社の事業運営上重要と位置付けられる版権の使用許諾に係るロイヤリティーの値上げ、版元(版権保有者)との予期せぬ契約の解約等が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
加えて、特に海外版元との契約においては、商慣習等の違いにより版権に係る契約条文の解釈の相違等が発生しやすく、追加的なロイヤリティーの支払などの事後的な対応を求められる場合があります。当社としては事後的なトラブルの発生を回避すべく海外・国内問わず版元との全契約において法務チェックの徹底を図っておりますが、版元との契約において当社の予期せぬトラブルが発生した場合には、違約金の遡及支払等が発生する可能性があり、同時に当社の業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制について
当社事業は「知的財産法」「製造物責任法」「不当景品類及び不当表示防止法」「公正競争規約」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けております。
当社は社内の管理体制の構築によりこれら法令を遵守する体制を整備し、同時に個人を含む取引先に対しても契約内容にこれらの法令遵守条項を盛り込んでおりますが、法令に違反する行為が行われた場合若しくは、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社の事業及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(4) 季節要因、流行の変化・景気の変動等が経営成績に与える影響について
当社の取り扱う製商品の性質上、個人消費の季節性に影響を受ける傾向にあり、具体的には長期休暇時やクリスマスを含む年末・年始には業績が伸長する傾向にあります。
また、流行の変化や景気の変動の観点では、当社が扱うキャラクター等のホビー関連品は流行の変化が速く、製商品のライフサイクルが短い傾向があります。当社はこれらに対応するため新規の自社製品を常に企画、製造、販売しておりますが、企画から販売に至るまで約1年を要することから顧客嗜好の変化に対応した製品を提供できない場合や提供が遅れた場合、景気の急激な悪化により消費者の購買活動が大きく停滞した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。併せて、アメリカンコミック系やハリウッドを中心とした映画系など、ライフサイクルが比較的長いコンテンツの製品の場合でも、時間の経過とともに販売数量が減少していくことが想定されます。例えば、当社が取り扱う主力製品のスター・ウォーズ関連フィギュアや雑貨は、当社におけるロングセラー製品の代表格であり、従来から安定して世界各国において需要が存在しております。新作映画の公開に代表されるムーブメント直後の関連製品は好調な売れ行きを示す場合がありますが、一定期間を経過すると販売数量は減少する傾向にあります。当社売上の7割を占める卸売事業が基本的に受注モデルとなっていることもあり、販売数量(市場需要数)と製造数量を大きく見誤り多量の在庫を抱えるといった事態を回避すべく取り組んでおりますが、製造した製品の評価減や廃棄損等を止むを得なくなる場合にも当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) テレビアニメーションの制作について
当社は、2017年6月期より、自社開発コンテンツを活用したアニメーション番組の企画・制作に係る取組を開始ししており、テレビ放送枠を買い切り、放送することで、コンテンツの価値を高めるよう努めております。ただし、アニメの投資金額に対する収入は当該コンテンツのプラモデルやフィギュア等の製品販売や、放映権の販売、DVD、BD(ブルーレイディスク)の販売に伴うライセンス料に影響しており、番組が視聴者の嗜好に合致せず、当初計画した収入が得られない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
(6) 少子化について
当社の主要な販売製商品は、男女を問わず、主に10代~40代までの年齢層を主なターゲットとしております。
少子化の進行により、日本国内でみれば中長期的には若年層顧客の減少が見込まれますが、当社は10代の若年層のみならず、30代・40代までをもメインターゲットとした製品の企画・製造に努めるとともに、女性やライトユーザーをターゲットとした製品投入も積極的に行うことにより、顧客ポートフォリオの拡充を図ることによって少子化の影響を受けにくい体制構築を目指しております。
しかしながら、当社の想定以上に、日本国内の少子化が急速に進行し、玩具や模型等の市場が著しく縮小した場合には当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(7) 競合について
当社の取扱うフィギュア等の玩具、模型等については、映画、コミック、ゲーム等のキャラクターに関する製品化権(版権)を版権元より取得し、当社が企画等を行った上で販売しておりますが、版権契約は当社1社の独占契約ではないため、同一のキャラクターに関して同業他社が製造する商品と競合する可能性があります。
当社は、これらキャラクター等を立体で再現するべく、細部まで造り込みまた塗装による色彩表現の品質を確保し製品化することで、同業他社商品とは異なる観点から差別化が図られているものと認識しております。
また、当社のインターネット販売事業においては、製品の流通チャネルの多様化及び、迅速な販売等を実施することで同業他社との差別化を図ることを方針としております。しかしながら、インターネット通信販売市場の拡大に伴い、更なる競争の激化が予想されます。今後、激化する市場環境において、同業他社が新たな高付加価値サービスを提供した場合には当社の競争力が低下する可能性があります。
(8) 海外事業展開について
当社では、中長期的な視野から海外市場での事業展開の強化が重要であると考えており、現在、北米、アジアの2大市場を主なターゲットとし、北米においては、KOTO,INC. との間で独占販売契約を締結しています。KOTO,INCは、2000年3月、北米での販売強化を目的として当社子会社として設立した会社でありますが、KOTO,INCの社長によるMBOの意向があり、自立による営業力の強化が当社の収益拡大に繋がると判断し、当社保有の同社株式を同社社長に譲渡したため現在では当社子会社ではなくなっておりますが、現時点でも北米地域における販売代理店としての機能を果たしております。
今後におきましても、販売体制の整備、海外向け自社製品の開発を推進する等、より一層の海外展開を推進していく方針であります。ただし、海外においては、為替リスクに加えて、不安定な政情、文化や慣習の違い、特有の法制度、税制変更に加えて、模倣品等の知的財産に関するリスク等が存在するものと考えております。そのため、各国の政治、経済、法制度等に急激に変更が生じた場合は、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(9) 為替相場の変動について
「(1)製造形態について」にて記載のとおり、当社製品の製造は、中国にある外部委託先にて製造されドル建てで当社に輸入されているため、為替相場の影響を受けております。一方、当社は海外へドル建てで輸出しておりますが、現状では輸入の方が輸出よりも多くなっております。当社では、当該為替変動リスクを軽減するため、為替予約を行う等為替変動の影響の軽減に努めておりますが、為替の状況によっては、仕入価格・販売価格に影響が及び、また、これらの価格変動に起因して販売数量等が変動する事により、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(10) 個人情報保護等について
当社は個人情報を含む多数の顧客情報及び機密情報を取得し管理しております。
当社は、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報保護規程等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。
当社が保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性を限りなく低下させるべく情報管理体制の構築に努めておりますが、万が一これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(11) システム障害におけるリスクについて
当社は、ECサイト運営においてコンピューターシステムを利用しているため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、また、設備の不備、開発運用ミス、電力供給の停止等の予測不能な様々な要因によってコンピューターシステムがダウンした場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社のコンピューターシステムは、外部からの不正アクセスを回避するべく適切なセキュリティ体制の構築・整備に取組んでおりますが、コンピューターウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(12) 知的財産権等に関するリスク
当社では、「KOTOBUKIYA」に関連する商標権を所有しており、第三者からの知的財産権の侵害が行われぬよう取り組んでおりますが、第三者による当社の知的財産権の侵害があった場合には当社のブランドイメージの低下、また、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合における第三者への賠償義務の発生により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である清水一行、取締役副社長である清水浩代は、当社事業戦略を推進する上で重要な役割を果たしております。当社といたしましては、上記2名に過度に依存しない事業体制を構築すべく、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により2名が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保及び育成について
当社は、今後の事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要と考えており、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。特に高いITスキルを有する人材、また海外展開を行う上で外国語の高い語学力を有する人材の採用強化を図ります。しかしながら、優秀な人材の確保が計画通りに進捗しない場合または在籍する人材の多くが流出する等の事態が生じた場合には、競争力の低下や計画通りの事業拡大に影響が生じ、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(15) 自然災害、事故等のリスクについて
当社が業務委託している外部の製造工場、倉庫、及び当社が運営している店舗施設の周辺地域において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、製造工場、倉庫、店舗施設に物理的に障害が生じる可能性があります。また、これら天災・事故等により当社の販売活動や物流、仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合は、通常の事業活動ができなくなり、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(16) 物流業務の外部委託について
当社の物流業務の内、現在は主にインターネット販売の入出庫業務、店舗物流の商品出荷業務、商品保管業務を外部倉庫業者へ委託しております。外部倉庫業者は、各業務に関連し通信回線にてデータの授受を行っているため、何らかの通信障害やシステム障害にて通信が不能となった場合、上記の委託業務に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な震災やその他の不可抗力により外部倉庫業者からのサービス提供の中断、停止が生じた場合や外部倉庫業者の業務継続が困難になった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 減損会計の適用について
当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、店舗を基本単位としてグルーピングしております。
従って、店舗環境の変化や経済環境の変化等の要因により店舗ごとの収益性が損なわれた場合、固定資産について減損損失を認識する必要があり、当該減損損失の計上により当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(18) 有利子負債について
当社における、2016年6月末時点の有利子負債依存度は61.8%、2017年6月末時点の有利子負債依存度は56.5%となっております。有利子負債は、毎期継続的に発生する自社製品の製造に際して必要となる金型投資資金の確保及び2016年6月期においてスポット的に発生した自社ビル建設資金の確保に際して、当該資金を主に金融機関からの借入金で調達したものであります。今後、自社ビルの建設に類似する資金需要は当面発生する見通しは現時点においてありませんが、自社製品の製造過程で必ず必要となる金型への投資は今後も毎期発生し、業容拡大に伴って投資額が増加することも考えられます。当社では、市場金利水準等を精査し金融機関からの資金調達コストを勘案しながら、内部留保による充当等も十分検討した上で、借入の判断をしております。当該検討プロセスの結果今後も継続的に借入が実行され、有利子負債依存度が現在から横ばいもしくは上回って推移した場合において、現行の金利水準の変動や計画通りの資金調達が達成できなかった際には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
生産、受注及び販売の状況財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
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- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
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