有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GD82
株式会社ACSL 事業等のリスク (2019年3月期)
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)ドローンの安全性について
① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、ドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めており、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社では、特に屋外、物流用途等、目視外飛行を想定するものを中心に、パラシュートによる危機発生時の被害の抑制策等、安全性を重視した技術の導入も行うことでリスク低減を図ってまいります。
(2)ドローン事業を取り巻く法規制について
当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。
① 航空法
航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。
② 電波法
電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。
③ 火薬類取締法
火薬類取締法については、当社の製造したドローンに搭載するパラシュートの開閉時に使用する火薬に関して、同法に基づき火薬類譲受・消費許可及び火薬類譲渡許可を得ております。
④ 製造物責任法
製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求される可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進めてまいりました。当事業年度に置いて、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証の取得に取り組んでまいりました。
当社は、これらの法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)知的財産権について
当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。
また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。
今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償請求等の支払請求や製品等の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について
当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益若しくは在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。
(5)製品の品質について
当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。
信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。
当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求される可能性があります。その場合、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)業績の不確実性について
① 過年度の業績推移について
当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。
当社では、上述のとおり、経営体制の強化を進め、生産体制の強化を図り、調達先の最適化、新拠点整備、人材強化に取り組むとともに、IT、コンプライアンスを含めた管理体制の整備を推進してまいりました。開発投資においては、自律制御、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めてまいりました。販売においては、概念検証(PoC)を発端とする新規のビジネスモデルの展開を推進して参りました。このような取組みを推進した結果、売上高は拡大傾向にありますが、損益については、上記のような体制強化及び開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、第1期から第6期に至るまで損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。
当社では、上記のような体制強化や先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 継続的な投資について
当社は、継続的な成長のために、「(9)研究開発活動について」に記載のとおり、新製品又は新技術の開発のために必要な研究開発活動を継続していく必要があると考えており、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、案件パイプラインの積上げによる売上高の伸長によって、研究開発費の水準を超える利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針であります。しかしながら、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、コスト上昇等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生する場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 社歴が浅いことについて
当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は5年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(7)業績の季節変動に係るリスクについて
当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、第4四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。第4四半期会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の顧客企業の予算消化サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が年度末に集中するためであります。なお、顧客の予算消化サイクルに関して、年度末に案件が集中する傾向にあります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。
なお、2019年3月期の当社の売上高の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりです。
(注) 上記の売上高は、有限責任監査法人トーマツの四半期レビューを受けたものではありません。
(8)検収時期の変動による業績変動について
当社では、機体販売に係る収益の認識基準として検収基準を採用しております。実際の検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、屋外における試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順等によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9)研究開発活動について
当社は、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおり、自律制御技術、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めておりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入について
当社では、産学官連携で様々なプロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組むとともに、国からの補助金や助成金を受領することで、研究開発費の一部を賄っております。また、当該補助金等の受領は、各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。
今後、当社の事業に関連する国家プロジェクトそのものの規模が縮小する場合や補助金等の受領前の期間において研究開発資金が不足する場合には、必要な研究開発活動が頓挫することがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、現状の規模や制度の継続期間について、当社の受託する国家プロジェクトについて大きなウエイトを占めるものは、所轄、行政官庁より予算枠、存続期間が定められたものであり、制度そのものの存続性についての懸念は限定的であると考えられます。一方で、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴いますので、将来における予算に関しては、一部減額又は新規受託の場合は増額等の修正の可能性があります。
(11)小規模組織における管理体制について
当社は、本書提出日現在、取締役6名(内2名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員47名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。
今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12)訴訟について
当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)その他のリスク
① 配当政策について
当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。
現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。
② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は、1,173,750株であり、発行済株式総数の11.4%に相当しております。
③ ベンチャーキャピタル等の持株比率に関するリスク
2019年5月31日現在におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は3,983,355株であり、発行済株式総数10,264,605株に占める割合は38.8%となっております。
一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、株式公開後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社株式についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却することが想定されます。当該株式の売却により、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)ドローンの安全性について
① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、ドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めており、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社では、特に屋外、物流用途等、目視外飛行を想定するものを中心に、パラシュートによる危機発生時の被害の抑制策等、安全性を重視した技術の導入も行うことでリスク低減を図ってまいります。
(2)ドローン事業を取り巻く法規制について
当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。
① 航空法
航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。
② 電波法
電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。
③ 火薬類取締法
火薬類取締法については、当社の製造したドローンに搭載するパラシュートの開閉時に使用する火薬に関して、同法に基づき火薬類譲受・消費許可及び火薬類譲渡許可を得ております。
④ 製造物責任法
製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求される可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進めてまいりました。当事業年度に置いて、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証の取得に取り組んでまいりました。
当社は、これらの法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)知的財産権について
当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。
また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。
今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償請求等の支払請求や製品等の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について
当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益若しくは在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。
(5)製品の品質について
当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。
信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。
当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求される可能性があります。その場合、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)業績の不確実性について
① 過年度の業績推移について
当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。
当社では、上述のとおり、経営体制の強化を進め、生産体制の強化を図り、調達先の最適化、新拠点整備、人材強化に取り組むとともに、IT、コンプライアンスを含めた管理体制の整備を推進してまいりました。開発投資においては、自律制御、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めてまいりました。販売においては、概念検証(PoC)を発端とする新規のビジネスモデルの展開を推進して参りました。このような取組みを推進した結果、売上高は拡大傾向にありますが、損益については、上記のような体制強化及び開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、第1期から第6期に至るまで損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。
当社では、上記のような体制強化や先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 継続的な投資について
当社は、継続的な成長のために、「(9)研究開発活動について」に記載のとおり、新製品又は新技術の開発のために必要な研究開発活動を継続していく必要があると考えており、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、案件パイプラインの積上げによる売上高の伸長によって、研究開発費の水準を超える利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針であります。しかしながら、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、コスト上昇等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生する場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 社歴が浅いことについて
当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は5年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(7)業績の季節変動に係るリスクについて
当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、第4四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。第4四半期会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の顧客企業の予算消化サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が年度末に集中するためであります。なお、顧客の予算消化サイクルに関して、年度末に案件が集中する傾向にあります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。
なお、2019年3月期の当社の売上高の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりです。
2019年3月期 第1四半期 | 2019年3月期 第2四半期 | 2019年3月期 第3四半期 | 2019年3月期 第4四半期 | |
売上高(千円) | 104,840 | 141,423 | 168,119 | 392,964 |
(8)検収時期の変動による業績変動について
当社では、機体販売に係る収益の認識基準として検収基準を採用しております。実際の検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、屋外における試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順等によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9)研究開発活動について
当社は、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおり、自律制御技術、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めておりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入について
当社では、産学官連携で様々なプロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組むとともに、国からの補助金や助成金を受領することで、研究開発費の一部を賄っております。また、当該補助金等の受領は、各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。
今後、当社の事業に関連する国家プロジェクトそのものの規模が縮小する場合や補助金等の受領前の期間において研究開発資金が不足する場合には、必要な研究開発活動が頓挫することがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、現状の規模や制度の継続期間について、当社の受託する国家プロジェクトについて大きなウエイトを占めるものは、所轄、行政官庁より予算枠、存続期間が定められたものであり、制度そのものの存続性についての懸念は限定的であると考えられます。一方で、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴いますので、将来における予算に関しては、一部減額又は新規受託の場合は増額等の修正の可能性があります。
(11)小規模組織における管理体制について
当社は、本書提出日現在、取締役6名(内2名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員47名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。
今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12)訴訟について
当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)その他のリスク
① 配当政策について
当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。
現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。
② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は、1,173,750株であり、発行済株式総数の11.4%に相当しております。
③ ベンチャーキャピタル等の持株比率に関するリスク
2019年5月31日現在におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は3,983,355株であり、発行済株式総数10,264,605株に占める割合は38.8%となっております。
一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、株式公開後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社株式についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却することが想定されます。当該株式の売却により、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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