有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GKMJ
株式会社スマレジ 事業の内容 (2019年4月期)
当社は、飲食店や小売店が販売情報の管理・分析を行うために使用するクラウド型POSレジ「スマレジ」をはじめ、企業が経営管理に必要な情報の管理・分析を行うためのクラウドシステムを提供しております。また、上記クラウドサービスでユーザーが使用するタブレット、レシートプリンター等のレジ周辺機器等の販売を行っております。当社は、クラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、①各クラウドサービスの提供により月額利用料を徴収する「クラウドサービス月額利用料等」と、②上記のクラウドサービスでユーザーが利用するレジ周辺機器等の販売を行う「クラウドサービス関連機器販売等」にサービスを区分して記載しております。
(1) サービスの内容
① クラウドサービス月額利用料等
当社が提供するクラウドサービスは以下のとおりです。a 「スマレジ」
アパレルショップ等の小売店や飲食店等を主なユーザーとするクラウド型POSレジ「スマレジ」の提供がクラウドサービス事業の主たる事業内容となります。「スマレジ」は、クラウドを通してサービスを提供しているため、インターネット経由でどこからでもデータにアクセスすることができ、リアルタイムの売上情報、売上分析、商品情報など、店舗にまつわる情報をいつでも把握することが可能であります。料金体系については、主にBtoBを対象とするフリーミアム(注1)を採用しております。通常販売、値引・割引販売等のレジ機能を搭載した無料の「スタンダードプラン」を始め、ユーザーが必要とする機能に応じて4つの有料プランを選択できること、導入後もユーザーのニーズに合わせたプラン変更が可能な点が特徴となっております。
「スマレジ」プラン及び料金
プラン名 | 料金 | 概要 |
スタンダード | 1店舗のみ/ 月額無料 | 基本的なPOSレジ機能(※1)を備えた、気軽に使える無料プラン。 免税販売、軽減税率販売にも対応。 |
プレミアム | 1店舗につき/ 月額4,000円 | 複数の店舗でご利用頂けるプラン。売上データを一括管理。 役割・役職別の権限設定可能。 |
プレミアムプラス | 1店舗につき/ 月額7,000円 | 顧客管理、ポイント管理、電話サポートのついた上位プラン。 日別、商品別、客層など分析項目が多く、多角的な売上分析が可能。 |
フードビジネス | 1店舗につき/ 月額10,000円 | オーダーエントリーシステム(※2)を加えた飲食店向けフル機能プラン。「スマレジ・ウェイター」と「スマレジ」のセットプラン。 飲食店の注文入力からテーブル管理、お会計、売上分析まで、全てシームレスに利用可能。 |
リテールビジネス | 1店舗につき/ 月額12,000円 | 小売、アパレル向けの、高度な在庫管理が可能なフル機能プラン。 プレミアムプラスの機能に加えて、在庫変動履歴、棚卸、店舗間在庫移動機能、発注・入荷・出荷機能などの機能が充実しており、自由自在な在庫管理を実現。 |
※1 基本的なPOSレジ機能は、販売(免税販売対応)、レシート印刷、点検・精算、取引履歴管理、商品在庫管理、締め処理(日次・月次)、目標予算管理、売上分析、カスタマーディスプレイ機能等であります。
※2 オーダーエントリーシステムとは、メニュー管理、注文入力、テーブル管理などが行えるシステムです。いつでもどこからでもお店のテーブル状況や注文状況、売上明細情報をリアルタイムに確認することができます。
国内においてPOSレジシステムを提供している企業は当社以外にも複数ありますが、当社は、通常のレジ機能に加えて営業が収集した現場のニーズや、カスタマーサポートが収集したユーザーの要望を基に、素早く開発部門へフィードバックを行い、随時新機能を追加しており、適切なユーザビリティを追求したサービスの提供に主眼を置いております。「スマレジ」の解約率(注2)は0.82%となっており、ユーザーの要望を満たし、利便性を高めることで継続契約を維持しております。新規契約が翌年度以降の売上拡大に貢献し、継続契約が蓄積することで収益が安定する、安定性と成長性を両立するサブスクリプション型ビジネスとなっております。
2019年10月1日から施行される消費税増税に伴う消費税の軽減税率制度の導入により、事業者は必要に応じて、軽減税率に対応したレジの導入、もしくは既存のレジの改修を行う必要があります。当社では、軽減税率制度導入後も継続してユーザーに「スマレジ」を利用して頂くため、軽減税率に対応した機能を実装しております。
また会計システム、飲食店向けシステム、各種クレジットカード決済をはじめとする様々な企業との外部連携に対応し、その利便性を追求しております。
2017年7月に実施した「スマレジVER3.0」のメジャーバージョンアップでは、利用者アカウント別による権限設定を行い、管理者によるログイン履歴の確認や管理画面での登録・更新・ダウンロード等の操作ログ履歴の確認等の機能を実装することでセキュリティの向上を実現し、「スマレジ」は今まで以上に安心・安全なサービスとなりました。クラウドPOSのセキュリティに不安を感じていた企業にとっては、本バージョンアップによるセキュリティ強化が、「スマレジ」導入要因のひとつとなっています。
当社のデーターベースは、Amazon社の提供するAWS(アマゾンウェブサービス)にて一括管理をした上で、当社が独自で99.95%を保証するサービス品質保証制度(SLA)(注3)を導入し、高い可用性と耐久性の枠組みの中で、より安定したサービスの提供を継続しております。
販売戦略としては、販売パートナーとの協業体制の強化や、新規パートナーの獲得に取り組み、新たな企業とのタッチポイントが増えており、これらの活動が多店舗展開をしている企業での導入を牽引し、登録店舗数や累積取扱高の伸長につながっていると考えております。他社が提供する基幹システムや会計システム等のさまざまなサービスとの連携や、スマレジAPI(注4)を使った連携もスタートし、すでに導入済みのシステムを変更することなく、シームレスに当社システムを利用することができるため、基幹システムや会計システムを利用するような大手企業も「スマレジ」を導入しやすくなりました。当社では、複数店舗管理や店舗間の在庫管理を多額の導入コスト及び運用コストをかけずに導入したい等のニーズを有する中規模事業者をメインターゲットとして考えておりますが、上記のシステム連携等により、企業規模に関わらず、「スマレジ」をご利用いただくことが可能となっており、実際に1店舗を運営する事業者から100店舗以上を運営する事業者まで幅広いお客様にご利用いただいております。
また、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、2018年の訪日外国人観光客の人数は3,119万人、外国人旅行者による消費総額は4兆5,189億円を超えています。年々過去最高額を更新しているインバウンド消費も、「スマレジ」の累積取扱高を押し上げている一要因と考えられ、店頭での免税書類作成という煩雑な作業をサポートする「免税機能」も、「スマレジ」導入要因のひとつとなっています。
販売戦略や消費動向の後押しもあり、2019年3月には「スマレジ」の登録店舗数は65,000店を突破しました。
また、当事業年度末時点でのアクティブ店舗数は、無料プランで3,681店舗、有料プランで10,236店舗となっております。アクティブ店舗とは、「スマレジ」のレジ機能で1か月の間に商取引の記録を行った場合にアクティブ店舗と判断しております。よって、在庫管理やその他の機能などを利用していても、商取引の記録が無い場合は、アクティブ店舗にカウントされません。
なお、「スマレジ」の登録店舗数、アクティブ店舗数及び累積取扱高の推移は以下のとおりであります。
登録店舗数の推移
2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | |
スタンダード | 15,659 | 30,381 | 44,113 | 55,897 |
プレミアム | 375 | 764 | 1,257 | 1,710 |
プレミアムプラス | 1,013 | 1,400 | 1,977 | 3,077 |
フードビジネス | 475 | 845 | 1,332 | 2,035 |
リテールビジネス | 1,416 | 2,223 | 2,934 | 4,028 |
フード&リテール | 9 | 33 | 41 | 74 |
店舗合計 | 18,947 | 35,646 | 51,654 | 66,821 |
※スタンダードは無料プランとなっております。それ以外は有料プランとなっており、プラン毎にサービス内容が異なります。また店舗数の定義は、有料プラン無料プランに関わらず、実際に「スマレジ」でサインアップを行い、登録された店舗数です。お客様1社が複数の店舗を保有されている場合は、その店舗数分カウントされます。
アクティブ店舗数(プラン別登録店舗数に対するアクティブ店舗数の比率(%))の推移
2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | |
スタンダード | 1,112 (7.1) | 2,151 (7.1) | 3,001 (6.8) | 3,681 (6.6) |
プレミアム | 340 (90.7) | 712 (93.2) | 1,178 (93.7) | 1,598 (93.5) |
プレミアムプラス | 928 (91.6) | 1,305 (93.2) | 1,850 (93.6) | 2,771 (90.1) |
フードビジネス | 454 (95.6) | 779 (92.2) | 1,265 (95.0) | 1,931 (94.9) |
リテールビジネス | 1,349 (95.3) | 2,116 (95.2) | 2,839 (96.8) | 3,872 (96.1) |
フード&リテール | 9 (100.0) | 32 (97.0) | 36 (87.8) | 64 (86.5) |
アクティブ 店舗合計 | 4,192 (22.1) | 7,095 (19.9) | 10,169 (19.7) | 13,917 (20.8) |
累積取扱高の推移
2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | |
累積取扱高 (百万円) | 269,289 | 569,857 | 1,071,316 | 1,769,706 |
※累積取扱高とは、クラウド型POSレジ「スマレジ」のサービス開始以降、ユーザーが「スマレジ」を使って販売した商品やサービスの金額の合計をいいます。
なお、当該クラウド型POSレジに付随して、当社で独自に開発した勤怠管理システムの「スマレジ・タイムカード」や、飲食店向けオーダーエントリーシステム「スマレジ・ウェイター」のサービスも提供しております。
b「スマレジ・タイムカード」
スマートフォンやタブレットのカメラを利用した簡易認証つきクラウド型勤怠管理システムです。「スマレジ」の基本アーキテクチャである「スマートフォンアプリとクラウドの組み合わせ」を採用することで、開発コストを低く抑えながら、本格的な勤怠管理の使用に耐えうる機能と操作性を有するサービスとなっております。こちらの料金体系もフリーミアムを導入しています。タイムカードを打刻し、出勤簿を作成する機能は無料でご提供し、シフト作成や給与計算など高度な管理機能を行う箇所のみ有料オプションとなっています。これにより、大多数のユーザーには無料でご利用いただきながらも、上位機能へのアップグレードも手軽に行えるサービスとなっております。
c 「スマレジ給与計算」
「スマレジ ・タイムカード」の勤怠記録をもとに自動で給与を算出するサービスです。複雑な賃金体系や各種保険・税金の計算にも柔軟に対応し、職場に応じた給与体系を設定するだけで、独自の手当や控除も自由に設定することができます。
「スマレジ」や「スマレジ・タイムカード」と連携することで、「スマレジ」のすべてのサービスをシームレスに利用可能です。
d 「スマレジ・ウェイター」
スマートフォンやタブレットを用いた飲食店向けオーダーエントリーシステムです。飲食店のオーダーエントリー業務に必要な機能を完備しつつ、汎用コンピューターの利用により専用端末を用いた従来型のオーダーエントリーシステムに比べて低価格を実現しています。
「スマレジ」の営業展開を行うなかで、多数のユーザーからリクエストをいただき、開発がスタートしました。クラウドサーバーを利用することによって、ユーザーはインターネット環境さえあればいつでもどこでもお店の状況をリアルタイムで把握することができ、迅速な経営判断に役立てることができます。
また、来店客の持つスマートフォンがそのまま注文端末になる「セルフオーダー」機能も備えています。来店客の注文時の煩わしさを改善でき、店舗側はセルフオーダーの仕組みを簡単に取り入れられるという、相互にメリットのある機能となっています。
なお、店舗内サーバー「ウェイターBOX」を設置すれば、万が一、インターネットが断線した場合も、従来通りオーダーをとって営業を行うことが可能となっております。ウェイターBOXに蓄積された注文データは、インターネット接続が回復すれば、自動でクラウドに同期されます。
(注1)フリーミアム
基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルをいいます。
(注2)解約率
MRRチャーンレート(2018年5月から2019年4月までの12か月平均)を記載。MRRチャーンレートとは、当月失った月次収益を先月末時点の月次収益で除すことで計算される実質解約率です。
(注3)サービス品質保証制度(SLA)
「Service Level Agreement」の略で、ITサービスの提供者と委託者との間で、ITサービスの契約を締結する際に、提供するサービスの範囲・内容及び前提となる諸事項を踏まえた上で、サービスの品質に対するサービス・レベルを両者の合意に基づいて規定するとともに、合意内容が適正に実現されるための運営ルールを定めたものとなっております。
(注4)スマレジAPI
「スマレジ」の機能やデータを他のシステムから呼び出して使用するための、プログラミングのインターフェースのことです。スマレジAPIを利用することで、「スマレジ」の売上データを外部の会計システムに反映したり、「スマレジ」の顧客データを外部のシステムで呼び出して、マーケティング用データとして使用できるようにする等自由なカスタマイズが可能になります。
② クラウドサービス関連機器販売等
クラウドサービスに付随して、飲食店や小売店で「スマレジ」を利用する際に使用するタブレットやレシートプリンター等のレジ周辺機器及びレシートロール紙等の消耗品の販売を行っております。レジならではの初期導入費用が発生することで、月額利用料以外の収入源を確保しております。さらに、機器の販売だけでなく、初期セットアップやトレーニング、商品データの移行・登録代行、在庫管理導入サポートなどのサービスも有償で提供しております。
また、レジ周辺機器をはじめとする店舗用品を取り扱うECサイト「STORE STORE」の運営を行っております。
上記①②以外に、顧客から要望があった場合、有償で個別カスタマイズ等を行っております。
(2) 販売チャネル
① クラウドサービス月額利用料等
当社は、当社ショールーム(東京、横浜、名古屋、大阪)に所属するスタッフ及びホームページによるクラウドサービスの販売を行っております。当社ショールームでは、当社スタッフによるサービスの説明に加えて、当社サービスを実際に体験頂くことが可能です。また、当社では以下の販売パートナー制度を導入しております。
a)取次店パートナー
取次店パートナーは、当社へユーザーの紹介を行い、当社がユーザーと契約を行います。b)代理店パートナー
代理店パートナーは、ユーザーに提案活動を行い、当社とユーザーの契約を代行します。c)販売店パートナー
販売店パートナーは、当社が提供するクラウドサービス及びレジ周辺機器等をユーザーに販売します。d)FCパートナー
FCパートナーは、当社ショールームと同等の商談ルーム及び展示機器を準備し、当社が提供するクラウドサービス及びレジ周辺機器等をユーザーに販売します。現在、FCパートナーにより福岡ショールームの運営が行われております。上記に加え、オンラインでアカウントを作成することで、当社や販売パートナーのスタッフとの商談を経ることなく、利用を開始することが可能です。
② クラウドサービス関連機器販売等
当社は、当社ショールームで申し込みをされたユーザーに対して、クラウドサービスでユーザーが利用するレジ周辺機器の販売を行っております。また、「スマレジ」のマイページにおいて、ユーザーに対し、消耗品であるレシートロールの販売を行っております。また、当社は、レジ周辺機器をはじめとする店舗用品の販売を行うECサイト「STORE STORE」を運営しており、こちらでは、ECサイトを訪問した消費者に対して、販売を行っております。
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
[事業系統図]
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E34643] S100GKMJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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