有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100H6IZ
株式会社ブシロード 事業の内容 (2019年7月期)
当社グループは当社及び子会社9社の合計10社により構成されており、良質なIP(Intellectual Property:知的財産)を開発・取得・発展するIPディベロッパーとして「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、IPを軸に置いて事業を展開しております。
当社グループ内にはトレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、音楽部門、マーチャンダイジング(MD)部門、メディア部門があり、TCGやMOG、音楽CD、ライブ、グッズ、書籍など様々なサービス展開(=メディアミックス)をワンストップでタイミングよく提供できる体制を構築しております。この体制によって様々なチャネルからファンを獲得することができ、さらに収益源が多角化する体制であるため、1部門で得られる収益のボラティリティが高くとも他の部門で補えるビジネスモデルとなっております。
また創業当初よりIPやメディアミックス展開が幅広く認知されることを重要視しており、屋外広告、TVCM、紙面出稿、SNS、WEB広告等などオフライン、オンライン問わず積極的で幅広い広告宣伝施策を展開しております。
なお、報告セグメントにつきましてはエンターテイメント事業とスポーツ事業に区分をしており、当社グループ各社の事業内容とセグメント区分との関連は次のとおりです。
*連結子会社
当社グループにおける主要部門別の売上高は次のとおりです。
当社グループにおける売上高10億円以上のIPは次のとおりです。
当社グループにおける年間の広告宣伝費及び販売促進費の推移は次のとおりです。
1.エンターテイメント事業
エンターテイメント事業は、トレーディングカードゲーム部門、モバイルオンラインゲーム部門、音楽ソフト販売や声優のマネージメント等を行う音楽部門、自社・他社のIPに関連するグッズの企画・発売等を行うMD部門、関連書籍の出版や広告代理店業務を行うメディア部門の5部門に分かれており、それらを担う当社と連結子会社の相互作用によって独創性が高いIPを開発(または良質なIPを取得)し、時代の潮流を読みながら多角的なメディアミックスを行うことでIPを発展させ、事業を拡大しております。
2015年1月に発表した「BanG Dream!(バンドリ!)」プロジェクトは、キャラクターの声を演じる声優が実際に楽器を演奏し、生のライブ活動を行うというユニークな発想を起点として開発したIPであり、こうした音楽活動をはじめ、アニメ、モバイルオンラインゲーム、トレーディングカードゲーム、MDといった様々なメディアミックスと幅広い広告宣伝によって多様なチャネルからユーザーを獲得しております。収益の面においてもモバイルオンラインゲームやトレーディングカードゲームのみならず、子会社が担う音楽ソフトやMDの売上が順調に伸びており、IPが発展することによって子会社を含む各部門の成長が牽引され、それによって収益面においてボラティリティの高い部門を他の部門が補うことができるという当社が理想とするビジネスモデルを体現したIPとなっております。
2017年4月に発表した「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、昨今エンターテイメント業界で話題となっている「2.5次元ミュージカル(2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称)」の多くがアニメのミュージカル化であることに対し、ミュージカルを原点としたアニメとの二層展開式プロジェクトという発想から開発されたIPであり、ミュージカル、アニメともに同一のキャストが演じることがプロジェクトに一体感をもたらし、どちらの入り口からも相乗的にファンを獲得できるIPとなっております。また、こちらも「BanG Dream!(バンドリ!)」同様にIPをさらに発展させるべく、モバイルオンラインゲームやトレーディングカードゲーム、MDなど様々な展開を実施しております。
① トレーディングカードゲーム部門
当社が創業より開発、発売を行っておりますトレーディングカードゲームは、1対1の対面で遊べるアナログゲームであり、現在「カードファイト!! ヴァンガード」、「ヴァイスシュヴァルツ」、「フューチャーカード バディファイト」、「ラブライブ!スクールアイドルコレクション」の4タイトルを展開しております。
このうち「ヴァイスシュヴァルツ」は、自社他社問わずアニメやゲームなど様々な有力IPを取り入れたプラットフォーム型TCGであり、2008年3月の発売以降100を超えるIPに参入いただいております。これは当社が積極的かつ総合的なプロモーションを実現している事から、「ヴァイスシュヴァルツ」への参入が単なる商品化としての側面だけでなく、IP自体のプロモーションに寄与することが1つの要因であり、当社が「協業先から選んでいただけるIPプロデュース会社」であることを意味しています。
一方で「カードファイト!! ヴァンガード」はオリジナルIPとしての側面も持つトレーディングカードゲームであり、発売以来国内のTCG市場上位に位置し続けております。また、当社の有力IPの1つとしてアニメやコミック、MD、コンシューマーゲームなど様々な形のメディアミックス展開も盛んに行っております。
いずれのトレーディングカードゲームにおいても対戦相手が必要なアナログゲームであるため、販売小売店での大会開催支援や当社主催での大型大会及びイベントの開催などユーザーが遊べる場所の提供をインフラ整備として積極的に行っており、その運営ノウハウが他の部門でも生かされております。
海外展開においては日本語版の輸出や英語版の発売の他、「カードファイト!! ヴァンガード」ではイタリア語、タイ語、韓国語などでもローカライズ(翻訳、仕様変更等)を行っており、当連結会計年度末時点では海外60カ国以上で発売しております。海外での主催大会においても、アメリカやフランス、ドイツ、シンガポール、中国、タイなど世界20カ国以上で毎年開催するなど意欲的に展開を進めております。
② モバイルオンラインゲーム部門
当社のモバイルオンラインゲームはゲームブランド「ブシモ」を冠してGoogle LLC.及びApple Inc.等が運営するプラットフォームを介しユーザーに無料で提供され、一部アイテムを購入する際に課金される課金型のビジネスモデルを導入しており、当連結会計年度末月時点で「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」等自社IPを題材としたタイトルや「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」等他社IPを題材としたタイトルなど、主にIPを中心とした計12タイトルを提供しております。
当事業において提供しているタイトルはすべて外部のパートナー会社と共同で展開をしているものであり、その収益モデルは(1)当社がゲームの企画、製作、宣伝、配信を行って課金収入を得、外部のパートナー会社に開発及び運営を外注又は委託するケース、(2)当社がゲームの企画、製作、宣伝を、プロジェクトパートナー会社が開発、運営、配信を担い、収益は一定割合で分配するケースの2通りに分けられます。現在の主力タイトルである「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」はいずれも(2)の収益モデルに該当しております。
海外展開においてはパートナー会社と協力しながら、グローバル版(英語)、繁体字版、簡体字版、韓国語版をメインに展開しております。
③ 音楽部門
当社の音楽部門は連結子会社㈱ブシロードミュージックにおいて自社IPを中心に、音楽ソフトの販売や楽曲の権利開発、ライブやイベント運営などを行っております。またそれらの音楽ソフトやライブは、同じく連結子会社の㈱響に所属する声優を中心に展開しているため、他社では模倣する事が困難なフットワークの軽さによって良質なパフォーマンスを実現しており、多くのユーザーから支持を頂いております。
④ MD部門
MD部門は連結子会社㈱ブシロードクリエイティブと当社にて展開しており、㈱ブシロードクリエイティブにおいては自社や他社の有力IPを用いたグッズの企画・制作・販売を行っております。販売チャネルは全国にあるアニメショップなどでの一般流通のほか、全国のカプセル玩具自動販売機向けの販売や、アミューズメント施設向け景品の商品化も行っております。またIPのファンが集うイベント会場や商業施設での期間限定ポップアップストアなどコアなファンに向けた商品展開にも積極的に取り組んでおり、IPに対するユーザーのロイヤリティをさらに高める役割を果たしております。また当社でも主催イベントでのグッズ販売やトレーディングカードゲーム関連のサプライ用品などを企画・発売しております。また、これらのMDや③の音楽ソフト等を取り扱うオンラインショップ「ブシロードEC SHOP」を運営しております。
⑤ メディア部門
連結子会社㈱ブシロードメディアにおいて、「カードファイト!! ヴァンガード」「BanG Dream!(バンドリ)」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を看板タイトルに掲げた雑誌「月刊ブシロード」を制作・発行しております。「月刊ブシロード」の名を冠した実写情報バラエティ番組「月刊ブシロードTV」の制作・放送・配信も併せて行っており、雑誌単体では成し得ない複合的なプロモーションが可能となっております。また、㈱響にてWEBラジオの配信プラットフォームである「響 -HiBiKi Radio Station-」を運営しており、自社、他社問わず有力IPのWEBラジオを配信しております。アニメコンテンツのジャンルでは数少ないWEBラジオのプラットフォームであるため、業界の最新情報や有力IPの取得にも貢献しております。
2.スポーツ事業
スポーツ事業は、2012年1月に連結子会社化した新日本プロレスリング㈱と、2016年8月に設立した連結子会社㈱キックスロードの2社において、興行部門、グッズの企画・販売等を行うMD部門、試合を中心とした動画コンテンツの企画・制作・配信を行うコンテンツ部門を展開しております。新日本プロレスリング㈱は45年を超える歴史を持ち、日本で唯一1989年から現在まで毎年東京ドームでの興行を開催し続けているプロレス団体です。連結子会社化以降、興行の動員人数や全体の売上は伸張し続けており、当連結会計年度においては過去最高の売上額を達成いたしました。
なお、当連結会計年度のスポーツ事業における売上高の内訳は興行部門がおよそ5割、MD部門がおよそ3割、コンテンツ部門がおよそ2割となっております。
① 興行部門
新日本プロレスリング㈱は1972年に旗揚げした歴史あるプロレス興行会社であり、年間およそ160試合を開催し、2019年7月期には延べ436,000名ほどを動員いたしました。また北米を中心とした海外での興行にも注力しており、2019年4月に開催された米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン大会では、アメリカの団体ROHとの合同興行で16,534名(札止め)の観衆を集めました。
② MD部門
選手や団体名に関連するモチーフを使用したアパレルや雑貨などグッズの企画、販売を行っております。販売チャネルは興行時の会場内物販や各種イベントを主としており、新日本プロレスリング㈱では直営ECサイト「闘魂SHOP」でも販売を行っております。
③ コンテンツ部門
新日本プロレスリング㈱は㈱テレビ朝日との共同事業として、主要大会の生中継や過去の名勝負等現在から過去まで豊富な映像資産を有しており、それらを有力なコンテンツとして月額動画配信サービス「新日本プロレスワールド」(約100,000名)などの各種動画メディアにて配信しております。また、こういった映像コンテンツは今後の海外展開においてもファン獲得の肝であり、外国語実況及び字幕をつけるなど海外の視聴者にも向けたコンテンツ作りへより一層注力し、さらなる海外ファンの掘り起こしを促進しております。
[事業系統図]
当社グループ内にはトレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、音楽部門、マーチャンダイジング(MD)部門、メディア部門があり、TCGやMOG、音楽CD、ライブ、グッズ、書籍など様々なサービス展開(=メディアミックス)をワンストップでタイミングよく提供できる体制を構築しております。この体制によって様々なチャネルからファンを獲得することができ、さらに収益源が多角化する体制であるため、1部門で得られる収益のボラティリティが高くとも他の部門で補えるビジネスモデルとなっております。
また創業当初よりIPやメディアミックス展開が幅広く認知されることを重要視しており、屋外広告、TVCM、紙面出稿、SNS、WEB広告等などオフライン、オンライン問わず積極的で幅広い広告宣伝施策を展開しております。
なお、報告セグメントにつきましてはエンターテイメント事業とスポーツ事業に区分をしており、当社グループ各社の事業内容とセグメント区分との関連は次のとおりです。
セグメント区分 | 会社名 | 事業内容 |
エンターテイメント事業 | ㈱ブシロード(当社) | トレーディングカードゲーム部門 (TCGの企画、開発、発売) モバイルオンラインゲーム部門 (MOGの企画、開発) MD部門 (グッズの企画、開発、発売) (ECサイトの運営) 各種IPの企画、開発、プロデュース業務 |
㈱ブシロードミュージック* | 音楽部門 (音楽コンテンツの企画、制作、管理) (ライブやイベントの企画、制作、運営) | |
㈱ブシロードメディア* | メディア部門 (雑誌・書籍制作) (広告代理店・番組制作) | |
㈱ブシロードクリエイティブ* | MD部門 (グッズの企画、開発、発売) (グッズ販売イベントの企画、運営) | |
㈱響* | 音楽部門 (声優マネージメント) メディア部門 (インターネットラジオの運営) | |
Bushiroad International Pte. Ltd. * | 海外での当社製品の販売 トレーディングカードゲーム部門 (TCGの開発、発売) モバイルオンラインゲーム部門 (MOGのローカライズ) | |
Bushiroad USA Inc. | 米国での当社製品の販売 | |
Bushiroad Europe GmbH | 欧州での当社製品の販売 |
セグメント区分 | 会社名 | 事業内容 |
スポーツ事業 | 新日本プロレスリング㈱* | 興行部門 (プロレスリングの興行) MD部門 (グッズの企画、販売) コンテンツ部門 (映像コンテンツの制作、配信) (ファンクラブの運営) |
㈱キックスロード* | 興行部門 (キックボクシングの興行) MD部門 (グッズの企画、販売) コンテンツ部門 (映像コンテンツの制作、配信) |
当社グループにおける主要部門別の売上高は次のとおりです。
主要部門別売上高 (単位:千円) |
部門名 | 2018年7月期 | 2019年7月期 |
トレーディングカードゲーム | 10,172,133 | 9,432,056 |
モバイルオンラインゲーム | 7,393,957 | 7,433,020 |
音楽(㈱ブシロードミュージック) | 2,040,322 | 3,260,723 |
MD(㈱ブシロードのMD部門と㈱ブシロードクリエイティブ) | 2,867,249 | 4,553,483 |
新日本プロレス(興行、MD、コンテンツ部門) | 4,890,620 | 5,416,037 |
その他 | 1,525,496 | 2,080,519 |
合計 | 28,889,777 | 32,175,839 |
当社グループにおける売上高10億円以上のIPは次のとおりです。
2018年7月期 売上高10億円以上(※1)のIP | 2019年7月期 売上高10億円以上(※2)のIP | |||||
順位 | IP名 | 自社/他社 | 順位 | IP名 | 自社/他社 | |
1 | BanG Dream!(バンドリ!) | 自社IP | 1 | BanG Dream!(バンドリ!) | 自社IP | |
2 | 新日本プロレス | 自社IP | 2 | 新日本プロレス | 自社IP | |
3 | カードファイト‼ ヴァンガード | 自社IP | 3 | カードファイト‼ ヴァンガード | 自社IP | |
4 | ラブライブ! | 他社IP | 4 | ラブライブ! | 他社IP | |
5 | フューチャーカード バディファイト | 自社IP | 5 | フューチャーカード バディファイト | 自社IP | |
6 | 戦姫絶唱シンフォギア | 他社IP | 6 | 少女☆歌劇 レヴュースタァライト | 自社IP | |
(※1、2)社内集計数値 | 7 | 戦姫絶唱シンフォギア | 他社IP |
当社グループにおける年間の広告宣伝費及び販売促進費の推移は次のとおりです。
(単位:千円) |
2018年7月期 | 2019年7月期 | |
広告宣伝費 | 5,060,226 | 5,003,442 |
販売促進費 | 1,717,324 | 1,644,840 |
1.エンターテイメント事業
エンターテイメント事業は、トレーディングカードゲーム部門、モバイルオンラインゲーム部門、音楽ソフト販売や声優のマネージメント等を行う音楽部門、自社・他社のIPに関連するグッズの企画・発売等を行うMD部門、関連書籍の出版や広告代理店業務を行うメディア部門の5部門に分かれており、それらを担う当社と連結子会社の相互作用によって独創性が高いIPを開発(または良質なIPを取得)し、時代の潮流を読みながら多角的なメディアミックスを行うことでIPを発展させ、事業を拡大しております。
2015年1月に発表した「BanG Dream!(バンドリ!)」プロジェクトは、キャラクターの声を演じる声優が実際に楽器を演奏し、生のライブ活動を行うというユニークな発想を起点として開発したIPであり、こうした音楽活動をはじめ、アニメ、モバイルオンラインゲーム、トレーディングカードゲーム、MDといった様々なメディアミックスと幅広い広告宣伝によって多様なチャネルからユーザーを獲得しております。収益の面においてもモバイルオンラインゲームやトレーディングカードゲームのみならず、子会社が担う音楽ソフトやMDの売上が順調に伸びており、IPが発展することによって子会社を含む各部門の成長が牽引され、それによって収益面においてボラティリティの高い部門を他の部門が補うことができるという当社が理想とするビジネスモデルを体現したIPとなっております。
2017年4月に発表した「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、昨今エンターテイメント業界で話題となっている「2.5次元ミュージカル(2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称)」の多くがアニメのミュージカル化であることに対し、ミュージカルを原点としたアニメとの二層展開式プロジェクトという発想から開発されたIPであり、ミュージカル、アニメともに同一のキャストが演じることがプロジェクトに一体感をもたらし、どちらの入り口からも相乗的にファンを獲得できるIPとなっております。また、こちらも「BanG Dream!(バンドリ!)」同様にIPをさらに発展させるべく、モバイルオンラインゲームやトレーディングカードゲーム、MDなど様々な展開を実施しております。
① トレーディングカードゲーム部門
当社が創業より開発、発売を行っておりますトレーディングカードゲームは、1対1の対面で遊べるアナログゲームであり、現在「カードファイト!! ヴァンガード」、「ヴァイスシュヴァルツ」、「フューチャーカード バディファイト」、「ラブライブ!スクールアイドルコレクション」の4タイトルを展開しております。
このうち「ヴァイスシュヴァルツ」は、自社他社問わずアニメやゲームなど様々な有力IPを取り入れたプラットフォーム型TCGであり、2008年3月の発売以降100を超えるIPに参入いただいております。これは当社が積極的かつ総合的なプロモーションを実現している事から、「ヴァイスシュヴァルツ」への参入が単なる商品化としての側面だけでなく、IP自体のプロモーションに寄与することが1つの要因であり、当社が「協業先から選んでいただけるIPプロデュース会社」であることを意味しています。
一方で「カードファイト!! ヴァンガード」はオリジナルIPとしての側面も持つトレーディングカードゲームであり、発売以来国内のTCG市場上位に位置し続けております。また、当社の有力IPの1つとしてアニメやコミック、MD、コンシューマーゲームなど様々な形のメディアミックス展開も盛んに行っております。
いずれのトレーディングカードゲームにおいても対戦相手が必要なアナログゲームであるため、販売小売店での大会開催支援や当社主催での大型大会及びイベントの開催などユーザーが遊べる場所の提供をインフラ整備として積極的に行っており、その運営ノウハウが他の部門でも生かされております。
海外展開においては日本語版の輸出や英語版の発売の他、「カードファイト!! ヴァンガード」ではイタリア語、タイ語、韓国語などでもローカライズ(翻訳、仕様変更等)を行っており、当連結会計年度末時点では海外60カ国以上で発売しております。海外での主催大会においても、アメリカやフランス、ドイツ、シンガポール、中国、タイなど世界20カ国以上で毎年開催するなど意欲的に展開を進めております。
② モバイルオンラインゲーム部門
当社のモバイルオンラインゲームはゲームブランド「ブシモ」を冠してGoogle LLC.及びApple Inc.等が運営するプラットフォームを介しユーザーに無料で提供され、一部アイテムを購入する際に課金される課金型のビジネスモデルを導入しており、当連結会計年度末月時点で「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」等自社IPを題材としたタイトルや「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」等他社IPを題材としたタイトルなど、主にIPを中心とした計12タイトルを提供しております。
当事業において提供しているタイトルはすべて外部のパートナー会社と共同で展開をしているものであり、その収益モデルは(1)当社がゲームの企画、製作、宣伝、配信を行って課金収入を得、外部のパートナー会社に開発及び運営を外注又は委託するケース、(2)当社がゲームの企画、製作、宣伝を、プロジェクトパートナー会社が開発、運営、配信を担い、収益は一定割合で分配するケースの2通りに分けられます。現在の主力タイトルである「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」はいずれも(2)の収益モデルに該当しております。
海外展開においてはパートナー会社と協力しながら、グローバル版(英語)、繁体字版、簡体字版、韓国語版をメインに展開しております。
③ 音楽部門
当社の音楽部門は連結子会社㈱ブシロードミュージックにおいて自社IPを中心に、音楽ソフトの販売や楽曲の権利開発、ライブやイベント運営などを行っております。またそれらの音楽ソフトやライブは、同じく連結子会社の㈱響に所属する声優を中心に展開しているため、他社では模倣する事が困難なフットワークの軽さによって良質なパフォーマンスを実現しており、多くのユーザーから支持を頂いております。
④ MD部門
MD部門は連結子会社㈱ブシロードクリエイティブと当社にて展開しており、㈱ブシロードクリエイティブにおいては自社や他社の有力IPを用いたグッズの企画・制作・販売を行っております。販売チャネルは全国にあるアニメショップなどでの一般流通のほか、全国のカプセル玩具自動販売機向けの販売や、アミューズメント施設向け景品の商品化も行っております。またIPのファンが集うイベント会場や商業施設での期間限定ポップアップストアなどコアなファンに向けた商品展開にも積極的に取り組んでおり、IPに対するユーザーのロイヤリティをさらに高める役割を果たしております。また当社でも主催イベントでのグッズ販売やトレーディングカードゲーム関連のサプライ用品などを企画・発売しております。また、これらのMDや③の音楽ソフト等を取り扱うオンラインショップ「ブシロードEC SHOP」を運営しております。
⑤ メディア部門
連結子会社㈱ブシロードメディアにおいて、「カードファイト!! ヴァンガード」「BanG Dream!(バンドリ)」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を看板タイトルに掲げた雑誌「月刊ブシロード」を制作・発行しております。「月刊ブシロード」の名を冠した実写情報バラエティ番組「月刊ブシロードTV」の制作・放送・配信も併せて行っており、雑誌単体では成し得ない複合的なプロモーションが可能となっております。また、㈱響にてWEBラジオの配信プラットフォームである「響 -HiBiKi Radio Station-」を運営しており、自社、他社問わず有力IPのWEBラジオを配信しております。アニメコンテンツのジャンルでは数少ないWEBラジオのプラットフォームであるため、業界の最新情報や有力IPの取得にも貢献しております。
2.スポーツ事業
スポーツ事業は、2012年1月に連結子会社化した新日本プロレスリング㈱と、2016年8月に設立した連結子会社㈱キックスロードの2社において、興行部門、グッズの企画・販売等を行うMD部門、試合を中心とした動画コンテンツの企画・制作・配信を行うコンテンツ部門を展開しております。新日本プロレスリング㈱は45年を超える歴史を持ち、日本で唯一1989年から現在まで毎年東京ドームでの興行を開催し続けているプロレス団体です。連結子会社化以降、興行の動員人数や全体の売上は伸張し続けており、当連結会計年度においては過去最高の売上額を達成いたしました。
なお、当連結会計年度のスポーツ事業における売上高の内訳は興行部門がおよそ5割、MD部門がおよそ3割、コンテンツ部門がおよそ2割となっております。
① 興行部門
新日本プロレスリング㈱は1972年に旗揚げした歴史あるプロレス興行会社であり、年間およそ160試合を開催し、2019年7月期には延べ436,000名ほどを動員いたしました。また北米を中心とした海外での興行にも注力しており、2019年4月に開催された米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン大会では、アメリカの団体ROHとの合同興行で16,534名(札止め)の観衆を集めました。
② MD部門
選手や団体名に関連するモチーフを使用したアパレルや雑貨などグッズの企画、販売を行っております。販売チャネルは興行時の会場内物販や各種イベントを主としており、新日本プロレスリング㈱では直営ECサイト「闘魂SHOP」でも販売を行っております。
③ コンテンツ部門
新日本プロレスリング㈱は㈱テレビ朝日との共同事業として、主要大会の生中継や過去の名勝負等現在から過去まで豊富な映像資産を有しており、それらを有力なコンテンツとして月額動画配信サービス「新日本プロレスワールド」(約100,000名)などの各種動画メディアにて配信しております。また、こういった映像コンテンツは今後の海外展開においてもファン獲得の肝であり、外国語実況及び字幕をつけるなど海外の視聴者にも向けたコンテンツ作りへより一層注力し、さらなる海外ファンの掘り起こしを促進しております。
[事業系統図]
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E35004] S100H6IZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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