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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ICUK

有価証券報告書抜粋 Spiber株式会社 事業の内容 (2014年12月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社グループ(当社及び連結子会社であるXpiber株式会社により構成される。以下同じ。)は、タンパク質を持続可能な新世代の基幹素材として普及させるための研究開発に取り組んでおります。当社グループの事業セグメントは構造タンパク質素材事業(以下、「本事業」といいます。)のみの単一セグメントです。

(1) 研究開発の概要

約38億年前の生命誕生以来、地球上のあらゆる生物はその体を造る基幹素材としてタンパク質を利用してきました。クモが命綱に使う糸の重さあたりの強靱性は鉄の約340倍であり、その優れた衝撃吸収性は他を圧しています。アリの歯はチタン合金並みの硬度を有し、ある種の昆虫に見られる驚異的な跳躍力は彼らに搭載されたエネルギーロスの少ないゴム組織により実現されています。ウールやカシミヤも生物由来の材料ですが、保温性や吸湿速乾性など、衣料材料として優れた特性を有することは広く知られています。これらの主成分はみなタンパク質です。タンパク質は20種類のアミノ酸からなる生体高分子であり、結合させるアミノ酸の種類や個数を変えることで多様な機能を生み出すことができます。地球上には、何十億年もの間、突然変異と自然淘汰の中で洗練されてきた膨大な種類のタンパク質が存在しています。
石油をはじめとする化石資源に頼らず、地上資源の循環によって成り立つ持続可能な社会を実現する上で、タンパク質素材の果たしうる役割は大きい一方、その普及には多くの障壁が存在します。生き物が作り出す素材は、魅力的な性能を持つ一方で、工業利用に必要なその他の基本性能や均質性の担保に課題があり工業利用は困難を極めます。また、クモを始めとし、そもそも家畜化に適さない生物も多く存在します。タンパク質を素材として普及させるには、それぞれの産業・用途で求められる性能要件を満たすタンパク質素材を、低コストかつ安定した品質で生産する技術の確立が必要不可欠です。こうした背景の中、以下の素材開発/生産プロセスを基盤に当社の開発する構造タンパク質素材(以下、「本素材」といいます。)を普及させるための研究開発に取り組んでおります。

① プロセスの概要
当社グループでは、独自の分子構造・性能・生産性をもつタンパク質を分子レベルで設計する技術、設計したタンパク質を人工的に大量生産する技術、大量生産したタンパク質を繊維・樹脂・フィルムなど用途に応じた形態の素材に加工する技術を独自に開発しています。
(A) 分子設計:目的の特性をもつタンパク質素材を得るためのアミノ酸配列をコンピューター上で設計します。
(B) 遺伝子合成:設計したタンパク質に対応する遺伝子 (DNA)を化学的に人工合成します。
(C) 発酵:合成した遺伝子を導入した微生物に糖類等の栄養源を与えて培養し、設計したタンパク質を生産させます。
(D) 精製:発酵後の培養液から設計したタンパク質を取り出し、微生物の残渣等から分離します。
(E) 加工:設計したタンパク質を加工し、繊維・樹脂・フィルムなど後工程での用途に応じた形態に成型します。




② プロセスの特徴・革新性
(A)テーラーメード分子設計:当社グループではこれまで既に大量のタンパク質分子を設計し、素材としての機能性・生産性などの評価をしてデータベース化しています。こうした膨大なデータから、アミノ酸配列の違いが強度、伸縮性、親水・疎水性、紫外線耐性、生体適合性などの素材特性にどのような影響を与えるかについての知見を蓄積しています。分子設計が可能であることは本素材の極めて画期的な特徴であり、すなわち最終用途に応じて求められる性能の素材をテーラーメードで設計できるようになることを意味します。これは「素材ありきのものづくり」から、「用途ありきのものづくり」へのパラダイムシフトです。
(B)環境性:本素材は、微生物を用いた発酵プロセスによって生産しており、その原材料、すなわち微生物の栄養源は、糖類などの農業作物由来の資源(バイオマス)です。石油等の枯渇資源に頼らず、バイオマスを原材料として生産が可能であり、高い生分解性も期待できることから、持続可能な循環型素材といえます。
(C)単一プロセス複数プロダクト:微生物を利用したタンパク質の発酵生産においては、タンパク質の設計図となる遺伝子さえ変えれば、ひとつの生産プロセスで膨大な種類のタンパク質の生産が可能です。すなわち、同一工場、同一原料で無数のバリエーションの素材が生産できます。

(2) 事業の概要

当社グループは、現在は本素材の普及に向けた研究開発段階にありますが、中期的には当社グループで本素材の商業生産を行い、顧客に対して本素材、又は本素材を用いた製品を販売することで収益基盤を構築する予定でおります。
また、当社グループが目指す長期的なビジネスモデルは、知的財産の独占的基盤に基づく「ライセンスビジネス」です。当社グループによる本素材の商業生産により普及の礎を築いた後は、第三者への技術ライセンスを行うことで本素材の製造規模を加速度的に拡大し、世界規模での普及を実現する予定です。

沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E35280] S100ICUK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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