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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J35W (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 AI inside株式会社 事業の内容 (2020年3月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社のミッションは、世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献することです。
「AI inside X」というビジョンで、「X=様々な環境」に溶け込むAIを実装し、誰もが特別な意識をすることなくAIを使える、その恩恵を受けられる、といった社会を目指しています。
当社はまず「AI inside [Company]」というビジョンで、人々がAIを使って働き方や生き方をより良いものにしていくことをサポートしており、当社の製品により、ユーザの働き方をどれだけ変えられたか、どれだけ働きやすくなったのかにフォーカスしています。そのため、高品質なユーザ体験を届けることは当社にとって最優先の事項です。この徹底したユーザ重視の姿勢は、当社の重要な文化であり、下記の3点をユーザにコミットします。
・高品質・高価値なAIを提供するために最善を尽くします。
・製品をより使いやすく、より優れたユーザ体験を届けるため、継続的に行動します。
・短期的な経済的利益のために、ユーザ重視の姿勢を妥協しません。
当社の経営は、徹底したユーザ重視を基本方針としています。


現在、国内において生産年齢人口は1995年をピークに減少傾向にあり、2020年に7,341万人程になると見込まれております。20年後の2040年には現在と比較し1,554万人程が減少し、5,787万人程になると予想されております(注1)。そのような背景の中、これまで人が行ってきた業務を機械化し、生産性を維持・向上させること、また、業務を高付加価値なものにすることがこれまで以上に強く求められております。しかしながら、これまで人が行ってきた業務は、機械やソフトウェアで代替することが困難な業務が多い故に、人が行ってきておりました。
昨今は、そういった複雑な業務を人のようにこなせる「AI」が注目されており、実証実験や一部の社会実装が始まっているという情勢であります。当社は、AIは今後より急速に社会に普及していくと考えております。
また、その急速な普及のため、政府においてはAIを各専門分野に応用できる人材を年間25万人育成する目標も公表されており(注2)、社会普及の実現には、AI開発と運用をよりスムーズに行えるようインフラも整える必要があると考えております。

(注1) 出所 総務省「2017年情報通信白書」2015年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年1月推計)」(出生中位・死亡中位推計)
(注2) 出所 首相官邸「統合イノベーション戦略推進会議(第4回)」AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)についての資料


当社はその創業にあたり、「企業の業務プロセスの内、人の手で行われているものを、AIでサポートすること」を目指しました。そこで「企業が既に外部委託している業務プロセス」を調査し、まず初めに、データ入力業務をAIでサポートすることを目的に、研究開発を始めました。その後の最新調査によると、データ入力業務を含む「非IT系の外部委託市場」については2016年度で1.66兆円の実績、2017年度で1.7兆円の実績とされております(注3)。
その結果、当社は人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、コンピュータが自動的に文字画像データを学習しルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発しました。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、AI-OCRサービス「DX Suite」として企業へ提供しております。これまで5億回を超える読取りを行い、企業の生産性向上に貢献してきました。
製品の提供方式として、現在主力製品となっているクラウドコンピューティング(AI inside Cloud)だけではなく、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社で開発製造しました。これにより、地方公共団体などプライバシー保護がより一層重要視される業界への導入拡大も実現しています。

(注3) 出所 株式会社矢野経済研究所 BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2018-2019

なお、当社は人工知能事業の単一セグメントであるため、以下ではサービス別の事業内容を記載しております。また、当社が展開するサービスは、継続的に収益が計上されるリカーリング型モデルと取引毎に収益が発生するセリング型モデルにより構成されております。

<サービスの内容>
(1) 「DX Suite」
当社は、人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、文字画像データを学習し、コンピュータが自動的にルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発しました。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、ユーザインターフェースを備えたAI-OCRサービス「DX Suite」として開発し、ユーザへ提供しております。

「DX Suite」は、その内部に「Intelligent OCR」「Elastic Sorter」「Multi Form」というアプリケーションを有しており、組み合わせて契約、利用することができます。これらサービスは、システム開発、銀行、証券、保険、小売、エネルギー、物流、製薬、不動産、製造、印刷等、業態を問わず導入されており、ユーザ企業にて帳票をデータ化するリクエスト数(読取り回数)を基に算出される月額従量費用や、オプション機能の月額固定費用といったリカーリング型モデルの収益と、初期費用等のセリング型モデルの収益で売上を構成しております。なお、「DX Suite」の初期費用についてはサービスの提供期間にわたり売上高を按分計上しております。

「Intelligent OCR」:手書き文字認識技術をベースに、「定型帳票」を読取り、デジタルデータ化するサービスです。「定型帳票」とは、帳票レイアウトが統一されており、事前に読取り箇所を指定することができる帳票を指します。具体的には、各種申込書や受発注帳票、アンケートなどの帳票をデータ化できます。
料金体系としまして、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用と、セリング型モデルの初期費用により構成されております。

「Elastic Sorter」:「Intelligent OCR」のオプションとして、複数種類の帳票を順不同にまとめてスキャンしてある場合に、同種類の帳票をAIが選び取り、仕分けるサービスです。具体的には、免許証や保険証、住民票など複数種類ある本人確認書類や各種申込書類を種類ごとに仕分け、仕分け後に「Intelligent OCR」で読取りを行うなどの業務に利用できます。
料金体系としまして、セリング型モデルの初期費用は無く、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用により構成されております。

「Multi Form」:「Intelligent OCR」のオプションとして、「定型帳票」以外の「非定型帳票」を読取り、データを構造化含めデジタルデータ化するサービスです。「非定型帳票」とは、記載される項目は同じでも、記載される場所、レイアウトが無数にあり、書類の種類数が限定的で無いため、「Elastic Sorter」では仕分けることのできない帳票を指します。具体的には請求書や領収書、住民票やレシートなどといった帳票を事前の準備・設定不要で、データの構造化含め、デジタルデータ化できます。
料金体系としまして、セリング型モデルの初期費用は無く、リカーリング型モデルの読取りごとに発生する月額従量費用のみの構成となっております。

(1-1)「AI inside Cube」
当社の主力製品は「DX Suite」クラウド版ですが、官公庁・地方公共団体などではオンプレミス(注4)環境での利用ニーズがあります。しかしながらオンプレミス環境の構築は、機器選定、購入、システムインテグレーションなど様々な工程に時間と人的リソースを必要とするため、ユーザ企業、当社双方にスケールしにくい分野です。
そこで当社は、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社開発しました。ユーザは、「AI inside Cube」に「DX Suite」をインストールし、利用できます。特別なインテグレーションは必要なく、誰でも使えるよう、電源とデータ送信用のLANケーブルを差し込むだけで使える仕組みです。「AI inside Cube」は、月額定額のリカーリング型モデルで提供をしています。
また、地方公共団体向けに、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの協業により、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続した、行政専用の閉域ネットワーク “LGWAN”内データセンターに「AI inside Cube / DX Suite」を提供しています。

(1-2)「AI inside Computing Engine」
当社のAIは、クラウド環境、オンプレミス環境共にソフトウェアインフラ基盤「AI inside Computing Engine」の上で稼働しております。「AI inside Computing Engine」を使わない従来方式では、ソフトウェアやAIを動作させるためのサーバの構築は、各種設定を時間をかけて人が行う必要があります。そうして作り上げた環境を、別のサーバにも適用させる場合、同じように人が行う必要があり、コストと時間がかかります。
「AI inside Computing Engine」を使うと、一度作り上げたサーバ環境をコンテナとしてコピーして立ち上げることができます。従来、人が行っていた作業を数十秒で自動実行できるため、コストと時間がほとんどかからず、例えば、大量のリクエストに対しても、自動でサーバを増減させることが可能になります。 コンテナの中に入れるソフトウェアやAIは、コンテナと依存関係に無く入れ替えることもできるので、一度作ったコンテナで多種類のソフトウェアやAIを最適に自動運用することができます。

(注4) オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアなどの情報システムを企業などの使用者が管理する設備内に設置することにより、自社運用をすることを指します。

(1-3)「AI inside Learning Center」
当社で提供しているAIは、ユーザが日々の業務で使うほど、さらなる追加学習のためにデータフィードバックがなされ、精度が向上するという特徴を備えております。その学習部分を担う当社内部の仕組みが「AI inside Learning Center」です。そのため、ユーザが増加するほど加速度的に品質が高まる仕組みとなっております。
同時に、大規模化による低コスト構造の実現と、AIを動作させるためのハードウェアを自社開発・自社利用することにより、ユーザへより低価格での提供が可能な構造となっております。当社は、この好循環サイクルにより契約数の拡大とユーザの継続利用、ビジネスの継続的強化を実現しています。

(注5) ビジネスの根幹となる好循環サイクル




[事業系統図]




(注1)パートナーは、当社の製品・サービスをユーザ企業に販売する代理店です。
(注2) サーバ事業者は、当社が契約するクラウドコンピューティングサービスを提供する事業者です。

用語解説
「事業の内容」における用語の定義を以下に記します。

用語用語の定義
ディープラーニング深層学習。人が特徴量を設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する従来手法とは違い、コンピュータが教師データから自動的に特徴量を抽出し、学習する手法。その結果、コンピュータ自身が自ら予測・判断するAIを生成することができる。
特徴量教師データがどのような特徴をもつものであるかを数値化したもの。
教師データコンピュータが学習をする対象となるデータ。
AIコンピュータを用いて「認識、言語の理解、課題解決」などの知能行動を実行する技術。
クラウドコンピューティングオンプレミスに対して、クラウドコンピューティングではユーザがインターネットなどのネットワークを経由して、各種のコンピューティングリソースを利用する形態。
エッジコンピューティング端末の近く(エッジ)にサーバーを分散配置することにより、データに対して高速またはリアルタイムな処理を可能とするネットワーク技法。
LGWAN総合行政ネットワーク。行政専用にインターネットから切り離された閉域ネットワークであり、日本の地方公共団体間の情報の高度利用を図ることを目的として構築されたコンピュータネットワーク。
コンテナコンテナ技術とは、コンピュータのOS上に仮想的なアプリケーション実行環境を構築することで、より少ないコンピュータリソースで実現する技術のこと。また、構築や起動が迅速に行えるといった利点がある。


沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E35345] S100J35W)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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