有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IWTC (EDINETへの外部リンク)
株式会社ヴィス 事業の内容 (2020年3月期)
当社は、「はたらく人々を幸せに。」というフィロソフィーのもと、デザインを切り口として企業の抱える課題を解決するオフィスコンサルティングサービスを提供しており、オフィス空間のデザインの提供を柱として、企業ロゴや会社案内といった印刷物等のグラフィックデザイン、企業のコーポレートサイトやリクルーティングサイトといったWEBデザイン等も併せて提供することで顧客の企業価値の向上を図るデザイナーズオフィス事業を行っております。
2019年4月より「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が順次施行され、働き方改革においては生産性と創造性の向上が必要とされますが、どのようなワークスタイルであっても同一の働く場を使わざるを得ない従来型の画一的なオフィスとは異なり、当社が手掛けるオフィスにおいては、集中したい時に集中できる場、すぐにミーティングができる場、フリーアドレス等により毎日横に座る人が変わりざっくばらんな会話が色々な気付きやヒントに繋がる場など、社員が常に交われるような働く場を作る事で創造性を高め、働き方改革の推進に寄与するオフィス空間をデザインしております。事業の名称でもあるデザイナーズオフィスとは、一般的な従来のオフィス空間(部署ごとに規則正しく机や什器などが並んでいる)とは違い、デザイナー自身が企業のスタイルに合わせ、自由な発想のもと機能性・効率性を追求したオフィスであります。
さらに、現在の事業の柱であるデザイナーズオフィス事業に加えて新規事業としてVISビル事業の立ち上げを計画しております。
当社の事業セグメントは、「デザイナーズオフィス事業」及び「VISビル事業」であり、それぞれの事業の内容は下記のとおりであります。なお、当該2事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1) デザイナーズオフィス事業
当社のデザイナーズオフィス事業は、IT企業を中心にベンチャー企業をはじめとする中小企業から大手上場企業までを対象に幅広く展開しております。
① 事業の内容
デザイナーズオフィス事業では、顧客のオフィスの移転や改装のニーズに対し、オフィス空間の設計デザインから施工までをワンストップで提供するほか、設計デザイン等部分的にも顧客のニーズに応じて、柔軟に提供しております。仕事環境の課題を可視化するため、経営層に対するインタビュー、従業員へのヒアリングを基に職場環境の調査(ワークプレイスサーベイ)を行い、はたらく人々にとって快適で効率性の高いオフィスを提供しております。オフィス空間のデザインやレイアウトの提案、機能性・デザイン性を考慮した家具・什器の選定(ファニチャーコーディネート)、インフラ整備といったサービスなど、移転・改装に関わる計画・予算・スケジュールをマネジメントし、プランニングから施工までを一連のサービスとして提供しております。
〔オフィスデザイン〕
移転コンサルティング | スケジュール立案から、ビル工事の折衝、原状回復工事まで、オフィスの移転・改装に関わる全てのプロセスをワンストップでマネジメントいたします。 |
賃貸物件の検索 (リーシングサポート) | 幅広い不動産ネットワークを活かし、オフィスの移転・開設など、ニーズに合った物件をご紹介いたします。 |
職場環境の調査 (ワークプレイスサーベイ) | 「ファシリティ(設備)」「ICT(※1)」「運用」「コミュニケーション」「ブランディング」の5つの軸を数値化し職場環境の実態を調査・分析いたします。 |
設計・レイアウト | ヒアリングと職場環境の調査を基に、顧客の持つ課題、ビジョンに合わせてオフィス空間をデザインする上での指針となるものを決定し(コンセプトワーク)、具体的なプランニングを行うことで最適なオフィスレイアウトをご提案いたします。 |
インテリアデザイン | それぞれの空間の特徴を活かしつつ、顧客ごとの特徴や企業文化・風土などを考慮した空間デザインにより、用途に応じた快適なオフィス空間をご提案いたします。 |
施工 (コンストラクション) | オフィスの移転・改装に関する工事の工程・施工をマネジメントし、オフィスの移転・開設作業を円滑に進めます。 |
什器・家具の選定・手配 (ファニチャーコーディネート) | ご要望に応じてオフィス什器やデザイン家具などの各種メーカーの中から最適な商品をコーディネートし、ご提案から納入まで対応いたします。また、オリジナル家具の設計製作も承ります。 |
インフラ整備 | 電気・電話・LAN・セキュリティなど、オフィスのインフラ構築をご提案いたします。 |
引越 (移転作業・改装作業) | 顧客への引越説明会の実施、ナンバリング作成などをトータルにサポートし、オフィス移転・改装作業をスムーズに進行いたします。 |
アフターフォロー | オフィス移転・改装後のサポート期間はもちろん、時間の経過とともに変わるオフィスのレイアウトやデザインの変更などのご要望にも柔軟に対応いたします。 |
上記のオフィスデザインに加え、顧客のニーズに合わせて下記のグラフィックデザインやWEBデザインも提供しております。
〔グラフィックデザイン〕
ロゴデザイン | コーポレート・アイデンティティ(※2)という考え方を基に、企業の象徴となるロゴマークについて、顧客にとって最適なデザインをご提案いたします。 |
パンフレット | ビジュアル・アイデンティティ(※3)という考え方を基に、企業案内、採用パンフレット、商品案内など、利用目的に応じたデザインをご提案いたします。 |
名刺・封筒 | 素材や品質、加工のご提案を含め、企業のブランドイメージを魅力的に伝えるビジネスツール、コミュニケーションツールとなるようにプランニングいたします。 |
〔WEBデザイン〕
ディレクション | 顧客にとっての「ゴール」設定を明確にし、その実現のために、プロジェクト全体の進行管理・品質管理などのWEBサイトに関わる全ての工程をマネジメントいたします。 |
デザイン制作 | 企業イメージを反映したWEBデザインで、企業のブランド価値と認知度を向上させ、ユーザビリティ(※4)の高いWEBサイトをご提案いたします。 |
撮影・ライティング | オフィスデザインや空間デザイン、ポートレートなどの撮影、インタビュー記事の作成や取材など、魅力的なコンテンツ作成のためのマネジメントをいたします。 |
HTML・CSS編集 | WEBデザインデータを基にしたHTML/XHTMLマークアップ・CSSコーディング(※5)を行い、顧客にとって最適なソリューションを提供いたします。 |
WEB動画 | 企業のコンセプトやビジョン、事業内容を分かり易く明確にビジュアルで伝えるWEB動画の制作をご提案いたします。 |
〔用語の注釈〕
(※1) ICT(Information and Communication Technology)
通信技術を活用したコミュニケーションのこと。
(※2) コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)
コーポレート・アイデンティティ(CI)とは、経営理念に基づき企業の持つ特性を社内で再認識・再構築することで社員の心のよりどころや誇りとし、それを社外にも共有することで、会社の存在価値を高め、企業戦略に活かそうという考え方のこと。
(※3) ビジュアル・アイデンティティ(Visual Identity)
ビジュアル・アイデンティティ(VI)とは、企業が伝えたいイメージについて、伝えるための媒体を構成する要素(紙、カラー、書体等)により効果的に表現しようとする考え方のこと。
(※4) ユーザビリティ(Usability)
ユーザビリティとは、一般的に「使いやすさ」や「有用であること」を表す用語。
(※5) HTML/XHTMLマークアップ・CSSコーディング
HTML/XHTMLマークアップとは、マークアップ言語(HTML/XHTML)を使用してWEBページを作成すること。
CSSコーディングとは、WEBページのデザインを指定する言語(CSS)を使用してWEBページを作成すること。
② 事業の特徴
イ 企業価値を高めるデザイン
デザイナーズオフィス事業では、空間・グラフィック・WEBデザインにより、コーポレート・アイデンティティの確立と企業ブランディング(※1)の構築を実現させ、顧客の企業価値を高めるオフィスの空間デザインを提供しております。企業が持つ「想い」や「らしさ」をより具現化して魅力的なカタチにデザインすることで、「従業員エンゲージメント(※2)や帰属意識の向上」や「生産性の向上」だけではなく、「洗練されたブランドイメージの確立」や「採用効率の向上」等のさまざまなシナジーを生み出すことにより、顧客の企業価値を高めることができると考えております。
ロ ワンストップソリューションによる顧客の業務軽減と個々のお客様にあった進行
オフィスを移転又は改装する場合、さまざまな専門業務が複雑に絡み合い、多岐にわたるタスクが生じます。当社では、オフィス移転・改装に関する一連のタスクを専属のプロジェクトマネージャーが一元管理することにより、顧客側で労力と時間を削減することができるとともに、正確かつ迅速に個々の顧客にあったプロジェクトを進行することができます。
ヒアリングからアフターフォローまでの具体的な流れは、下図のとおりであります。
ハ オフィス空間の実績・ノウハウ
当社は、約6,000件のデザイナーズオフィスの累計受注件数を積み上げており、独自のノウハウと高い企画力が強みであると考えております。
また、当社の手掛けたデザイナーズオフィスが、「ニューオフィス」づくりの普及・促進を図ることを目的として、日本経済新聞社と一般社団法人ニューオフィス推進協会が共同で主催する「日経ニューオフィス賞」を2008年に初めて受賞し、これまでに22件受賞しております。この「日経ニューオフィス賞」は、ワーカーが快適かつ機能的で精神的にゆとりを感じるような生活の場となっている、創造性を高める働き方を誘発する環境になっている、地球環境への影響や地域社会への貢献など社会性が配慮されている等の具体的な審査の視点により、表彰されるものであります。
〔デザイナーズオフィスの累計受注件数〕
累計受注件数(件) | |
2005年3月期~2013年3月期 | 1,609 |
2014年3月期 | 2,054 |
2015年3月期 | 2,558 |
2016年3月期 | 3,129 |
2017年3月期 | 3,870 |
2018年3月期 | 4,589 |
2019年3月期 | 5,310 |
2020年3月期 | 5,983 |
〔用語の注釈〕
(※1) 企業ブランディング
企業ブランディングとは、「企業が存在する社会目的」や「そこに向かう一貫した姿勢」を明確に示すこと等により、企業全体のイメージや価値を向上させることをいう。「ブランド」は、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」に次ぐ、第五の経営資源であると考えられている。
(※2) エンゲージメント
エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対してユーザーが「愛着を持っている」状態を指し、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語。
(2) VISビル事業
VISビル事業は、現在準備中の事業であり、当事業を展開するために大阪府大阪市中央区に建物付き土地を取得しております。
なお、2020年3月期末においてVISビルの建設工事を行っております。
① 新規事業参入の背景
当社がデザイナーズオフィス事業を開始してから16年が経過しており、デザイナーズオフィスは世の中に浸透し、徐々に広がりつつあります。しかしながらデザイナーズオフィスの認知度が低いため、国内外におけるデザイナーズオフィスの認知度を向上させ、マーケットを拡大していくことが重要な課題となっております。
また、昨今ではテレワーカーやフリーランスのワーカーの増加に伴って新しい働き方としてABW(※1)が注目されており、今後も働き方は多様化していくものと考えております。
そのため、オフィス空間デザインの実績とノウハウを活かし、「働く場」を自社でプロデュースするとともに「新しい働き方」を世の中に発信するVISビル事業を展開し、当社のデザイナーズオフィスの広告宣伝効果や認知度の向上、オフィスデザインを当社が行うことによるデザイナーズオフィス事業との相乗効果、ビル経営による収入基盤の確保と経営の安定化を図りたいと考えております。
② 想定している事業内容
事業内容としては、スタートアップ企業向けのテナント賃貸やレンタルオフィス、テレワーカーやフリーランスのワーカー向けのコワーキングスペースを提供することを計画しております。従来のテナントオフィスの区画を契約するというビルサービスだけではなく、コワーキングスペースやイベントの開催などを通じて「企業と企業、企業と個人が出会い、新たな価値を創出する場」を提供することにより、顧客の成長を支援してまいります。
なお、顧客のニーズや経済情勢等によっては事業内容を変更する可能性があります。
③ 今後の計画
2019年12月に既存ビルの解体工事が完了し、2020年1月よりVISビルの建設工事を開始しております。
今後の計画としては、2021年3月期後半に建設工事及び各フロアの内装工事が完了し、入居者への賃貸を開始する予定であります。
なお、上記につきましては、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、工事遅延等により完成時期が遅れた場合、上記計画が想定通り進捗しない可能性があります。
〔用語の注釈〕
(※1) ABW(Activity Based Working)
ABWとは、働く人が仕事内容に応じて「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のことであり、これにより従業員エンゲージメントや生産性の向上が期待できる。
〔事業系統図〕
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E34454] S100IWTC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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