有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100O9H2 (EDINETへの外部リンク)
株式会社十六フィナンシャルグループ 事業等のリスク (2022年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
(1) トップリスクの認識
当社グループでは、蓋然性及び影響度の観点から「今後約1年以内に、事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスク事象」をトップリスクとして選定し、あらかじめ必要な対策を講じてリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的に対応可能とする管理に努めています。2022年3月の取締役会にて選定したトップリスクは以下のとおりです。
リスク事象 | リスクシナリオ(例) |
覇権主義の強まりによる世界経済・金融環境の悪化 | ・ウクライナ情勢、台湾問題、米中対立等覇権主義的行動を発端とする世界経済の悪化、資金需要の低迷、与信先の業況悪化 ・超低金利政策の継続による預貸金収益の圧迫 ・営業基盤とする岐阜県、愛知県の経済情勢悪化による収益機会減少、与信関係費用増加 |
米国のインフレ継続・金利政策 | ・FRBによる金融政策正常化、金利引上げを契機とする有価証券評価損益悪化等の市場変動リスク(与党民主党は今秋の中間選挙を意識し、国民の支持回復のためにインフレ抑制をはかるべく、FRBに金利引上げ圧力をかける) |
気候変動に関するリスク | ・異常気象、気候変動、脱炭素対応への遅れ等による与信先の業績悪化、ビジネスモデルの陳腐化 |
新型コロナウイルス感染症拡大による影響 | ・コロナ禍の継続による経済活動の停滞長期化 ・業務継続態勢維持への支障 |
大規模災害の発生 | ・南海トラフ地震等による当社グループの業務継続困難、地域経済の混乱等による与信先の業績悪化に伴う当社グループの財政状態への影響 |
サイバー攻撃 | ・顧客情報の流出やサービスの停止による機能停止、多額の補償金や損失の発生 |
DXの急激な進展 | ・他業態のさらなる参入、代替サービスの登場による競争激化、デジタルサービス導入の遅れ等による競争力の低下に伴う顧客離れ |
与信に関するリスク | ・不動産等与信集中業種における信用悪化に伴う与信関係費用増加 ・大口与信先の業績悪化、倒産に伴う多額の与信関係費用発生 ・地域産業が業態転換による時代への適合等をできず衰退し、与信関係費用が増加 |
人的リスク | ・経営者の事故発生による会社の持続的成長、ビジネス戦略への影響、職場統制混乱 ・役職員の不祥事発生による金融庁による業務停止命令などの行政処分、マスコミ報道等による信用失墜、顧客離れ ・人材の教育不足、流出等による生産性の低下、専門的業務の継続困難 |
反社会的勢力への対応及びマネロン対策の不備 | ・反社会的勢力との取引発生による信用失墜 ・マネロン対応不備、各種外為法令違反による業務停止命令等の処分や課徴金等の支払い及び評判の悪化 |
「お客さま本位の業務運営に関する方針」の不徹底 | ・お客さま本位の業務運営が不十分であることによる顧客離れ、金融庁による業務停止命令などの行政処分 |
当社及び当社グループの事業その他に関するリスクについて、上記トップリスクに係る分析を踏まえ、株主・投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、株主・投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項は、株主・投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(2) 外部環境等に関するリスク
自然災害の激甚化、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の流行・収束までの期間の長期化に起因するリスクやサイバー攻撃に対するリスクも高まっており、これら外的要因によるリスクへの対応としてそれぞれにリスク事案を想定した業務継続計画を策定し、初動対応訓練を適宜実施しておりますが、不測の事態が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。業務継続計画で 想定する不測の事態 | 影響 |
大規模地震や台風等の 自然災害 | ・営業店等施設の損壊による業務停止、修復費用の発生 ・役職員の罹災による就労困難 ・株価・債券価格の下落 ・取引先の倒産や延滞が増加 等 |
感染症の流行・収束の 長期化 | ・役職員の感染症罹患による就労困難 ・株価・債券価格の下落 ・取引先の倒産や延滞が増加 等 |
サイバー攻撃 | ・個人情報の流出による補償、信用失墜 ・不正操作によるデータの改ざん、資金流出 ・システム障害による業務停止、それに付随した補償費用支払及び信用失墜 等 |
外部委託先に起因するシステム運用に関する障害 | ・個人情報の流出による補償、信用失墜 ・不正操作によるデータの改ざん、資金流出 ・システム障害による業務停止、それに付随した補償費用支払及び信用失墜 等 |
① 新型コロナウイルス感染症の影響に伴うリスク
新型コロナウイルス感染症については、業務の遂行に重大な影響を及ぼす新感染症の流行を想定して制定した「新型インフルエンザ等対応計画書」に基づき、必要に応じ緊急時対策本部を設置しリモートワークや分散業務体制を構築するなど、感染拡大防止並びに生活の維持や事業の継続に不可欠な重要業務の継続を両立させるため対応しておりますが、感染の拡大や収束までの期間の長期化により以下のような事態が想定され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。・金融市場の動揺を招いた場合は、保有する有価証券価格の下落リスクが高まる可能性があります。
・取引先の企業活動に影響が及んだ場合は、信用リスクが高まる可能性があります。とりわけ営業地区内の主要産業である自動車、航空機、また主要な営業基盤である岐阜県内の観光業・サービス業などへの影響が大きく、与信関係費用の増加につながる可能性があります。
・当社グループの役職員が多数罹患した場合は、業務が停滞する可能性があります。
② 気候変動に関するリスク
気候変動に伴う自然災害や異常気象は経済活動に様々な影響を及ぼし、取引先が実施する気候変動対策は取引先の企業価値を左右する重要な要素となるとともに、その対応次第では当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会の実現に向けた規制強化等により、当社グループの資産ポートフォリオの管理・運営に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、金融安定理事会によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースが策定した気候関連財務情報開示に関する提言への賛同を表明し、同提言に沿った態勢整備及び情報開示に取り組んでおりますが、気候変動に関するリスクへの取組みや情報開示が不十分であると見做されたり、社会に対する責任を十分に果たしていないと見做された場合などには、当社グループの企業価値の棄損に繋がるおそれがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 銀行業務固有のリスク
① 信用リスク
信用リスクとは、与信先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。リスクの内容 | 対応 | ||||||||
(イ)不良債権の増加 当社グループは、地方公共団体、一般事業先及び個人などに対して融資並びに保証業務を行っております。これら業務については、信用リスク管理を適切に行っておりますが、国内・海外の景気動向、当社グループの営業地域における景気動向、不動産市況、取引先の経営状況及び経済環境の変動等によっては、不良債権及び与信関係費用が増加する可能性があり、その結果、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・統一的な尺度であるVaR(Value at Risk)※を用いて、その値をリスク量として月次で計測し、計測したリスク量が自己資本の範囲内に収まるようリスク管理体制を整備し業務運営を行っております。 ・信用格付と業種にもとづき個社別の与信限度額を設定しております。 ・業種別総与信額ガイドラインにより、相対的にリスクが高い業種について総与信額上限をガイドラインとして設定しております。 ※VaR計測の前提
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(ロ)貸倒引当金の増加 当社グループは、自己査定基準に基づき貸出金等の資産査定を行い、債務者区分に応じて必要と認める額を貸倒引当金として計上しておりますが、経済状態全般の悪化により、設定した前提及び見積りの変更、担保価値の下落、またはその他の予期せぬ理由により貸倒引当金の積み増しを余儀なくされるおそれがあり、その結果、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの経営理念、経営戦略・方針、内部管理態勢、融資方針やリスク管理等を踏まえ認識した信用リスクをより適確に反映するため、新たな見積り方法を適用した場合、貸倒引当金を積み増す可能性があります。 | |||||||||
(ハ)貸出先の信用不安 当社グループは、取引先に債務不履行等が発生した際、法的な権利の実行によらず、私的整理による再建に経済合理性が認められると判断される場合には、取引先に対して債権放棄、または追加貸出などを行って支援を継続する場合もあり得ます。その結果、与信関係費用が増加し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |||||||||
(ニ)担保価値の下落 当社グループは、与信の安全性を確保するために、取引先の不動産や有価証券に担保権を設定することがありますが、不動産市況の低迷や有価証券価格の下落等により、担保処分時において、当初の想定どおりに不動産もしくは有価証券を処分できない可能性があります。その結果、与信関係費用が増加し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |||||||||
(ホ)特定の取引先等への貸出の集中 特定の取引先に与信が集中し、当該大口与信先の信用状況が悪化した場合には、与信関係費用が増加し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |||||||||
(ヘ)特定業種への貸出の集中 業界動向の影響を受けることにより、当該業種に属する企業の財政状態が悪化する場合には、与信関係費用が増加し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |||||||||
(ト)地域経済の動向からの影響 当社グループは岐阜県及び愛知県を主な営業基盤としています。そのため、地域経済が悪化した場合には、取引先の信用状況の悪化等により、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
② 市場リスク
市場リスクとは、金利、為替及び株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産及び負債の価値が変動し損失を被るリスク並びに資産及び負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。リスクの内容 | 対応 | ||||||||||||||||
(イ)預貸金等の金利変動リスク 預金や市場からの資金調達と貸出金等による資金運用に適用される金利は、取引の契約時点、あるいは契約後の予め定められた金利更改時点の約定期間別の市場金利を基準に決定されます。したがって、十六銀行の資金調達・運用の期間毎の残高構成によっては、市場金利の変動要因が当社グループの収益にとってマイナスに作用する可能性があります。 | ・統一的な尺度であるVaR(Value at Risk)※を用いて、その値をリスク量として日次もしくは月次で計測し、計測したリスク量が自己資本の範囲内に収まるよう有価証券の残高や損失額に限度額を設定しております。 ・市場リスクを適切に管理するための組織体制を整備し、定期的なモニタリングを通じて業務運営を行っております。 ※VaR計測の前提
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(ロ)有価証券の価格変動リスク 当社グループは、有価証券運用業務を行っており、金利、株価、為替の変動等により損失を被るリスクに晒されております。
上記いずれの場合も、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |||||||||||||||||
(ハ)デリバティブ取引 十六銀行は取引先のニーズにお応えするほか、十六銀行の資産・負債の金利リスク等のヘッジ、または一定の限度額範囲で収益獲得を目的としたトレーディング取引等のため、デリバティブ取引を利用しております。ただし、相場の変動あるいは取引の相手方が倒産などにより契約通りに取引を履行できなくなった場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
③ 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達に絡み正常な取引を履行できないリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。リスクの内容 | 対応 |
(イ)資金繰りリスク 運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。 | ・定期的に金融危機などを想定したシナリオをもとに流動性のストレステストを実施しております。 ・資金の出し手に対し、定期的に資金調達枠を確認しております。 |
(ロ)市場流動性リスク 市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされたりすることにより損失を被る可能性があります。 |
④ 自己資本に係るリスク
(イ) 自己資本比率規制
当社は、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた国内基準である4%以上に維持しなければなりません。また、十六銀行は、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である4%以上に維持しなければなりません。これらの自己資本比率が基準である4%を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。本項に記載した様々なリスク要因の不利益な展開に伴い自己資本が毀損した場合、自己資本比率の基準及び算定方法が変更された場合には、連結・単体の自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) バーゼルⅢ最終化
バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、本邦では2023年3月からの実施が予定されております。当社は、内部モデルを採用しない国内基準銀行持株会社であり、2025年3月末から適用可能となる予定が示されていますが、こうした自己資本比率規制の強化により、当社の自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。(4) 業務運営に関するリスク
① オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員等の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象(自然災害や外部からの不正等)により損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。リスクの内容 | 対応 | |
(イ)事務リスク 当社グループの役職員等が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより、業務もしくは風評上に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・オペレーショナル・リスクを適切に管理するための組織体制及び諸規程を整備し、統制自己評価(CSA(Control Self Assessment))により、業務に潜在するリスクを評価し、リスクの高い業務を対象に改善検討を行っております。 ・システムの安定稼動の維持に努めるとともに、コンピュータシステムの事故・故障等の発生、あるいはコンピュータシステムの不正使用やサイバー攻撃その他の不正アクセス、コンピュータウイルスの感染等による異例事案が発生した場合に備えて、コンピュータシステム障害・異例時の対策に関する規程の整備やバックアップ体制の充実、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の活動等を実施しております。
・人材の育成や教育・研修活動を通じて法令等遵守意識の醸成に努めております。 ・業務継続計画を策定し、初動対応訓練を適宜実施して備えております。 | |
(ロ)システムリスク 当社グループは勘定系システムをはじめ、様々なコンピュータシステムに業務の多くの部分を依存しています。異例事案が生じた場合、その程度によっては、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担、その他の損失や追加負担費用が発生する可能性、当社グループの信用や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染等のリスクに対処するための対策や、厳格化する関連規制への対応には、多額のコストを要することや当社グループの事業上の制約となる可能性があり、当社グループの業務の遂行や経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 | ||
(ハ)法務リスク 当社グループの役職員等の業務上における顧客に対する過失等による義務違反、不適切なビジネス慣行及びマーケット慣行から生じる損失及び損害(和解、あっせん、調停並びに仲裁等により生ずる罰金、違約金及び損害賠償金等を含む。)が発生した場合には、業務の遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ||
(ニ)人的リスク 当社グループにおける人事運営上の不公平及び不公正(報酬、手当または解雇等の問題)または差別的行為(セクシャルハラスメント等)から生じる損失及び損害が発生した場合には、業務の遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ||
(ホ)有形資産リスク 当社グループの店舗、事務所、電算センター等の施設は、常に地震や台風等の災害その他の事象による損害を被るリスクに晒されております。災害その他の事象から生じる土地、建物及び設備等の有形資産の毀損及び損害が発生した場合には、業務の遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ||
(ヘ)風評リスク 銀行業界または当社グループに関するネガティブな報道やインターネット等を通じた悪質な風評の流布が発生した場合には、これらが正確な事実に基づいたものか否かにかかわらず、当社グループの経営成績及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ||
(ト)外生的な事象によるリスク 「(2)外部環境等に関するリスク」をご参照下さい。 |
② 財務に関するリスク
(イ) 税効果会計
現時点の会計基準に基づき、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰延税金資産として計上しておりますが、繰延税金資産が会計上の判断または何らかの制約により減額された場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(ロ) 固定資産の減損会計に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準または適用指針が変更された場合、あるいは保有する固定資産に損失が発生した場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(ハ) 退職給付債務に関するリスク
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件が変更された場合、または実際の年金資産の時価が下落した場合には、未積立退職給付債務が増加することにより、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。③ その他のリスク
(イ) 情報漏洩に係るリスク
当社グループは事業活動を遂行していくうえで、顧客情報を大量に保有しているため、情報管理に関する規程及び体制の整備、役職員等一人ひとりに対する教育の徹底をはかっておりますが、当社グループの役職員等が正確な事務を怠る、あるいは不正等を起こすことにより、外部への漏洩や紛失、改竄及び災害による消失等を招いた場合には、取引先からの損害賠償請求など直接的な損害や、風評上に悪影響を及ぼす可能性があります。(ロ) 外部委託に伴うリスク
当社グループは、外部委託先が委託業務の遂行に支障をきたす事態となった場合、顧客情報の漏洩等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外部委託する対象業務には銀行基幹システムにかかる運用・保守も含まれ、委託先のデータセンター等で何らかの障害が発生した場合には、銀行業務の運営に支障をきたし、その程度によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 金融犯罪に係るリスク
キャッシュカードの盗難や振り込め詐欺をはじめとする金融犯罪が多発している現状を踏まえ、当社グループは、セキュリティ強化をはかっております。しかしながら、金融犯罪の高度化等により、被害を受けた取引先への補償や、未然防止対策に係る費用が必要となる場合には、当社グループの経費負担が増大し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(ニ) 重要な訴訟事件等の発生に係るリスク
現在特に記載すべき事項はありませんが、今後の事業活動の過程で訴訟等を提起される可能性があります。(ホ) 格付低下のリスク
当社及び十六銀行は外部格付機関から格付を取得しておりますが、仮に格付が引き下げられた場合には、当社グループの資本及び資金調達における条件が悪化し、収益性の低下から経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(へ) 規制変更に関するリスク
銀行業界及び当社グループは、現時点での規則(法律、規則、政策、実務慣行等)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの規制の新設・変更・廃止によって生じる事態が、業務の遂行、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(ト) 持株会社の収益構造に関するリスク
当社は銀行持株会社であり、当社の収入の大部分は子会社である十六銀行から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限により、この金額が制限される場合があります。また、十六銀行が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当金等を支払えない等の状況が生じた場合には、当社は株主に対する配当の支払いができない可能性があります。(5) その他の重要なリスク
① ビジネス戦略が奏功しないリスク
当社経営計画に基づく様々なビジネス戦略を実施しておりますが、各種施策は必ずしも奏功するとは限らず、以下のような要因が生じた場合など、当初想定した成果をもたらさない場合は、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・マイナス金利政策の継続等により、貸出における利鞘縮小が改善しないこと
・手数料収入が想定とかい離すること
・効率化等各種変革の効果が想定とかい離すること
・出資・資本提携等の効果が想定とかい離し、のれん等の無形固定資産の価値が毀損すること
② 競争に関するリスク
当社グループは岐阜県及び愛知県を主な営業基盤としていますが、当該営業基盤における他金融機関との競争に加え、金融制度の大幅な規制緩和等により、AIやブロックチェーン等のデジタル技術の進展をもとにした他業種からの金融業界への参入が相次いでおり、競争が一段と激化してきております。その結果、当社グループの競争力が相対的に低下し、業務の遂行及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、地域金融機関を取り巻く環境の変化に対応するため、2021年10月1日に持株会社体制へ移行し、規制緩和に対応した新規事業への参入など、事業領域を拡大することで、経営成績の維持、向上に取り組んでおりますが、新たな事業領域におけるリスクが、想定を上回る、または想定していなかったものであった場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
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