シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100249M

有価証券報告書抜粋 ハリマ化成グループ株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは松から得られる植物資源であるトールロジンとガムロジンの2種類のロジンを、日本国内をはじめ中国、ブラジル、アルゼンチン、ニュージーランドにおいてグローバルに生産する唯一のメーカーとして、原料基盤を強化するなかで再生可能なバイオマス原料の機能を追求し、さらに創業以来培ってきた高分子合成・評価、乳化・分散などの界面制御、接着・接合などコア技術の融合により先進的な研究開発を進めています。
当会計年度におきましては、関連事業分野の伸び悩む国内市場の状況、伸張する海外市場の状況を見据え、また「イノベーションを支える産業資材」をキーワードに環境・エネルギー問題に配慮した製品開発を重視した開発テーマの「選択と集中」を継続しています。特に海外市場への展開を前提とした高い商品力を持つ製品の開発に注力しています。既存事業に加えて将来的に伸張が見込める新規分野も、機能性樹脂や導電性ペーストなどを初めとして積極的に取り組んでおります。
また研究開発テーマの増加、高度化に対応して研究インフラの整備が必要となってきております。当会計年度においては加古川、筑波両地区にて研究設備の拡充を進めました。
当連結会計年度の研究開発費は19億6千5百万円、特許の登録件数は国内25件、海外が11件、国内の出願件数は18件でした。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1)樹脂化成品
当事業においては、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂、粘接着剤用樹脂、合成ゴム用乳化剤及び脂肪酸誘導体の研究開発を行っています。関連市場の生産量は、合成ゴム163万トン、塗料160万トン、印刷インキ36万トン、粘接着剤85万トンで、何れも成熟産業であり市場は低調に推移しています。このような状況下当社は、お客様や社会、環境に貢献できる新製品開発を進めており、今年度は次のような成果が出ています。
塗料用樹脂においては、比較的堅調な建築外装用途向けに、環境に配慮した弱溶剤型や、1液架橋型樹脂の開発を進め、高耐候性を付与できるアクリル樹脂の新製品を開発しました。また、水系塗料用樹脂の開発にも注力しています。印刷インキにおいては、縮小傾向が続く平版インキ市場でのシェアを確保するために、当社独自の原料であるトール油製品を応用した樹脂の開発を進めました。また、インキの中でも市場が拡大しているUV硬化型インキ向けに新製品を開発しました。粘接着剤用樹脂に関しては、環境に配慮した無溶剤型エマルションタッキファイヤーの製品を拡充するとともに、粘着力を向上させたタッキファイヤーの開発を進め、2014年度中の市場テストを目指しています。海外においては印刷インキ用樹脂の新製品を数品種投入し、タッキファイヤーにおいてはアジア市場向けに新製品の開発を進めました。またローター社との協業を進めており、特にインキ用新製品の開発において成果を出しつつあります。今後はさらに世界市場に投入できる製品の開発を進めて行きます。また、機能性樹脂として、タッチパネル用のコーティング剤等の開発を進め、数社で採用され量産化しました。
当セグメントに係る研究開発費の金額は4億3千2百万円でありました。


(2)製紙用薬品
当事業においては、水性インクのにじみを防止するサイズ剤や、紙の強度を高める紙力増強剤、紙の表面を改質する塗工剤といった基盤製品の機能制御をコア技術とする研究開発を行っています。
日本国内における2013年の紙・板紙の内需量は前年比0.3%減の2,765万トンとなりました。リーマン・ショック後の2009年に大きく数量を落とし、2010年は大きな反動もなく微増にとどまっています。2011年以降はマイナス成長が続き、2013年はアベノミクス効果等により主力の段ボール原紙を中心に板紙は増加しましたが、紙の減少により全体では微減となり、3年連続のマイナスとなっています。国内出荷は3年ぶりに増加し、輸入は円安に伴い5年ぶりに減少しています。
国内の製紙会社においては、原燃料価格が上昇する一方で、製品値上げに加えて板紙・洋紙の売上が伸びることから増収増益の見通しとなっています。製紙メーカー各社は省資源化(省エネ・省人・省原材料など)、工場の統廃合、紙・板紙の価格修正により収益改善を進めると同時に、木材・ケミカル事業やエネルギー事業への取組みや、海外(中国・東南アジア・オーストラリアなど)への事業展開を進めています。
当社では、このような環境変化の中で製紙業界のニーズに応えるため、板紙の中性化(硫酸バンド低減によるトータルコスト削減)と軽量化(商品力向上による販売数量確保)、紙の高灰分化(パルプ使用量低減によるコスト削減)に対応する商品開発と顧客対応を実施しています。
加えて、海外に於ける事業展開を積極的にすすめており、北米、南米、中国、東南アジアへの製紙用薬品の市場拡大に力を入れています。特に、中国における紙・板紙生産量は、2012年比0.9%増と減速気味ではありますが、年産1億1,524万tの大きな市場となっています。当社は杭州杭化哈利瑪化工有限公司(浙江省)と東莞市杭化哈利瑪造紙化学品有限公司(広東省)を拠点に、紙力増強剤、表面塗工剤、内添サイズ剤分野での研究開発活動並びに販売活動を強化しています。また、2012年には、タイに駐在員事務所を開設しており、東南アジア新興国への事業展開を推進しています。諸外国では、それぞれの顧客からの要求項目が異なっており、個別顧客の要求に応えるために適合化技術を確立させながら製紙用薬品のラインナップを充実させています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は5億3千万円でありました。

(3)電子材料
当事業においては、主として自動車業界と電子機器業界向けのはんだ付け材料、及び車載用熱交換器等の組み立てに用いるろう付け材料の事業を展開しており、「クリーン&ハイリライアビリティ」をコンセプトに、高い信頼性を有する環境配慮型電子材料の提供を行っています。
自動車業界では、2013年度の四輪車国内生産台数は2012年9月まで続いたエコカー補助金の反動減の影響が根強く、年前半を中心に対前年比マイナスでありましたが、年後半は、新型車投入が好調であったことと、消費税増税を前にした駆け込み需要もあり、増勢に転じ通年の生産を下支えしました。今後は中国、インドなどのBRICsに加えて新興国向けの需要量がさらに増加すると予想されるため、海外生産へのシフト、安価商品などのコストを重視した技術の開発がさらに活発化すると考えられます。電子機器業界について、国内出荷台数は、映像機器、音声機器、カーAVC機器の全分野で対前年割れとなり、国内市場の規模縮小が顕著となっています。また、電子機器メーカーの海外への生産シフトの傾向がさらに強まっています。
こうした環境の中、当事業では自動車用新規材料として大手自動車部品メーカーと共同で開発した次期鉛フリーソルダペーストの量産が開始され、車載用ソルダペースト全体の販売促進に寄与しております。今後さらにその使用機種を拡大し、グローバルに展開を推進する計画を立てています。また自動車業界では、はんだ接続の長寿命化を狙った高耐久はんだへの市場要求が高まっており、当社も高耐久性を示すはんだ合金の開発を推進しています。一方、民生用電子機器業界ではコスト重視のもの作りが重視される影響から、はんだ合金中の銀含有量を低減させた低銀はんだの要求が高くなっています。当社ではこの背景を受け、接合信頼性に優れる低銀ソルダペーストを設定しました。さらに、環境対応への要求に応えるため設定したダイオキシン発生を抑制したハロゲンフリーソルダペーストの採用も順調に拡大しています。また、今後のスマートフォンなどの情報端末機器市場の拡大、太陽電池の普及を見込んで、これらの製品へ最適な鉛フリーソルダペーストの開発も推進しています。
もう一つの主力製品である自動車用熱交換器に使用されるろう付け材料は、自動車業界の好調な販売増に比例し、売上を継続的に伸ばしています。さらに当社海外子会社での販売も増加しており、利益の貢献に寄与しています。低コスト化への要望に応えるアルミニウム用安価版フラックス塗料の設定を完了し、さらにアルミニウム以外の母材を使用する様々な種類の車載用熱交換器用のろう付け材料の開発を推進しています。今後、益々これらを適用する熱交換機種の展開範囲が広まると予想しています。
また新しい事業として金属粉末や金属ナノ粒子を用いた導電性ペーストの開発と顧客開拓を行っております。銅の微粉末を特殊な樹脂に分散させた銅ペーストはプリント配線板の表裏を電気的に接合できる製品であり、既存の工法である銅めっきによる電気的接合に比べ飛躍的にコストを下げられる技術として注目を集めています。今年度も複数の海外大手基板メーカーで採用が決定し販売量が急増しております。金属ナノ粒子を用いたナノペーストは、印刷した後に加熱することにより粒子同士が簡単に融着し、極めて低い電気抵抗や熱を伝えやすい硬化物になります。この特性を活かし、スマートフォンやタブレット端末の高輝度LEDの接合部に採用されております。また、プリンテッドエレクトロニクス(印刷による電気配線)による次世代の微細配線の検討が着実に進んでいます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は5億6千2百万円でありました。

(4)ローター
当事業においては、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、合成ゴム用乳化剤及びアロマケミカルの研究開発を行っています。売り上げの約5割を占める主要製品であるインキ用樹脂の対象となる印刷出版物の世界市場は7,200億ドルで、地域別では欧州、北米(南米含む)、アジアで各々3割、その他の地域が1割で成熟産業の一つとなっています。その様な状況下、ベルギー、オランダ、アメリカ合衆国、中国に研究所を設けお客様のニーズに応えるため製品開発を行っています。
印刷インキ用樹脂においては、環境対応を重視し、フェノール・ホルムアルデヒドを含まないオフセットインキ用樹脂や、スズ系触媒を使用しないアルキッド樹脂の開発に取り組むと共に、近年の原料価格の高騰に対応したロジンと石油樹脂を組み合わせたハイブリット樹脂の開発にも進めております。また、今後も成長の期待できる包装用インキ分野においては、強みである連続乳化技術(ROBUST)とフェノール・ホルムアルデヒドフリーの樹脂合成技術を駆使した環境配慮型の新製品にて、本市場への参入を目指しております。
粘接着剤用樹脂においては、淡色ホットメルトや高軟化点樹脂を使用し粘着特性を改良した製品開発を進めています。
さらに、印刷インキ用樹脂中心の製品から今後市場伸長が見込める粘接着剤用樹脂、アロマケミカル及び新規事業の開発を推し進めるため、研究、マーケティングが一体となったイノベーションチームを発足させました。今後、その機能を充実させ新規事業を構築しお客様や社会、環境に貢献できる製品開発を進めます。また、研究開発カンパニーとの連携を強化し戦略的な研究を進めていきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は4億3千9百万円であります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01020] S100249M)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。