有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QNYH (EDINETへの外部リンク)
株式会社ストレージ王 事業の内容 (2023年1月期)
当社は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」を経営理念に掲げ、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を行う事業を展開しております。
当社は、トランクルームの運営・管理を担うことにより規模の拡大を図って参りましたが、トランクルームはアパートや賃貸マンションに比して、面積当たりの区画数が多く、居住用の施設やオフィスに比べて、契約手続き件数が多く煩雑になりがちなことから、地主や物件オーナーにとってトランクルームの運営・管理を自身で遂行することは多くの手間がかかります。この煩わしい運営・管理を一手に引き受けることで、地主や物件オーナーにとって利便性をもたらすとともに、当社にとっても受託件数の増加による安定的な収入につながると考え事業をスタートいたしました。
管理室数の増加に伴い事業経験を積んでいく中で、当社は2015年7月にアイトランク山陽との合併に伴い、首都圏のみではなく、岡山を中心とする西日本での物件管理を視野に入れて、岡山支店(現岡山営業所)を設け、規模を拡大し事業を展開して参りました。またソーラーエナジーインヴェストメント株式会社との合併により会社としての財務基盤を強化いたしました。
当社の基本的なビジネスモデルは、トランクルームとして利用可能な不動産を賃借や自社開発で確保した上で、トランクルームとしての貸し出し、清掃を含む維持管理により利用者から利用料を徴収し、その収益で不動産コストや販売管理費を回収し利益を上げる単一のセグメントから成り立っております。セグメントの中で、トランクルームの自社開発を行い、収益不動産として投資家に売却する際に計上する利益を開発分譲による利益、開業後のトランクルームの運営による利益を運営管理の利益と区分しておりますが、2022年1月期では開発分譲による利益が82%、2023年1月期では80%を占めております。開発分譲後に当該物件を固定家賃でマスターリースする場合には、部屋の稼働が上がるまでの稼働率リスクは当社が負っております。稼働率の上昇が緩やかなため、開業後数年は当該物件の運営管理利益がマイナスとなる場合もあります。
トランクルームを建物の建築様式で大きく分類しますとコンテナ型とビルイン型に分けられます。
・コンテナ型
駐車場が確保できる道路沿いの敷地に建築用コンテナを設置しトランクルーム利用者が荷物を収納します。建築用コンテナは輸送の都合上、貨物用コンテナと同じサイズですが、柱と梁で強度を確保した建築専用の部材を使用しており、日本の建築基準法において建物として建築することが出来ます。コンテナを連結あるいはコンテナ内を仕切ることにより部屋サイズを調整することが出来ます。コンテナ自体を外気の環境に置くため、扉は雨風を通さない堅牢な作りとなっております。
・ビルイン型
在来建築(一部建築部材としてコンテナモジュールを利用したものを含む)による建物内に、間仕切りをすることで各個室を構成するものです。在来建築の建物全体で雨風を遮断する構造になっており、建物全体の入口は電子錠等で施錠されており、トランクルーム利用者以外入館することが出来ません。各利用者の個室の入口、間仕切りはコンテナ型に比べて簡易なもので、開け閉めが容易です。近年は、女性の利用者の増加や衣類や家財保管のために空調付施設へのニーズの高まりもあり、ビルイン型の増加率が高くなっております。なお、2022年1月末時点でコンテナ型及びビルイン型を併せて137店舗、2023年1月末時点で149店舗でございます。
また、事業分類として当社の物件は以下の2つに分類されます。この分類は事業主体による分類ですので、上記の建築様式で分類したコンテナ型とビルイン型が併存します。
(1)運営管理事業
運営管理事業は、トランクルームを利用者に貸し出すことにより利益を上げるものです。利用者から受領するトランクルームの利用料金が収入であり、当社がトランクルームを所有、あるいは賃借することでかかるコスト、トランクルーム運営に必要なコストが原価となり、その差額が当社の利益(又は損失)となります。
運営管理事業は、ア. 固定家賃型とイ. 変動家賃型に分けられます。
ア. 固定家賃型は、当社が事業主体となり、物件を所有すること、あるいは固定家賃で賃借することにより不動産コストが固定的に発生し、トランクルーム稼働状況により受領する利用料金の多寡が直接的に当社の利益(又は損失)に影響します。損益分岐稼働率は物件により異なりますが、概ね60%~70%程度であります。
イ. 変動家賃型は、当社が、事業主体である不動産所有者もしくは投資家からビルを賃借もしくは管理を受託し、当社は利用者からトランクルームの利用料を受領します。賃借の場合は、トランクルーム利用料を売上高とし、契約に定めた料率(10%程度の場合が多い)を差し引いた額を原価賃料として、不動産所有者もしくは投資家に賃料を支払います。管理受託の場合は、トランクルーム利用料を当社が預かり、当社の管理料(10%程度の場合が多い)を差し引いた金額を不動産所有者もしくは投資家に支払います。変動家賃型の場合、当社は稼働状況によるリスクを直接的には負わずトランクルーム利用者からの収入の増減による売上もしくは管理手数料の増減は、当社の収支に影響を与えますが、物件の所有、事業リスクは不動産所有者もしくは投資家が負うこととなります。
(2)開発分譲事業
開発分譲事業は、トランクルームを投資家へ売却する事により収益を上げます。開発分譲事業は、ウ.用地購入、ビルイン型建築の場合とエ.土地賃借、コンテナ型建築の場合に分けられます。
ウ. 当社が用地購入、ビルイン型建物の建築後、土地建物として売却します。
エ. 当社が借地上にコンテナ型建物の建築後、建物部分を売却します。
その他にトランクルームの内装部分のみを売却する場合もあります。
また、トランクルームその他不動産開発に関するコンサルティングフィーの受領、トランクルーム以外の不動産の売買を行った場合の収入も開発分譲事業に含めて管理しております。当社はトランクルームの企画、開発、運営管理を主な事業としておりますが、普段から不動産事業者、不動産を使用するテナント候補とも接点があり、トランクルーム以外の業態であっても売買やコンサルティングを行う可能性があります。また、トランクルーム用地として土地を購入した場合でも土地に対して引き合いがあった場合や開発のスケジュールが遅延した場合には不動産事業者として土地のまま売買をする可能性もあります。
2019年以降は、在来建築によるビルイン型のトランクルーム開発に注力する過程で、トランクルームの企画、開発機能をデベロップから当社が引き継ぐこととなりました。在来建築によるビルイン型トランクルームの用地取得とその後の建築業務も当社自らが施主となり、設計事務所、ゼネコンに外注して建築することを中心とするようになり、デベロップからの独立性を高めて参りました。
旺盛な需要がある首都圏エリアを中心として、借地の上にコンテナ型のトランクルームを設置する屋外タイプの開発は継続して行う一方、開発の主力としては、土地を取得しそこに在来建築によるビルイン型の建物を建ててトランクルームとするビルイン型の物件に注力してまいります。
2019年12月には当社最大規模の店舗として梶が谷トランクルーム(神奈川県川崎市高津区。184室)を開業。同トランクルームは用地買収から当社が行い、当社が施主として建物を建設、完成後に投資家に売却の上、建物を賃借して自社運営しております。以降、2020年8月に上石神井トランクルーム(東京都練馬区。100室)、2021年1月に中板橋トランクルーム(東京都板橋区。119室)、2023年1月に江戸川橋トランクルーム(東京都新宿区。190室)、尾山台トランクルーム(東京都世田谷区。165室)、本八幡トランクルーム(千葉県市川市。169室)を開業しております。
在来建築によるビルイン型のトランクルームは堅固な建物を建築するため、借地では無く所有権のある土地の上に建築することが求められ、一か所当たりの初期投資も土地建物を合わせおおむね3~6億円以上となっております。
梶が谷トランクルームを開発、売却するにあたり大口の投資家(法人)を開拓して参りました。当該投資家は、年間10億円以上の不動産購入意向のある投資家を含みます。当社の開発分譲事業は、売却先の目途があることから、開発当初の用地購入の際の銀行借入もスムーズに進むなどいわゆる投資のパイプラインが構築されつつあります。
当社では、企画・調査、開発、保守・管理を一貫して事業展開しており、不動産物件としての診断、事業性評価、不動産オーナーとの契約、その後のトランクルームの管理受託をスムーズに行うことができるため、不動産オーナーとの信頼関係に基づいた安定した事業基盤を構築しております。またコンテナ型でのトランクルームでは、可搬性・再活用といった特性があり、物件移動により市場を再選択して事業性を再構築することができることも大きな特徴だと考えています。
運営面においても、インターネット広告だけでなく、セルフストレージ専用ポータルサイトも利用して、集客の窓口を広げるとともに、Web決済システムを導入して、契約手続きの簡素化と期間短縮により契約獲得増を図っております。
事業系統図は次の通りであります。
①当社は、不動産所有者から建物を賃借し、あるいは土地を賃借の上、借地上に当社コンテナを設置します。
②当社は、不動産所有者に建物賃借料もしくは地代を支払います。
③当社は、利用者にトランクルームを貸し出します。
④当社は、トランクルーム利用者から利用料を受領します。
①当社は、不動産所有者もしくは投資家からトランクルームを賃借し、あるいは管理受託します。
②当社は、利用者にトランクルームを貸し出します。
③当社は、トランクルーム利用者から利用料を受領します。
④当社は、不動産所有者もしくは投資家に当社の管理料を差し引いて、残りを事業収益として支払います。
①当社は、土地所有者から土地(不動産)を購入します。
②当社は、購入用地上にビルイン型トランクルームを建築し、土地建物を投資家に売却し、売却後、建物を賃借(リースバック)します。
①当社は、土地所有者と借地契約をします。
②当社はその借地上にコンテナ型建物の建築後、建物部分を投資家に売却します。
③②と同時に当社が土地所有者と締結している借地契約を土地所有者、投資家間の借地契約に切替えます。
※その他、内装部分のみ売却の場合も同じです。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E37595] S100QNYH)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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