有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100PA1O (EDINETへの外部リンク)
株式会社ファインズ 事業の内容 (2022年6月期)
当社は、「誰からも必要とされる会社になる」という経営理念のもと、事業を通じてすべてのステークホルダーのみなさまから必要とされる会社を目指しております。顧客、従業員、株主、取引先企業、地域社会に対して1人でも多くの人に喜びや感動、幸せを分かち合い、価値ある商品やサービスを提供し続けることを目指しております。事業内容としましては、創業以来、中小企業事業者や個人事業主などのSMBの領域向けに、モバイルサイトや予約管理システムなどのデジタル化を推進していくサービスを提供しておりました。また、2015年から動画事業に先行投資を行い、動画を制作するだけでなく、視聴データの分析・改善ができるカスタマーサクセス体制を構築してまいりました。現在では動画を活用したDX(注)を提供しております。その結果、当社の累計取引社数は、19,322社(2022年7月末現在)となっております。事業セグメントは、動画を起点に企業のマーケティングDXを支援するVideoクラウド事業と店舗向け予約・顧客管理システムを活用して店舗DXを支援する店舗クラウド事業から構成され、主たる事業のVideoクラウド事業の売上構成比は2022年6月期で91.3%となります。
(注)DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称。データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
(事業環境)
我が国の経済は、人口減少や少子高齢化に伴う労働人口の不足により、今後一人あたりのGDP(国内総生産)を維持しながら持続的に経済成長を行っていくためには、「デジタルによる生産性向上」の必要性、さらには今後コロナ禍を契機として、世界規模でデジタル化が促進する中、企業が生き残っていくにはデジタルを業務効率化のツールとして実装するのではなく、新たな価値の創出に活用することで競争優位を獲得していく「DX」の実行が重要であるとされております(注1)。また、経済産業省のDXレポートにおいても2015年には約17万人であったIT人材不足が2025年には約43万人まで拡大し、既存システムが部門ごとに部分最適化され、複雑化、ブラックボックス化しているという状況がDX実現の阻害要因となり、最大年間12兆円の損失が生まれると推定されております(注2)。さらに、続編であるDXレポート2では、実に全体の9割の企業がDXに全く取り組めていないレベルか、散発的な実施に留まっているという状況が明らかになり、改めて2025年の崖について警鐘が鳴らされております(注3)。当社としては、中長期に渡り日本企業全体でDXをいかに実現するかが大きな課題となると同時に、SMBの領域においては特にデジタル人材の不足などの理由によりDXを推進していくことが困難な状況にあるものと考えております。このような環境下において、当社は創業以来顧客のデジタル化を支援するとともに「動画の価値」にいち早く気づき「動画を活用したマーケティングDX」へ先行投資を行うことで「付加価値の向上」と「業務の効率化」の両輪をサポートしてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけとして、リモートワークの普及など社会全体に大きなパラダイムシフトが起こる中、動画を活用した企業活動の活性化により、アフターコロナの社会においても当社がご提供できるビジネス領域はさらに拡大しているものと考えております。具体的には、非対面での営業活動による営業資料の動画化や、オンライン採用需要の高まりによる、採用説明会や会社案内の動画化、マニュアル化やナレッジ共有、社内教育コンテンツの動画化、さらには直接のコミュニケーションに近しい手段としてVR(360°)動画の活用など、個々の企業の課題に応じて動画のDX活用シーンが多様化しました。さらに、今後は5Gの普及も重なることで、「動画から得られる視聴データ」を活かし、マーケティングDXを推進していくニーズもさらに高まってくるものと考えております。当社はこのような環境下において、今後も既存の概念に囚われず、「お客様と共創し、社会全体にさらなる価値をご提供していく」というスタンスで企業のDX化を推進してまいります。
(注)1.総務省 「情報通信白書(2021年版)(2021年7月30日公表)」
2.経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜(2018年9月7日公表)」
3.経済産業省「DXレポート2(2020年12月28日公表)」
当社の各セグメントの事業内容は、以下のとおりであります。
(1)Videoクラウド事業
当事業は、主に動画制作サービス、動画配信プラットフォームサービス(Videoクラウド)、DXコンサルティングの3つのサービスを提供しております。当事業の特長は、動画制作を行うだけでなく、専用のプラットフォーム上での配信、分析・改善、データ活用からDXの推進に至るまで、一気通貫したサービス提供を行うことができる点にあります。特に、動画の価値を最大限に発揮することができるVideoクラウドに注力しております。Videoクラウドは、基本機能として企業独自のViewer(再生機能)と正確な視聴データの蓄積・分析を行うことや、拡張機能として次世代型動画であるインタラクティブ動画への対応が可能です。さらには、Videoクラウドから抽出できる動画の視聴データ及び顧客のマーケティングデータを活用したDXコンサルティングサービスを行っております。
当事業の特長は以下のとおりであります。
①豊富な動画制作サービスの取引実績数
当社のVideoクラウド事業における動画制作サービス取引社数は、7,735社(2022年7月末現在)となっております。動画には「短時間で多くの情報を伝えられる」「記憶定着の効果が高い」「知覚情報を伝えられる」という3つの強みがあり、さらに、情報や視聴データを蓄積して資産化することが可能となっています。そのため、コロナ禍でテレワークが普及する中、「付加価値の向上(広告・プロモーション、営業資料、サービス紹介、ブランディング、社員総会、展示会、導入事例紹介、ウェビナー等)」と「業務の効率化(マニュアル・ナレッジ共有、カスタマーサクセス、社内報・コミュニケーション、教育・研修、インターンシップ、会社説明、工場・社内バーチャルツアー、IR・株主総会等)」の両面で動画の活用シーンが広がりを見せております。
②XR(注1)領域の拡張機能
Videoクラウドでは、動画の再生機能やデータの取得などの基本機能に加え、XR領域への拡張機能として最新の動画手法であるインタラクティブ及びVR(360°)動画を実装することが可能となっております。従来の動画では、企業側は視聴者に対して、再生開始から終了まで一方的な情報発信をすることしかできませんでした。そのため、ニーズが潜在的な視聴者には早期に離脱され、動画を思うように視聴してもらえないなどの弱点がありました。しかしながら、インタラクティブ動画では、企業と視聴者が双方向でコミュニケーションを取ることが可能となりました。視聴者が動画の中で興味のある箇所をタップすることで、さらに情報を掘り下げて理解することができ、視聴者が個人の興味関心に合わせて、ストーリーを自ら選択していくことができます。また、シナリオがリアルタイムで変化する仕掛けとなっており、動画の中でアンケートの回収や、気になった商品やサービスの購入及び問い合わせまでのプロセスを一気通貫で完了させることが可能です。このような双方向コミュニケーション型動画によって、ユーザーに新しい顧客体験をもたらします。さらに、従来不透明であった「動画の効果を可視化」することが可能となっており、動画の中で視聴者が「どこに興味を持ったのか」などの興味関心のデータを詳細に取ることができるようになりました。
(注)1.XR:Extended realityの略称。「VR(仮想現実)(注2)」「AR(拡張現実)(注3)」「MR(複合現実)(注4)」など、現実世界には存在しないものや情報を表現・体験できる技術の総称
2.VR:Virtual Realityの略称。ヘッドマウントディスプレイなどを装着し、人工的に作られたバーチャル空間を表示させて仮想空間を現実かのように体感させる技術
3.AR:Augmented Realityの略称。実際の画像や映像とCGの映像を合成し、現実感のある仮想空間を作り出す技術
4.MR:Mixed Realityの略称。現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせ、現実世界と仮想世界を同時に体験可能にする技術
③DXコンサルティング
当社では、動画を起点としたマーケティングDXコンサルティングを行っております。SMBの多くの企業では、マーケティング領域における動画の活用に関してのノウハウはもちろん、DX推進においても「何から始めていいのかわからない」「データを活用できずに放置されている」などの課題を持たれているものと認識しております。そのため、データの活用コンサルティングを中心に、サイト制作、デジタルマーケティング、採用支援におけるDX推進のためのコンサルティングサービスを展開しております。また、SMBの領域では事業規模が限られているという性質上、一つの課題を解決していく過程において、周辺領域の課題解決需要まで発展するケースもあります。そのため、カスタマーサクセス部門を構え、顧客と継続的な関係性を構築することで顧客のDX化を推進することに努めております。
(2)店舗クラウド事業
①予約サービスの構築・運用
当事業は、店舗と利用ユーザーの間をつなぎ、ユーザーが会員登録をしなくても、24時間予約可能な予約・顧客管理システム「TSUNAGU」及び「いつあき」の提供を行っております。「TSUNAGU」は来店したユーザー情報の管理台帳機能やメルマガ配信機能により、再来店を促進しながら24時間いつでも、簡単に、予約管理及び顧客管理が可能なシステムとなっております。「いつあき」はさらに機能を簡素化し、シンプルに予約まで完結できる操作性により、スピードと便利さを強みとすることで、主に小規模事業者のDXを支援しているサービスとなっております。予約システムについては、直接的な市場環境のデータは少ないものの、国内における個人のインターネットの利用率は82.9%(注1)となっており、インターネットの利活用が広がりを見せる中、店舗のオンライン予約についても一定数のニーズが存在するものと認識しております。小規模事業者におけるITを導入する際の課題として、「導入の効果がわからない・評価できない」「コストが負担できない」に続き、「従業員がITを使いこなせない」が33.7%、「ITの旗振り役がいない」が26.0%となっており(注2)、ITリテラシーの不足やIT人材の不足により、予約・顧客管理システムについては、機能面が豊富なサービスよりも最低限の操作性や機能面の方が導入しやすいと考える事業者は一定数存在するものと考えております。また、小規模事業者に向け、直近3年間の売上高の傾向を間接業務(顧客管理を含む)のIT導入度別で行った調査結果(注2)において、売上高の傾向が増加傾向だと判断している割合は、IT未導入の場合24.9%であるのに対して、IT導入を積極的に行っている場合39.6%であることから14.7%の差があるという結果も出ております。当サービスを導入いただくことで店舗のDXを推進することが可能になると考えております。
(注)1.総務省 「情報通信白書(2022年版)(2022年7月5日公表)」
2.中小企業庁「小規模企業白書(2018年版)(2018年4月20日公表)」
②販売代理事業
株式会社EPARKリラク&エステが展開するリラクゼーション・エステ・整体院に特化したオンラインプラットフォーム「EPARKリラク&エステ」と連携した「PeakManager(予約管理システム)」の販売代理業を行っております。EPARKリラク&エステでは、オンラインプラットフォームを通じて店舗クライアントの集客及び経営・業務効率の改善を支援しており、PeakManagerでは、予約管理機能・売上管理・分析機能・顧客管理機能・メール配信機能等、充実した機能をご提供しております。
(事業の優位性)
事業の優位性は以下のとおりであります。
①データを活用し、安定して案件を獲得できる販売体制
当社では、主に中小企業がメインのターゲットであり、案件の獲得を代理店やパートナーに依存することなく、見込み顧客へアプローチ、その後リードナーチャリング(注1)を行い、案件化に至るまで、自社のみで行える直販体制を構築し、安定的に案件を獲得することが可能となっていると考えております。まず、マーケティング専門チームが、RPA(注2)を活用して効率的に見込み顧客を抽出・リスト化しております。そして、国内6拠点(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)(2022年7月末現在)において、160名以上のノウハウを持ったコンサルタントが在籍し、付加価値の高いコンサルティング提案を行うことで、潜在的なニーズの顧客層から案件を獲得できる直販体制を有しております。また、失注した案件についても、企業ごとにスコアリングを行い、スコアに合わせたリードナーチャリングを行うことによって、再度アプローチを図るための仕組みを構築しております。このように、当社は見込み顧客のセグメントに応じたマーケティングを行うことで、リスクを分散するとともに、規模・業種・業態を問わず幅広い企業にアプローチすることが可能です。
また、当社では豊富な取引実績から得られた顧客の経営課題やクリエイティブのデータベースを蓄積・分析しております。この取り組みにより、ナレッジを共有でき付加価値の高い提案の再現性を持たせることや、属人化しにくい早期教育体制の構築にもつながっており、今後セールスコンサルタント人員が増加していったとしても、継続的に案件獲得ができる体制を構築しております。
(注)1.リードナーチャリング:見込み顧客(リード)に対してメルマガやセミナー、Webコンテンツなどを通して有益な情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供し、自社の製品やサービスへの購買意欲を高め、将来的な受注につなげるためのマーケティング手法
2. RPA:ロボティック・プロセス・オートメーションの略称。これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みの総称
②一気通貫したサービス提供による高収益体制
当社では、機能別の分業体制を構築することで、営業活動から制作、その後のDXを推進するサポートまで、一気通貫したサービス提供を行っております。コンサルタントは顧客の課題に合わせたソリューション提案に専念し、クリエイティブ部門では、ディレクションや制作などそれぞれの専門分野の知識やノウハウを深化させることに専念できるようにしております。また、カスタマーサクセス部門では、Videoクラウドに蓄積された視聴データだけでなく、顧客のWebサイトなどのマーケティングデータをもとに課題の共有と改善を繰り返し続けることで、顧客のDXを推進することに専念しております。さらに、顧客のニーズや課題は独自のデータベース上でリアルタイムに共有できるようになっており、社内の部門間でも仮説検証のサイクルを回しながらナレッジ共有を行うことで、高品質なサービス提供とコンサルタントによる付加価値の高い提案を実現させることが可能と考えております。加えてクリエイティブ部門においては、独自のデータベース内にディレクションから制作まで、豊富な実績によるノウハウが蓄積されており、高品質化と内製化を推進することで、収益性の向上に努めております。その結果、全体の営業利益率は2021年6月期で17.0%、2022年6月期で22.8%になっております。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
(注)DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称。データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
(事業環境)
我が国の経済は、人口減少や少子高齢化に伴う労働人口の不足により、今後一人あたりのGDP(国内総生産)を維持しながら持続的に経済成長を行っていくためには、「デジタルによる生産性向上」の必要性、さらには今後コロナ禍を契機として、世界規模でデジタル化が促進する中、企業が生き残っていくにはデジタルを業務効率化のツールとして実装するのではなく、新たな価値の創出に活用することで競争優位を獲得していく「DX」の実行が重要であるとされております(注1)。また、経済産業省のDXレポートにおいても2015年には約17万人であったIT人材不足が2025年には約43万人まで拡大し、既存システムが部門ごとに部分最適化され、複雑化、ブラックボックス化しているという状況がDX実現の阻害要因となり、最大年間12兆円の損失が生まれると推定されております(注2)。さらに、続編であるDXレポート2では、実に全体の9割の企業がDXに全く取り組めていないレベルか、散発的な実施に留まっているという状況が明らかになり、改めて2025年の崖について警鐘が鳴らされております(注3)。当社としては、中長期に渡り日本企業全体でDXをいかに実現するかが大きな課題となると同時に、SMBの領域においては特にデジタル人材の不足などの理由によりDXを推進していくことが困難な状況にあるものと考えております。このような環境下において、当社は創業以来顧客のデジタル化を支援するとともに「動画の価値」にいち早く気づき「動画を活用したマーケティングDX」へ先行投資を行うことで「付加価値の向上」と「業務の効率化」の両輪をサポートしてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけとして、リモートワークの普及など社会全体に大きなパラダイムシフトが起こる中、動画を活用した企業活動の活性化により、アフターコロナの社会においても当社がご提供できるビジネス領域はさらに拡大しているものと考えております。具体的には、非対面での営業活動による営業資料の動画化や、オンライン採用需要の高まりによる、採用説明会や会社案内の動画化、マニュアル化やナレッジ共有、社内教育コンテンツの動画化、さらには直接のコミュニケーションに近しい手段としてVR(360°)動画の活用など、個々の企業の課題に応じて動画のDX活用シーンが多様化しました。さらに、今後は5Gの普及も重なることで、「動画から得られる視聴データ」を活かし、マーケティングDXを推進していくニーズもさらに高まってくるものと考えております。当社はこのような環境下において、今後も既存の概念に囚われず、「お客様と共創し、社会全体にさらなる価値をご提供していく」というスタンスで企業のDX化を推進してまいります。
(注)1.総務省 「情報通信白書(2021年版)(2021年7月30日公表)」
2.経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜(2018年9月7日公表)」
3.経済産業省「DXレポート2(2020年12月28日公表)」
当社の各セグメントの事業内容は、以下のとおりであります。
(1)Videoクラウド事業
当事業は、主に動画制作サービス、動画配信プラットフォームサービス(Videoクラウド)、DXコンサルティングの3つのサービスを提供しております。当事業の特長は、動画制作を行うだけでなく、専用のプラットフォーム上での配信、分析・改善、データ活用からDXの推進に至るまで、一気通貫したサービス提供を行うことができる点にあります。特に、動画の価値を最大限に発揮することができるVideoクラウドに注力しております。Videoクラウドは、基本機能として企業独自のViewer(再生機能)と正確な視聴データの蓄積・分析を行うことや、拡張機能として次世代型動画であるインタラクティブ動画への対応が可能です。さらには、Videoクラウドから抽出できる動画の視聴データ及び顧客のマーケティングデータを活用したDXコンサルティングサービスを行っております。
当事業の特長は以下のとおりであります。
①豊富な動画制作サービスの取引実績数
当社のVideoクラウド事業における動画制作サービス取引社数は、7,735社(2022年7月末現在)となっております。動画には「短時間で多くの情報を伝えられる」「記憶定着の効果が高い」「知覚情報を伝えられる」という3つの強みがあり、さらに、情報や視聴データを蓄積して資産化することが可能となっています。そのため、コロナ禍でテレワークが普及する中、「付加価値の向上(広告・プロモーション、営業資料、サービス紹介、ブランディング、社員総会、展示会、導入事例紹介、ウェビナー等)」と「業務の効率化(マニュアル・ナレッジ共有、カスタマーサクセス、社内報・コミュニケーション、教育・研修、インターンシップ、会社説明、工場・社内バーチャルツアー、IR・株主総会等)」の両面で動画の活用シーンが広がりを見せております。
②XR(注1)領域の拡張機能
Videoクラウドでは、動画の再生機能やデータの取得などの基本機能に加え、XR領域への拡張機能として最新の動画手法であるインタラクティブ及びVR(360°)動画を実装することが可能となっております。従来の動画では、企業側は視聴者に対して、再生開始から終了まで一方的な情報発信をすることしかできませんでした。そのため、ニーズが潜在的な視聴者には早期に離脱され、動画を思うように視聴してもらえないなどの弱点がありました。しかしながら、インタラクティブ動画では、企業と視聴者が双方向でコミュニケーションを取ることが可能となりました。視聴者が動画の中で興味のある箇所をタップすることで、さらに情報を掘り下げて理解することができ、視聴者が個人の興味関心に合わせて、ストーリーを自ら選択していくことができます。また、シナリオがリアルタイムで変化する仕掛けとなっており、動画の中でアンケートの回収や、気になった商品やサービスの購入及び問い合わせまでのプロセスを一気通貫で完了させることが可能です。このような双方向コミュニケーション型動画によって、ユーザーに新しい顧客体験をもたらします。さらに、従来不透明であった「動画の効果を可視化」することが可能となっており、動画の中で視聴者が「どこに興味を持ったのか」などの興味関心のデータを詳細に取ることができるようになりました。
(注)1.XR:Extended realityの略称。「VR(仮想現実)(注2)」「AR(拡張現実)(注3)」「MR(複合現実)(注4)」など、現実世界には存在しないものや情報を表現・体験できる技術の総称
2.VR:Virtual Realityの略称。ヘッドマウントディスプレイなどを装着し、人工的に作られたバーチャル空間を表示させて仮想空間を現実かのように体感させる技術
3.AR:Augmented Realityの略称。実際の画像や映像とCGの映像を合成し、現実感のある仮想空間を作り出す技術
4.MR:Mixed Realityの略称。現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせ、現実世界と仮想世界を同時に体験可能にする技術
③DXコンサルティング
当社では、動画を起点としたマーケティングDXコンサルティングを行っております。SMBの多くの企業では、マーケティング領域における動画の活用に関してのノウハウはもちろん、DX推進においても「何から始めていいのかわからない」「データを活用できずに放置されている」などの課題を持たれているものと認識しております。そのため、データの活用コンサルティングを中心に、サイト制作、デジタルマーケティング、採用支援におけるDX推進のためのコンサルティングサービスを展開しております。また、SMBの領域では事業規模が限られているという性質上、一つの課題を解決していく過程において、周辺領域の課題解決需要まで発展するケースもあります。そのため、カスタマーサクセス部門を構え、顧客と継続的な関係性を構築することで顧客のDX化を推進することに努めております。
(2)店舗クラウド事業
①予約サービスの構築・運用
当事業は、店舗と利用ユーザーの間をつなぎ、ユーザーが会員登録をしなくても、24時間予約可能な予約・顧客管理システム「TSUNAGU」及び「いつあき」の提供を行っております。「TSUNAGU」は来店したユーザー情報の管理台帳機能やメルマガ配信機能により、再来店を促進しながら24時間いつでも、簡単に、予約管理及び顧客管理が可能なシステムとなっております。「いつあき」はさらに機能を簡素化し、シンプルに予約まで完結できる操作性により、スピードと便利さを強みとすることで、主に小規模事業者のDXを支援しているサービスとなっております。予約システムについては、直接的な市場環境のデータは少ないものの、国内における個人のインターネットの利用率は82.9%(注1)となっており、インターネットの利活用が広がりを見せる中、店舗のオンライン予約についても一定数のニーズが存在するものと認識しております。小規模事業者におけるITを導入する際の課題として、「導入の効果がわからない・評価できない」「コストが負担できない」に続き、「従業員がITを使いこなせない」が33.7%、「ITの旗振り役がいない」が26.0%となっており(注2)、ITリテラシーの不足やIT人材の不足により、予約・顧客管理システムについては、機能面が豊富なサービスよりも最低限の操作性や機能面の方が導入しやすいと考える事業者は一定数存在するものと考えております。また、小規模事業者に向け、直近3年間の売上高の傾向を間接業務(顧客管理を含む)のIT導入度別で行った調査結果(注2)において、売上高の傾向が増加傾向だと判断している割合は、IT未導入の場合24.9%であるのに対して、IT導入を積極的に行っている場合39.6%であることから14.7%の差があるという結果も出ております。当サービスを導入いただくことで店舗のDXを推進することが可能になると考えております。
(注)1.総務省 「情報通信白書(2022年版)(2022年7月5日公表)」
2.中小企業庁「小規模企業白書(2018年版)(2018年4月20日公表)」
②販売代理事業
株式会社EPARKリラク&エステが展開するリラクゼーション・エステ・整体院に特化したオンラインプラットフォーム「EPARKリラク&エステ」と連携した「PeakManager(予約管理システム)」の販売代理業を行っております。EPARKリラク&エステでは、オンラインプラットフォームを通じて店舗クライアントの集客及び経営・業務効率の改善を支援しており、PeakManagerでは、予約管理機能・売上管理・分析機能・顧客管理機能・メール配信機能等、充実した機能をご提供しております。
(事業の優位性)
事業の優位性は以下のとおりであります。
①データを活用し、安定して案件を獲得できる販売体制
当社では、主に中小企業がメインのターゲットであり、案件の獲得を代理店やパートナーに依存することなく、見込み顧客へアプローチ、その後リードナーチャリング(注1)を行い、案件化に至るまで、自社のみで行える直販体制を構築し、安定的に案件を獲得することが可能となっていると考えております。まず、マーケティング専門チームが、RPA(注2)を活用して効率的に見込み顧客を抽出・リスト化しております。そして、国内6拠点(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)(2022年7月末現在)において、160名以上のノウハウを持ったコンサルタントが在籍し、付加価値の高いコンサルティング提案を行うことで、潜在的なニーズの顧客層から案件を獲得できる直販体制を有しております。また、失注した案件についても、企業ごとにスコアリングを行い、スコアに合わせたリードナーチャリングを行うことによって、再度アプローチを図るための仕組みを構築しております。このように、当社は見込み顧客のセグメントに応じたマーケティングを行うことで、リスクを分散するとともに、規模・業種・業態を問わず幅広い企業にアプローチすることが可能です。
また、当社では豊富な取引実績から得られた顧客の経営課題やクリエイティブのデータベースを蓄積・分析しております。この取り組みにより、ナレッジを共有でき付加価値の高い提案の再現性を持たせることや、属人化しにくい早期教育体制の構築にもつながっており、今後セールスコンサルタント人員が増加していったとしても、継続的に案件獲得ができる体制を構築しております。
(注)1.リードナーチャリング:見込み顧客(リード)に対してメルマガやセミナー、Webコンテンツなどを通して有益な情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供し、自社の製品やサービスへの購買意欲を高め、将来的な受注につなげるためのマーケティング手法
2. RPA:ロボティック・プロセス・オートメーションの略称。これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みの総称
②一気通貫したサービス提供による高収益体制
当社では、機能別の分業体制を構築することで、営業活動から制作、その後のDXを推進するサポートまで、一気通貫したサービス提供を行っております。コンサルタントは顧客の課題に合わせたソリューション提案に専念し、クリエイティブ部門では、ディレクションや制作などそれぞれの専門分野の知識やノウハウを深化させることに専念できるようにしております。また、カスタマーサクセス部門では、Videoクラウドに蓄積された視聴データだけでなく、顧客のWebサイトなどのマーケティングデータをもとに課題の共有と改善を繰り返し続けることで、顧客のDXを推進することに専念しております。さらに、顧客のニーズや課題は独自のデータベース上でリアルタイムに共有できるようになっており、社内の部門間でも仮説検証のサイクルを回しながらナレッジ共有を行うことで、高品質なサービス提供とコンサルタントによる付加価値の高い提案を実現させることが可能と考えております。加えてクリエイティブ部門においては、独自のデータベース内にディレクションから制作まで、豊富な実績によるノウハウが蓄積されており、高品質化と内製化を推進することで、収益性の向上に努めております。その結果、全体の営業利益率は2021年6月期で17.0%、2022年6月期で22.8%になっております。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E37482] S100PA1O)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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