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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R2X3 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社サンクゼール 事業等のリスク (2023年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1) サステナビリティに関するリスク

(顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:中長期 / 影響度:中)
当社グループが営む食のSPAは、商品開発、調達、製造及び販売に至るまで、サプライチェーンが多岐に及んでおります。当該サプライチェーンは、気候変動が進むことにより、従来と同様の方法で原材料や商品の調達が困難になる、お客様の趣向が変化して環境に対する負荷が小さい商品を好むようになる、といった事業環境の変化による影響を受ける可能性があります。また、事業の拡大とともに事業を通して発生する食品ロスが増加することになると、環境に与える負荷が増加するとともにお客様の当社ブランドに対するイメージが悪化する可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループはサステナビリティに関する重要課題を設定し、当該重要課題に対する取り組みを行っております。
当該取り組みの内容は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

(2) 経済状況の変化に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、国内における食品製造販売事業を主たる事業としております。日本の景気変動や政治情勢の変化により、当社グループの営む事業に影響を与える事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは国内で複数のブランドや販売チャネルを通して事業を展開していくとともに、海外を成長領域の一つに位置づけ、グローバルの売上を伸ばすために必要な投資を継続的に実行してまいります。

(3) 業界環境、市場規模について
(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
食品は人間にとって必須のものであることから販売チャネルが変わることがあってもなくなることはない環境です。しかしながら、消費者のニーズや生活スタイルの変化により、好まれる食品のタイプが変わるリスクが存在します。当社グループが環境の変化に機敏に対応できず、消費者のニーズを取り込むことができない場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗やECでの販売動向や会員アプリを通じた顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続的に実行し、消費者のニーズを把握できる体制の強化に努めてまいります。

(4) 食の安全性に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
食品の品質に対する消費者の要求は一段と高まっております。当社グループにおきましても「食の安全性」の確保を経営の最重要課題の一つと位置付けており、品質方針及び品質目標を掲げるとともに、品質保証部門を中心とした品質マネジメントシステムの構築・運用を通じて、製品の安全性と品質の確保に万全を期しております。しかしながら、当社グループの努力にも関わらず、偶発的な事象も含めて製品の品質を低下させる事象が発生する可能性があります。さらに当該事象の発生は、当社グループにおいて発生するのみならず、商品の仕入先や当社ブランド製品の製造委託先においても発生する可能性があります。これにより、多額の損害賠償金の負担やブランドイメージ低下による売上の減少など、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、外注先工場を定期的に訪問し品質管理体制の確認また研修会を行うとともに、品質に関する重要な問題が発生した場合には、案件の規模に応じて、取締役会、経営会議及びリスク&コンプライアンスマネジメント委員会に報告し、リスクマネジメントに努めております。

(5) 天候不順等のリスク

(顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、食品製造販売事業を主たる事業としております。天候不順等により当社グループが取り扱う製商品の原材料である食材が不作となり、原材料の調達が困難となった場合、当社グループにおける商品の仕入量又は製品の生産量が減少し、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、今後、主力製商品の一部を当社グループの日本と米国の双方で製造できる体制を整えてまいります。また、万が一、特定の製商品の原材料の調達が困難となった場合に備えて、当該製商品の代替商品を同一製商品カテゴリーに加えるなど、製商品カテゴリーごとの商品点数を拡充することにより、リスク分散を図っております。

(6) 自然災害等のリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループは長野県上水内郡飯綱町及び同信濃町に本社機能を有するとともに、全国各地に「サンクゼール」及び「久世福商店」の2つのブランドの店舗を展開しており、2023年3月末時点で合計158店舗(直営51店舗、FC107店舗)が存在しております。自然災害や新型インフルエンザ等の感染症の発生等、当社グループの予測できない事象が発生した場合、本社機能の停止、店舗の損壊及び原材料調達の阻害等の影響を招く可能性があります。
また、自社製造工場がある長野県上水内郡飯綱町及び同信濃町は、冬場の積雪量が多い地域であり、予想の範囲を超えた積雪によってやむをえず工場の稼働停止を行う必要が生じた場合には、製品の生産量の減少を招く可能性があります。
新型コロナウイルス感染症のような感染症の拡大が発生した場合、食品製造販売事業を営む当社グループでは原材料調達の遅延や生産活動の停滞等のリスク、感染拡大防止のための店舗休業等を含めた営業制限が懸念されますが、当社グループはグループ食品メーカーとして安定的な生産・供給に向けて取り組んでおります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、多くの製商品を米国子会社及び各地500社を超えるサプライヤーネットワークから調達し、それを全国各地に点在する店舗、EC、ホールセール及びグローバルの複数の販売チャネルを通じて販売しており、特定の地域に過度に依存することのないサプライチェーンを構築しております。

(7) 情報システムに関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループでは、店舗運営を含む事業運営全般を当社グループ独自の基幹システムで運用・管理しており、情報システムに大きく依存しております。データ消失などのリスクに対しては適切なバックアップ体制を構築し、不正アクセスなどの外部からの攻撃に対しても適切な対抗策を講じております。しかしながら、万が一、システムダウンや不正アクセスによるデータの改ざん等が発生した場合には、事業運営の阻害や社会的信用の失墜を招くことになり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、以下の3点に取り組んでおります。
1つ目は「稼働しているシステムのセキュリティ強化」です。基本的にすべてのシステムでユーザー認証を求めるとともに、攻撃を受けやすいECサイトなどは、外部専門機関による脆弱性診断を受け、サイバー攻撃に耐えられるか確認をしております。2つ目は「全従業員を対象としたセキュリティ教育の強化」です。セキュリティポリシーや個人情報の管理規程を整備し、それを基にしたセキュリティ教育を研修として実施しています。他社で発生した事例などを盛り込み、常に最新の危機意識を持って行動できるように指導しております。3つ目は「セキュリティ強化への投資」です。外部機関による脆弱性診断を始め、セキュリティ対策や強化に必要な投資を行っております。


(8) 個人情報の漏洩等のリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループでは、お客様、及び従業員の個人情報を収集・保管しており、個人情報漏洩のリスクに関しては適切な個人情報保護方針に従い適切な管理を徹底しております。しかしながら、万が一、これらの個人情報が社外に流出した場合には、多額の損害賠償金や当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少を招くことになり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、2023年6月にプライバシーマークを取得、個人情報保護に関する社内体制の継続的な強化を図っております。

(9) 法的規制等に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループは事業遂行にあたり、食品衛生法、景品表示法、食品表示法、消費者安全法、労働基準法等の法的規制の適用を受けております。当社グループにおきましては、これらの法的規制の適用に当たり、法務主管部門である総務法務人事課が関連部門と連携して法令改正にも適宜対応し、関連法規の遵守を徹底しております。しかしながら、万が一、これら法的規制に違反する事象が発生した場合には、多額の損害賠償、行政処分並びに社会的信用の失墜を招き、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、原材料の表示においてアレルゲンの表示については特に注意を払っておりますが、記載漏れなどが発生した場合には、人的被害を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、法務主管部門やその他の関連部門が顧問弁護士及び顧問弁理士と適時にコミュニケーションを図るとともに、必要に応じて社内勉強会を開催するなど、法的規制等の遵守に努めてまいります。

(10) 原料、製商品の仕入先、卸販売先との関係悪化や依存リスク
(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
現在、当社グループは、原料及び製商品の仕入先、並びに卸販売先の各企業と良好な関係を構築しており、それら取引先数も着実に増加しております。しかし、今後もお取引を継続できる保証はなく、当初の計画とおりに原料や製商品が調達できない場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、原料メーカー、製商品の仕入先、及び卸販売先との間にトラブル等が発生した場合には、訴訟の提起等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、今後も取引先各社と良好な関係を維持できるように十分なコミュニケーションを図っていき、双方Win-Winの関係を実現することに努めてまいります。

(11) 競合リスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループが属する食品流通業界には多くの競合企業が存在しており、競争関係はますます熾烈化しております。他社が当社グループと差別化した商品や出店戦略を展開し、当社グループの競争優位性が低下した場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗やECでの販売動向や会員アプリを通じた顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続的に実行し、消費者のニーズを把握できる体制を強化していくことで、同業他社と差別化した商品やサービスの提供に努めてまいります。

(12) 商品及び原材料の調達並びに価格変動に関するリスク

(顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループでは、日本及び米国子会社の自社工場において製品の原材料である食材を調達しており、また日本国内において当社ブランド製品の製造委託先や商品の仕入先から製商品の仕入を行っております。天候不順、自然災害に加えて、仕入先における何らかの事情によりこれら原材料や製商品の調達が困難な状況が生じ、原材料や商品の市場価格が高騰する状況が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、多くの製商品を米国子会社及び全国各地500社を超えるサプライヤーネットワークから調達しており、特定の地域や特定の商品に過度に依存することのないサプライチェーンを構築しております。

(13) 物流網及び物流費用に関するリスク

(顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、国内物流業者の協力のもと、全国各地の店舗へ製商品を効率的に配送するための物流体制を構築しております。しかし、大規模災害等により物流配送網に支障が生じる場合には、店舗への製商品供給不足により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、近年のインターネット通販の普及と配送ドライバーの人手不足等により、物流費用は上昇傾向にあります。今後、当社グループの予想する範囲を超えて物流費用が上昇する状況が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、多くの製商品を米国子会社及び全国各地500社を超えるサプライヤーネットワークから調達しており、また、複数の外部倉庫や運送会社と契約することで、物流網及び物流費用に関するリスクの分散化を図っております。

(14) 商品企画及び商品開発に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループが属する食品流通業界におきましては、消費者の嗜好や流行の変化に影響を受けます。当社グループにおきましては、「サンクゼール」、「久世福商店」及び「Kuze Fuku & Sons」の3つの商品ブランドを通じて、1,500品目を超える製商品を販売しております。当社グループはお客様のニーズや時代変化に対応すべく国内外のマーケットより情報収集に努め、製商品の企画及び商品開発に注力しております。しかしながら、お客様の嗜好や食品マーケットトレンドが短期的かつ急激に変化する傾向にもあるため、当社グループが販売する製商品とお客様のニーズとの乖離が大きくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗やECでの販売動向や会員アプリを通じた顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続的に実行し、消費者のニーズを把握できる体制を強化していくことで、お客様が求める製商品やサービスの提供につとめてまいります。

(15) 知的財産権に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、「サンクゼール」、「久世福商店」及び「Kuze Fuku & Sons」の3つのブランドにつきまして、原則、商標登録を行っており、各ブランドの製商品開発において、商標登録を行ったロゴ等をラベルやパッケージのデザインに使用しております。当社が保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、商品のデザインを含めて、第三者の商標権等を侵害していると認定された場合には、損害賠償やブランドイメージの低下によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、第三者が当社のブランドロゴやデザインを模した商品が販売されている事例等がないかどうか、日常的に情報収集を行っておりますが、これらの商品等が市場に出回ることにより、当社の知的財産権の管理が十分に機能しない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、法務主管部門やその他の関連部門が顧問弁理士と適時にコミュニケーションを図り、知的財産権の侵害の防止につとめてまいります。また、第三者による当社のブランドロゴやデザインを模した商品等が発見された場合には、法務主管部門やその他の関連部門が当社顧問弁理士とともに当該第三者と協議を行い、適切な措置を講じてまいります。

(16) 訴訟に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大)
当社グループは事業を遂行するにあたり、各種法令、諸規則を遵守しております。また、第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意をはらっており、現時点で当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす係争中の案件はありません。しかしながら、万が一、商標権の侵害等の訴訟が提起された場合には、その結果により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、法務主管部門やその他の関連部門が顧問弁護士及び顧問弁理士と適時にコミュニケーションを図るとともに、必要に応じて社内勉強会を開催するなど、法的規制等の遵守に努め、訴訟への発展を未然に防止できるように努めてまいります。

(17) 海外展開に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
米国子会社であるSt.Cousair,Inc.では、日本向け製品の製造を行うとともに米国向け製品の製造・販売を行っております。米国の政治・経済・社会・法規制といったカントリーリスクによって、米国からの製品輸入や米国向けの販売が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、米国子会社からの製品輸入は米ドル建てで行うとともに、連結決算上は、米国子会社の決算数値を期中平均相場等の為替相場で換算しております。そのため、米ドル相場の急激な変動が当社グループの業績及び財政状態へ悪影響を与える場合があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、日々、米国を始めとする進出先国の政治・経済・社会・法規制等の情報収集を行い、事業に影響する事象の把握に努めております。また、一部の外貨建取引にかかる為替相場変動リスクに対しては、必要に応じて為替予約を行うなど、為替相場変動リスクの低減に努めております。

(18) 固定資産の減損に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低)
当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当社グループは、直営店舗設備や本社設備などの様々な固定資産を保有しており、これらの固定資産に関して減損損失を認識する必要があると判断した場合には、多額の減損損失の計上により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、ビジネスユニットごとに店舗別業績の動向を常に把握し、業績が悪化している店舗に関する原因分析と対策の早期立案・実行に努めております。

(19) M&A等に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループでは、M&A等を通じた成長可能性を積極的に検討しており、株式買収、事業買収、マイノリティ出資及び業務提携など様々な手法を通じて企業価値の向上を図ってまいります。2023年3月末時点においては、投資有価証券を172,186千円、過去に実施した買収に伴うのれんを102,459千円計上しております。M&A等に伴って取得した資産に関しては、M&A等の効果が当初想定した効果を下回った場合に、投資有価証券評価損やのれんの減損の計上により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、投資先に対する助言や当社グループの経営資源の提供を通して、投資先の超過収益力の維持又は向上に努めてまいります。

(20) 新規事業について
(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、中長期的な企業価値向上を目的として、継続して新規事業の可能性を検討しており、企業価値向上に資すると判断した場合には積極的に実行に移しております。これらの新規事業は、設備投資や人的資本投資など、多額の先行投資が必要になる可能性があります。また、事前に十分な検討を行った上で事業計画を策定し、経営会議や取締役会等における承認を経ておりますが、実際の業績が想定を下回った場合には、一時的に当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、事前段階においては、十分な情報収集を行った上で事業計画を策定するとともに、事後段階においては、新規事業に係る業績動向の分析を慎重に行ってまいります。


(21) 繰延税金資産に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低)
当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、事業全体を通して収益性の向上を図っていき、将来の課税所得の蓋然性を高めてまいります。

(22) 棚卸資産の評価に関するリスク
(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループの扱う製商品は加工食品が中心であり、多くの商品に賞味期限が設定されております。当社グループでは、賞味期限まで十分な期間を残してお客様に製商品を販売できるように、慎重に販売予測を行い商品の在庫管理を行っておりますが、賞味期限の到来が近い製商品が発生した場合においても、店頭での値引き販売やアウトレット店舗で通常価格よりも安価な価格にて販売することにより、食品ロスを最大限抑制できるように努めております。しかし、感染症の感染拡大により店舗の休業が余儀なくされる場合や需要予測を見誤った場合には、賞味期限内の販売が困難な製商品が発生し、当該製商品に対する棚卸資産評価損を計上することにより、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、ITによる自動化を含む需要予測や受発注プロセスの高度化を実現し、在庫管理の精度向上に努めてまいります。

(23) 店舗の敷金及び差入保証金の回収不能リスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低)
当社グループでは、大部分の直営店舗が建物を賃借し、出店しております。賃借に際して差し入れる敷金及び差入保証金は、2023年3月末時点で305,695千円であります。賃借先は国内の大手不動産事業会社が中心であり、これらの賃借先に対しては当社グループで定めた与信管理規程に基づき与信判断を慎重に行っておりますが、万が一、賃借先の財政状態の悪化等の理由により敷金及び差入保証金の回収が困難となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、与信管理規程に基づく与信判断の精度を向上し、リスクの低減に努めてまいります。

(24) 人材の確保及び育成に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
直営店舗による店舗展開を行う上では、優秀な店長人材の確保・育成が不可欠となりますが、適切な人材の確保・育成ができない場合又は優秀な店長人材が社外に流出した場合には、当社グループの業務運営や経営成績等に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、経営理念や経営方針の伝達を通して、従業員一人一人が当社の目指す方向性を十分に理解できるように取り組んでおります。また、待遇面や福利厚生の充実化など、従業員が働きやすい環境の構築を進めております。これらの施策を通して、従業員一人一人の当社グループに対するエンゲージメントを高め、働きがいを感じながら、企業の成長と同時に従業員一人一人が成長を実感できるような組織を構築し、当該リスクの低減につなげてまいります。

(25) パートタイマー及びアルバイトの確保に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループにおいては、多店舗展開を行う上で多数のパートタイマーやアルバイト従業員を雇用しております。これらの人材が計画とおりに雇用できない場合、又は人口動態の変化により適正な労働力の確保が困難となった場合には、事業遂行を阻害する要因となり、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、これら有期契約従業員のうち、社会保険加入要件を満たす全ての従業員に社会保険への加入を義務付けております。今後社会保険制度の変更等により社会保険制度の適用対象の拡大や社会保険料の増額が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、直営だけでなく、FC、EC、ホールセール及びグローバルの販売チャネルを通じた事業を展開しており、直営店の運営に過度に依存することのない体制の構築に努めております。

(26) 出店政策に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループは、高い集客力が見込める郊外の大規模ショッピングモールや都市部の主要駅周辺に出店しております。新規出店にあたっては、商圏人口、賃貸条件、収益性及び投資回収期間等を総合的に検討して決定しているため、これらの条件に合致する物件が見つからない場合には、当初計画とおりの出店が困難となり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループの出店後に環境が変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画とおりに店舗収益が確保できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります
加えて、当社グループの出店先商業施設は、特定の商業施設管理会社への依存度が高いため、これらの商業施設管理会社とのトラブル等が発生した場合、新規出店数の減少や既存店舗の契約解除等につながる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、既存店の収益性を向上するとともに継続的に店舗の魅力を高めて、出店先商業施設の当社ブランド店舗に対する出店意欲を高く維持できるように努めてまいります。

(27) フランチャイズ・チェーン(FC)展開に関するリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループでは直営店の営業展開のほか、FC展開の拡大を推進しております。当社グループはFC加盟店企業各社とパートナーシップ契約を締結しており、各FC店舗に対してサービスや衛生管理等の指導を行う義務が生じるとともに、当社グループはその対価としてロイヤリティ収入等を収受しております。
現在はFC加盟企業と良好な関係を構築しており、FC店舗数は着実に増加しております。しかし、今後も継続的にFC店舗を獲得できる保証はなく、当初計画とおりにFC店舗を獲得できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、FC加盟企業との間にトラブル等が発生した場合には、パートナーシップ契約の解除、訴訟の発生又は加盟店の法令違反、不祥事等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、新たにFC加盟店企業となる企業に関しては、FC加盟店を運営するための能力や財務基盤を有しているかどうか、慎重に判断しております。また、既存のFC加盟店企業に関しては、今後もFC加盟店企業各社と良好な関係を維持できるように十分なコミュニケーションを図っていき、双方Win-Winの関係を実現することに努めてまいります。

(28) インターネット等による風評被害のリスク

(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社グループが保有する商標等の不正利用やソーシャルメディアの急激な普及に伴うインターネット等への書き込みなどによる風評被害が発生・拡散した場合は、その内容の正確性にかかわらず、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの競合他社等に対する風評被害であっても、食品小売業界全体の社会的評価や評判が下落することにより、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、ソーシャルメディアでの書き込みを定期的に分析し、当社グループに対する風評被害に発展するような書き込みの有無を検証しております。また、問題のある書き込みがあれば、必要に応じて経営会議やリスク&コンプライアンスマネジメント委員会において報告し、経営陣や幹部社員のインターネット等による風評被害のリスクに対する理解度を高めるように取り組んでおります。


(29) 特定人物への依存(会長、社長及び副社長の関係性等)について
(顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社の取締役会長(注)である久世良三は、当社の創業者であり、設立以来、事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である久世良太は、当社グループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。加えて、代表取締役副社長(注)である久世直樹は、当社グローバル事業全般の事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。そのため、3名のうちいずれかが当社の業務を継続することが困難となった場合、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは、取締役会、監査等委員会及び指名・報酬委員会等を通じて取締役間の相互の情報共有や経営体制の強化を図るとともに、ビジネスユニット組織を採用し、ビジネスユニット長への権限委譲を行うなど、取締役と経営幹部が一丸となって、特定の取締役に過度に依存しない経営管理体制の強化に努めております。
(注) 2023年6月27日開催の取締役会において、久世良三は取締役会長に、久世直樹は代表取締役副社長にそれぞれ就任しております。

(30) 配当政策について

(顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後は経営成績及び財政状態等を総合的に勘案しながら、当社単体決算上の当期純利益の30%を目安に安定的かつ継続的な配当の実施を検討してまいります。しかし、重要な事業投資を行う場合やキャッシュ・フローが著しく悪化した場合においては、配当を行わない、又は配当を減額するといった判断を行う可能性があります。

(31) ストック・オプションの行使に伴う既存株式の希薄化リスク

(顕在化可能性:高 / 顕在化する時期:1~3年以内 / 影響度:中)
当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権所有割合が希薄化する可能性があります。2023年3月31日時点でこれらのストック・オプションによる潜在株式数は314,400株であり、発行済株式総数9,068,200株の3.5%に相当しております。

従業員の状況研究開発活動


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