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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100S254 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社Ridge-i 事業の内容 (2023年7月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社は、様々な社会課題・顧客課題をAI・ディープラーニング等の先端技術を用いて解消するために、現場に入り込んだコンサルテーションに始まり、アセスメント、開発、導入、顧客による運用まで視野に入れた、実用的なソリューションを提供するテクノロジーカンパニーです。
当社は、カスタムAIソリューション事業として、AI活用コンサルティング・AI開発サービスと、そのサービスで培った知見やアルゴリズムを活用したAIライセンス提供サービスを行っております。また、宇宙関連市場の拡大を見込み、データの取り扱いに専門的なノウハウが必要な人工衛星データのAI解析サービスも行っております。

(1) 事業の概要

当社は、カスタムAIソリューション事業として、コンサルテーション・プランニングからサービスの実現までを支援するフルカスタムAIの受託研究開発を実施しています。業界のキープレイヤーとの協業によって、個社課題にとどまらずに、業界全体のAI・DX化を進めるAI活用コンサルティング・AI開発サービスを行っており、現状はこのサービスが大半を占めております。次に、そのAI活用コンサルティング・AI開発サービスで培った高品質のAIエンジンを、顧客のサービスやSaaSなどのプラットフォーマーへ迅速に提供する、AIライセンス提供サービスを行っております。
また、データの取り扱いに専門的なノウハウが必要な人工衛星データの解析や関連するアルゴリズムを開発するサービスを行っております。


当社はこれらのサービスを展開することで、顧客企業の様々なAI活用に関する課題を解決するためのAIサービスを、戦略策定から開発、保守運用、そしてライセンス提供による顧客企業との共同事業化までを行っております。当社の事業は、AI活用コンサルティング・AI開発サービスを中心としたフロー収益を主とし、個別の顧客企業ごとのプロジェクト提供により知見と独自のアルゴリズムを蓄積して、それらを応用してAIライセンス提供サービスとしてストック収益を得るビジネスモデルとなっております。
当社の顧客企業については、特定の業界に特化しておりませんが、AIの活用ニーズが高く、またコアなビジネスの現場で利用されるソリューションの開発のため大手製造業が多くなっております。
当社はカスタムAIソリューション事業において、AI・エンジニアリング・ビジネスの3つの強みに精通したプロフェッショナルが、1つの課題にワンチームとなって挑む体制になっております。これにより、コンサルティングから開発まで一気通貫でのサービス提供が可能となっております。特に日本においてはAI導入率が低い状況ですが、当社は各プロフェッショナルが連携することでコンサルティング及び開発フェーズの切れ目でプロジェクトが止まらないようにしております。

(2) 展開するサービス

① AI活用コンサルティング・AI開発サービス
AI活用コンサルティング・AI開発サービスは、AIの活用ニーズを持つ企業に対して目的・課題に合わせたAIソリューションの提案をもとにコンサルティングや開発を行うビジネスです。当社は、顧客企業が現場で効果を体感できるまで開発から導入展開までを一気通貫でサービスを行っております。

(a) 実運用まで支援
先端技術の導入、データを主軸としたビジネス・オペレーション変革には既存システムの変更など大きな困難が伴い、プロジェクト期間中でも朝礼暮改で新しい手法を取り入れる局面も出てまいります。当社ではクライアントとの強い信頼関係を醸成することで、経営レベルでの意思決定支援から現場での開発スタッフとの連携、そして運用スタッフへの技術や知識の移転まで一貫して支援し、開発期間中の方向転換などを柔軟に調整しながら、クライアント内での継続的な運用と実用性の高い価値の創造を実現しております。

(b) AI×既存技術×人による運用
当社は、AI(機械学習・深層学習)ですべての課題が解決できるとは考えておりません。AI技術、ルールベースの既存技術(注1)、人による運用のすべてが調和したときに、クライアントにとっての持続的な価値創造が実現できます。当社が行うコンサルティングでは、それぞれの技術特性と限界を見極めた上で、システム導入に留まらない最適なビジネス・オペレーションの実現を支援しております。

(c) フルカスタムAI
AIでは、目的に応じて様々な手法を選定し組み合わせる必要があります。公開API(注2)や、大手プラットフォームのアプリケーションも日々進化しておりますが、個別ニーズをすべてカバーすることはできません。当社では、クライアントの目的に応じて最適な精度・計算速度・冗長性などのトレードオフを見極めながら、ベストなバランスの性能をもつカスタマイズAIを提供しております。
(注) 1.ルールベースの既存技術
人の手によって記述されたルールやロジックのみに従って動くプログラム全般のこと。
2.公開API
まず、APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、あるアプリケーションの機能や管理するデータ等を他のアプリケーションから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みを指します。公開APIとは、そうした接続仕様・仕組みを他の企業に公開することを意味します。

(d) AI開発テーマ
当社は特定の業界に特化していないため、様々な業界のテーマに対してソリューションを提案しております。ただし、これまでの実績によりAIの活用ニーズが高い日本の製造業の顧客が多くなっております。当社のAI開発の特徴として、製造業を中心に熟練者・ベテランがもっている技術や知見をAIに実装することで、省人化・後継者問題の解消・業界全体の品質を上げていくことをテーマとしたものが多くあります。

(e) AI/DXプロジェクトのアプローチと流れ

当社のアプローチの特徴は、顧客企業の目的・業界・課題・プロセスの深い理解を行った上で、様々なデータと技術を組み合わせたAIソリューションの提案をもとに開発を行うことにあります。また、プロジェクトによっては、顧客企業の投資対効果の実現と当社のストック収益を見据えた長期的なパートナーシップに基づきAIサービスの共同開発を行っております。

当社のAI/DXプロジェクトの流れは、戦略策定、データ収集及びアセスメント、開発及びシステム連携、運用保守となっております。戦略策定は、AIの正しい共通理解の醸成を行いながら顧客企業のDX戦略、業務改善、AI実行テーマの選定支援を行っており、AI知識のあるコンサルタントが顧客企業の業界知見や現場課題を深く理解しつつ支援を行っております。その戦略策定をもとにコンサルタントとAIエンジニアが協力してデータ収集及びアセスメントを行っており、当社が多く扱う画像データだけでなく、それ以外の様々なデータを組み合わせたAIを組み込んだシステムの全体像を設計します。次にアセスメントに基づいてPoC(実証実験)や本格開発を行います。本格開発はAIに精通した人材を含むエンジニアが中心となり、運用までを含めた全体設計支援を行いながら顧客企業のシステムと連携したAI開発により実用化を目指します。最後の運用保守では、AI稼働状況のモニタリングツールの開発、運用プロセス策定や運用に向けたツールの整備、顧客企業のAI教育など、開発したAIの運用を顧客企業が行うためのシステム開発と支援を行っております。

(f) AIソリューションの技術と実績
当社は顧客のニーズに応じて、主にディープラーニング等の技術を中心に、顧客の課題や目的に合わせてディープラーニング以外の技術も組み合わせたAIソリューションの開発を行っており、画像・動画・音声など複数のデータ種類に対応したAIの開発実績があります。
直近では、1つのディープラーニング技術だけでは解けない課題も多くなってきており、マルチモーダルAIの開発に取り組んでおります。



マルチモーダルAIとは、複数種類のデータと複数のAI技術を組み合わせて1つのAIソリューションとするものです。当社の顧客企業からは、製造現場のベテランの知見や作業をディープラーニング等の技術を組み合わせて再現したい、といった1つのディープラーニングでは解けない課題がでてきております。こうした課題には、画像や音声など複数データと複数のAI技術を組み合わせたマルチモーダルAIが必要となります。当社はこれまで画像データや動画データの取扱いに実績と強みを持っていますが、音声や数値データにも対応してきており、今までは解決できなかった課題がマルチモーダルAIにより解決できる可能性があります。
また、当社はデータ取得に必要なセンシング方法についてもパートナー企業と協力することで、顧客企業のニーズに合ったデータ取得ができるように様々なデータ種類に対応するセンシング機器の取扱いの知見を増やしております。加えて、計算環境や出力方法も顧客企業に合った方法をソリューションとして提案できるようにしております。このように、最新技術を柔軟に取り入れたマルチモーダルAIにより顧客の課題に対応することに当社の特徴があります。


② AIライセンス提供サービス
当社はAI活用コンサルティング・AI開発サービスにおいて、AIの知見や経験をもとにして顧客との事業連携・製品開発を通じたカスタマイズ開発を行っております。このカスタマイズ開発や顧客との連携で培った高難易度のAI技術やノウハウをもとにして、その顧客が位置する業界の共通ニーズを狙ったAIエンジンの利用ライセンスやプロダクトの提供を行っております。このため、当社のAIエンジンやプロダクトの提供については、パートナー企業の製品やサービスとともに顧客企業へ提供されるものが主となっております。
このサービスでは主に2つのサービス提供方法があります。1つはAI開発サービスを提供した顧客企業が直接利用し、顧客企業の利用に合わせてAI利用ライセンス代を対価として受け取るものと、もう1つはすでにサービスを持っているプラットフォーム企業にAIエンジンを提供し、ユーザー企業の利用量に応じて対価を受け取るものがあります。



③ 人工衛星データのAI解析サービス
当社は人工衛星データAI解析サービスとして、人工衛星データの収集からAIによる解析を行っております。地球を網羅的に捉える衛星データと、顧客が保有する地上データを組み合わせた独自の教師データを作成し、AIにより解析したレポートの提供を行っております。また、継続的に人工衛星データを解析したい顧客に対しては、解析ツールの開発も行っております。これによって、自然災害や社会活動などの環境リスクを可視化しビジネスニーズやSDGsに関する活動に貢献することを目指しております。
今後は、人工衛星解析市場の拡大に合わせ、環境テーマ等の様々なニーズを先読みし、官公庁と民間へのアプローチの両輪でサービスを展開していく方針です。


(3) 事業系統図





(用語の説明)
当社の事業に関わる用語の定義は以下のとおりです。

用語定義
AI(人工知能)Artificial Intelligenceの略で、コンピュータープログラムを用いて人間の知能の持つ機能を実現するための技術やシステム
機械学習AIの1つの手法。データから反復的に学習し、そこに潜むパターンを見つけ出すことで予測・判断を行うための手法・技術
ディープラーニング(深層学習)機械学習のいち手法であり、人間の神経細胞の仕組みを模したシステムであるニューラルネットワークをベースとする技術。画像などを精度高く認識することができる
アルゴリズムコンピュータープログラムにおいて問題を解くための計算方法や手順
SaaSSoftware as a Serviceの略で、インターネット経由で、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア又はその提供形態
IoTInternet of Thingsの略で、家電等のモノについてインターネットを通じて操作や情報を取得する仕組み
APIApplication Programming Interfaceの略で、異なるシステム間を連携して自動でデータを受け渡しするための仕組み
DX化Digital Transformationの略で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変えること
フルカスタムAI一からAIモデルの構築を行うこと
POCProof of Conceptの略で、新しい概念や理論などが実現可能であることを示すための簡易的な試行。一とおり全体を作り上げる試作の前段階で、要となる新しいアイデアなどの実現可能性を示すために行われるもの
アセスメント・パイロット検証アセスメントとは、対象を客観的に調査及び評価することで、またパイロット検証とは、提案したソリューションがビジネス上の問題を解決するかどうか検証すること
アジャイル方針の変更やニーズの変化などに臨機応変に対応すること
PMOProject Management Officeの略で、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムのこと
SARレーダー宇宙から地表などを観測する人工衛星に搭載する技術の一つ
点群位置情報と色情報を持った点の情報
マイスター高い技術を持った熟練(ベテラン)作業員のこと
デジタルツインリアル空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元に仮想空間でリアル空間を再現する技術
コンステレーション複数の人工衛星を連携させて一つの機能やサービスを達成する方法
マルチセンサー複数のセンサーを連携して利用すること
ノイズ除去データに含まれる不要な情報を削除すること
VRVirtual Realityの略で、人工的につくられた可能空間を現実かのように体感させる技術
スマートファクトリーAIやIoTなどの最先端技術や膨大なデータを用いて、生産性向上や業務の効率化を図る工場のこと
OEMOriginal Equipment Manufacturingの略で、製造メーカーが他社ブランドの製品を生産すること
SIerSystem Integratorの略で、主に非IT企業や官公庁等のITシステムのコンサルティング、設計、開発、運用、ハードウェアの選定等を一括で請け負うことを事業としている企業
MLOps機械学習またはディープラーニングのライフサイクルを管理するための、データサイエンティスト、エンジニア、保守運用担当者のコラボレーションおよびコミュニケーションに関する実践手法
センシング対象物の音、光、温度などの物理的、化学的、生物学的特性の量を検出し情報を取得する技術

沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E38567] S100S254)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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