有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100RRDW (EDINETへの外部リンク)
株式会社ジーデップ・アドバンス 事業の内容 (2023年5月期)
当社は「Advance with you 世界を前進させよう」をミッションに掲げ、「システムインキュベーション事業」を展開しております。
当社のシステムインキュベーション事業とは、主にAI(注1)やビジュアライゼーション(注2)、その他ビッグデータ(注3)を取扱う市場における研究者や開発者のシステム環境上の課題に対して、最先端テクノロジーを用いたサーバー機等のハードウエアの提供といった当社オリジナルソリューションを提供することにより、今までとは違ったアプローチで研究や開発のスピードアップを支援するサービスとなります。
具体的には、当社が認定とトレーニングを受けているグローバルコンピューティングカンパニー(注4)の最新のテクノロジーと、提携しているグローバルベンダー(注5)の製品を顧客の課題に合わせて適宜組み合わせ、ハードウエア等の企画・設計から構築・運用支援までのサービスをワンストップで提供いたします。企画・設計のフェーズでは顧客の課題をヒアリングし、最新のテクノロジーを組み合わせたオリジナルモデルの設計と提案を行い、そして構築のフェーズでは提案したハードウエアの提供に加えて、ハードウエアを効果的かつ効率的に動作させる環境の構築を行っています。更に運用支援フェーズでは、ハードウエアの保守・メンテナンスに加えて、継続的な開発環境のアップデートサービスを提供しシステムの性能向上を図ります。
また、顧客の課題を解決する際に生み出された解決方法(ハードウエアやソフトウエア、その組み合わせ)をセミオーダー化して他の同様の課題を持っている顧客へソリューションサービスとして提供しております。
当社のソリューション提供のフロー
(1)当社のサービスの特徴について
当社の事業は「システムインキュベーション事業」の単一セグメントでありますが、「DXサービス」及び「Service & Support」の2つのサービスを提供しております。
「DXサービス」はソリューション提供のフローのヒアリングから環境設定までを対象としており、主なサービス内容としては顧客の課題解決に適したハードウエア及びソフトウエアの提供と、ハードウエアを効果的かつ効率的に動作させる環境の構築であります。ハードウエアの提供形態についてはオンプレミス(注6)のみならずクラウドやレンタルといった形態で提供するサブスクリプション(注7)サービスを提供しており、多様な顧客ニーズに柔軟に対応することが可能であります。
「Service & Support」はソリューション提供のフローの運用支援を対象としており、当社の「DXサービス」を提供した顧客に対して、常に最新で安定したシステムをご利用頂くためにハードウエアの保守と、継続的な開発環境のアップデートを組み合わせた運用支援を提供しております。当社の顧客は研究開発を行っている顧客が多く、その後の安定稼働は重要な顧客ニーズとなっており、そのニーズに沿ったソリューションとして、この「Service&Support」を提供しております。
① DXサービス
DXサービスとして「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」と、「b.その他DXソリューションサービス」を提供しております。加えて、ソリューションの提供方法もクラウドやレンタルでの導入を可能にする「c.サブスクリプションサービス」も提供しております。
a.AI・ビジュアライズソリューションサービス
AIサービスを開発・運用するための製品やサービスの提供である「AIソリューションサービス」と、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行うための製品やサービスである「ビジュアライズソリューションサービス」の2つで構成されています。
AIソリューションサービス
AIソリューションサービスは、AIサービスを開発・運用する顧客を対象としています。
AIの開発では現在Deeplearning(注8)という手法が一般的に用いられており、当社ではDeeplearningを用いたAIの開発や運用に適した仕様のハードウエアと、Deeplearningで使用するソフトウエア(フレームワーク)、そのフレームワークを使いやすく設定したオリジナルのツールを組み合わせたターンキーシステム(電源を入れたらすぐに使えるシステム)を開発・組立・販売しています。
AIソリューションサービスの主なモデルは以下のとおりです。
ビジュアライズソリューションサービス
ビジュアライズソリューションサービスは、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行う顧客を対象としています。CAD(注14)やCAE(注15)、コンピューターグラフィックスの制作やデジタルサイネージ(注16)で利用するグラフィックワークステーションの組立・販売や、当該事業を行っている顧客に対して、仮想空間上で作業を行い、結果を共有できるNVIDIA社のサービスOmniverse(注17)の環境構築とライセンス提供を行っています。
ビジュアライズソリューションサービスの主なモデルは以下のとおりです。
b.その他DXソリューションサービス
その他DXソリューションサービスは、データを大量に保管しておくための記憶装置(高速大容量ストレージ(注18))の組立・販売や、高速にデータを送受信するための広帯域ネットワーク(注19)機器の販売・設定、ハードウエアの利便性を高めるためのソフトウエアの販売・設定、及びそれらを組み合わせたシステムの設計や構築となります。
c.サブスクリプションサービス
当社のソリューションサービスはユーザーが資産として購入し、自社内で利用するオンプレミスによる提供の他に、レンタルやクラウドなどの「サブスクリプションサービス」として提供しております。
当社のクラウドサービスの特徴は仮想化(注20)しないベアメタルクラウド(注21)であるという点です。従来の仮想化を基盤としたハイパーバイザー(注22)型のクラウドサービスは、低コストやスケーラビリティ(注23)などのメリットがある反面、物理環境の性能劣化が避けられません。一方当社のベアメタルクラウドは、その利用用途がAI、ビジュアライゼーション、HPC(注24)などの分野であることを想定し、従来のクラウドサービスにおける予算内でのフレキシブルな利用などのメリットをある程度享受しつつ、1ユーザー占有のベアメタルを仮想化されていない状態で提供することで、物理環境の性能劣化がなく、オンプレミスと同等の性能を実現することを主眼としています。更に、ベアメタルクラウドでは1ユーザーが1台の機器を占有することができるためセキュリティ面でも大きなメリットがあります。
また、顧客のご要望に応じてクラウドではなく、レンタル形式で物理サーバーを提供するサービスも行っています。半導体の技術革新は猛烈なスピードで進化しており、18カ月から24カ月で新しいアーキテクチャ(注25)に置き換わります。当社の顧客は先端の研究開発を行っているユーザーが多く、常に最新の開発環境を利用して研究開発のスピードをあげることが重要なニーズとなっており、これに対応するため定額及び定期で当社の扱う先進的な技術を用いたソリューションを利用できるサブスクリプションサービスを提供しております。
② Service&Support
Service&Supportは、当社が提供する全てのソリューション(ハードウエア、ソフトウエア、構築ノウハウ)に対してハードウエアの保守だけではなく継続的な環境のアップデートを通して、常に最新で安定したシステムとして利用頂くためのオプショナル運用支援サービスです。
具体的には、ハードウエアの保証の他、サポート問い合わせ、メンテナンスパーツストック、オンサイト保守(出張保守)、パフォーマンスベンチマーク(注26)、利用環境アップデート、プライベートレクチャーの提供を行っております。これにより顧客はシステム環境の保守・運用に顧客自身のリソースを割くこと無く、常に最新で安定した状態で稼働できるシステムを利用可能であり、本来の業務に専念して頂くことが可能となります。
当社の顧客は研究開発を行っている顧客が多く、システムの安定稼働とダウンタイム(注27)の短縮は重要な顧客ニーズとなっています。これらのニーズに沿ったソリューションとして、この「Service&Support」を提供しております。
(2)当社のビジネスモデルについて
当社の「①DXサービス」のうち、「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」及び「b.その他DXソリューションサービス」はフロービジネスであり、「①DXサービス」のうち「c.サブスクリプションサービス」及び「②Service&Support」はストックビジネスであります。
「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」及び「b.その他DXソリューションサービス」を提供している顧客に対して、「②Service&Support」を併せて提供することにより、フロー売上に加えてストック型の売上を計上しております。
(3)当社の事業の特徴について
① パートナーシップ
当社は半導体のグローバルコンピューティングカンパニーであるNVIDIA社、Intel社、Advanced Micro Devices, Inc.(以下「AMD社」という。)、XILINX社からパートナー認定を受けております。
パートナー認定を受けることにより、以下のメリットがあります。
・各グローバルコンピューティングカンパニーが主催するトレーニングを受講することができるため、最新の技術情報をいち早く取得することが可能となり、それに基づいた企画・設計のご提案を行うことができるようになります。
・各グローバルコンピューティングカンパニーとの共同プロモーションやそれに伴う販促支援金、セールスリベートを受けることができます。
・認定パートナーのみに適用される特価で仕入を行うことができます。
・各グローバルコンピューティングカンパニーから顧客の紹介を受けることができます。
・各グローバルコンピューティングカンパニーのホームページ等に認定パートナーとして当社社名が掲載されることで、集客等の効果を得ることができます。
なお、商材については各グローバルコンピューティングカンパニーの国内代理店から購入するスキームとなっております。
② ストックビジネス化による正のスパイラル創出
導入支援のみならず、「Service&Support」を通じた運用支援を行うことにより、当社のサービスを顧客に享受頂き、それが満足度の向上となり、次のフロービジネス(DXサービス)の案件創出へとつながります。そして更に新たな「Service&Support」へつながるという、“正のスパイラル”が当社の価値となっております。
2023年5月期におけるService&Support売上高比率(注28)は8.5%となっております。
用語解説
本項「3 事業の内容」等において使用しております用語の定義について以下に記します。
本項「3 事業の内容」等において記載しているグローバルコンピューティングカンパニー別のパートナーシップ制度のうち、NVIDIA社、Intel社及びAMD社の内容としては、以下のとおりであります。
NVIDIA社
12種類のパートナータイプ(事業内容)と10種類のコンピテンシー(製品を取扱える能力)の組み合わせとなり、その組み合わせに対して「Elite」「Preferred」「Registered」の3つのパートナーレベルが設定されています。
パートナーレベルの認定条件は販売実績やトレーニングの受講単位に応じて認定され、当社は2つの組み合わせで「Elite」、3つの組み合わせで「Preferred」の認定を受けております。
Intel社
Intel Partner Alliance Programに参加登録した企業を対象に、販売実績やトレーニングの受講単位に応じて「チタン」「ゴールド」「メンバー」の3つのパートナーレベルが設定されています。当社は「チタン」の認定を受けております。
AMD社
AMDパートナープログラム参加の企業を対象に、販売実績や活動状況に応じて「ExecutiveElite」「Elite」「Select」の3つのパートナーレベルが設定されています。当社は「Elite」の認定を受けております。
2023年5月現在の当社及びLLPがNVIDIA社から認定を受けているパートナー種別及びそのパートナーランク並びに当社と同等以上の認定を受けている社数(国内)は以下のとおりであります。
[事業系統図]
以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※1 日本GPUコンピューティング有限責任事業組合を指します。当組合はNVIDIA社からパートナー認定を受けており、NVIDIA社からリベートを受け取り、各組合員に配賦しております。
※2 当社は、主にグローバルコンピューティングカンパニーからパートナー認定を受けた国内代理店から、商材の一部の仕入を行っております。
※3 組立作業の一部について外注を使用しております。
当社のシステムインキュベーション事業とは、主にAI(注1)やビジュアライゼーション(注2)、その他ビッグデータ(注3)を取扱う市場における研究者や開発者のシステム環境上の課題に対して、最先端テクノロジーを用いたサーバー機等のハードウエアの提供といった当社オリジナルソリューションを提供することにより、今までとは違ったアプローチで研究や開発のスピードアップを支援するサービスとなります。
具体的には、当社が認定とトレーニングを受けているグローバルコンピューティングカンパニー(注4)の最新のテクノロジーと、提携しているグローバルベンダー(注5)の製品を顧客の課題に合わせて適宜組み合わせ、ハードウエア等の企画・設計から構築・運用支援までのサービスをワンストップで提供いたします。企画・設計のフェーズでは顧客の課題をヒアリングし、最新のテクノロジーを組み合わせたオリジナルモデルの設計と提案を行い、そして構築のフェーズでは提案したハードウエアの提供に加えて、ハードウエアを効果的かつ効率的に動作させる環境の構築を行っています。更に運用支援フェーズでは、ハードウエアの保守・メンテナンスに加えて、継続的な開発環境のアップデートサービスを提供しシステムの性能向上を図ります。
また、顧客の課題を解決する際に生み出された解決方法(ハードウエアやソフトウエア、その組み合わせ)をセミオーダー化して他の同様の課題を持っている顧客へソリューションサービスとして提供しております。
当社のソリューション提供のフロー
(1)当社のサービスの特徴について
当社の事業は「システムインキュベーション事業」の単一セグメントでありますが、「DXサービス」及び「Service & Support」の2つのサービスを提供しております。
「DXサービス」はソリューション提供のフローのヒアリングから環境設定までを対象としており、主なサービス内容としては顧客の課題解決に適したハードウエア及びソフトウエアの提供と、ハードウエアを効果的かつ効率的に動作させる環境の構築であります。ハードウエアの提供形態についてはオンプレミス(注6)のみならずクラウドやレンタルといった形態で提供するサブスクリプション(注7)サービスを提供しており、多様な顧客ニーズに柔軟に対応することが可能であります。
「Service & Support」はソリューション提供のフローの運用支援を対象としており、当社の「DXサービス」を提供した顧客に対して、常に最新で安定したシステムをご利用頂くためにハードウエアの保守と、継続的な開発環境のアップデートを組み合わせた運用支援を提供しております。当社の顧客は研究開発を行っている顧客が多く、その後の安定稼働は重要な顧客ニーズとなっており、そのニーズに沿ったソリューションとして、この「Service&Support」を提供しております。
サービス区分 | 主なサービス内容 |
① DXサービス | AI・ビジュアライズソリューションサービス その他DXソリューションサービス サブスクリプションサービス |
② Service & Support | ハードウエアの保守 継続的な開発環境のアップデート |
① DXサービス
DXサービスとして「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」と、「b.その他DXソリューションサービス」を提供しております。加えて、ソリューションの提供方法もクラウドやレンタルでの導入を可能にする「c.サブスクリプションサービス」も提供しております。
a.AI・ビジュアライズソリューションサービス
AIサービスを開発・運用するための製品やサービスの提供である「AIソリューションサービス」と、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行うための製品やサービスである「ビジュアライズソリューションサービス」の2つで構成されています。
AIソリューションサービス
AIソリューションサービスは、AIサービスを開発・運用する顧客を対象としています。
AIの開発では現在Deeplearning(注8)という手法が一般的に用いられており、当社ではDeeplearningを用いたAIの開発や運用に適した仕様のハードウエアと、Deeplearningで使用するソフトウエア(フレームワーク)、そのフレームワークを使いやすく設定したオリジナルのツールを組み合わせたターンキーシステム(電源を入れたらすぐに使えるシステム)を開発・組立・販売しています。
AIソリューションサービスの主なモデルは以下のとおりです。
分類 | モデル名 | 概要 |
当社オリジナル製品 | DeeplearningBOXシリーズ | 主にAI(Deeplearning)の学習(注9)を行うためのワークステーション(注10) |
当社オリジナル製品 | InferenceBOX | 主にAI(Deeplearning)の推論(注11)を行うためのエッジ端末(注12) |
NVIDIA社製品 | DGXシリーズ | 主に大規模なAI(Deeplearning)の学習を行うためのアプライアンスサーバー(注13) |
ビジュアライズソリューションサービス
ビジュアライズソリューションサービスは、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行う顧客を対象としています。CAD(注14)やCAE(注15)、コンピューターグラフィックスの制作やデジタルサイネージ(注16)で利用するグラフィックワークステーションの組立・販売や、当該事業を行っている顧客に対して、仮想空間上で作業を行い、結果を共有できるNVIDIA社のサービスOmniverse(注17)の環境構築とライセンス提供を行っています。
ビジュアライズソリューションサービスの主なモデルは以下のとおりです。
分類 | モデル名 | 概要 |
当社オリジナル製品 | GWSシリーズ | CAD、CAE、CGに利用可能なグラフィックワークステーション |
BOXX Technology社製品 | ワークステーション | CAD、CAE、CGに利用可能なグラフィックワークステーション |
NVIDIA社製品 | Omniverse | 仮想空間で作業と結果を共有できるサービスライセンスの提供とその環境構築 |
b.その他DXソリューションサービス
その他DXソリューションサービスは、データを大量に保管しておくための記憶装置(高速大容量ストレージ(注18))の組立・販売や、高速にデータを送受信するための広帯域ネットワーク(注19)機器の販売・設定、ハードウエアの利便性を高めるためのソフトウエアの販売・設定、及びそれらを組み合わせたシステムの設計や構築となります。
c.サブスクリプションサービス
当社のソリューションサービスはユーザーが資産として購入し、自社内で利用するオンプレミスによる提供の他に、レンタルやクラウドなどの「サブスクリプションサービス」として提供しております。
当社のクラウドサービスの特徴は仮想化(注20)しないベアメタルクラウド(注21)であるという点です。従来の仮想化を基盤としたハイパーバイザー(注22)型のクラウドサービスは、低コストやスケーラビリティ(注23)などのメリットがある反面、物理環境の性能劣化が避けられません。一方当社のベアメタルクラウドは、その利用用途がAI、ビジュアライゼーション、HPC(注24)などの分野であることを想定し、従来のクラウドサービスにおける予算内でのフレキシブルな利用などのメリットをある程度享受しつつ、1ユーザー占有のベアメタルを仮想化されていない状態で提供することで、物理環境の性能劣化がなく、オンプレミスと同等の性能を実現することを主眼としています。更に、ベアメタルクラウドでは1ユーザーが1台の機器を占有することができるためセキュリティ面でも大きなメリットがあります。
また、顧客のご要望に応じてクラウドではなく、レンタル形式で物理サーバーを提供するサービスも行っています。半導体の技術革新は猛烈なスピードで進化しており、18カ月から24カ月で新しいアーキテクチャ(注25)に置き換わります。当社の顧客は先端の研究開発を行っているユーザーが多く、常に最新の開発環境を利用して研究開発のスピードをあげることが重要なニーズとなっており、これに対応するため定額及び定期で当社の扱う先進的な技術を用いたソリューションを利用できるサブスクリプションサービスを提供しております。
② Service&Support
Service&Supportは、当社が提供する全てのソリューション(ハードウエア、ソフトウエア、構築ノウハウ)に対してハードウエアの保守だけではなく継続的な環境のアップデートを通して、常に最新で安定したシステムとして利用頂くためのオプショナル運用支援サービスです。
具体的には、ハードウエアの保証の他、サポート問い合わせ、メンテナンスパーツストック、オンサイト保守(出張保守)、パフォーマンスベンチマーク(注26)、利用環境アップデート、プライベートレクチャーの提供を行っております。これにより顧客はシステム環境の保守・運用に顧客自身のリソースを割くこと無く、常に最新で安定した状態で稼働できるシステムを利用可能であり、本来の業務に専念して頂くことが可能となります。
当社の顧客は研究開発を行っている顧客が多く、システムの安定稼働とダウンタイム(注27)の短縮は重要な顧客ニーズとなっています。これらのニーズに沿ったソリューションとして、この「Service&Support」を提供しております。
(2)当社のビジネスモデルについて
当社の「①DXサービス」のうち、「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」及び「b.その他DXソリューションサービス」はフロービジネスであり、「①DXサービス」のうち「c.サブスクリプションサービス」及び「②Service&Support」はストックビジネスであります。
「a.AI・ビジュアライズソリューションサービス」及び「b.その他DXソリューションサービス」を提供している顧客に対して、「②Service&Support」を併せて提供することにより、フロー売上に加えてストック型の売上を計上しております。
(3)当社の事業の特徴について
① パートナーシップ
当社は半導体のグローバルコンピューティングカンパニーであるNVIDIA社、Intel社、Advanced Micro Devices, Inc.(以下「AMD社」という。)、XILINX社からパートナー認定を受けております。
パートナー認定を受けることにより、以下のメリットがあります。
・各グローバルコンピューティングカンパニーが主催するトレーニングを受講することができるため、最新の技術情報をいち早く取得することが可能となり、それに基づいた企画・設計のご提案を行うことができるようになります。
・各グローバルコンピューティングカンパニーとの共同プロモーションやそれに伴う販促支援金、セールスリベートを受けることができます。
・認定パートナーのみに適用される特価で仕入を行うことができます。
・各グローバルコンピューティングカンパニーから顧客の紹介を受けることができます。
・各グローバルコンピューティングカンパニーのホームページ等に認定パートナーとして当社社名が掲載されることで、集客等の効果を得ることができます。
なお、商材については各グローバルコンピューティングカンパニーの国内代理店から購入するスキームとなっております。
② ストックビジネス化による正のスパイラル創出
導入支援のみならず、「Service&Support」を通じた運用支援を行うことにより、当社のサービスを顧客に享受頂き、それが満足度の向上となり、次のフロービジネス(DXサービス)の案件創出へとつながります。そして更に新たな「Service&Support」へつながるという、“正のスパイラル”が当社の価値となっております。
2023年5月期におけるService&Support売上高比率(注28)は8.5%となっております。
用語解説
本項「3 事業の内容」等において使用しております用語の定義について以下に記します。
用語 | 用語の定義 |
(注1) AI | Artificial Intelligenceの略で、学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムのこと |
(注2) ビジュアライゼーション/ビジュアライズ | XRやメタバースも含め視覚化・可視化のための技術の総称のこと |
(注3) ビッグデータ | 従来のデータベース管理ツールやデータ処理アプリケーションでは記録や保管、解析が困難な大規模かつ複雑なデータの集合のこと |
(注4) グローバルコンピューティングカンパニー | NVDIA社、Intel社、AMD社、XILINX社などの、グローバルに展開している大手の半導体のカンパニーのこと |
(注5) グローバルベンダー | 世界各国のハードウエア・ソフトウエアベンダーのこと |
(注6) オンプレミス | コンピューターシステムを利用者側で保有・運用すること |
(注7) サブスクリプション | 一定期間利用できるサービスに対して、定期的な対価を支払う仕組みのこと |
(注8) Deeplearning | 深層学習とも呼ばれる、人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したAIの手法のひとつ |
(注9) 学習 | 沢山のデータを与え法則性を見出しAIモデルを構築する作業のこと |
(注10) ワークステーション | 計算用や描画用など利用用途に特化した性能を持つ一般的なパソコンよりも高性能なコンピュータ |
(注11) 推論 | AI学習で構築したAIモデルを利用し予測や推理を行う作業のこと |
(注12) エッジ端末 | IoTで使用される末端の機器のこと IoTとは、あらゆるものをインターネットに接続して互いに連動しあうシステムのこと |
(注13) アプライアンスサーバー | 特定の用途・役割を担うことに特化したサーバーのこと |
(注14) CAD | Computer Aided Design コンピュータを用いて設計や製図を行うこと |
(注15) CAE | Computer Aided Engineering コンピュータを用いて工業製品の設計やデザインを行うこと |
(注16) デジタルサイネージ | 大型の液晶パネルなど電子表示装置を使った広告や広告装置のこと |
(注17) Omniverse | Omniverseはビジネスメタバースとも呼ばれているサービスで、設計や計算、そしてデザインなどのクリエイティブな仕事を仮想空間上に複数の人が集まり同時に作業行い、結果を共有できるサービスであり、2022年から提供が開始され現在様々な利用用途について概念実証作業が始まっている段階です。 |
(注18) 高速大容量ストレージ | 解析、高速計算、シミュレーションなど高いマシンスペックが要求される作業に利用されるストレージのこと |
(注19) 広帯域ネットワーク | 通信回線が高速なサービスのこと |
(注20) 仮想化 | ハードウエアの物理資源を擬似的に分割する技術のこと |
(注21) ベアメタルクラウド | 仮想化せずに物理サーバーをクラウド上で使用する仕組みのこと |
(注22) ハイパーバイザー | 1台の物理コンピュータを論理的に分割し複数のコンピュータとして稼働させるための基本ソフトウエアのこと |
(注23) スケーラビリティ | システムの規模の変化に柔軟に対応できる度合いのこと |
(注24) HPC | High Performance Computer 又は High Performance Computing の略で、一般にスーパーコンピュータ又はスパコンと呼ばれる超高速演算用コンピュータによる計算処理環境(計算処理技術)のこと |
(注25) アーキテクチャ | コンピューターシステムの設計方法、設計思想、構築されたシステムの構造などのこと |
(注26) パフォーマンスベンチマーク | コンピュータやシステムの性能がどのくらいかを測る作業のこと |
(注27) ダウンタイム | 機器やサービスが止まっている時間のこと |
(注28) Service&Support売上高比率 | 売上高に占める、Service&Support売上高の割合を指します。 |
本項「3 事業の内容」等において記載しているグローバルコンピューティングカンパニー別のパートナーシップ制度のうち、NVIDIA社、Intel社及びAMD社の内容としては、以下のとおりであります。
NVIDIA社
12種類のパートナータイプ(事業内容)と10種類のコンピテンシー(製品を取扱える能力)の組み合わせとなり、その組み合わせに対して「Elite」「Preferred」「Registered」の3つのパートナーレベルが設定されています。
パートナーレベルの認定条件は販売実績やトレーニングの受講単位に応じて認定され、当社は2つの組み合わせで「Elite」、3つの組み合わせで「Preferred」の認定を受けております。
Intel社
Intel Partner Alliance Programに参加登録した企業を対象に、販売実績やトレーニングの受講単位に応じて「チタン」「ゴールド」「メンバー」の3つのパートナーレベルが設定されています。当社は「チタン」の認定を受けております。
AMD社
AMDパートナープログラム参加の企業を対象に、販売実績や活動状況に応じて「ExecutiveElite」「Elite」「Select」の3つのパートナーレベルが設定されています。当社は「Elite」の認定を受けております。
2023年5月現在の当社及びLLPがNVIDIA社から認定を受けているパートナー種別及びそのパートナーランク並びに当社と同等以上の認定を受けている社数(国内)は以下のとおりであります。
当社 LLP | グローバルコンピューティングカンパニー | パートナー種別 | パートナーランク | 当社と同条件以上の認定を受けている社数(当社含む) |
当社 | NVIDIA社 | Solution Provider Partner NVIDIA Omniverse | Elite | 1社 |
当社 | NVIDIA社 | Solution Provider Partner Visualization | Elite | 2社 |
当社 | NVIDIA社 | Cloud Service Provider NVIDIA AI | Preferred | 3社 |
当社 | NVIDIA社 | Cloud Service Provider DGX AI Compute Systems | Preferred | 2社 |
当社 | NVIDIA社 | Cloud Service Provider Compute | Preferred | 3社 |
LLP | NVIDIA社 | Solution Provider Partner DGX AI Compute Systems | Elite | 6社 |
LLP | NVIDIA社 | Solution Provider Partner Compute | Elite | 9社 |
LLP | NVIDIA社 | Solution Provider Partner NVIDIA AI | Elite | 8社 |
LLP | NVIDIA社 | Solution Provider Partner Networking | Preferred | 20社 |
[事業系統図]
以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※1 日本GPUコンピューティング有限責任事業組合を指します。当組合はNVIDIA社からパートナー認定を受けており、NVIDIA社からリベートを受け取り、各組合員に配賦しております。
※2 当社は、主にグローバルコンピューティングカンパニーからパートナー認定を受けた国内代理店から、商材の一部の仕入を行っております。
※3 組立作業の一部について外注を使用しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E38684] S100RRDW)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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