有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001OTU
株式会社イーブックイニシアティブジャパン 事業の内容 (2014年1月期)
1. 事業概要
当社は、急速に普及しているスマートフォン及びタブレット端末、及びパソコン向けに、業界最大規模(2014年1月末時点)の品揃えを誇るコミックを中心とした電子書籍の販売事業を行っております。創業者(現取締役会長)鈴木雄介が出版社勤務時代に、返本の山が断裁・焼却されることに地球環境への影響を危惧し、「SAVE TREES!」を事業コンセプトに打ち立て、電子書籍による解決を目指して設立いたしました。直径20センチ、樹高8メートルに育った、樹齢20年の1本の木から、1冊300グラムの本が約200冊できるといわれます。当社は累計3,200万冊以上販売し、16万本以上の木を救って参りました。設立当初の2000年にパソコン向けに電子書籍の販売事業を開始以来、順調に事業を拡大し、2008年からはスマートフォン及びタブレット端末向けに注力し、成長を加速して参りました。
当社の事業は、(1)「eBookJapan」における電子書籍配信、(2)電子書籍提供、(3)その他に大別されます。
[事業別売上の推移] | (単位:千円) | ||||
2010年1月期 | 2011年1月期 | 2012年1月期 | 2013年1月期 | 2014年1月期 | |
(1)電子書籍配信 | 712,718 | 987,743 | 2,026,032 | 2,878,901 | 3,857,574 |
(2)電子書籍提供 | 251,312 | 139,411 | 128,845 | 129,647 | 173,855 |
(3)その他 | 18,180 | 65,994 | 21,835 | 35,670 | 123,813 |
(1)「eBookJapan」における電子書籍配信
電子書籍配信事業は、当社が運営するサイトにおいて、エンドユーザーに向けた電子書籍を販売するサービス(ダウンロードサービス)です。独自に開発した電子書籍閲覧ソフト「ebi.BookReader」、ファイルフォーマット(.ebi)、著作権保護技術からなるプラットフォームを利用して、当社が運営する電子書籍販売サイトである「eBookJapan」及び日本を代表するISP(注1)等が展開するサイト内にある当社の各支店を経由して、国内外の一般エンドユーザーに対して、当社が電子書籍の販売を行うものです。本サービスにおいて、エンドユーザーは自身のパソコン、スマートフォン、タブレット端末等に電子書籍をダウンロード購入し、冊数に応じた代金を支払います。これにより、エンドユーザーは既存の紙の書籍であれば数百冊にも及ぶ大量の書籍をわずか一台の端末に収納し、好きな場所で好きな時間に、永続的に読書を楽しむことが可能となります。
また、パソコンの買い替えや故障などで電子書籍が紛失することのないよう、インターネット上で電子書籍を預かる「トランクルーム」サービスの提供及びスマートフォン・タブレット端末での購入・閲覧対応など、エンドユーザーが快適に読書をするための機能を拡充させております。
当社のサイトは、2000年より開始され、これまでに88万人(2014年1月末時点)を超える登録会員を獲得しております。ユーザーは30代以上の方が7割以上を占めており、購入者一人当たりの平均月間購入額は5,000円を超えております。男性向けコミックの充実を反映して、男性ユーザーの割合が若干多く、長編のコミックのまとめ買いも行われます。
一度獲得したユーザーは定着する傾向が高く、各月の売上の約9割以上が、前月以前に当社に会員登録したユーザーによって占められています。獲得したユーザーが根雪のように積みあがっていくスケーラブルな事業モデルとなっています。
(2)電子書籍提供
電子書籍提供事業は、当社の技術基盤であるプラットフォームを利用せず、電子化した画像データのみをパートナー企業へ提供するサービスです。提供した画像データをパートナー企業が独自のフォーマットに加工・変換し、インターネットを通じて販売を行います。当社は当該販売のレベニューシェア(注2)に応じて収入を得ます。
当社の事業の系統図は、以下のとおりです。
●用語の説明●
注1:「ISP」とは、インターネット・サービス・プロバイダーの略で、インターネット接続業者を意味する。ADSL回線、光ファイバー回線、データ通信専用回線などを通じて、顧客である企業や家庭のコンピュータをインターネットに接続する。付加サービスとして、メールアドレスやホームページ開設用のディスクスペースの貸し出し、オリジナルのコンテンツを提供する業者もある。
注2:「レベニューシェア」とは、アライアンスによって生まれた利益を、あらかじめ決めておいた配分率で分配することをいう。
(3)その他
当社は、電子書籍配信サービスを補完する事業としてその他事業を位置づけ、「ライセンス契約による海外事業会社への技術及びノウハウの提供」、「書籍の電子化受託」等の事業を行っております。[新規登録会員数の推移] (単位:人)
2014年1月期 | ||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
パソコン | 13,494 | 12,790 | 13,125 | 13,434 |
スマートフォン・ タブレット | 16,196 | 18,386 | 20,989 | 23,996 |
合計 | 29,690 | 31,176 | 34,114 | 37,430 |
[端末別売上の推移] (単位:千円)
2014年1月期 | ||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
パソコン | 335,439 | 374,911 | 375,151 | 425,647 |
スマートフォン・ タブレット | 483,571 | 576,731 | 610,685 | 675,436 |
合計 | 819,010 | 951,642 | 985,836 | 1,101,083 |
パソコン:WindowsPC、Mac
スマートフォン・タブレット:iPad/iPhone/iPodTouch、Android、WindowsPhone
2. 電子書籍配信事業の特徴
①業界最大規模のコミックの品揃え
日本の電子書籍市場の特徴は、携帯向け配信が86%、タブレット・スマートフォン向け配信が74%と合わせて市場全体の約8割以上をコミックが占めていることです。(出典:2013年7月株式会社インプレスメディア「電子書籍ビジネス調査報告書2013」)当社はコミックを9万冊以上(2014年1月末時点)取り揃えており、業界最大規模と自負しております。マンガの黄金期といわれている1990年初頭のコミックを中心に作品ラインナップを強化しており、価値が不変の長編コミックの充実ぶりにおいて他社との差別化を図っております。特に男性漫画については、年代、出版社、著作者において多岐に亘る作品を取り揃えていることが特長です。女性漫画においても、少女漫画の歴史を切り拓いてきた漫画家の正統派の作品を取り揃えており、品質においても充実した内容となっております。当事業年度は、マンガで突き抜けることを目標に掲げるとともに、雑誌、ビジネス書、小説、ライトノベルなど幅広いジャンルの拡大を図った結果、マンガ以外の取扱い冊数が8.9万冊まで増加しました。当社では、パソコン、タブレット、スマートフォンのそれぞれ向けに販売サイトを制作し、当社が販売している電子書籍の魅力を画面サイズと操作性の制約の中で最大限お伝えできるよう努めております。
[電子書籍取扱数(累計)の推移] (単位:冊)
2014年1月期 | ||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
男性漫画 | 38,060 | 41,610 | 44,690 | 47,810 |
女性漫画 | 31,780 | 35,690 | 39,300 | 42,900 |
総合図書 | 42,790 | 49,310 | 69,090 | 80,280 |
その他 | 5,420 | 7,050 | 7,950 | 8,850 |
計 | 118,050 | 133,660 | 161,030 | 179,840 |
②クラウド※本棚サービス「トランクルーム」
当社の特徴として、「トランクルーム」というWeb上の本棚を業界に先駆けて提供し、複数の端末で閲覧が可能なサービスを行っております。これにより、自宅の大画面パソコンやiPadで読みかけの本を、通勤・通学途中や旅行先においてスマートフォンで読み続けることが可能になります。さらに、トランクルームに蔵書しておくことで、ユーザーの端末が壊れた際でも購入した電子書籍が保護されること、多数の書籍を購入しても端末の記憶容量を占有せずに済むことなどのメリットも提供しています。
同業他社においてもクラウド型のサービスが提供されておりますが、利用できる端末の台数が会社毎に異なっております。
※お客様ご自身の端末内ではなく、当社のサーバー上に設けた本棚という意味で、インターネットの「向こう側」を意味する「クラウド」を用いています。
③低コスト、大量高速、高品質、高圧縮の電子化技術
当社は、紙の態様を損なうことなく印刷時のレイアウトをそのままスキャンする当社独自の画像形式のフォーマットを採用しております。テキスト形式のフォーマットに比べ、OCR(光学式文字読み取り)による誤認識、禁則処理、外字の処理など、日本語特有の課題を考慮する必要がないため、制作コストを削減し、大量高速に電子化することが可能となります。スキャンしたデータは、オリジナルの圧縮技術を用いて圧縮し、配信を行っております。汎用的な非可逆の圧縮技術と比べて、同等の圧縮率において、特に文字や漫画など、輪郭部分の復号時の品質が優れております。また、端末に依存することなく、同一のファイルを用いてパソコン、各種スマートフォン上で表示が可能です。そのため、パソコンで表示した電子書籍をスマートフォンへ移動して閲覧することができます。
④無期限ダウンロード型およびブラウザ型サービス
当社は従来からのダウンロード型のサービスに加え、ブラウザ上で電子書籍を閲覧することができるブラウザ型サービスを開始しました。ブラウザ型とは、インターネットの繋がる環境であれば専用ソフトウェアをダウンロードすることなく、ブラウザ上ですぐに読書を楽しむことができるサービスです。地下鉄内や飛行機内などインターネットに接続できない環境においては、従来のダウンロード型サービスで読書することも可能であり、ユーザーの置かれた環境において自由に選択して閲覧することができるようになりました。⑤読書に特化した独自リーダーの提供
当社が販売する電子書籍は、独自のファイルフォーマットと著作権保護技術で保護されており、ダウンロード型サービスにおいては、当該電子書籍を閲覧するために提供しているソフト「ebi.BookReader」をインストールした端末でのみ閲覧することが可能となります。「ebi.BookReader」は、読書に相応しい直感的なインターフェースを用いており、本を蔵書する楽しみを実現する背表紙表示、しおり、読了印、自動ページめくり機能などを有しております。また、読書時はコミックの迫力ある見開きシーンを忠実に再現できるよう、ソフトを設計しております。2014年1月末現在、対応しているOSは、Windows、Macintosh、Android、iOS 、Windows Phoneとなっております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E25888] S1001OTU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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