有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002819
出光興産株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2014年3月期)
(1) 経営成績の分析
①売上高
売上高は、原油輸入価格が上昇したことなどにより、5兆350億円(前年同期比+15.1%)となりました。セグメント別には、石油製品部門が4兆1,165億円(前年同期比+12.9%)となり、石油化学製品部門は、通関ナフサ価格が上昇したことなどにより6,751億円(前年同期比+27.8%)となりました。資源部門は、原油及び石炭の生産量の増加により1,936億円(前年同期比19.3%)となりました。また、その他部門は498億円(前年同期比+36.3%)となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、原油及びナフサ価格の上昇などにより4兆6,845億円(前年同期比+16.9%)となりました。なお、たな卸資産の簿価切り下げの影響を含めた在庫評価により、売上原価は429億円減少しました。
販売費及び一般管理費は、ほぼ前年並みの2,723億円(前年同期比+5.4%)となりました。
③営業利益
上記の結果を受け、営業利益は782億円(前年同期比△29.4%)となりました。セグメント別の分析は次のとおりです。
セグメント別営業利益
石油製品部門では、石油製品マージンの縮小などにより189億円(前年同期比△74.0%)の利益となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は410億円です。
石油化学製品部門では、販売数量の増加やスチレンモノマー等の市況が高値圏で推移して製品マージンが拡大したことなどから365億円(前年同期比+113.4%)の利益となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は19億円です
資源部門では、石炭価格の下落などによる減益要因があったものの、石油開発事業におけるノルウェー領北海における増産・増販や、石炭事業における増産・増販もあり245億円(前年同期比+7.2%)の利益となりました。
その他部門は25億円(前年同期比+34.0%)の利益となりました。
④営業外損益及び経常利益
営業外収益249億円から営業外費用212億円を差引いた営業外損益は、前年同期比53億円利益増の37億円の利益となりました。これは、持分法による投資利益が増加したことなどによるものです。
以上の結果、経常利益は819億円(前年同期比△24.9%)となりました。
⑤特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益273億円から特別損失282億円を差引いた特別損益は、前年同期比で69億円損失減の9億円の損失となりました。これは、英領北海の一部の油田設備における減損損失があった一方で、過去の災害に対する保険金の受取りがあったことなどによるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は811億円(前年同期比△20.0%)となりました。
⑥法人税等、少数株主利益及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、合計で385億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は47.4%となりました。
少数株主利益は63億円(前年同期+57.3%)となりました。
以上の結果、当期純利益は363億円(前年同期△27.7%)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産の部
当期末における資産合計は、原油価格の上昇などによるたな卸資産の増加、有形固定資産の増加や関係会社への増資及び出資などにより、2兆9,951億円(前期末対比+2,666億円)となりました。
②負債の部
当期末における負債合計は、買掛債務の増加や有利子負債(1兆819億円)の増加により、2兆2,513億円(前期末対比+2,107億円)となりました。
③純資産の部
当期末の純資産合計は、363億円の当期純利益を計上したことや円安の進行に伴う為替換算調整勘定の増加などにより、7,438億円(前期末対比+558億円)となりました。
以上の結果、当期末の自己資本比率は23.5%(前期末対比△0.5ポイント)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの分析
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,600億円となり、前期末に比べ、435億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、501億円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益や現金の支出を伴わない減価償却費、仕入債務の増加などの資金増加要因が、たな卸資産の増加などの資金減少要因を上回ったことによります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、1,798億円の減少となりました。これは、主として製油所における石油製品製造設備への投資や、石油開発・石炭事業への投資、関係会社への増資・出資などによります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、1,611億円の増加となりました。これは、短期・長期借入金や社債による資金調達が増加したことなどによります。
なお、当社グループの財務状況に関する主要な指標のトレンドは次のとおりです。
(注)1.各指標は、以下の計算式によって計算しています。
自己資本比率:(純資産-少数株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金及び短期運用有価証券)/(純資産-少数株主持分)
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
投下資本営業利益率:(営業損益+持分法投資損益)/(純資産+有利子負債)
2.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金として連結貸借対照表に計上されている金額及びリース債務の金額を、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の支払利息額を使用しています。
②資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払い等によるものです。営業費用の主なものは、人件費、物流費、作業費、研究開発費等です。
設備資金については、各事業分野別に中期経営計画の基本戦略に則った以下の資金需要があります。
ア.基盤事業(燃料油・基礎化学品・再生可能エネルギー)については、販売・供給体制の再構築と競争
力強化を目的とした投資や海外成長市場への進出による事業拡大のための投資
イ.資源事業(石油開発・石炭・ウラン)については、保有鉱区の開発による生産規模の拡大と探鉱開発
の強化による埋蔵量確保に向けた投資
ウ.高機能材事業(潤滑油・機能材料・電子材料・アグリバイオ)については、環境配慮型商品の開発強
化やグローバル展開による事業拡大に向けた投資
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金、借入、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行などにより調達しています。当期末の短期借入金の残高は3,166億円、コマーシャル・ペーパーの残高は600億円、長期借入金(1年以内返済分を含む)の残高は6,574億円、社債(1年以内償還分を含む)の残高は、450億円となりました。
国内子会社は、当社が一括して資金調達し子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。海外子会社の運転資金及び設備投資資金については、各々の子会社が使用する現地通貨にて調達しています。
当社グループは、中長期的な成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を、財務体質とのバランスを勘案しつつ、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行及び特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の活用、更に資本増強等を効果的に組み合わせて調達していきます。
(債務)
当連結会計年度末の債務の概要は次のとおりです。
(特定融資枠契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達及び十分な流動性確保のため、取引先銀行6行で作られるシンジケート団と、2016年3月までの契約期間において短期借入を実行できる長期の特定融資枠契約(長期コミットメントライン契約)を締結し、機動的・安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。なお、当連結会計年度末において同契約にかかる借入残高はありません。
特定融資枠契約の極度額 1,400億円
①売上高
売上高は、原油輸入価格が上昇したことなどにより、5兆350億円(前年同期比+15.1%)となりました。セグメント別には、石油製品部門が4兆1,165億円(前年同期比+12.9%)となり、石油化学製品部門は、通関ナフサ価格が上昇したことなどにより6,751億円(前年同期比+27.8%)となりました。資源部門は、原油及び石炭の生産量の増加により1,936億円(前年同期比19.3%)となりました。また、その他部門は498億円(前年同期比+36.3%)となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、原油及びナフサ価格の上昇などにより4兆6,845億円(前年同期比+16.9%)となりました。なお、たな卸資産の簿価切り下げの影響を含めた在庫評価により、売上原価は429億円減少しました。
販売費及び一般管理費は、ほぼ前年並みの2,723億円(前年同期比+5.4%)となりました。
③営業利益
上記の結果を受け、営業利益は782億円(前年同期比△29.4%)となりました。セグメント別の分析は次のとおりです。
セグメント別営業利益
部門 | 売上高 | 営業利益 | ||||||
当期 | 前年同期比 | 当期 | 前年同期比 | |||||
石油製品 | 41,165 | 億円 | +12.9 | % | 189 | 億円 | △74.0 | % |
(在庫評価影響除き) | ― | ― | (△221 | 億円) | ― | |||
石油化学製品 | 6,751 | 億円 | +27.8 | % | 365 | 億円 | +113.4 | % |
(在庫評価影響除き) | ― | ― | (346 | 億円) | (+115.9 | %) | ||
資源 | 1,936 | 億円 | +19.3 | % | 245 | 億円 | +7.2 | % |
その他 | 498 | 億円 | +36.3 | % | 25 | 億円 | +34.0 | % |
調整額 | ― | ― | △41 | 億円 | ― | |||
計 | 50,350 | 億円 | +15.1 | % | 782 | 億円 | △29.4 | % |
(在庫評価影響除き) | ― | ― | (353 | 億円) | (△58.2 | %) |
石油製品部門では、石油製品マージンの縮小などにより189億円(前年同期比△74.0%)の利益となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は410億円です。
石油化学製品部門では、販売数量の増加やスチレンモノマー等の市況が高値圏で推移して製品マージンが拡大したことなどから365億円(前年同期比+113.4%)の利益となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は19億円です
資源部門では、石炭価格の下落などによる減益要因があったものの、石油開発事業におけるノルウェー領北海における増産・増販や、石炭事業における増産・増販もあり245億円(前年同期比+7.2%)の利益となりました。
その他部門は25億円(前年同期比+34.0%)の利益となりました。
④営業外損益及び経常利益
営業外収益249億円から営業外費用212億円を差引いた営業外損益は、前年同期比53億円利益増の37億円の利益となりました。これは、持分法による投資利益が増加したことなどによるものです。
以上の結果、経常利益は819億円(前年同期比△24.9%)となりました。
⑤特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益273億円から特別損失282億円を差引いた特別損益は、前年同期比で69億円損失減の9億円の損失となりました。これは、英領北海の一部の油田設備における減損損失があった一方で、過去の災害に対する保険金の受取りがあったことなどによるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は811億円(前年同期比△20.0%)となりました。
⑥法人税等、少数株主利益及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、合計で385億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は47.4%となりました。
少数株主利益は63億円(前年同期+57.3%)となりました。
以上の結果、当期純利益は363億円(前年同期△27.7%)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産の部
当期末における資産合計は、原油価格の上昇などによるたな卸資産の増加、有形固定資産の増加や関係会社への増資及び出資などにより、2兆9,951億円(前期末対比+2,666億円)となりました。
②負債の部
当期末における負債合計は、買掛債務の増加や有利子負債(1兆819億円)の増加により、2兆2,513億円(前期末対比+2,107億円)となりました。
③純資産の部
当期末の純資産合計は、363億円の当期純利益を計上したことや円安の進行に伴う為替換算調整勘定の増加などにより、7,438億円(前期末対比+558億円)となりました。
以上の結果、当期末の自己資本比率は23.5%(前期末対比△0.5ポイント)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの分析
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,600億円となり、前期末に比べ、435億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、501億円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益や現金の支出を伴わない減価償却費、仕入債務の増加などの資金増加要因が、たな卸資産の増加などの資金減少要因を上回ったことによります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、1,798億円の減少となりました。これは、主として製油所における石油製品製造設備への投資や、石油開発・石炭事業への投資、関係会社への増資・出資などによります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、1,611億円の増加となりました。これは、短期・長期借入金や社債による資金調達が増加したことなどによります。
なお、当社グループの財務状況に関する主要な指標のトレンドは次のとおりです。
2010年 3月期 | 2011年 3月期 | 2012年 3月期 | 2013年 3月期 | 2014年 3月期 | |
自己資本比率(%) | 19.0 | 20.4 | 21.9 | 24.0 | 23.5 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 11.4 | 15.5 | 12.3 | 11.9 | 11.3 |
ネットD/Eレシオ(倍) | 1.8 | 1.6 | 1.3 | 1.2 | 1.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | 5.3 | 11.2 | 3.9 | 4.5 |
投下資本営業利益率(%) | 3.0 | 8.8 | 9.3 | 7.1 | 4.7 |
営業活動によるキャッシュ・フロー(億円) | △628 | 870 | 1,597 | 508 | 501 |
自己資本比率:(純資産-少数株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金及び短期運用有価証券)/(純資産-少数株主持分)
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
投下資本営業利益率:(営業損益+持分法投資損益)/(純資産+有利子負債)
2.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金として連結貸借対照表に計上されている金額及びリース債務の金額を、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の支払利息額を使用しています。
②資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払い等によるものです。営業費用の主なものは、人件費、物流費、作業費、研究開発費等です。
設備資金については、各事業分野別に中期経営計画の基本戦略に則った以下の資金需要があります。
ア.基盤事業(燃料油・基礎化学品・再生可能エネルギー)については、販売・供給体制の再構築と競争
力強化を目的とした投資や海外成長市場への進出による事業拡大のための投資
イ.資源事業(石油開発・石炭・ウラン)については、保有鉱区の開発による生産規模の拡大と探鉱開発
の強化による埋蔵量確保に向けた投資
ウ.高機能材事業(潤滑油・機能材料・電子材料・アグリバイオ)については、環境配慮型商品の開発強
化やグローバル展開による事業拡大に向けた投資
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金、借入、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行などにより調達しています。当期末の短期借入金の残高は3,166億円、コマーシャル・ペーパーの残高は600億円、長期借入金(1年以内返済分を含む)の残高は6,574億円、社債(1年以内償還分を含む)の残高は、450億円となりました。
国内子会社は、当社が一括して資金調達し子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。海外子会社の運転資金及び設備投資資金については、各々の子会社が使用する現地通貨にて調達しています。
当社グループは、中長期的な成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を、財務体質とのバランスを勘案しつつ、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行及び特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の活用、更に資本増強等を効果的に組み合わせて調達していきます。
(債務)
当連結会計年度末の債務の概要は次のとおりです。
返済期限 | |||||||
合計 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
短期借入金(億円) | 3,166 | 3,166 | - | - | - | - | - |
コマーシャル・ペーパー(億円) | 600 | 600 | - | - | - | - | - |
リース債務(億円) | 29 | 9 | 7 | 5 | 3 | 4 | 1 |
長期借入金(億円) | 6,574 | 1,179 | 1,710 | 1,032 | 699 | 308 | 1,646 |
社債(億円) | 450 | - | - | - | 100 | 250 | 100 |
当社グループは、運転資金の効率的な調達及び十分な流動性確保のため、取引先銀行6行で作られるシンジケート団と、2016年3月までの契約期間において短期借入を実行できる長期の特定融資枠契約(長期コミットメントライン契約)を締結し、機動的・安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。なお、当連結会計年度末において同契約にかかる借入残高はありません。
特定融資枠契約の極度額 1,400億円
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