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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002BU8

有価証券報告書抜粋 阿波製紙株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

研究開発の基本方針
当社グループは、環境に配慮し広範囲で高度な機能材料の開発に取り組むことにより、顧客ニーズに合致した製品を提供し社会に貢献することを開発の基本方針としております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は406,105千円であります。

(1)自動車関連資材分野
① エンジン用濾材
エンジン用濾材は、用途として主に空気、潤滑油、燃料用フィルターに使用されております。
天然パルプ、コットンリンター、ポリエステル等の合成繊維を主原料として、空気中のゴミ、他車から排出されるスス、潤滑油中のカーボン粒子、燃料中のゴミ、水分等を取り除き、エンジンに清浄な空気、燃料を供給すること及びエンジンオイルの潤滑性能を維持することができます。
当連結会計年度においては、環境対応をテーマに掲げ、濾材の高性能化及び使用済みフィルターの廃棄を考慮した製品開発に注力いたしました。
エンジン用濾材の東南アジアでの需要増に対応するためタイ国子会社において設備の増設を進め、当該設備の稼動後を見据えたフィルター濾材の高性能化や価格競争力のある商品の開発検討を行いました。

② クラッチ板用摩擦材
クラッチ板用摩擦材は、主にオートマチック車用のクラッチ板用摩擦材として使用されております。
多種多様な原材料を当社の技術により混合、定着させてシート化し、優れた耐摩耗、耐久、耐熱、高摩擦性能を有する高品質な紙となっております。
当連結会計年度においては、新規配合原紙の開発・評価、製造工程の変更や見直しによる品質向上に取り組みました。

③ 鉛蓄電池用セパレータ原紙
鉛蓄電池用セパレータ原紙は、ポリエチレンパルプ、シリカ粉体を主体原料とし、主に高い信頼性が要求される特殊産業車両用、据え置き型バックアップ用などの鉛蓄電池セパレータに使用されております。
当連結会計年度においては、引き続き環境配慮に注力しながら当社製品の品質に適合した原材料を用いて改良・開発を進めました。

(2)水処理関連資材分野
① 分離膜用資材
主に分離膜用資材(分離膜支持体)として、世界の水処理用逆浸透膜メーカーが製造する逆浸透膜モジュールに使用されております。
当社は専用の抄紙機及び熱圧加工機を保有しており、ポリエステル繊維100%の湿式不織布である当社の分離膜支持体は平滑性に優れ、安定した物性で連続生産が可能であり、分離膜を形成するのに最適であります。
分離膜方式による水処理方法は、蒸発方式と比較して、低コストで環境負荷小、需要変動への柔軟性などから、近年導入事例が増加しております。
当連結会計年度においては、さらなる販売量拡大に向けて、分離膜支持体としての性能を維持しながら、いかにコスト削減ができるかに注力するとともに、引き続き生産プロセスの合理化や新素材の利用可能性の検討などに取り組みました。

② M-fine(エム・ファイン)
M-fine(エム・ファイン)とは、当社が提供するメンブレン(ナノレベルの微細な孔径を有するフィルターメディア)の商品の総称であります。
当社は、機能材料から、機能部材や機能部品へと事業領域を拡げ、新たな展開として、環境事業に特化した組織を設置し、M-fineの中でも特に廃水処理分野においてMBR(Membrane Bio Reactor)用浸漬膜ユニットの市場展開に集中して取り組みました。

(3)一般産業用資材分野
① CARMIX(カルミックス)
CARMIX(カルミックス)とは、当社が提供する炭素複合材の総称であります。
現在、CARMIXブランドとして新たにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を開発し、更なる品質・性能の向上に取り組んでおります。当社のCFRPは、短繊維を主原料としており、細かな成形性や切削等の加工性が良好であることなどを活かして幅広い市場への展開を図ってまいります。
また、放熱シートにおいては、電子デバイス市場への展開を目的に、熱伝導率の大幅な向上を目指し、開発に取り組んでおります。

② シート加工新軽量強靭構造体
機能紙を活用した特殊折り加工により、従来の構造体を改良し、より強度に優れた構造体開発に着手いたしました。各機能確認や工法確立等、より工業化に向けた検討を行っております。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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