オイシックス・ラ・大地株式会社 対処すべき課題 (2014年3月期)

当社の対処すべき課題は以下のとおりです。

(1)更なる成長に向けた競争優位の確立
当社の主力事業であるEC事業を取り巻く環境としては、既存流通大手などによるネットスーパーの本格展開や安全性に配慮した食品への取り組み強化など、潜在的な市場規模が拡大する一方で競合も激化する傾向にあります。
このような中、当社としては創業来の主力事業であるEC事業の競争優位確立を最優先課題とし、「サービス価値の向上」や「リーズナブルな価格の実現」等の施策を着実かつスピーディーに実行してまいります。

(サービス価値の向上)
サービス価値の向上の施策としては、当社の強みである野菜・果物等の青果物の美味しさや鮮度の更なる向上に向けた商品調達力の強化に努めるほか、調理に要する時間短縮や料理スキルのレベルに合わせた利便性の高い商品の開発にも取り組んでまいります。
また、よりわかりやすくお買い物していただくためのWebページ・システムの改善や、より楽しくお買い物していただくためのコンテンツの充実にも積極的に取り組んでまいります。

(リーズナブルな価格の実現)
単なる低価格競争に陥ることなく、当社が提供する商品をより納得いく価格でご購入いただくために、商品の企画、調達、仕分け、梱包から配送に至るまでの全ての過程について徹底した効率化を図り、十分な利益率を確保した上で、これまでにないリーズナブルな販売価格の実現を目指してまいります。

(プラットフォーム事業の育成)
当社がこれまで食品EC事業を展開してきた過程で培ってきた、食品に特化した三温度帯物流(冷凍・冷蔵・常温での物流)や商品調達、品質管理等に関するアセットやノウハウを、他社に提供する事業を育成することにより、スケール・メリットを確保するとともに収益性の改善にも取り組んでまいります。

(2)販売チャネルの拡充
当社は創業来、自社運営サイトでの販売を主力としております。一方で、スマートフォンの急速な普及などインターネットへの接続環境は大きく変化しており、当社もこの変化に柔軟に対応する必要があるほか、更なる顧客基盤拡充のために、豊富な顧客データベースを有する他社運営サイトとの提携・交流を積極的に図っていく必要があるものと考えております。

(3)商品調達と品質管理
お客様のより豊かな食生活の実現という理念に合わせ、より充実した品揃えのための産地・商品の開発に努めるほか、「発注→入荷→保管→出荷→輸送→消費」の各プロセスにおいて取り扱い商材の安全性はもとより、鮮度・品質の保持・向上を図るための活動を徹底して行い、品質・サービスの向上を目指します。
特に原子力発電所事故を契機とした食品の安心・安全に関するお客様の関心の高さは継続しており、これに対応した商品調達や、放射性物質に関する検査体制の拡充は引き続き重要課題であることから、農業・漁業を中心とした被災地の食品関連業界の復興支援と併せ、積極的な取り組みを行ってまいります。

(4)組織体制の整備
当社が今後も高成長を維持し、継続的に企業価値を高めていくためには、事業の規模や質に合わせた優秀な人材の確保、組織体制の整備及び従業員のモチベーションの維持・向上に努めていく必要があるとともに、リスク管理の徹底、内部管理・内部統制体制の整備など、コーポレート・ガバナンスの強化が重要課題であると認識しております。更に、当社事業を取り巻く法規制面の環境変化に対応したコンプライアンス体制の一層の強化にも積極的に取り組んでまいります。