株式会社イチケン 業績等の概要 (2014年3月期)

(1) 業 績
業績のご報告に先立ちまして、当社の不適切な会計処理並びにそれに伴う2010年3月期第2四半期から2013年3月期までの一部決算訂正により、株主の皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを心より深くお詫び申し上げます。
当社は、本件を真摯に受け止め、今後、二度とこのような事態を起こすことのないよう、全社一丸となって再発防止に向けて施策を徹底してまいる所存でございます。株主の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様の信頼回復に鋭意努力してまいりますので、何卒、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
なお、以下の記載にあたりましては、金融商品取引法に基づく過年度決算訂正を反映した数値によっております。
さて、当事業年度におけるわが国経済は、経済・金融政策による円高是正等を背景として持ち直しの兆しがみられ、先行きについては海外の景気減速の懸念等は残るものの、景気回復への期待が高まりつつあります。
建設業界におきましては、公共投資の増加や消費税率引き上げに伴う駆け込み需要による住宅建設の増加等持ち直しの動きが見られるものの、技能労働者の不足に伴う労務費の高騰や資材価格の上昇など、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社は受注高拡大のため、コア事業である「商業施設」の建築及び内改装工事に加え、住宅や介護施設等の受注活動にも積極的に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度の業績につきましては、受注高は前期比1.6%増の652億3千2百万円となりました。売上高は前期比8.3%増の624億2千4百万円となりました。その内訳は、建設事業が前期比8.4%増の617億2千万円、不動産事業が前期比0.2%増の7億4百万円であります。次期への繰越工事高は前期比8.8%増の434億1千8百万円となりました。
損益につきましては、完成工事高の増加に伴い、完成工事総利益は増加したものの、過年度の決算訂正に係わる諸費用等の発生により、販売費及び一般管理費が増加したため、営業利益は前期比7.3%減の10億7百万円となりましたが、営業外収益のうち貸倒引当金の戻入れ益が前期に比べ増加したことなどにより、経常利益は前期比21.6%増の13億2千5百万円となりました。また、特別損失に計上しました賃貸用不動産の減損損失が前期に比べ減少したことなどにより、当期純利益は前期比173.8%増の7億3千9百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(建設事業)
受注高は前期比1.6%増の652億3千2百万円となりました。完成工事高は前期比8.4%増の617億2千万円となりました。また、次期への繰越工事高は前期比8.8%増の434億1千8百万円となりました。
セグメント利益は前期比2.9%増の19億1千万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、賃貸収入等による売上高は前期比0.2%増の7億4百万円、セグメント利益は前期比11.0%減の1億7百万円となりました。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べ20億5千7百万円の資金の減少(前年同期は7億3千1百万円の資金の減少)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、18億4千8百万円の資金の減少(前年同期は9億4百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益11億5千6百万円、未成工事支出金の減少7億円、主な減少要因は、売上債権の増加20億6千4百万円、仕入債務の減少13億7千1百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2千6百万円の資金の減少(前年同期は3億5千5百万円の資金の増加)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2千2百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1億8千2百万円の資金の減少(前年同期は1億8千1百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入10億1千1百万円、短期借入金の純増減額1億2千8百万円、主な減少要因は、社債の償還による支出5億7千8百万円、長期借入金の返済による支出5億6千万円、配当金の支払額1億7千8百万円などであります。