有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10025MI
株式会社有沢製作所 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。
研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、ディスプレイ材料分野及び電気絶縁材料、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。
電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等があげられます。
当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は169名であり、当連結会計年度の研究開発費は18億81百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)電子材料分野
・FPC材料
スマートフォンやタブレット端末に代表される電子機器が、より高機能に進化するなか、電子部品の薄型化・高密度化が急速に進んでおり、この時流に対応するために各種材料の開発を進めております。
銅張り板に関しては、耐熱性・寸法安定性などの観点から接着剤を使わず、ポリイミドと銅箔のみで構成される2層基板が主流となっております。このポリイミドの厚さは時代とともに薄くなっており、25µmから現在では12µmが主流となってきています。次世代では更に薄いものの要求があり、当社は、片面板でポリイミド5µm、両面板で9µmの薄膜化を達成し、サンプルワークを開始しました。
カバーレイに関しては、液晶FPC用途において低反発化の強い要求があり、当社では低反発・難燃を保持したドライ・フイルムタイプ感光性カバーレイを開発しました。本製品は、従来のポリイミドカバーレイが保有するハンドリング性、屈曲性とインクレジストが保有する高精細化、薄膜化の特徴を兼ね備えた材料です。更に本製品は低反発性を具備する事で、顧客より高い評価を得ながら、販売流動が開始されました。
・放熱材料
各種電子部品の高密度化・高性能化に伴い発熱量が増加しています。ICやパワー部品からの発熱の影響が今まで以上に深刻になってきており、放熱対策の部材として放熱接着シートの要求が高まっています。民生から電装品まで幅広く対応するために、各機器に応じた熱伝導率の放熱接着シートを開発し、サンプルワークを開始しております。さらに、高価なセラミック基板代替を目的にパワーモジュールにも対応できる熱電導率が高く信頼性にも優れた放熱接着シートの開発も進めております。
電子材料に係る研究開発費は8億円であります。
(2)ディスプレイ材料分野
・3Dディスプレイ材料
当社の3Dフィルター「Xpol」を使用する3Dシステムは高い3D特性・疲れにくいなどの特徴から、特に医療分野から注目されており、2013年度は新たに3モデルの採用が決定致しました。現在は、より高精細(4K2Kディスプレイ用)な3Dディスプレイ材料の開発を進めており、今後の採用が期待されます。
・スクリーン材料
明るい室内でもコントラストの高い映像を見る事ができるFCS(ファインコントラストスクリーン)に関しては、2013年度は大型化を図りホームシアター用途を中心に海外での需要が増加しました。今年度はさらなる大型品(120インチ以上)の開発を進め、業務用途への展開を図ってまいります。
・タッチパネル材料
直観的な操作を可能にすることから、近年は静電容量式タッチパネルの市場が拡大しています。当社は市場からの高付加価値要求に対応し検討を進め、ITO電極パターンによる視認性低下を防止させるインデックスマッチングフィルムを開発し量産を開始しました。また透明導電性部材とガラス基材を貼り合わせるUV硬化型のOCA(Optical Clear Adhesive)材料も開発しました。現在主流の粘着型OCAや液状OCRと比較して、接着信頼性とリワーク性に優れており昨年は大手ユーザーの採用となりました。両材料ともその優れた特性から今後の拡販が期待されます。
ディスプレイ材料に係る研究開発費は5億81百万円であります。
(3)電気絶縁材料・産業用構造材料分野
・超伝導コイル用絶縁材料
超電導は、核融合や車輌など多くの分野に適用されている技術であり、必ず絶縁材料が使用され、そこには特に耐中性子性が求められております。当社は耐中性子性を備え、核融合コイルへのワインディング性と封入樹脂の含浸性に優れた絶縁材である被覆用ポリイミド/ガラスクロス貼合わせテープを開発しました。ガラスクロスの製織技術とプリプレグの樹脂含浸-成形技術を組み合わせた製品となっております。2014年に核融合プロジェクト向に流動を目指しております。
・海水淡水化用逆浸透膜用圧力容器(RO Vessel)
中東をはじめ多くの国々には海水淡水化プラントがあり、この分野で競合できるRO Vesselの開発を推進中です。当社は、海水淡水化や純水プラントに用いられる低圧用のRO Vesselの軽量化に成功しました。このRO Vesselは軽量でありながら、圧力容器の国際規格であるASME要求の安全率6を達成しております。2013年にProtec Arisawa Europeで生産され中東のプラントに納入されており、今後も採用の拡大を期待しております。
複合材料に係る研究開発費は3億57百万円であります。
研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、ディスプレイ材料分野及び電気絶縁材料、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。
電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等があげられます。
当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は169名であり、当連結会計年度の研究開発費は18億81百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)電子材料分野
・FPC材料
スマートフォンやタブレット端末に代表される電子機器が、より高機能に進化するなか、電子部品の薄型化・高密度化が急速に進んでおり、この時流に対応するために各種材料の開発を進めております。
銅張り板に関しては、耐熱性・寸法安定性などの観点から接着剤を使わず、ポリイミドと銅箔のみで構成される2層基板が主流となっております。このポリイミドの厚さは時代とともに薄くなっており、25µmから現在では12µmが主流となってきています。次世代では更に薄いものの要求があり、当社は、片面板でポリイミド5µm、両面板で9µmの薄膜化を達成し、サンプルワークを開始しました。
カバーレイに関しては、液晶FPC用途において低反発化の強い要求があり、当社では低反発・難燃を保持したドライ・フイルムタイプ感光性カバーレイを開発しました。本製品は、従来のポリイミドカバーレイが保有するハンドリング性、屈曲性とインクレジストが保有する高精細化、薄膜化の特徴を兼ね備えた材料です。更に本製品は低反発性を具備する事で、顧客より高い評価を得ながら、販売流動が開始されました。
・放熱材料
各種電子部品の高密度化・高性能化に伴い発熱量が増加しています。ICやパワー部品からの発熱の影響が今まで以上に深刻になってきており、放熱対策の部材として放熱接着シートの要求が高まっています。民生から電装品まで幅広く対応するために、各機器に応じた熱伝導率の放熱接着シートを開発し、サンプルワークを開始しております。さらに、高価なセラミック基板代替を目的にパワーモジュールにも対応できる熱電導率が高く信頼性にも優れた放熱接着シートの開発も進めております。
電子材料に係る研究開発費は8億円であります。
(2)ディスプレイ材料分野
・3Dディスプレイ材料
当社の3Dフィルター「Xpol」を使用する3Dシステムは高い3D特性・疲れにくいなどの特徴から、特に医療分野から注目されており、2013年度は新たに3モデルの採用が決定致しました。現在は、より高精細(4K2Kディスプレイ用)な3Dディスプレイ材料の開発を進めており、今後の採用が期待されます。
・スクリーン材料
明るい室内でもコントラストの高い映像を見る事ができるFCS(ファインコントラストスクリーン)に関しては、2013年度は大型化を図りホームシアター用途を中心に海外での需要が増加しました。今年度はさらなる大型品(120インチ以上)の開発を進め、業務用途への展開を図ってまいります。
・タッチパネル材料
直観的な操作を可能にすることから、近年は静電容量式タッチパネルの市場が拡大しています。当社は市場からの高付加価値要求に対応し検討を進め、ITO電極パターンによる視認性低下を防止させるインデックスマッチングフィルムを開発し量産を開始しました。また透明導電性部材とガラス基材を貼り合わせるUV硬化型のOCA(Optical Clear Adhesive)材料も開発しました。現在主流の粘着型OCAや液状OCRと比較して、接着信頼性とリワーク性に優れており昨年は大手ユーザーの採用となりました。両材料ともその優れた特性から今後の拡販が期待されます。
ディスプレイ材料に係る研究開発費は5億81百万円であります。
(3)電気絶縁材料・産業用構造材料分野
・超伝導コイル用絶縁材料
超電導は、核融合や車輌など多くの分野に適用されている技術であり、必ず絶縁材料が使用され、そこには特に耐中性子性が求められております。当社は耐中性子性を備え、核融合コイルへのワインディング性と封入樹脂の含浸性に優れた絶縁材である被覆用ポリイミド/ガラスクロス貼合わせテープを開発しました。ガラスクロスの製織技術とプリプレグの樹脂含浸-成形技術を組み合わせた製品となっております。2014年に核融合プロジェクト向に流動を目指しております。
・海水淡水化用逆浸透膜用圧力容器(RO Vessel)
中東をはじめ多くの国々には海水淡水化プラントがあり、この分野で競合できるRO Vesselの開発を推進中です。当社は、海水淡水化や純水プラントに用いられる低圧用のRO Vesselの軽量化に成功しました。このRO Vesselは軽量でありながら、圧力容器の国際規格であるASME要求の安全率6を達成しております。2013年にProtec Arisawa Europeで生産され中東のプラントに納入されており、今後も採用の拡大を期待しております。
複合材料に係る研究開発費は3億57百万円であります。
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