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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10022LI

有価証券報告書抜粋 株式会社淺沼組 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

提出会社は、「創業理念『和の精神』『誠意、熱意、創意』のもと、人と環境を大切にする創環境企業として、事業活動を通じ社会の安全と幸福の増進に貢献する」を基本理念として、より安全・安心で快適な時間を過ごす「場」あるいは「空間」を提供するべく積極的な技術・研究開発を、技術研究所を拠点に推進している。
研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用・再生技術、環境関連技術および施工改善・合理化に関する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、研究開発活動の幅を広げ、効率を高めるため、大学、同業他社および異業種企業との共同研究を積極的に行っている。
さらに前連結会計年度より事業に直結する研究開発および商品化をよりスピーディーかつ効果的に進めるため、技術研究所と社内関係部署、現場作業所との連携、情報の共有化を強化し、「総合力としての技術」を高めるよう取り組んでいる。
当連結会計年度における研究開発費の総額は1億2千9百万円である。
当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては研究開発活動は特段行われていない。

(建築及び土木)
[高品質・高性能を実現する技術]
(1) 免震および制震技術の高度化
東日本大震災以後、当社ではニーズの拡大した建築物の免震および制震技術について、これまでの設計・施工実績を踏まえつつ、さらなる設計手法の高度化を目指して大学と共同研究を進めている。当連結会計年度では、大型物流施設を対象とした杭頭免震工法の設計手法を確立するとともに、免震建物の部材構成を迅速に決定できる設計支援ツールを開発した。

(2) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB工法」の改良
当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造するCCB工法をすでに開発し、工法協会を設立し展開している。この技術をさらに発展させ、従来よりも壁の厚さを薄くしても同等の性能を確保できる技術の開発を大学と進めている。この改良により、本技術へのニーズがさらに高まると期待される。

[ストック活用・再生に関する技術]
(3) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法「RM工法」の改良
RM工法とは補強組積ブロックを用いた増設耐震壁によって耐震補強する工法である。在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、工法協会を設立し、着実に適用実績を重ねている。本工法の耐震補強工事での適用範囲拡大を目指して改良をすすめている。当連結会計年度では、構造性能の開発実験を終了し、追加の建築技術性能証明の取得に向けた準備を行っている。


(4) 収縮低減タイプの中・高流動コンクリートの開発
当社では、耐震補強工事に用いる無収縮高流動コンクリート「スーパーフィルクリート」の技術をすでに開発し、適用実績を重ねている。ただ、より低コストで収縮低減性能をもつ中・高流動コンクリートへのニーズが高いため、前連結会計年度から開発を進めていたが、当連結会計年度に基礎的な開発実験を終了した。今後、建築技術性能証明の取得に向けて準備を行う。

[施工改善・合理化に関する技術]
(5) 表面含浸材の性能比較と簡易評価法の開発
コンクリート構造物の長寿命化や美観維持のために、表面含浸材を塗布するケースが増加している。しかしコンクリート用表面含浸材には多種多様の製品があり、目的に応じた材の適切な選定が難しい。そこで、材料の性能とコストの関係を比較し、目的に応じた材の選定が可能になるよう試験を行い、簡易評価法を確立した。

[環境に関する技術]
(6) 生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス」の開発
CASBEE(建築環境総合性能評価システム)に準じて生物多様性に配慮した取り組みを評価する簡易ツール「いきものプラス」を開発した。このツールは、設計者が敷地情報や取り組み内容をパソコンに入力するだけで、生物多様性に関連した項目についてCASBEE対応型評価点、いきものプラス評価点(独自評価)の2種類の方法で評価できる。当社では、本ツールを活用し、より生物多様性に配慮した提案を推進していく。

また、「その他」の事業においては研究開発活動は特段行われていない。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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