有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10028G3
岡本硝子株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのコアコンピタンス(材料開発技術、精密成型技術、薄膜技術)を活かし、LED照明用部品、太陽光関連光学部品をはじめとする今後の成長が期待される分野での新規製品開発を中心に研究開発活動を行っております。
フリットなどのその他の事業に係る研究開発費は161,461千円、機能性ガラス・薄膜事業に係る研究開発費は36,617千円、光学事業に係る研究開発費は4,230千円の合計202,309千円であります。
当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)照明事業
① 研究開発の基本方針
LEDを光源とする照明用のガラス・薄膜部品の開発と商品化を行っております。
② 主要研究開発テーマ
LEDを光源としたトンネル灯のカバーガラスをプレス成型法により実現し商品化しております。カバーガラスの表面を梨地にしたことによりLED光源に特有のグレアーを防止すると同時に、明るさを低下させないことが特長です。またLED光源周辺にある反射鏡や反射板は、従来アルミ蒸着が施されていましたが、アルミより高反射となる銀ミラーを開発しました。他にはない耐久性を実現したことで、コーティング材料を変えるだけでLED照明の明るさ向上に寄与しております。
(2)光学事業
① 研究開発の基本方針
フライアイレンズなどの用途に透過率の高い硝材開発を進めております。
② 主要研究開発テーマ
フライアイレンズに使用されているH-3ガラスを基本に透過率の高い硝材開発を行い、透過率を極限まで向上させた新規ガラス素材の開発に成功しております。
(3)機能性ガラス・薄膜事業
① 研究開発の基本方針
太陽光発電用ガラス部品、ガラス偏光子などの開発をしております。
② 主要研究開発テーマ
太陽光発電用ガラス部品
太陽光発電は、石油などの化石燃料の代替エネルギーとして、あるいは、環境にやさしくクリーンなエネルギーとして注目を集め、世界各国で実用化が進み、更なるコスト低減・高効率化を目指した開発が行われております。そうした環境の中、当社は高効率化に有効な集光型太陽光発電システムに使用される特殊な反射鏡及びレンズの開発を進めています。
ロッドレンズのような長さがあるレンズもフライアイレンズと同じ硝材を使用することで高透過になります。このような、フライアイレンズと同じ硝材を使用することによるシナジー効果も期待されます。太陽光発電用部品用途にガラスに形成する反射膜の研究開発も進めております。
ガラス偏光子(Glapola®)
当社では、耐熱性・耐候性に優れたガラス製偏光子Glapola®の開発に成功し、生産・販売を行っております。
新たに、Glapola®の表面に各種光学薄膜を蒸着した偏光素子であるGlapola-Plusを開発しました。特に、偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBSは、消光比60dB以上の非常に高い直線偏光を得ることができる耐レーザー性にも優れた平板形状の偏光素子です。また、同じく新規開発品の鏡筒形状Glapola-Millionoは、回転時に生じる「ビーム偏角(光軸ズレ)」の解消を実現した回転偏光素子であり、60dB 以上の高い消光比を有します。これらの新規偏光素子はすべて特許出願済みであり、また一部は国際出願をしております。これらの新規開発品は既に販売実績を上げております。さらに、消光比60dBを有するキューブ型PBSであるGlapola-Cubeも完成間近です。
また、以上の偏光素子を使用した歪観察器、リタデーション計測ユニット等の測定・計測装置の開発にも着手しております。
液晶を利用する分野、セキュリティカメラや画像処理装置の分野、レーザー利用分野等におけるレーザー干渉計、測長・距離測定機、レーザー加工機、偏光分析機器、アイソレータ等への応用・活用が期待されます。
「用語解説」
ロッドレンズ:
出射側が細くなった円柱又は角柱のレンズ。ソーラーセルへ光を均一に集光する働きがある。
偏光子:
特定の一つの方向のみに振動する光だけを透過し、それ以外の方向に振動する光を遮断する性質を持つ光学素子です。
リタデーション:
光線が複屈折を持つ物質を透過したときに、その偏光の状態によって2つの光線(通常光線と異常光線)に分けられますが、リタデーションとはそれら通常光と異常光の位相差です。位相とは周期的に変動する波の位置情報で、位相差とは波形のズレのようなものです。外力を加えると歪の大きさと向きに応じて、複屈折の大きさと向きが変化するので、リタデーションを計測することによって歪の大きさや分布を計測することができます。
アイソレータ:
磁気光学における「ファラデー効果」を応用し、光を一方向だけに透過して、途中で反射して戻ってくる光を遮断する役割を持った光学素子です。戻ってきたレーザー光によってレーザー光源が損傷するのを防止するためなどに使用されます。
(4)その他の事業
① 研究開発の基本方針
フリット(ガラス粉末)などに関して開発を行っております。
② 主要研究開発テーマ
フリット
当社では多様なお客様の要求に応じるため、低融点から高融点、結晶化ガラス等幅広いガラス材料を開発しております。一品一品お客様の要望を取入れ、お客様の満足する製品とサービスを提供できるよう開発を進めております。また、粉体技術をこれまでの材料開発技術、精密成型技術、薄膜技術に続く第4のコアコンピタンスとすべく注力し、量産移行件数も徐々に増えてきております。
ガラスフリットが使用される分野は多岐にわたっており、セラミックチップ部品や太陽光発電用パネル等へ使用される導電ペースト添加用フリット、自動車に使用される電装部品やスマートフォンに使用される通信部材の基板材料、機密封止や異種物質の接合用のシーリングフリット等お客様の要望に合わせたカスタムメイドを基本として、ガラス組成設計、フリット作製技術、ペースト化技術など精力的な開発を進めております。
薄板精密成型
当社グループは、ガラスの薄板精密成型に関する技術を開発中であります。
近年、スマートフォン用カバーガラス、自動車用ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)用凹面鏡など、薄板で3D形状を有するガラス製品の需要が高まってきております。スマートフォンのカバーガラスは、現在、平面形状が一般的ですが、今後、機能性やデザイン性の向上のため、3D形状を有するカバーガラスの需要が高まってくると予想されます。近年、スマートフォン用カバーガラス、自動車用ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)用凹面鏡など、薄板で3D形状を有するガラス製品の需要が高まってきております。スマートフォンのカバーガラスは、現在、平面形状が一般的ですが、今後、機能性やデザイン性の向上のため、3D形状を有するカバーガラスの需要が高まってくると予想されます。
また、HUDとは、自動車の速度やルート案内などの各種情報をフロントガラスやコンバイナーに表示することにより、ドライバーの視線を大きく動かすことなく情報を読み取れるようにする技術であり、運転の安全を確保するために、世界的に導入が進められています。
既に、曲面形状のスマートフォンのカバーガラスが実用化されておりますが、現在の曲げガラスによる生産方法は、X軸あるいは、Y軸の1方向に変形させることに優位性があり、それに対して、薄板精密成型は、より多様な形状が可能であり、モバイル機器用のカバーガラスの意匠性を高められます。
HUDは、今後、表示情報の増加、Augmented Reality(拡張現実、以下「AR」という。)の採用により広画角化が進み、このことにより大型のHUD用凹面鏡のニーズが高まると考えております。特にARを利用したHUDにおいては、自動車のフロントウィンドウ越しに見える景色に安全のための情報などを映像として重ね合わせるため、広画角化の利点は大きくなります。
HUD用凹面鏡は、現在は樹脂あるいは曲げガラスですが、HUD用凹面鏡が大型化した場合、薄板精密成型は精度と軽量性に優れたガラス製凹面鏡を高効率で生産することが期待でき、他方式に比べて優位性があると考えております。
ガラスの精密成型には、光学分野を中心にしてモールドによる等温プレスの技術が使われますが、大型のガラス製品を低コストで生産するには課題が多いと思われます。当社が開発中の薄板精密成型は、生産性が高い非等温プレスであり、スマートフォン用カバーガラスやHUD用凹面鏡などの生産に有力な技術と考えております。
フリットなどのその他の事業に係る研究開発費は161,461千円、機能性ガラス・薄膜事業に係る研究開発費は36,617千円、光学事業に係る研究開発費は4,230千円の合計202,309千円であります。
当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)照明事業
① 研究開発の基本方針
LEDを光源とする照明用のガラス・薄膜部品の開発と商品化を行っております。
② 主要研究開発テーマ
LEDを光源としたトンネル灯のカバーガラスをプレス成型法により実現し商品化しております。カバーガラスの表面を梨地にしたことによりLED光源に特有のグレアーを防止すると同時に、明るさを低下させないことが特長です。またLED光源周辺にある反射鏡や反射板は、従来アルミ蒸着が施されていましたが、アルミより高反射となる銀ミラーを開発しました。他にはない耐久性を実現したことで、コーティング材料を変えるだけでLED照明の明るさ向上に寄与しております。
(2)光学事業
① 研究開発の基本方針
フライアイレンズなどの用途に透過率の高い硝材開発を進めております。
② 主要研究開発テーマ
フライアイレンズに使用されているH-3ガラスを基本に透過率の高い硝材開発を行い、透過率を極限まで向上させた新規ガラス素材の開発に成功しております。
(3)機能性ガラス・薄膜事業
① 研究開発の基本方針
太陽光発電用ガラス部品、ガラス偏光子などの開発をしております。
② 主要研究開発テーマ
太陽光発電用ガラス部品
太陽光発電は、石油などの化石燃料の代替エネルギーとして、あるいは、環境にやさしくクリーンなエネルギーとして注目を集め、世界各国で実用化が進み、更なるコスト低減・高効率化を目指した開発が行われております。そうした環境の中、当社は高効率化に有効な集光型太陽光発電システムに使用される特殊な反射鏡及びレンズの開発を進めています。
ロッドレンズのような長さがあるレンズもフライアイレンズと同じ硝材を使用することで高透過になります。このような、フライアイレンズと同じ硝材を使用することによるシナジー効果も期待されます。太陽光発電用部品用途にガラスに形成する反射膜の研究開発も進めております。
ガラス偏光子(Glapola®)
当社では、耐熱性・耐候性に優れたガラス製偏光子Glapola®の開発に成功し、生産・販売を行っております。
新たに、Glapola®の表面に各種光学薄膜を蒸着した偏光素子であるGlapola-Plusを開発しました。特に、偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBSは、消光比60dB以上の非常に高い直線偏光を得ることができる耐レーザー性にも優れた平板形状の偏光素子です。また、同じく新規開発品の鏡筒形状Glapola-Millionoは、回転時に生じる「ビーム偏角(光軸ズレ)」の解消を実現した回転偏光素子であり、60dB 以上の高い消光比を有します。これらの新規偏光素子はすべて特許出願済みであり、また一部は国際出願をしております。これらの新規開発品は既に販売実績を上げております。さらに、消光比60dBを有するキューブ型PBSであるGlapola-Cubeも完成間近です。
また、以上の偏光素子を使用した歪観察器、リタデーション計測ユニット等の測定・計測装置の開発にも着手しております。
液晶を利用する分野、セキュリティカメラや画像処理装置の分野、レーザー利用分野等におけるレーザー干渉計、測長・距離測定機、レーザー加工機、偏光分析機器、アイソレータ等への応用・活用が期待されます。
「用語解説」
ロッドレンズ:
出射側が細くなった円柱又は角柱のレンズ。ソーラーセルへ光を均一に集光する働きがある。
偏光子:
特定の一つの方向のみに振動する光だけを透過し、それ以外の方向に振動する光を遮断する性質を持つ光学素子です。
リタデーション:
光線が複屈折を持つ物質を透過したときに、その偏光の状態によって2つの光線(通常光線と異常光線)に分けられますが、リタデーションとはそれら通常光と異常光の位相差です。位相とは周期的に変動する波の位置情報で、位相差とは波形のズレのようなものです。外力を加えると歪の大きさと向きに応じて、複屈折の大きさと向きが変化するので、リタデーションを計測することによって歪の大きさや分布を計測することができます。
アイソレータ:
磁気光学における「ファラデー効果」を応用し、光を一方向だけに透過して、途中で反射して戻ってくる光を遮断する役割を持った光学素子です。戻ってきたレーザー光によってレーザー光源が損傷するのを防止するためなどに使用されます。
(4)その他の事業
① 研究開発の基本方針
フリット(ガラス粉末)などに関して開発を行っております。
② 主要研究開発テーマ
フリット
当社では多様なお客様の要求に応じるため、低融点から高融点、結晶化ガラス等幅広いガラス材料を開発しております。一品一品お客様の要望を取入れ、お客様の満足する製品とサービスを提供できるよう開発を進めております。また、粉体技術をこれまでの材料開発技術、精密成型技術、薄膜技術に続く第4のコアコンピタンスとすべく注力し、量産移行件数も徐々に増えてきております。
ガラスフリットが使用される分野は多岐にわたっており、セラミックチップ部品や太陽光発電用パネル等へ使用される導電ペースト添加用フリット、自動車に使用される電装部品やスマートフォンに使用される通信部材の基板材料、機密封止や異種物質の接合用のシーリングフリット等お客様の要望に合わせたカスタムメイドを基本として、ガラス組成設計、フリット作製技術、ペースト化技術など精力的な開発を進めております。
薄板精密成型
当社グループは、ガラスの薄板精密成型に関する技術を開発中であります。
近年、スマートフォン用カバーガラス、自動車用ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)用凹面鏡など、薄板で3D形状を有するガラス製品の需要が高まってきております。スマートフォンのカバーガラスは、現在、平面形状が一般的ですが、今後、機能性やデザイン性の向上のため、3D形状を有するカバーガラスの需要が高まってくると予想されます。近年、スマートフォン用カバーガラス、自動車用ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)用凹面鏡など、薄板で3D形状を有するガラス製品の需要が高まってきております。スマートフォンのカバーガラスは、現在、平面形状が一般的ですが、今後、機能性やデザイン性の向上のため、3D形状を有するカバーガラスの需要が高まってくると予想されます。
また、HUDとは、自動車の速度やルート案内などの各種情報をフロントガラスやコンバイナーに表示することにより、ドライバーの視線を大きく動かすことなく情報を読み取れるようにする技術であり、運転の安全を確保するために、世界的に導入が進められています。
既に、曲面形状のスマートフォンのカバーガラスが実用化されておりますが、現在の曲げガラスによる生産方法は、X軸あるいは、Y軸の1方向に変形させることに優位性があり、それに対して、薄板精密成型は、より多様な形状が可能であり、モバイル機器用のカバーガラスの意匠性を高められます。
HUDは、今後、表示情報の増加、Augmented Reality(拡張現実、以下「AR」という。)の採用により広画角化が進み、このことにより大型のHUD用凹面鏡のニーズが高まると考えております。特にARを利用したHUDにおいては、自動車のフロントウィンドウ越しに見える景色に安全のための情報などを映像として重ね合わせるため、広画角化の利点は大きくなります。
HUD用凹面鏡は、現在は樹脂あるいは曲げガラスですが、HUD用凹面鏡が大型化した場合、薄板精密成型は精度と軽量性に優れたガラス製凹面鏡を高効率で生産することが期待でき、他方式に比べて優位性があると考えております。
ガラスの精密成型には、光学分野を中心にしてモールドによる等温プレスの技術が使われますが、大型のガラス製品を低コストで生産するには課題が多いと思われます。当社が開発中の薄板精密成型は、生産性が高い非等温プレスであり、スマートフォン用カバーガラスやHUD用凹面鏡などの生産に有力な技術と考えております。
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