有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1003PJC
株式会社フリークアウト・ホールディングス 事業等のリスク (2014年9月期)
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① インターネットの普及について
当社グループが行うインターネット広告技術のひとつであるDSP事業は、精緻なターゲティング技術により、顧客である広告主及び広告代理店の効率的な広告配信をサポートするサービスであるため、インターネットの更なる普及及び利用拡大、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等が成長のための基本的な条件と考えております。
しかしながらインターネットの普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな法的規制や業界団体による規制の導入、その他予期せぬ要因により、今後の普及及び利用拡大を阻害されるような状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネット広告市場について
近年、インターネット広告市場は拡大傾向にあり、インターネット広告はテレビに次ぐ広告媒体となっております。
しかしながら、広告市場は、景気動向や広告主の広告戦略の変化などによる影響を受け易い状況にあるため、今後これらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります 。
③ DSPの普及について
DSPは、広告の費用対効果を高め、効率的な広告出稿を実現するテクノロジーとして、現在普及段階にあります。しかしながら、その将来性はいまだ不透明な部分があることから、今後においてDSPの普及及び利用が想定通り推移しない状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新について
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 競合について
当社グループがサービスを提供していますDSP事業を行っている事業者は、国内において数社存在しております。また、RTB経由のインターネット広告取引は、国内で今後拡大が見込まれており、海外の既存のDSP事業者が日本国内のマーケットへ参入してきているため、参入企業が増加し、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 仕入先について
DSP事業は、取引形態の性質上、広告枠を提供するSSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者からの仕入が必要となります。そのため、SSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者の方針、事業戦略の転換等によって、取引が継続されず広告枠の仕入ができなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制について
現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネット関連分野においては「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(2002年5月施行)や、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(2000年2月施行)、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(2008年6月成立)等の法的規制が存在しているほか、個人情報の取扱などについては、「個人情報の保護に関する法律」(2003年5月成立)等が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からクッキー(ウェブサイト閲覧者のコンピューターにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。
このため、今後、インターネット関連分野において新たな法令等の制定や、既存法令等の改正等による規制強化等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 自然災害等について
当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。万一、当社の本社所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害の発生や事故により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するDSP事業の継続に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスクについて
① DSP事業への依存について
当社グループの売上高は、単一事業であるDSP事業による収益のみであり、当社グループの売上高はDSP事業に依存しております。したがって、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新規事業について
当社グループは今後も引き続き、積極的に新サービスないしは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開について
当社グループのサービスの提供にあたっては、RTB経由のリアルタイムインターネット広告取引の世界的な普及、拡大にあわせて国際展開を進めております。海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、為替制限や為替変動、電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。その他、海外市場が想定どおりに成長しない場合や当社グループのサービスが海外の顧客に浸透しないこと等を要因に、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) システム等に関するリスクについて
① 事業拡大に伴う設備投資について
当社グループでは、サービスの安定稼働及び事業成長に備え、継続的にシステムインフラ等への設備投資を計画しておりますが、当社グループの計画を上回る急激な事業成長等があった場合、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、設備投資、減価償却費負担等の増加が想定され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について
当社グループは、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。
しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故など、当社グループの予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。またシステムの作動不能や欠陥等に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業運営体制に関するリスクについて
① 特定人物への依存について
当社代表取締役である本田謙は、創業者であり、創業以来代表を務めております。同氏は、オンラインマーケティングに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社は、取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 小規模組織であること
当社グループは小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社グループは今後の急速な事業拡大に応じて、従業員の育成、人材の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
③ 人材の確保及び育成について
当社グループは、現時点において上記のとおり小規模組織でありますが、今後更なる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。
しかし、必要な人材の確保及び育成が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 内部管理体制について
当社は、2010年10月に設立し、未だ社歴が浅く成長途上にあるため、今後更なる事業拡大に対応する上で必要な経験などが十分に蓄積されていないと考えております。当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(5) その他
① 配当政策について
当社は、創業して間もないことから、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えておりますが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。そのため、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。内部留保につきましては、当社の競争力の維持・強化による将来の収益力向上を図るための設備投資及び効率的な体制整備に有効に活用する方針であります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。
当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は461,540株であり、発行済株式総数株の7.4%に相当します。
権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
③ M&A及び資本業務提携について
当社グループは、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針でありますが、これらの調査で確認・想定されなかった事象がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が計画どおりに進まない場合には、対象企業の投資価値の減損処理を行う等、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
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