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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10024KF

有価証券報告書抜粋 大同特殊鋼株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループは特殊鋼をベースにした高い技術力を背景に「21世紀社会に貢献する創造的、個性的な企業集団」を目指すことを基本理念としており、「新製品・新事業の拡大」および「既存事業の基盤強化」のため、積極的な研究活動を行っております。
現在、当社「研究開発本部」内の「特殊鋼研究所」、「電磁材料研究所」、「プロセス技術開発センター」を中心に、新製品、新材料、新技術の研究開発を推進しており、研究開発スタッフはグループ全体で276名であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は51億60百万円であり、各セグメント別の研究の目的、主要な研究成果および研究開発費は次のとおりであります。

(1)特殊鋼鋼材

主に当社が中心となり、自動車構造用材料、工具鋼などの素材開発および製鋼、精錬、凝固から製品品質保証までプロセス革新等の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は14億45百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・ダイカスト金型専用 溶接補修材「DHW」
ダイカスト金型の溶接補修後の割れ発生をできるだけ遅らせたいというニーズに応えるため、従来溶接材とは異なる組成で、ダイカスト金型の溶接補修に適した「DHW」を開発いたしました。このDHWを用いることで、ヒートチェックと呼ばれる割れの発生を遅らせ、従来材よりも金型の補修期間の延長が可能であります。DHWは、2012年10月に改正された特定化学物質障害予防規則等に対応したコバルトを含まない溶接材であります。

(2)機能材料・磁性材料

当社が中心となり、耐食・耐熱材料、高級帯鋼、接合材料、電磁材料等の素材開発および電子デバイスの研究開発を行っております。また当社および連結子会社㈱ダイドー電子が中心となり、磁石の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は23億88百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・重希土類元素フリー型ネオジム系熱間加工磁石
高磁力と高耐熱性を兼ね備え、さらに希少かつ高価なジスプロシウム、テルビウムといった重希土類元素を一切使用しない重希土類元素フリー型Nd-Fe-B(ネオジム-鉄-ボロン)系熱間加工磁石「ND-40SHF」を開発いたしました。新しく開発した熱間塑性加工法および磁石組成により、重希土類元素フリー型としては、世界最高レベルの高磁力と高耐熱性を達成いたしました。
今後成長が見込まれる自動車用EPS市場を中心に、各種車載モータ、産業機器モータ、OA・家電モータ向けに、㈱ダイドー電子が2014年から量産拡大を図っております。
・省重希土類元素型超高性能PLP磁石の量産技術開発
重希土類元素の使用量を大幅に削減しつつ高い磁力と超高耐熱性を両立させるPLP(Pressless Process)磁石の量産技術を開発いたしました。三菱商事㈱、米国モリコープ・インクと共同で設立したインターメタリックス ジャパン㈱にて昨年より量産製造を開始し、電気自動車や省エネ業務用エアコンなどへのニーズに対応しております。
・GIG型磁気センサ(量産ラインの構築および販売開始)
磁界に対する出力特性がMR磁気センサより高性能であるGIG型磁気センサの市場浸透を狙い、研究開発活動を継続しております。本磁気センサは公益財団法人電磁材料研究所殿により発明され、当社の薄膜製造技術と量産化技術を用いた共同研究により実現できたものです。本製品は高感度・低消費電力が求められる磁気識別センサや電流センサなど工業用途での適用が期待されます。

・タッチパネル銅配線バリア膜用ターゲット材の開発
タッチパネルなどの銅配線バリア膜用としてニッケル―銅―チタン系のターゲット材「NCT」を開発いたしました。大型デバイス機器などのタッチパネルで、主流のアルミ配線から導電性の高い銅配線に一部移行する動きが出始めており、銅の拡散防止性(バリア性)や密着性、耐腐食性にすぐれる特長を生かして、採用され始めております。
・高窒素ステンレス鋼
窒素はステンレス鋼において強度・耐食性の両方を向上させる有効な元素であります。当社では、この窒素の効果を大気圧溶解で添加可能な範囲で最大限に利用し、58HRC以上の硬さとSUS630相当の耐食性を両立させた高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼を開発いたしました。この高い硬さと耐食性を有する開発鋼は、従来のマルテンサイト系ステンレス鋼では適用が難しかった厳しい腐食環境下で利用が可能であり、すでに機械刃物などに採用が予定されております。今後は、軸受やバルブ部品など幅広い用途に採用されることが期待されております。

(3)自動車部品・産業機械部品

主に当社が中心となり、エンジンバルブ等の自動車部品および各種産業機械部品の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は11億64百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・内部欠陥および外観検査の自動化技術開発
当社では、自動車用素材や部品の機器検査能力の強化と検査員の少人による生産効率化を目的として、各種検査技術を開発しております。素材については、丸棒鋼の内部欠陥検査に超音波探傷を用いていますが、より微細な欠陥や介在物を検出するために、アレイ超音波探傷手法を技術確立し、実用化を進めております。また、非磁性黒皮素材の表面キズ検査については、渦流探傷手法を適用してキズとノイズとの弁別性能を向上させるための技術を開発し、実用化を目指しております。
部品については、従来、目視検査で対応していた鍛造部品や鋳造部品の外観検査自動化技術を開発しております。外観検査は、CCDカメラやレーザ光を利用し、ワレ、カケ、異物付着、打痕などの外観不良を検出するもので、そのためのハードウェア設計やソフトウェア開発を独自に行っております。

(4)エンジニアリング

主に当社が中心となり、環境保全・リサイクル設備や省エネルギー型各種工業炉等の開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は1億62百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては次のものがあります。
・超小型バッチ真空浸炭炉「シンクロサーモ」の性能実証
自動車部品の高機能化・長寿命化を実現する真空浸炭設備は、ドイツ・ALD社から先行して技術導入を行った「モジュールサーモ」が国内カーメーカーを中心に市場に浸透しつつありますが、新たに同社との間で超小型バッチ真空浸炭炉「シンクロサーモ」に関する技術提携を結び、当社滝春テクノセンター(名古屋市)内に実証設備を設置、お客様の試作などに対応しながら本設備の優れた熱処理性能を実証しております。
従来の浸炭炉は一度に数百個の製品を段積みして投入しておりましたが、シンクロサーモの処理単位は1段トレーに積載される10~20個であり、工程間在庫を抱えることなく「オンデマンド」の浸炭処理が可能です。
このような新コンセプトの下で開発された当社のシンクロサーモは、先行機種のモジュールサーモ同様に国内カーメーカー、部品メーカー各社から多数の引合を既に頂いております。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01239] S10024KF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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