有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10050M3
メタウォーター株式会社 事業の内容 (2015年3月期)
当社グループは、当社、連結子会社5社、非連結子会社10社及び関連会社9社で構成されており、浄水場・下水処理場、ごみ処理施設・リサイクル施設等の機械・電気設備の設計・建設にかかわる事業と、これら機械・電気設備の補修工事・維持管理(保守・点検)、及び運転管理等の各種サービスの提供を主な事業としております。
機械技術と電気技術をあわせ持つ幅広いソリューションを提供する企業として、日本全国に約40ヶ所の事業所・営業所・サービスステーションを配置し、主な顧客を自治体として、2,000以上の施設に設備を納入しているほか、70以上の施設で維持管理・運転管理を行っています。
当社グループは、次の企業理念に基づき、事業活動を行っております。
水は地球にとってかけがえのない資源。
「限りある水」
その循環を創り出すことは、明日の地球を支えることです。
私たちは、先進のコア技術を活かしたエンジニアリング企業として
「水資源の最適解」を提供します。
いつでも どこでも だれもが
水と共に安心して生きることができる社会を願い
たゆまぬ挑戦を続けていきます。
(1) 当社グループのバリューチェーン
図 - 当社グループのバリューチェーン
① 営業
当社グループは国内を中心に事業展開し、浄水場・下水処理場に機械・電気設備の納入やその運転管理・保守・点検等を行っております。顧客に密着した営業活動を行うため、国内を9つのエリア(北海道、東北、関東、東京、中日本、西日本、中四国、九州、沖縄)に分割し、それぞれのエリアを管轄する営業部門を設置しております。各エリアで地元企業とのアライアンスを推進し、機械・電気設備の改修、維持管理等の受注を拡大するために、顧客へのきめ細かいサービスの提供と顧客ニーズの把握に努めています。
海外においては、米国に販売子会社、オランダ、ベトナム、カンボジアに駐在員事務所を設置しております。特に、市場規模が大きく、環境対策へのニーズが高い米国と欧州を重点エリアに設定しております。
米国では2013年1月にMETAWATER USA,INC.を設立し、上下水道市場に当社グループの差別化技術・商品を展開しております。また、欧州ではオランダのRood Wit Blauw Holding B.V.と資本提携を行い、事業拡大に向けた基盤構築を進めております。
② エンジニアリング
当社グループは、浄水場・下水処理場、ごみ処理施設・リサイクル施設等の機械・電気設備の設計・建設(現地据付工事等・試運転等含む)に豊富な実績を有しています。機械・電気設備の設計・建設等のエンジニアリングは、当社のプラントエンジニアリング事業本部を中心に行っております。プラントエンジニアリング事業本部では、顧客への技術提案やプロジェクト原価算出などの受注支援と、プロジェクト管理・設計・調達・現地建設等を含むプロジェクトの全体とりまとめの役割を担っております。更に、浄水場設備と下水処理場設備等で求められる技術分野毎に部門を構成し、プロジェクトを遂行しております。なお、機械・電気設備の各種機器、及び現地据付工事の一部を外部委託しております
今後は、エリア毎、機械・電気設備毎の受注拡大による売上増と、コストダウンの促進による利益拡大を図ってまいります。
③ 運転・維持管理
当社グループは、浄水場・下水処理場等の機械・電気設備の知識・技術力を活かして、浄水処理、下水・雨水処理等の運転管理・維持管理を行っております。運転・維持管理は、当社のサービスソリューション事業本部を中心として行っております。
サービスソリューション事業本部では、PFI(※1)/DBO(※2)の受注支援、事業化に係るスキーム構築、事業計画の立案、及び浄水場・下水処理場の集中監視・操作、巡視点検、設備保全、緊急出動等の実施・管理を行っております。また、当社グループが納入した機械・電気設備の補修・点検を行っております。浄水場・下水処理場の運転、設備のメンテナンスを通して、顧客の課題の把握・掘り起こしを行い、最適なソリューションを提案しております。
※1.PFI:Private Finance Initiative
民間の資金、経営能力、技術力を活かして、公共施設等の建設・運営・維持管理等を行うこと。
※2.DBO:Design-Build-Operate
公共部門が資金調達を行い、民間が公共施設等の設計・建設・運営を行うこと。
④ 研究開発
当社グループは、統合前の2社(㈱NGK水環境システムズ、富士電機水環境システムズ㈱)から引き継いだ技術により、上下水道事業のニーズを満たした技術開発・商品開発を行っております。研究開発活動は、当社のR&Dセンターを中心として行っております。R&Dセンターでは、水・環境分野に関わる基礎的な要素技術及び次世代の応用技術の研究開発に取り組んでいます。また、官公庁や大学、エンジニアリング会社や部材・装置メーカー等と連携し、顧客・市場の潜在ニーズの探索及びニーズに合わせた研究開発を積極的に推進しております。
特に、国土交通省の推進する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)では、2011年度から2014年度までの間に、当社グループの参画する提案が3度採択されております。なかでも2011年度に採択された提案は、下水処理の効率化、使用電力の最適化、バイオガスによる発電などの省エネ・創エネ技術が認められ、実用段階まで進んでいます。
(2) 市場動向と当社グループの事業セグメント
わが国の水道普及率は97.7%(2014年3月31日現在)、下水道普及率は77.0%(2014年3月31日現在)に達しており、新規の上下水道施設建設は減少傾向にある一方で、これまでに建設された多くの上下水道施設は、老朽化による更新時期を迎えております。
日本の総人口の低下に伴う上下水道料金収入の減少等を背景に事業費が縮減しているなか、上下水道職員の高齢化に伴う人材の不足が懸念されており、これまで自治体が直接運営・管理していた上下水道事業において、民間企業への事業委託領域が拡大しており、民間による浄水場・下水処理場の効率的な運転・維持管理が期待されております。
当社グループは、上下水道事業の浄水場・下水処理場内の浄水・水処理プロセス、及び汚泥処理プロセスの設計から維持管理を事業領域としております。セグメントは機能毎に「プラントエンジニアリング事業」と「サービスソリューション事業」に大別しています。各セグメントの特徴は次のとおりです。
(注)1. 水道普及率は厚生労働省ホームページ、下水道普及率は公益社団法人日本下水道協会ホームページを参照しております。上下水道普及率は、東日本大震災の影響により福島県を除く割合になっております。
図-上下水道事業と当社の事業領域
(プラントエンジニアリング事業)
当セグメントでは、国内外の浄水場・下水処理場等の機械・電気設備の設計・建設及びこれらの設備で使用される各種機器類の設計・調達・販売を主たる業務としております。機械技術と電気技術を得意とする2社が統合して設立された当社は、世界的にユニークな機電融合技術と商品開発力により、浄水場・下水処理場の省エネ・省人・省資源化に貢献しております。
当社グループにおいて、国内のプラントエンジニアリング事業を担う会社は、当社、子会社の㈱エス・アイ・シー及び㈱あけぼのエンジニアリングです。
海外については、将来的に人口成長が期待でき、環境対策のニーズが高い米国と欧州でプラントエンジニアリング事業の拡大を図っております。米国では、現地法人である子会社のMETAWATER USA,INC.が水処理システムの販売とエンジニアリングを展開し、欧州では、オランダのエンジニアリング会社であるRood Wit Blauw Holding B.V.と資本提携を行い、セラミック膜ろ過システム等の販売とエンジニアリングを展開しております。
当セグメントにおける受注プロジェクトを構成する主要な製品は下表のとおりです。
表 - プラントエンジニアリング事業の主要製品
区分 | 主要製品等 |
上水道 | 浄水場のろ過と、その工程で発生した汚泥を処理する機械設備、及び浄水場を運転するための受変電設備、計装設備、監視制御設備等の電気設備等 例 ・セラミック膜ろ過システム: 主に浄水プロセスに使用する当社グループ独自の機械設備 原虫類や細菌を除去する高い処理性、急激な濁度変化にも対応する安定性、薬品や熱・圧力に対する耐久性、長寿命等が特長 欧米へのセラミック膜の供給及び新興国への車載式セラミック膜ろ過装置の納入実績有 ・排水処理システム: 水道水を造る過程で排出される汚泥を効率的に処理する設備 ・オゾン処理システム: 主に浄水プロセスに使用する機械設備 独自方式のオゾン発生管による高効率のオゾン発生装置によりオゾンガスを発生させ、オゾンガスの持つ強力な酸化力により水の脱臭、脱色、殺菌を行うシステム |
下水道 | 散気装置、汚泥脱水機、汚泥焼却炉、高速ろ過システム等の機械設備、下水処理場を運転するための受変電設備、監視制御設備、計装設備等の電気設備、及び下水汚泥のガス化・燃料化システムなど水環境分野向けエネルギー技術等 例 ・下水処理システム: 生活排水や工場排水を、河川等に放流できる水質に処理する設備 ・汚泥焼却システム: 主に汚泥処理プロセスに使用する機械設備 機械技術と電気技術の融合により温室効果ガスの発生を抑制しながら、汚泥を効率よく処理・有効利用するためのシステム ・高速ろ過システム: 主に汚水と雨水の合流式下水施設の下水処理プロセスに使用する機械設備 独自のろ材により水に含まれる爽雑物等を高速かつ効率よく除去するためのシステム |
上下水共通 | 浄水場・下水処理場の水処理プラント監視制御技術等 例 ・受変電設備、計装設備、監視制御設備: 浄水場、下水処理場等を運転するための電気設備 施設の全体最適化やライフサイクルコストの低減に貢献するための設備 |
(サービスソリューション事業)
当セグメントは、国内の浄水場・下水処理場等の機械・電気装置、及び設備で使用される各種機器類の補修工事・維持管理、及び運転管理等の各種サービスで構成されております。また、ごみ処理施設・リサイクル施設の各設備に対応した延命化・改修の提案を行っております。
上下水道事業の民間企業への事業委託領域が拡大するなかで、当社グループはPFI/DBO案件を数多く手掛けております。当社グループは、上下水道事業において1999年度から2014年度にかけてPFI/DBO案件46件(当社調べ)のうち、19件の受注実績があり、浄水場・下水処理場の効率的な運営と収益獲得ノウハウを保有しております。
また、全国約40拠点、約300名のカスタマーエンジニアが浄水場・下水処理場の機械・電気設備を保守・点検できる体制を構築しております。さらに、独自のICT基盤を保有し、機械・電気設備の運転データ、水質データ等の各種情報を蓄積・分析・評価することで、平常時・緊急時に対応可能な運転管理技術の改良・強化に取り組み、安心・安全・安定した水の提供に貢献しております。
また、当セグメントでは、家庭から出るごみ等の一般廃棄物をリサイクルできるように中間処理・焼却処理する施設、及び民間の製造工場における水処理設備の設計・建設や施設の延命化提案や、ごみ処理施設等の運転管理や機械・電気設備のメンテナンス、現場施工管理等も行っております。
当社グループにおいて、サービスソリューション事業を担う会社は当社、子会社のメタウォーターサービス㈱及び鳥電商事㈱、SPCとして設立した子会社のウォーターネクスト横浜㈱、テクノクリーン北総㈱及び㈱アクアサービスあいち等です。
当セグメントにおける受注プロジェクトを構成する主要なサービスは以下のとおりです。
表 – サービスソリューション事業の主要サービス・製品
区分 | 主要なサービス・製品等 |
補修工事 | 経年劣化した機械・電気設備、各種機器類の取り替え、及び一部修繕の実施等 |
維持管理 | 浄水場・下水処理場等の機械・電気設備の点検、経年劣化状況の把握、及び最適なメンテナンスの実施 |
運転管理 | 浄水場・下水処理場等の中央監視制御室における操作、機械・電気設備の定期点検、交換、非常時の対応処置等 例 ・WBC(ウォータービジネスクラウド): ICT(情報通信)技術を活かして、複数の自治体・企業間で必要なデータ・情報・技術を共有・共用し、施設の運営、維持管理をサポー卜するクラウド型のプラットフォーム 監視装置や点検用スマートデバイスを通じて様々な情報をクラウドに集積し、それを活用することで事業運営の効率化、ライフサイクルコストの低減、技術・ノウハウの伝承が可能とするサービス |
その他 | 都市ごみから、再資源化可能な物質の選別・圧縮梱包処理や炭化物の製造・回収・有効利用、及び廃棄物減溶化とクリーンエネルギー創出のためのシステム等 例 ・リサイクルプラザ: 家庭や事業所等から排出される廃棄物の中から、鉄・アルミ・プラスチック類等の再資源化可能物質を選別・圧縮梱包する施設 ・廃棄物資源化システム: ごみ等の廃棄物からメタンや炭化物等の利用可能な資源を造る設備 ・汚泥減容システム: 水処理プロセスで発生する汚泥や食料残渣等からクリーンエネルギーを創出し、汚泥の減容化を図る設備 |
以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
図 – 事業系統図
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 経営上の重要な契約等
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
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