有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10021RT
JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、地球環境保全に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ技術開発会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
当連結会計年度における研究開発費は31,177百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業29,283百万円、エンジニアリング事業1,874百万円であります。
また、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は以下のとおりです。
(1) 鉄鋼事業
鉄鋼事業では、10年先を見据えてお客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術開発、世界最高水準の地球環境技術や省資源技術の開発を加速するとともに、プロセス革新による画期的新商品の創出と高品質商品製造技術の確立を強力に推進しております。
当連結会計年度の主な成果としては、自動車用薄鋼板分野では、車体骨格向けに伸び特性に加えて伸びフランジ特性も従来より向上させた590~980MPa級の高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板の開発を完了しました。これまでより複雑な形状にプレス加工をすることができ、ハイテン適用部品の拡大に貢献します。既に980MPa級まで積極的に採用が検討されております。また、炭素含有量0.35%のJIS機械構造用炭素鋼(S35C)と比べて加工性を飛躍的に高めた新高炭素熱延鋼板「スーパーホット® -G」を開発いたしました。熱延鋼板でありながら、板厚3mmで±0.08mmの厚さ許容差という、冷延鋼板に匹敵する良好な板厚精度を有する「スーパーホット® 」シリーズの製品ラインナップを拡充しました。旋削性およびドリル切削性に優れた焼結機械部品用鉄粉「JIP クリーンミックス JFM®X」を開発いたしました。鉄系焼結機械部品は、形状の自由度を生かし、従来よりエンジン部品などの自動車部品を中心に適用されています。高精度化や多機能化に対応するための切削加工が施される部品も多く、部品製造コストの低減を実現する上では、切削加工費の低減が重要な課題となっております。
建材分野では、国内最厚となる板厚25mmの建築構造用冷間ロール成形角形鋼管「JBCR295」を開発し、国土交通大臣の認定を取得いたしました。さらに、設計上の利便性を高めるため、一般的なロールコラムである「BCR295」と同様の設計指標の適用を認める一般財団法人日本建築センターの設計法の評定を取得いたしました。この結果、当社は建築構造用ロールコラムの標準供給サイズを、全38サイズへと拡充しました。また、TMCP(Thermo-Mechanical Control Process(熱加工制御))技術を活用した、建築構造用高性能590N/mm2級TMCP鋼材「HBL®440」の製造板厚範囲を100mmまで拡大し国土交通大臣の認定を取得いたしました。今回板厚50~100mmまでの極厚領域の開発を完了し、4面ボックス柱を含む、建築鉄骨のあらゆる部材への対応が可能となりました。
エネルギー分野では、世界で初めて「API X80グレードの管厚1インチ(25.4mm) 電縫鋼管」を開発し、石油・天然ガス掘削機器製造で世界最大手のDril Quip社およびGE Oil&Gas社からコンダクターケーシング用の電縫鋼管として初受注いたしました。
プロセス・環境分野では、革新的な高炉原料である「フェロコークス」の製造プロセス技術開発の一環として、東日本製鉄所(京浜地区)に建設したパイロットプラントで長期製造試験を実施し、安定的に製造できることを確認いたしました。製造したサンプルを実高炉において使用試験を5日間行い、安定操業を維持しつつ還元材比およびコークス比が低減できることを確認いたしました。今後、実用化にむけてさらに開発を推進してまいります。従来より開発しておりました熱電発電技術が、東日本製鉄所(京浜地区)における実証試験によって、計画通りの発電出力が得られ製鉄所内で有効利用できることを確認いたしました。発電時のCO2排出が全くないクリーンなエネルギーの研究開発を促進してまいります。さらに、横浜市との間で、鉄鋼スラグ製品を用いた生物の生息環境改善と水質浄化の向上を検討する共同研究に関する協定を2013年9月11日に締結いたしました。これに基づき、横浜市の山下公園前海域で、鉄鋼スラグ製品を活用した共同研究を開始いたしました。
製鋼分野でも、革新的転炉型溶銑予備処理プロセスを確立し、脱珪工程で発生する二酸化珪素を一旦排出することによって脱リン時の反応効率低下を抑止し、副原料使用量の大幅削減、資源の節約とエネルギーの削減に寄与しております。
鉄鋼材料・鉄鋼製造プロセスの評価・分析分野では、鉄鋼中に存在する硫黄の含有量を0.1ppmレベル(1ppmは100万分の1)まで分析できる装置を世界で初めて開発いたしました。独自の「高周波燃焼-紫外線蛍光法」を用いており、従来の分析方法に比べ10倍以上の精度での測定を可能としました。
当社が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、超大入熱溶接用高強度鋼板が第5回「ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」を受賞いたしました。第3回、第4回に続いて3回連続となります。また、耐震ラインパイプ「HIPER®」が、米国の技術情報誌である「R&D Magazine」が主催する「2013 R&D 100 Awards」を受賞し、世界的にも当社独自の高機能商品が高く評価されました。「HIPER®」は財団法人大河内記念会から第60回「大河内記念技術賞」も受賞いたしました。大河内賞は5年連続での受賞になります。
そのほか、使用済みプラスチック微粉砕技術「APR(Advanced Plastic Recycling)」が、第40回「岩谷直治記念賞」を受賞いたしました。高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システムが、財団法人機械振興協会から第11回「新機械振興賞」の“会長賞”を受賞いたしました。今回の受賞は、当社が開発した世界初の電縫管の溶接品質の非破壊全長評価を実施したオンライン検査システムの独創性、革新性、経済性が高く評価されたものであります。
(2) エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、「新商品の創出と早期市場投入」「コア商品の大幅機能向上」という方針に基づき、研究開発を推進しています。当連結会計年度は、前年度に引き続きエネルギー、環境分野の開発に投資を集中しました。具体的には、シェールガスに関連したLNG受入技術、燃焼改善や燃料の多様化による環境プラントの大幅機能向上などに取組んでいます。また、新たな成長分野として、農業および医療分野にも取り組み、当社保有技術を活かした技術開発を行っています。
当連結会計年度の主な研究開発成果としては、コンパクトかつ低空気比燃焼等により発電効率を向上させた「新型ストーカ炉」の市場投入や、従来の液体薬剤に代わり顆粒薬剤を使用したバラスト水処理装置「バラストエース」新モデルの追加、等が挙げられます。また、ガスエンジンコージェネレーションシステムでは「コージェネ大賞」民生用部門優秀賞を受賞しました。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ技術開発会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
当連結会計年度における研究開発費は31,177百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業29,283百万円、エンジニアリング事業1,874百万円であります。
また、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は以下のとおりです。
(1) 鉄鋼事業
鉄鋼事業では、10年先を見据えてお客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術開発、世界最高水準の地球環境技術や省資源技術の開発を加速するとともに、プロセス革新による画期的新商品の創出と高品質商品製造技術の確立を強力に推進しております。
当連結会計年度の主な成果としては、自動車用薄鋼板分野では、車体骨格向けに伸び特性に加えて伸びフランジ特性も従来より向上させた590~980MPa級の高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板の開発を完了しました。これまでより複雑な形状にプレス加工をすることができ、ハイテン適用部品の拡大に貢献します。既に980MPa級まで積極的に採用が検討されております。また、炭素含有量0.35%のJIS機械構造用炭素鋼(S35C)と比べて加工性を飛躍的に高めた新高炭素熱延鋼板「スーパーホット® -G」を開発いたしました。熱延鋼板でありながら、板厚3mmで±0.08mmの厚さ許容差という、冷延鋼板に匹敵する良好な板厚精度を有する「スーパーホット® 」シリーズの製品ラインナップを拡充しました。旋削性およびドリル切削性に優れた焼結機械部品用鉄粉「JIP クリーンミックス JFM®X」を開発いたしました。鉄系焼結機械部品は、形状の自由度を生かし、従来よりエンジン部品などの自動車部品を中心に適用されています。高精度化や多機能化に対応するための切削加工が施される部品も多く、部品製造コストの低減を実現する上では、切削加工費の低減が重要な課題となっております。
建材分野では、国内最厚となる板厚25mmの建築構造用冷間ロール成形角形鋼管「JBCR295」を開発し、国土交通大臣の認定を取得いたしました。さらに、設計上の利便性を高めるため、一般的なロールコラムである「BCR295」と同様の設計指標の適用を認める一般財団法人日本建築センターの設計法の評定を取得いたしました。この結果、当社は建築構造用ロールコラムの標準供給サイズを、全38サイズへと拡充しました。また、TMCP(Thermo-Mechanical Control Process(熱加工制御))技術を活用した、建築構造用高性能590N/mm2級TMCP鋼材「HBL®440」の製造板厚範囲を100mmまで拡大し国土交通大臣の認定を取得いたしました。今回板厚50~100mmまでの極厚領域の開発を完了し、4面ボックス柱を含む、建築鉄骨のあらゆる部材への対応が可能となりました。
エネルギー分野では、世界で初めて「API X80グレードの管厚1インチ(25.4mm) 電縫鋼管」を開発し、石油・天然ガス掘削機器製造で世界最大手のDril Quip社およびGE Oil&Gas社からコンダクターケーシング用の電縫鋼管として初受注いたしました。
プロセス・環境分野では、革新的な高炉原料である「フェロコークス」の製造プロセス技術開発の一環として、東日本製鉄所(京浜地区)に建設したパイロットプラントで長期製造試験を実施し、安定的に製造できることを確認いたしました。製造したサンプルを実高炉において使用試験を5日間行い、安定操業を維持しつつ還元材比およびコークス比が低減できることを確認いたしました。今後、実用化にむけてさらに開発を推進してまいります。従来より開発しておりました熱電発電技術が、東日本製鉄所(京浜地区)における実証試験によって、計画通りの発電出力が得られ製鉄所内で有効利用できることを確認いたしました。発電時のCO2排出が全くないクリーンなエネルギーの研究開発を促進してまいります。さらに、横浜市との間で、鉄鋼スラグ製品を用いた生物の生息環境改善と水質浄化の向上を検討する共同研究に関する協定を2013年9月11日に締結いたしました。これに基づき、横浜市の山下公園前海域で、鉄鋼スラグ製品を活用した共同研究を開始いたしました。
製鋼分野でも、革新的転炉型溶銑予備処理プロセスを確立し、脱珪工程で発生する二酸化珪素を一旦排出することによって脱リン時の反応効率低下を抑止し、副原料使用量の大幅削減、資源の節約とエネルギーの削減に寄与しております。
鉄鋼材料・鉄鋼製造プロセスの評価・分析分野では、鉄鋼中に存在する硫黄の含有量を0.1ppmレベル(1ppmは100万分の1)まで分析できる装置を世界で初めて開発いたしました。独自の「高周波燃焼-紫外線蛍光法」を用いており、従来の分析方法に比べ10倍以上の精度での測定を可能としました。
当社が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、超大入熱溶接用高強度鋼板が第5回「ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」を受賞いたしました。第3回、第4回に続いて3回連続となります。また、耐震ラインパイプ「HIPER®」が、米国の技術情報誌である「R&D Magazine」が主催する「2013 R&D 100 Awards」を受賞し、世界的にも当社独自の高機能商品が高く評価されました。「HIPER®」は財団法人大河内記念会から第60回「大河内記念技術賞」も受賞いたしました。大河内賞は5年連続での受賞になります。
そのほか、使用済みプラスチック微粉砕技術「APR(Advanced Plastic Recycling)」が、第40回「岩谷直治記念賞」を受賞いたしました。高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システムが、財団法人機械振興協会から第11回「新機械振興賞」の“会長賞”を受賞いたしました。今回の受賞は、当社が開発した世界初の電縫管の溶接品質の非破壊全長評価を実施したオンライン検査システムの独創性、革新性、経済性が高く評価されたものであります。
(2) エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、「新商品の創出と早期市場投入」「コア商品の大幅機能向上」という方針に基づき、研究開発を推進しています。当連結会計年度は、前年度に引き続きエネルギー、環境分野の開発に投資を集中しました。具体的には、シェールガスに関連したLNG受入技術、燃焼改善や燃料の多様化による環境プラントの大幅機能向上などに取組んでいます。また、新たな成長分野として、農業および医療分野にも取り組み、当社保有技術を活かした技術開発を行っています。
当連結会計年度の主な研究開発成果としては、コンパクトかつ低空気比燃焼等により発電効率を向上させた「新型ストーカ炉」の市場投入や、従来の液体薬剤に代わり顆粒薬剤を使用したバラスト水処理装置「バラストエース」新モデルの追加、等が挙げられます。また、ガスエンジンコージェネレーションシステムでは「コージェネ大賞」民生用部門優秀賞を受賞しました。
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