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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002285

有価証券報告書抜粋 株式会社栗本鐵工所 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは有用な製品とサービスを社会に提供して、人類社会の幸福に貢献するという企業理念のもと、基盤となる事業ドメイン「社会インフラ」及び「産業設備」において、鋭意研究開発活動に努めている。近年は新事業創造に向けた研究開発成果の早期創出を目指して、コーポレート研究開発部門(クリモト創造技術研究所)と各事業部門との連携をより一層強化しており、市場直結型の技術開発を推進すると共に、オンリーワンの高機能材料ならびにその生産プロセスの開発に取り組んでいる。
当連結会計年度の研究費の総額は1,563百万円であり、セグメント別の研究開発費は、パイプシステム事業426百万円、機械システム事業187百万円、産業建設資材事業131百万円である。主な研究概要とその成果については次の通りである。なお、研究開発費については、開発部門で行っている各事業部門に配分できない基礎研究費用818百万円が含まれている。

~主要研究開発活動~
(社会インフラ関連)
①水道管路耐震化に向けた製品の開発
地震多発国であるわが国において、管路の耐震化が喫緊の課題であり、減災という観点から末端給水部までの耐震化ニーズが高まっている。このような背景から、業界初のS50形耐震管を開発し、2012年10月販売を開始した。大規模事業体の試験施工を経て2013年8月、「S50形ダクタイル鉄管」として日本ダクタイル鉄管協会規格に制定された。
一方、水道施設は機能維持と強靭化が喫緊の課題であるが、管路の更新・耐震化促進に資するために開発された新型耐震管GX形(75mm~250mm)は順調に採用が増加し、2014年度からは東京都も正式採用し、殆どの政令指定都市が採用するに至っている。
GX形やS50形の外面塗装は耐久性を大幅に高めることによりライフサイクルコストを大幅に低減している(通称100年鉄管)。この高耐食塗装については独自に研究開発を重ねてきており、新たに高品質、低コストの塗装を開発した。今年度、製品への適用を進めていく予定である。

②インフラ向け更新管の開発及び交通インフラ向け新規商材の開発
当社は連続FW成形技術をコア技術として、電力ケーブル保護管、下水道管及び農業用水管など主にインフラ事業分野向けにFRP(M)管を販売してきた。近年、インフラ事業の新設投資は成熟期を迎え、既存設備の更新や寿命延長が課題となっている。そこで、当社はその分野で培った技術力を生かし、施工性に優れ、且つ高耐震性、高強度を有した更新管及び継手の開発に注力している。今後、この分野における製品開発を加速させ、既に市場投入している電力用可撓継手の他、インフラ分野向けに順次、新製品を投入していく予定である。また、自動車を代表とする交通インフラ分野に対しても、コンポジット材料の新規参入を進めている。
FW成形:フィラメントワインディングと呼ばれるFRP成形法の一種。

(産業設備関連)
①二次電池向けプラント開発
当社の長年の粉体装置事業を基盤とし、リチウムイオンを主とする二次電池市場へ装置・システム・プラントで積極参入すべくプロジェクトを2年前より立上げこれまで以上に活動を推進している。その一環として、営業活動、PR効果促進、技術ノウハウの獲得・構築及び各装置の改良・改善のため、当社住吉工場内に、電池スラリーの混練設備、電池原料の乾燥・焼成・粉砕設備を配置した二次電池用のテストセンターを設置した。市場商品の無制御ゾーンを排除した信頼性のある高精度供給装置、摩耗に対するコンタミレス等に改良を加えた設備であり、本センターで顧客対応実証実験と自主実験による研究開発を進め、さらに創意工夫を重ねて改良・改善を行ない、営業展開を強めている。

②新型プレス C2Pの開発
近年の鍛造プレスは、騒音やメンテナンスの問題からクラッチブレーキが乾式から湿式に代わってきている。当社では現在、湿式クラッチブレーキの開発を行っており、それを採用した鍛造プレス及び自由なモーション設定可能なサーボプレスのC2Pシリーズの開発を進めている。また、住吉工場にC2Pプレスの試作機を設置して鍛造の研究開発を行い、営業活動を強めていく予定である。

(クリモト創造技術研究所関連)
磁気粘性流体(MRF)の開発
磁気粘性流体とは、油の中に鉄微粒子を分散させた機能性流体である。通常は流動性のある液体状態であるが、磁力を与えると急激に粘性が増して半固体状態になる。この特徴を利用して、自動車向けダンパー等に実用化されている。当社では、鉄微粒子を今までより小さいナノサイズにしたMRF(商標名:SoftMRFR)を新たに開発し、従来適用が少なかったクラッチ、ブレーキ等の回転系デバイスへの採用に向けて取り組んでいる。鉄微粒子のナノサイズ化によって、流体の再分散性、耐久性及び回転デバイスに封入した際の触感の向上が期待される。今後、市場拡大が予想されるハプティクスデバイス*関連分野での実用化を目指して、パイロットプラントによりコストダウンと安定生産技術の確立を進めている。
*ハプティクスデバイス:人間が手などを使って得る触覚や力覚を情報として扱う学問分野をハプティクスと称し、ここではナノMRFを使って主に力覚を人工的に与えられるデバイスを指す。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01268] S1002285)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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