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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1006GEC

有価証券報告書抜粋 株式会社 ホクリヨウ 事業等のリスク (2015年8月期)


対処すべき課題メニュー経営上の重要な契約等

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因になる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業環境に関するリスク
① 鶏卵相場の変動性
当社グループは鶏卵を主力商品として生産及び販売しており、鶏卵相場の変動によるリスクにさらされております。当社グループでは、相場変動リスクを軽減するため、鶏卵相場に左右されない固定単価での販売可能な特殊卵へのシフトを進めてきた結果、道内鶏卵販売額の約30%が特殊卵となっております。また、鶏卵相場の変動に対する負担増が軽減される卵価安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、国内の需要バランスが崩れ供給過剰となり、鶏卵相場の低迷が長期にわたった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(注) 鶏卵生産者経営安定対策事業(通称 卵価安定基金制度)について
本制度は卵価低落時に価格差補填交付金を交付することによって鶏卵生産者の経営の安定を図るもので現在は一般社団法人日本養鶏協会が事業主体となっています。
まず、毎年「補填基準価格」が決められますが、2013年度(2013年4月~2014年3月)はキロ186円、2014年度(2014年4月~2015年3月)はキロ187円、2015年度(2015年4月~2016年3月)はキロ188円でした。「標準取引価格」(JA全農たまご株式会社の東日本営業所(東京相場)と同西日本営業所(大阪相場)の加重平均取引価格…取引の実績)が補填基準価格を下回った場合、下回った価格の90%が交付される仕組みです。加入者はキロ当たり5円75銭の積立を行います。また、支給額の25%は国からの補助金となります(2015年3月31日現在)。
なお、2014年度から制度が変わり、標準取引価格が安定基準価格(2015年度167円)を下回ると飼養羽数40万羽以上の生産者には価格補てんはされず、その代り60日以上の空舎期間を設けた場合(早期淘汰---通常は30日の空舎期間です)に1羽210円の奨励金が交付されることになりました。すなわち、大手生産者が減羽することにより相場の早期回復を図ることを目的としたものになっております。なお、当社グループは40万羽以上の生産者に該当します。
卵価安定基金支払及び卵価安定基金収入は販売費及び一般管理費で計上しております。

② 業績の季節変動について
当社グループの売上高及び営業利益は上述の通り、鶏卵相場の推移によって大きく変動します。例年、鶏卵相場は8月後半から9月にかけて上昇し、10~12月の需要期に高値推移し、1月の初市で大きく下落しますが2月にかけて上昇し、4月までは比較的高値圏で推移し、5月の連休以降は下落傾向になり、夏場にかけてはかなり下落するという一定のリズムの季節変動性を持っています。
この要因は気候の良くなる春先から一羽あたりの産卵が向上する反面、暑い夏場に向けて外食産業や一般家庭の消費が減退し、供給過剰になるためです。逆に、秋から冬にかけて卵価は高くなりますが、これは鍋物、クリスマスケーキなどに代表される冬季食品の伸びによる需要の増加のためです。
このような鶏卵相場特有の季節的変動のため、業績の比重が上期に高く、当社グループの利益は第2四半期連結累計期間に偏重する傾向があります。ただし、第67期連結会計年度は下期の鶏卵相場が予想以上に高止まり推移したこと等から、下記のとおり下期の業績比重が高く推移いたしました。
(単位:千円)
第67期連結会計年度(2015年8月期)
第1四半期
(9月~11月)
第2四半期
(12月~2月)
第3四半期
(3月~5月)
第4四半期
(6月~8月)
通期
売上高3,849,0293,747,8813,947,8134,047,15915,591,883
営業利益334,023155,506339,909206,7831,036,222
(通期に対する比率)(32.2%)(15.0%)(32.8%)(20.0%)(100.0%)
鶏卵相場
(北海道Mサイズ平均)
219円209円221円217円217円

③ 疫病等による需要減退
2004年に国内で79年ぶりに強毒性の鳥インフルエンザが発生したことに伴い、一時的に全国的な鶏卵の消費減退がありました。翌年も茨城県で鳥インフルエンザが発生しましたが、前年に引き続いての発生で消費者側にも鳥インフルエンザに対して一定の知識があり、前回のような強毒性ではなく弱毒性の鳥インフルエンザだったこともあり、前年のような消費減退には至りませんでした。また、2014年には熊本県、宮崎県、山口県で、2015年には岡山県、佐賀県で鳥インフルエンザが発生しましたが、早期終息したこともあり、道内において消費減退は見られませんでした。当社グループは鳥インフルエンザ防止のため様々な衛生対策を策定し厳重に実施管理しておりますが、今後ふたたび強毒性の鳥インフルエンザが国内で発生した場合、一時的に全国的な需要減退の動きが発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ 原料価格の変動
当社グループの鶏卵生産の原価の60%程度は飼料費であります。飼料価格は、作況、船運賃、為替変動や世界的な需要動向に左右されるため、当社グループでは自社の研究鶏舎において飼料コスト低減のために給餌方法の試験を実施しております。飼料コストの低減を研究することによって、飼料価格の上昇を吸収し生産原価の低減に努めております。また、飼料価格の変動に対する負担増が軽減される飼料安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、飼料価格が大きく上昇し十分なコスト削減ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(注) 配合飼料価格差補填事業(通称 飼料安定基金制度)について
本制度は原料価格に起因する配合飼料価格の変動によって生ずる畜産経営者の損失を補てんすることにより畜産経営の安定を図るもので、現在は一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金と一般社団法人全国配合飼料供給安定基金が事業主体となっています。
当社が加入している全日本配合飼料価格畜産安定基金を例にとると生産者がトン当たり650円、配合飼料製造会社がトン当たり1,250円(2015年度)を積立てます。そして、当該四半期の配合飼料の供給価格が直前1年間に係る配合飼料供給価格の平均価格を上回るとき、その上回る額を限度として補てん金が交付されます。
なお、2014年度の制度変更で「当該四半期の輸入原料平均価格が直前1年間に係る輸入原料平均価格を上
回るとき、その上回る額を限度としての補填」に変わりました。つまり、メーカー提示価格ではなく、とう
もろこし、大豆かす、麦、コウリャンなどの原料の輸入通関価格での比較に変更になりました。
飼料安定基金支払及び飼料安定基金収入は製造原価で計上しております。

⑤ 卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度の基金不足
養鶏経営の健全な発展を目的として、既述の通り卵価安定基金制度と飼料安定基金制度の仕組みが形成されています。
当社グループも、同制度が相場の変動及び飼料価格の変動に対する負担増が軽減される仕組みとなっていることから、これらの安定基金制度に加入(積立て)しております。しかしながら、これらの基金制度は、卵価低迷又は飼料価格高騰が長期化する場合には基金不足により充分に機能せず、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業活動に関するリスク
① 単品経営(鶏卵依存)
当社グループの売上の約9割は鶏卵販売が占めており、かつ上述の(1)①において記載のとおり、相場商品であることから、利益は鶏卵相場により大きく変動する可能性があります。当社グループとしては、鶏卵生産コスト低減のため、自社研究鶏舎において生産性向上のための様々な試験の実施により有効な試験結果を一般鶏舎に適用し、鶏卵相場が低迷しても利益を計上できるような体質づくりを進めております。加えて、鶏卵以外の食品の売上増加にも努めております。しかしながら、これらの対策を上回る価格変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。


② 食品の安全・衛生問題について
当社グループにおきましては、安全・安心で高品質な製品を提供するために最新鋭設備の導入や製品の品質管理、従業員への衛生教育を行うなど、衛生問題には万全の注意を払っております。卵が原因であるサルモネラ食中毒は我が国では近年大きく減少しておりますが、生で食べる食品であるため食中毒のリスクを完全に排除することはできません。道内におきましては、健康な雛を当社グループ農場で育成し、かつ鶏舎単位で雛をすべて入れ替えるオールイン・オールアウト方式を採用し、鳥獣の侵入を防ぐウインドレス鶏舎での育成を実施しております。成鶏舎におきましてもウインドレス鶏舎にてHACCP手法を取入れた飼養管理をする他、GP工場においてパッキングする前に卵殻の塩素殺菌等を実施するなど様々なサルモネラ対策を実施しております。しかしながら、今後、偶発的な事由によるものも含めて、当社グループ製品を起因とした安全衛生問題が発生する可能性があり、もし発生した場合は当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

③ 鳥インフルエンザ発生による移動制限または殺処分
当社グループ農場の近隣で鳥インフルエンザが発生した場合、近隣農場は一時的に鶏や鶏卵の移動制限を受けるため、その間出荷が出来なくなる可能性があります。また、当社グループは鳥インフルエンザ防止のため様々な衛生対策を策定し厳重に実施管理しておりますが、万一当社グループの農場で鳥インフルエンザが発生した場合、原則として鶏は殺処分となります。当社グループは成鶏農場のどの農場で鳥インフルエンザが発生しても他の農場・GP工場でバックアップできる体制は完成しておりますが、風評被害により当社グループ製品の買い控えが起こり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、育成農場に鳥インフルエンザが感染した場合、当社グループは育成農場を予め分散して建設しているため生産機能が全滅することはありませんが、育成農場から成鶏農場への大雛供給に支障を来たし、生産計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ 鶏糞処理
家畜の糞尿処理については「家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律」により適切に処理することとなっています。家畜排せつ物は不適切な管理によって、環境問題の発生源となりうる側面を有する一方で、堆肥化など適切な処理を施すことによって土地改良資材や肥料としての有効活用が期待され貴重な資源としての側面も有するものといえます。当社グループでは鶏の排せつ物がこの対象となり、鶏糞のほとんどは肥料として近隣農家へ無償で譲渡しております。
しかしながら、農作業の省力化を背景として資源としての利用が簡単でない状況になり、鶏糞処理が円滑に行われなければ当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 投資活動について
当社グループは、2014年4月に岩手県にある株式会社第一ポートリーファームの全株式を取得しております。本州進出の第一歩としてその意義は大きく、今後売上及び収益の拡大に寄与し事業拡大が加速されるものと考えております。しかしながら、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生した有形固定資産、のれんなどの無形固定資産の減損損失が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3)法的規制によるリスク
当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害のリスク
地震、台風などの自然災害が発生した場合、当社グループの農場・GP工場が大規模な被害を受け事業活動が停滞し、また損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題経営上の重要な契約等


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