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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10054R3

有価証券報告書抜粋 株式会社ゼネラル・オイスター 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1) 卸売事業における研究開発戦略及び研究課題
当社グループの研究開発戦略は、「ウィルスフリー牡蠣の生産」及び「牡蠣の栄養価の商品化」を軸としております。その戦略目的を果たすための課題は、二枚貝の餌となる微細藻類の連続大量培養と牡蠣の高機能性成分の商品化であります。
①ウィルスフリー牡蠣の生産
ウィルスフリー牡蠣の生産とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を生産することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指しております。この中で最大の障壁が、牡蠣の餌となるプランクトンが海洋深層水には存在していないことです。したがいまして、牡蠣の餌となる微細藻類(主にキートセロス(注))の連続、かつ、大量培養の方法が確立されない限り、商業生産は不可能であることから、この方法を確立することが大きな研究課題となっております。

②牡蠣の栄養価の商品化
牡蠣の栄養価の商品化とは、牡蠣が潜在的に持つ高い栄養価を多機能に亘り顕在化させた商品を開発することにあります。牡蠣が養殖される表層海域は年々水質状況が悪化する一途にある一方で、オイスターバーなどで消費される牡蠣は主に生食用であります。このことから、オイスターバーなどで消費される牡蠣の消費量は全体生産量のごく一部に止まり、海域環境悪化と相俟って、規格外の牡蠣は廃棄処分されるなど市場に流通しない牡蠣が数多く存在しております。したがいまして、従来の流通及び消費スタイルには無い、牡蠣の新しい消費の形が模索されるところです。当社グループは、牡蠣の消費の形として、その栄養価に着目しました。牡蠣は亜鉛含有量が多い食物であります。亜鉛は新陳代謝を促し、人間が生活するのに重要なミネラルの1つであります。しかしながら、この亜鉛は体内に貯蔵することが出来ないことから、食物から補給するほかありませんが、その吸収率が悪く、ほとんどが体外に排出される難点があります。当社グループの研究主課題は、亜鉛成分を吸収率のよい高品質・高付加価値のサプリメントとして商品化することであります。しかしながら、それだけに止まらず、亜鉛などが奏功したときの食欲調整機能、血圧コントロールとしての循環器系調整機能や免疫増強作用、抗炎症作用、性機能増強作用、タウリンなどによる抗疲労効果など、これら全ての機能を満たした高機能成分のサプリメントなどの商品化に向け研究に取り組んでおります。そして、牡蠣の高機能成分の商品化は、廃棄牡蠣の有効活用だけでなく、健康志向社会及び水産業への貢献に寄与するものと考えております。

(注) キートセロスとは、二枚貝の種苗に必要なエイコサペンタエン酸(EPA)を大量に含んだ藻の一種であります。

(2) 研究体制
当社グループでは、外部との共同研究により、キートセロスの連続大量培養技術の確立、また、新商品開発等を社内にて研究する体制を構築しております。
(社内及び社外における研究体制)
研究開発活動は、グループ全体の牡蠣の高品質・高付加価値化という観点から、牡蠣を供給する子会社の株式会社日本かきセンターの商品管理開発本部に研究員を配置しております。拠点としましては、東京大学本郷キャンパス及び東北大学雨宮キャンパス内の研究室にて研究を進めております。また、沖縄県久米島町の研究施設にも研究員が常駐し、微細藻類培養の研究を進めております。
各大学が得意とする研究分野は各大学に研究を依頼し、その知見を当社グループが集約し事業化を実施することで、単独では実現できない技術開発を目指しております。


(3) 連結会計年度における研究主要課題及び研究成果
当連結会計年度における研究主要課題及び研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費の総額は24,436千円であります。

①微細藻類の低コスト且つ大量安定培養技術の開発
当連結会計年度においては、前期から引き続き微細藻類の大量安定培養方法について研究を進めました。現在のパンライト培養の見直しを行い、各種培養器による培養速度のデータ収集を行いました。また、培養液の開発、施肥の自動滴下システムを東京大学研究室にて開発し、久米島にて試験始動を行いました。培養液の開発に関しては、現在東京大学研究室にて2種類の施肥成分解析を行い、独自の施肥を研究継続中です。引き続き自動滴下システムと共に、開発を進める方針であります。

②牡蠣の健康機能性成分の高度化による六次産業化の取組み
当連結会計年度において、表層海域養殖牡蠣と海洋深層水で陸上養殖牡蠣のミネラル成分分析を行い比較データの収集に努めました。有意なデータが収集できており、今後、牡蠣から抽出した機能性(免疫力向上、滋養強壮等)成分を動物(マウス)実験により効能を検証する方針であります。

(4)研究開発成果の特許化
当社グループでは、研究開発活動における成果については、積極的に特許化を図る方針であります。本書提出日現在、国内において3件の特許を出願中です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31321] S10054R3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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