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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005ZU4

有価証券報告書抜粋 株式会社ナガオカ 事業の内容 (2015年6月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは、当社および子会社4社により構成されています。当社グループは、人間の生活に欠かすことのできない「エネルギー」や「水」を効率的に創る技術・製品ならびに地球にやさしい「環境」をもたらす技術で世界に貢献できる企業を目指しています。
当社グループの主な事業は、エネルギー関連事業(スクリーン・インターナルの製造・販売)、取水関連事業(取水用スクリーン等の製造・販売)およびその他事業(水処理装置等の製造・販売)です。各事業の内容は以下のとおりです。
なお、次の事業内容の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分です。

(1) 事業の特長
① エネルギー関連事業(当社、那賀日造設備(大連)有限公司、那賀欧科(北京)貿易有限公司)
スクリーン・インターナルの製造・販売を行っています。スクリーン・インターナルは、石油精製および石油化学等のプラントの心臓部である『触媒反応、吸着、抽出、分離』等の生成工程(プロセス)に使用されており、そのプロセスを構成する中核機器の1つです。当社貝塚工場および中国製造子会社である那賀日造設備(大連)有限公司を製造拠点として、世界各地のプラント現場に当社製品を納入しています。これまで65カ国で納入実績があります。また、中国市場においては、今後の市場拡大を視野に入れて、中国販売子会社である那賀欧科(北京)貿易有限公司を設立し、営業展開を行っています。

a.石油精製および石油化学プラント建設業界の商流とキー・プレイヤー
新しいプラントを建設する際に、エンド・ユーザーであるプラント・オーナーが最初に決定する重要事項は、どのプロセスを選択するか、どのプロセス・オーナーと製法に関する特許・ノウハウの使用権契約を締結するかを決定することです。その次に、プラント・エンジニアリング会社や圧力容器メーカー等を決めていきます。
スクリーン・インターナルを供給できるのは、プロセス・オーナーが認証したサプライヤー数社にしぼられるため、どの商流でも当社を含む認証サプライヤーがスクリーン・インターナル製品を受注することになります。
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認証サプライヤーがプロセス・オーナーから直接受注する場合は、プロセス・オーナーが製品情報を徹底管理している製品に係る受注であり、プラント・オーナーはプロセス・オーナーから直接製品を購入することになります。

b.認証サプライヤー
各種プラントの最も重要な事項は、反応塔や合成塔等の性能です。この性能は触媒とスクリーン・インターナル(当社等の製品)によって決まります。そのため、触媒はプロセス・オーナーが独自に開発し製造・販売しています。『原料の流れを整流にする』『高温・高圧・高腐食な厳しい使用環境下で触媒を支える』の2つの重要な機能を果たすスクリーン・インターナルについては、プロセス・オーナーが独自に設計し、製造する専門メーカー(当社等)を指定しており、どのメーカーでも製造・販売できるものではありません。
反応塔や合成塔等のプロセスは、プロセス・オーナーの製法特許・ノウハウに基づき基本設計されます。プロセス・オーナーは、プラント・オーナーに対し、自身が提供する製法特許・ノウハウの使用権に基づきプラントの性能を保証します。プロセス・オーナーは、性能保証の条件として、プロセスの性能を左右する重要機器について認証サプライヤーを指定しています。認証されたサプライヤー以外の機器を購入・使用した場合には、プロセス・オーナーはプラントの性能保証を行いません。従って、プラント・オーナーが巨額を投じたプラントの性能保証を得るためには、重要な機器は当社を含む認証サプライヤーから購入することになります。プラント・オーナーだけでなくエンジニアリング会社や圧力容器メーカーが重要な機器を購入する時も同様に、認証サプライヤーから機器を購入することになります。このように、プラント・オーナーがプロセス・オーナーを決定することは、認証サプライヤーから重要な機器を購入することと密接な繋がりがあります。
当社は、主要なプロセス・オーナーのスクリーン・インターナルの認証サプライヤーです。スクリーン・インターナルは、プロセスの中で重要な機器であり、プロセス・オーナーの製法特許・ノウハウに含まれ、プラントの性能保証の条件にも含まれます。スクリーン・インターナルを製造する当社競合の認証サプライヤーは、現時点において、当社以外に全世界で最大3社(アメリカ1社、ヨーロッパ2社)であり、日本国内においては当社のみです。なお、プロセスの種類によって、認証サプライヤーの数は、2社から4社の間で変動します。

c.プロセス・オーナー
当社の事業領域に係る世界中の石油関連プラントで採用されているプロセスは、プロセス・オーナーの製法特許・ノウハウに基づき基本設計されたものです。プロセス・オーナーの中でも、主要なプロセス市場におけるリーディング企業が、当社と40年に渡り密接な関係を築いてきた米国のUOP LLC(以下「UOP社」という。)です。UOP社のニュース・リリースによると、石油精製・石油化学・ガスプロセス業界において、現在、世界で使われている36の技術のうち、UOP社の技術が31を占め、同社は有効な特許を3,000以上保有しています。世界のガソリンの60%以上、ポリエステルの原料となるパラキシレンの67%以上、生分解性洗剤のほぼ90%、輸送が容易になるように処理されたLNGガスの40%が、UOP社のプロセスで生産されています。当社グループの売上高のうちUOP社のプロセスで使用される製品に係る売上構成比は、2015年6月期において約53%(UOP社との直接取引15%(UOPグループ会社との取引を含む)、UOP社のプロセスに係る間接取引38%)となっています。なお、当社はUOP社以外のプロセス・オーナーからの認証も得ています。

② 取水関連事業(当社、那賀(瀋陽)水務設備製造有限公司、那賀水処理技術(瀋陽)有限公司、那賀欧科(北京)貿易有限公司)
主に取水用スクリーンおよび建築・土木分野の建設向け排水用スクリーンの製造・販売を行っています。当社貝塚工場および中国製造子会社である那賀(瀋陽)水務設備製造有限公司を製造拠点として、主に国内市場向けに当社製品を納めています。また、中国市場においては、今後の市場拡大を視野に入れて、中国販売子会社である那賀水処理技術(瀋陽)有限公司および那賀欧科(北京)貿易有限公司)を設立し、営業展開を行っています。

a.取水設備建設業界の国内の商流とキー・プレイヤー
飲料水などの水道水源は、河川・ダム・湖などの地表にある「表流水」と地下の「地下水」に分類されます。当社は地下水取水をターゲット・マーケットとしています。取水用スクリーンの機能は、帯水層を構成する地層の砂などを井戸内に流入させず、地下水のみを取り出すことです。取水用スクリーンと排水用スクリーンの違いは、取水した地下水を『利用する(取水用)か』または『捨てる(排水用)か』になります。
当社の取水用スクリーンの特徴は、流入取水のための開口率が高く目詰まりし難い構造を持っており、取水効率が高いことです。また、水道事業における浄水場などの取水施設や浄水施設の建設コストは大きく、長期間の使用を前提としているため、取水用スクリーンには耐久性も求められます。
当事業の主要な国内ターゲット・マーケットの1つに、水道事業体が発注する地下水取水設備工事があります。取水された水は、処理された後、上水道、工業団地用の工業用水、農地用水などに供給されます。このような施設を建設する際に、仕様に関するガイド・ラインとなるのは公益社団法人日本水道協会が発行する『水道施設設計指針』です。当社は、当該指針で定められた規格に適合した地下水を取水するための製品を供給することができます。上下水道・建設コンサルタントは水道事業体からの依頼を受け、当該指針に基づいて設計を行います。水道事業体はその設計に従って予算を組み、入札を募ります。応札者は、設計に沿って見積りを作成し入札します。落札者(発注者)に係らず、規格に適合した製品を供給する当社は、どの商流からでも受注することができます。
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b.海外市場
新興国を中心に人口増加と工業化が進み、世界各地で水不足が深刻化しています。当社では、国内外の展示会等に積極的に参加すると共に、IWA(International Water Association: 国際水協会)を始めとする各国の上下水道協会、水道事業体、大手水エンジニアリング会社等との関係を構築してきました。各国の市場で影響力のある企業・団体・政府機関および関連組織に、当社の技術・製品の有効性や独自性についての理解が広まってきており、取水技術を含めた当社の取水用スクリーン等の引き合いを受けています。

③ その他事業(当社、那賀水処理技術(瀋陽)有限公司)
超高速無薬注生物処理装置「CHEMILES」(以下「ケミレス」という。)等の設計・製造・施工・販売・メンテナンスを行っています。当社貝塚工場を製造拠点として、世界各地の上水場等の建設・改修市場で当社製品を納めており、これまでに世界で50箇所の実績があります。また、中国市場では、今後の市場拡大を視野に入れて、中国販売子会社である那賀水処理技術(瀋陽)有限公司を設立し、営業展開を行っています。

a.超高速無薬注生物処理装置「CHEMILES」
ケミレスは、取水した水から不要な成分を取り除く水処理と言われる過程で使用される装置です。通常、地下水には鉄分・マンガン・アンモニア態窒素が含まれており、ケミレスは薬品を使用せずに溶存酸素と微生物を使い、不要な成分を超高速で取り除きます。処理スピードの従来技術との比較は下表のとおりです。
無薬注(生物等)処理薬注処理(注)2ケミレス(無薬注)
最大LV(注)14~5 m/日(注)3120~150 m/日(注)3400 m/日(注)4
(注)1 LV(Linear Velocity)は、ろ過速度を表す単位で、水処理装置の処理スピードを表す場合に通常使われる単位です。
2 薬注処理とは、原水に塩素などの薬品を注入し不要な成分を凝集沈殿等により取り除く処理方法を指します。水環境の汚染が進んだ現在では、薬品注入の多様化が避けられず、薬品の過剰注入により有害な副生成物が発生する等の一因になっています。
3 出典:社団法人日本水道協会「水道施設設計指針」
4 出典:米国環境保護庁(EPA)「ETVレポート EPA/600/R-14/029」

米国環境保護庁(EPA)ならびにNSF International(注)によるETV Test (Environmental Technology Verification Test-環境技術の実証)を実施し、EPAがケミレスのETVレポートを承認しました。このETVレポートから、ユーザーはケミレスの性能について確証を得ることができます。例えば、アメリカの水道事業体がケミレスの導入を検討する際には、ETVレポートを公的機関が公表する判断基準として使用します。ETVレポートは、機器の性能評価に関するアメリカで最も権威があり信頼性の高い公表情報と認知されています。
(注)National Sanitation Foundation International(国家衛生財団):公衆安全衛生の分野で国際的に認められた第三者認証機関で非営利団体です。過去50年間に亘り、各業界、政府関係者および関係団体などと協力して、公衆安全衛生に係る規格を制定し、これらの規格を基に製品認証業務を行っています。

水処理設備の主な市場の1つは、自治体が発注する上水場等の建設・改修市場です。公共事業の上水場設
備は、機器・装置メーカーから土木・電気等の工事までを含む大きなプロジェクト案件となるのが通常です。
水道事業体の依頼により、上下水道・建設コンサルタントが設計書および仕様書を作成し提出します。設計および仕様書に基づき、一般競争入札が実施され、元請業者が決定されます。元請業者が、各種の機器・装置メーカーや工事業者等に発注します。
業界の特徴として、設計および仕様書を作成する上下水道・建設コンサルタントの存在があります。当社のケミレスは、上記のとおり薬品を使用せずに超高速で不要な成分を取り除く水処理装置であるため、従来製品にはない特長があり、直接の競合が極めて少ない製品です。技術選定を受けて設計段階で採用されることが受注に向
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けての重要な要素になることから、上下水道・建設コンサルタントやエンド・ユーザーである水道事業体を中心に効率の良い営業活動を行うようにしています。

b.高速海底浸透取水システム「HiSIS: High-speed Seabed Infiltration System」(以下「ハイシス」という。)
世界的な水不足が懸念される中、海水淡水化ビジネスは今後の大きな市場成長が見込まれています。世界の水に占める淡水の割合は約2.5%であり、残り約97.5%は海水です。また、淡水のうち地下水や河川、湖沼の水などとして存在する淡水の量は、地球上の水の約0.8%です(出所:国土交通省「日本の水資源について」2013年8月公表)。現状では、造水コストが割高であることが海水淡水化プラントが普及する上での障害となっていますが、当社は、割高な造水コストの1つの原因を解決できるハイシスの開発を、日立造船株式会社と共同で行っています。2014年には、Abu Dhabi Water & Electricity Authority (ADWEA:アブダビ水電力庁)の協力を得て、アラビア湾岸にパイロット・プラントを建設しました。また、別のパイロット・プラントを中国河北省曹妃甸にも建設し、実証実験を開始しました。

(2) 製・商品およびサービスの特長
① ナガオカスクリーンの特長(エネルギー関連事業および取水関連事業)
当社のコア技術・製品のベースであるナガオカスクリーンは、三角形の断面のワイヤーを電気抵抗溶接(ERW:Electric Resistance Welding)したスリット状の微細かつ均一な隙間を持つウエッジ・ワイヤー・スクリーンと呼ばれる製品です。スクリーン
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溶接機の設計および開発を自社で行い、独自の製法でナガオカスクリーンを製造しています。
ナガオカスクリーンの基本性能は、固体と液体(または気体)を効率良く分離することで、様々な用途に使用されます。製品の基本的な特長は、三角形の断面のワイヤー形状により目詰まりを起こしにくく、構造的に強度がある等です。このナガオカスクリーンを使用して、エネルギー関連事業のスクリーン・インターナルや取水関連事業の取水用スクリーン等を生産しています。

② スクリーン・インターナルの特長(エネルギー関連事業)
スクリーン・インターナルは、石油精製、石油化学プラントの心臓部である触媒反応・合成などのプロセスで使用されます。スクリーン・インターナル上に触媒を広げ、液体または気体の石油原料を流し、触媒と化学反応させて物質を変化させます。この原料の流れを均一な整流に保つことは、プラント生成物の質の均一化に大きく関係しますので、スクリーン・インターナルはスクリーンのスロット・サイズだけでなく、形状加工や溶接等2次加工を含めた製品全体の高い精密性が要求されます。また、通常、プロセスは圧力容器で覆われており、容器の中、つまりプロセスは高温・高圧・高腐食になります。そのような過酷な使用環境下でも長期間使用できる高い耐久性も要求されます。当社のスクリーンに不具合が生じると、プロセスに影響を与えるだけでなく、プラント全体の生産に不具合が生じてしまいます。このようにスクリーン・インターナルは、プラントにおける重要機器の1つです。そのため、プロセス・オーナーから認証を取得するためには、非常に厳しい水準の生産体制や能力に対する審査に合格することが求められています。

③ SV(エス・ブイ)業務の特長(エネルギー関連事業)
設置・据付指導や不具合への対応等の技術フィールド・サービスは、SV(エス・ブイ。Supervisingの略。)と呼んでおり、エンド・ユーザーの満足度にも大きく影響します。満足度の高いサービスを提供するためには、顧客の立場に立ったきめ細かいサービスが世界で求められています。プラント・オーナーおよびプロセス・オーナーの当社SVに対する評価は高く、競争力の源泉の1つです。特に、設備更新などのリピート案件では、前回納入時のサービスを含む顧客満足度が大きな差別化要因になります。

④ 取水用スクリーンの特長(取水関連事業)
当社の取水用スクリーンは、開口率が大きく取水効率が高いため、同量を取水するのに、周囲の砂層に含まれる水を井戸内へ緩やかに流れ込ませる特性を持っています。そのため、スクリーンの周囲にある砂層を極力動かさずに取水することができ、砂層の目詰まりを防ぎます。この技術・ノウハウは「サンド・コントロール」と呼ばれています。また、取水用スクリーンを横にして川底などに埋設し、上を覆う砂層を通して取水する方法に使われるのが、集水埋渠です。埋設されたスクリーンの上部にある砂層の目詰まりを解消するために、取水方向と逆方向に空気や水を押し出して、砂層に溜まった微細物を取り除き、取水効率を元に戻します。この技術・ノウハウは「逆洗」と呼ばれています。これらの技術・ノウハウにより、井戸や集水埋渠の寿命が伸長し、安定した取水量を維持することができます。また、「サンド・コントロール」、「逆洗」の技術・ノウハウは、その他事業のケミレスおよびハイシスでも活用されています。

⑤ ケミレスの特長(その他事業)
ケミレスは、地下水に含まれる飲用基準を超える濃度の鉄分やマンガンなどの金属イオンおよびアンモニア態窒素、ヒ素などの無機物を、溶存酸素を使った接触酸化処理ならびに硝化菌や鉄分バクテリアなどの生物処理で水処理する装置です。
水処理装置は、塩素を代表とする薬品を使った薬注型処理装置が現在の主流となっています。一方、ケミレスは、無薬注でかつ超高速の水処理装置であり、薬物処理では排出されてしまう産業廃棄物を出さない等の環境にやさしいという特長があります。

a.ケミレスの特長とメカニズム

・ 薬品を全く使用せずに、溶存酸素を利用した接触酸化と微生物による生物処理により、地下水中の鉄・マンガン・アンモニア態窒素を処理。
・ 従来の薬品処理装置では必要になる薬品代、薬品管理の人件費等のランニング・コストが不要。
・ 設置場所・水質・処理量などの個別のニーズに合わせて自由に設計できるため、最適なソリューションを提供。
・ 薬品処理の副産物である汚泥(産業廃棄物)が発生しないので産廃処理コストと環境負荷を低減。
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b.ケミレスの技術
ケミレスの処理性能を支えているのは、WP(ダブリュピー)洗浄という洗浄技術です。WP洗浄は、集水とは逆方向の水の流れになり、下部集配水管を通して処理水を逆噴出させます。主な目的は、ろ過層に沈着した鉄分・アンモニア態窒素・マンガンの処理済み物質を、排水とともに排出することです。WP洗浄と同時に、ケミレス上部にある表洗/回転ノズルからも処理水を噴出し、ろ過層の表面を洗浄します。これにより、ろ過プロセスの処理能力を半永久的に持続できます。一方で、ろ過層を洗浄するリスクは、生物ろ床の損傷です。生物ろ床の損傷を装置の処理能力を低下させない範囲内にコントロールしつつ、ろ過層に溜まった処理済物質を取り除くのが、WP洗浄の特長です。W洗浄とP洗浄をどのくらいの頻度と時間で組み合わせて実施するかを、原水の水質を見極めながらプログラミングして自動制御するのが、当社の蓄積してきたノウハウであり、独自に開発した技術です。
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W(Whole)洗浄:
一般的な強力逆洗で主に生物ろ床(バクテリアや菌が繁殖しているろ過層)の洗浄が目的。ろ床にダメージを与えない頻度で行う。

P(Portion)洗浄:
主に100~400mmのろ層上層部(除鉄分層)の洗浄を目的とした表面洗浄。

⑥ ハイシスの特長(その他事業)
a.ハイシスの特長
従来の海水淡水化プラントは、海水を海中から直接取水するシステムのため、初期費用・維持費用ともに割高にならざるを得ない構造となっています。その結果、淡水から造水する場合と比較して、造水コスト(一定量の水を造り出すコスト)が高すぎて事業化の大きな障壁となっています。原因の1つは、取水設備の表面および内部に海洋性生物が付着・成長してしまうことです。それらを除去するために、塩素系薬剤を大量に海中へ投入する必要があります。塩素系薬剤の使用は、海域環境の汚染に繋がるだけでなく耐性菌の発生やプラント内部での海洋性生物の再増殖を起こし、前処理工程で各種薬剤の投入が必要になり、ランニング・コストつまり造水コストが増加する一因となっています。また、各種薬剤は逆浸透膜の寿命を縮める原因となり、逆浸透膜を短い周期で交換する必要があります。更には、投入した薬品を中和するための設備、海洋性生物等の不純物を除去して処理する産業廃棄物処理設備などの初期投資とランニング・コストも必要となります。
一方、ハイシスは、海の砂でろ過をして取水するため、取水部分への海洋性生物の付着や海洋性生物・ゴミ等の不要物の取り込みが無くなります。また、取水した海水の水質が清澄であることから、濁り等の懸濁物質を取り除く薬品処理工程も不要となります。これらにより、処理設備を縮小することができ、また、汚泥などの産業廃棄物が発生しないことから、環境負荷を低減することができます。

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b.直接取水方式と海底浸透取水方式による海水淡水化プラントを構成する装置の違い

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※SWRO(Sea Water Reverse Osmosis、逆浸透法による海水淡水化):海水に圧力をかけてRO膜に通し、海水の塩分を濃縮して捨て、淡水を漉し出す海水淡水化方式のこと。
RO(Reverse Osmosis Membrane、RO膜):逆浸透膜と呼ばれるろ過膜の一種。
UF(Ultrafiltration Membrane、限外ろ過膜):ろ過膜の一種。
(3)事業系統図
セグメント別の事業系統図は次のとおりです。

① エネルギー関連事業
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※ 販売代理店
海外顧客への販売に際し、異なる商慣習等に対応するために利用することがあります。

② 取水関連事業・その他事業
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※ 販売代理店
当社が販売網を有しない地域や業界等の顧客に販売する場合に利用することがあります。

沿革関係会社の状況


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