有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1006GZY
株式会社メタップス 事業の内容 (2015年8月期)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社メタップス)及び連結子会社5社により構成されております。「世界の頭脳になる」というミッションのもと、“metaps”及び“SPIKE”の2つのサービスを軸に、世界8拠点でアプリ収益化事業を展開しております。
アプリ開発者のマネタイズがグローバルで進み、世界規模の広告プロモーションが活発になる中、地域ごとに異なる広告戦略の立案が求められております。当社グループでは、シンガポール、中国、英国、韓国に子会社を設立し、これらの子会社を中心にグローバルで事業展開を行っており、既にアジアを中心に世界中のアプリ開発者との取引を行っています。地域毎のユーザ特性等をふまえた広告配信に加えて開発段階からアドバイスを行う等、グローバルな顧客のクロスボーダーでの展開をサポートできる体制を構築しております。
“metaps”は、AI(人工知能)(※1)が様々な角度からアプリの成功パターンを学習し、アプリ開発者が勘や経験に頼らず、データを活用して様々な意思決定を行うためのアプリ収益化プラットフォームを展開しております。アプリ開発者はアプリストアの分析データとユーザの行動履歴等から、より精度の高い広告と媒体のマッチングを行うことが可能となるとともに、自社アプリのプロモーションを行う場合は広告主となり、自社アプリを媒体(メディア)として広告収益を得たい場合には媒体となります。
また、新規サービスとして立ち上がったオンライン決済サービス“SPIKE”は、手数料無料の決済サービスとしてEC(※2)事業者を中心に導入が進んでおり、今後決済に限らずマーケティングや電子マネー(※3)をはじめとする様々な付加価値をEC事業者に提供していきます。
なお、当社グループはアプリ収益化事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しています。
(1)背景:アプリ時代におけるマーケティング手法の変化
インターネット広告業界では、これまでウェブを中心としたビジネスモデルが主流でした。しかしながら、スマートフォンの普及により、ユーザのアプリ利用が増え、インターネットの利用時間もウェブからアプリにシフトしています。そのため、マーケティング手法にも新しいノウハウが必要とされており、当社は2011年以降アプリ領域に注力し、アプリ開発者向けにマーケティングノウハウの提供を行っています。
上記のように、アプリにおける広告運用の最適化の方法として「人」に対する広告配信の最適化が求められる中、当社グループの展開するアプリ収益化事業は、アプリ収益化プラットフォーム“metaps”と、オンライン決済プラットフォーム“SPIKE”で構成されており、その概要は以下の通りとなっています。
(2)アプリ収益化プラットフォーム“metaps”
“metaps”は、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援するアプリ開発者向けのプラットフォームで
す。SDK(※9)(以下、「Metaps SDK」という。)と呼ばれる開発キットを導入するだけでアプリ運営に必要なKPI
(※10)及びデータを一元管理出来ます。また、AI(人工知能)を活用して適切なユーザに適切な広告を配信することで、アプリの収益を最大化します。具体的には、AI(人工知能)を活用した機械学習により、過去から現在に至るデータを解析し、自然言語処理による単語レベルでの類似性や、画像解析による、アイコンやクリエイティブの類似性、売上順位やダウンロード規模での競合可能性など、様々な角度からアプリの現状を可視化します。また、GooglePlayやAppStore“内”での順位の変動と、それに対応するGooglePlayやAppStore“外”(ソーシャルメディアや検索、ブログでの出現頻度/回数、テレビCMなど)でのイベントとの相関関係を解析し、予測に活かします。その結果、アプリ開発者は勘や経験に頼らず、データに基づいて最適なターゲットに対して広告配信を行うことが可能となります。
Metaps SDKが導入されているアプリは2015年3月末現在、世界で累計約20億ダウンロード規模に上っています(過去実績:2013年2月末⇒約1億ダウンロード、2014年1月末⇒約10億ダウンロード)。アプリに紐づく端末固有の広告IDを検知することで、端末ベースでは約2億端末に広告配信できる規模に成長しました。当社では、Metaps SDKを導入し、アプリ内に広告を表示するアプリの集合体のことを自社ネットワークと呼び、LINE等のMetaps SDKの導入はされていないものの、当社が広告を配信できるアプリの集合体のことを外部ネットワークと呼んでおります。当社は、以下の様々な広告関連サービスを、当社グループの世界8拠点において顧客に提供することが可能です。その上で、自社ネットワーク及び外部ネットワークを用いて、より幅広いユーザに対して広告配信できることが他社との大きな差別化の要因となっております。
“metaps”の主なサービスは、以下の5つとなります。
(ア)インセンティブ付与の成果報酬型広告サービスの提供
(イ)成果報酬型広告(ネイティブ広告)(※11)サービスの提供
(ウ)クリック課金をベースとした広告サービスの提供
(エ)“Metaps Analytics”の提供
(オ)テレビCM等のオフライン(インターネット以外)広告の提供等
“metaps”のサービスのコアとなるプロダクトが、Metaps Analyticsです。アプリ開発者はMetaps Analyticsを導入することで、アプリ運営に必要なKPI及びデータを一元管理することが出来、その上で自社が求めるユーザをターゲットとする最適なマーケティング施策を打つことができます。Metaps Analyticsでは、DAU(※12)やインストール数などの主要KPIの把握や、GooglePlayやAppStoreデータに基づく競合比較分析、自社アプリのユーザ動向分析、当社独自のAI(人工知能)による売上シミュレーションなど、アプリ運営に必要な様々な機能を提供しています。現在、世界8拠点に展開する当社コンサルタントが、Metaps Analyticsを活用したマーケティングソリューションを顧客に提供しています。また、当社では、マーケティングノウハウを蓄積するために試験的にスマートフォンアプリの運営も行っており、常にアプリ開発者の目線に立ったサービス開発を行っています。
Metaps Analyticsの具体的な機能は、以下の4つとなります。
① 広告効果レポート:配信ネットワークごとのユーザの残存率や課金率等のKPIを可視化して把握することで、最適な広告投資をサポートします。世界中の1,000以上の主要な外部ネットワークや媒体(メディア)に対応しており、広告効果の測定が可能です。
② データマネジメント(DMP(※14)):アプリユーザの課金額、課金回数、利用頻度などの行動履歴に基づいたセグメントを自動で作成し、一元管理することができます。複数のアプリを運営する場合はアプリを横断してデータを管理することで、顧客ごとに強固なプラットフォーム基盤の構築が可能です。
③ インテリジェンス:蓄積したアプリの様々なデータを解析し、AI(人工知能)により将来の売上や各種KPIの予測が出来ます。
④ マーケットの分析:ランキングや競合分析などのマーケット情報の提供を行います。また、アプリストアやソーシャルメディアを解析することで、自社アプリのデモグラフィック(※15)を見ることが可能です。ユーザレビューの言語解析(※16)も行っており、自社アプリの満足点と問題点の発見が可能です。
① 広告主は、アプリ収益化に関するコンサルティング及び広告プロモーションを当社に発注します。
② Metaps Analytics(DMP)を経由して、最適な属性・セグメントに限定されたスマートフォンユーザをターゲ ティングし広告を配信します。
③ スマートフォンユーザが、アプリを利用した際にアプリ内に広告が表示されます。広告が表示されるアプリを
媒体(メディア)と呼び、以下の2種類の媒体ネットワークがあります。
(ア) 自社ネットワーク:Metaps SDKを導入し、アプリ内に広告を表示するアプリの集合体のこと
(イ) 外部ネットワーク:LINE等のように、Metaps SDKの導入されていないものの、当社が広告を配信できるア プリの集合体のこと
④ スマートフォンユーザが広告を閲覧し、クリックやダウンロードをした瞬間に来訪ユーザの情報とその成果通 知が当社システムに自動的に送信されます。
⑤ スマートフォンユーザが広告を閲覧し、当社が成果通知(クリックやダウンロード)を受信すると、当社より 媒体(メディア)に対し、媒体手数料の支払いを行います。
⑥ 広告主は、当社によるコンサルティング及び広告プロモーションにより、効果的に自社アプリの宣伝効果を獲 得することが可能となります。その対価として、当社に広告料等を支払います。
(3)オンライン決済プラットフォーム“SPIKE”
SPIKEは、販売者が短時間で導入出来、専門知識不要でリンクを設置するだけで利用できるEC向けのオンライン決済サービスです。これまで、ネット上でのオンライン決済は複雑なシステムの導入が必要であり、時間もかかり、手数料も発生するため粗利の低い事業者や単価の低い商品を扱う事業者にとっては導入のハードルが高いものでした。SPIKEは、誰でもシンプルな販売ページを作成出来、Web上のあらゆるところでオンライン販売を可能にします。必要なのは販売ページのリンクをシェアすることだけです。これまで、インターネット上でクレジットカード決済を導入する場合、初期費用と1回の取引ごとに約3%〜5%+数十円程度の決済手数料が発生していました。しかし、SPIKEを利用することで、これら初期費用や決済手数料が無料になります(月間100万円までの決済)。
また、ECサイトに数行のコードを実装するだけで、カード決済が導入できる開発者向け導入システム(API)(※17)も提供しており、中~大規模ECサイトにも対応しています。現在、①初期費用・月額・決済手数料が無料で、月間決済額100万円まで利用可能な「フリープラン」と、②月額3,000円で決済手数料2.55%+10円~で利用できるビジネスプレミアムの2つのプランを用意して事業を展開しています。
新しい取り組みとして、プリペイド型(※18)の電子マネー“SPIKEコイン”の提供も開始しています。SPIKEで商品を販売した販売者が、代金をそのままSPIKEコインに変換でき、プリペイド型の電子マネーとしてネット上の支払いに使用できます。また、“SPIKEコイン”を使い様々な商品を購入できる“SPIKEマーケット”の提供も行っています。
① EC事業者が提供するECサイトが決済システムとしてSPIKEを導入します。利用の際に、各種手数料がEC事業者から当社に支払われます。
② SPIKEが導入されているECサイトで商品を購入するユーザが、クレジットカードを利用し決済を行います。決済が行われると、提携先の決済会社経由で決済情報や履歴がSPIKEに送信されます。
③ 決済会社は、商品を購入したユーザから代金を回収し、回収した代金を当社へ支払います。
④ 当社は、決済手数料を決済会社に支払います。
⑤ 当社は、EC事業者の指定するタイミングで売上金を支払います。
事業系統図
≪用語集≫
※1 AI(人工知能)
Artificial Intelligenceの略で、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術のことをいいます。
※2 EC(Electronic Commerce)
電子商取引やeコマースとも呼ばれ、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称のことで、インターネットや通信回線を介して遠隔地間で必要な情報を送受信して行う商取引やWebサイトなどを通じて企業が消費者に商品を販売するオンラインショップなどのことをいいます。
※3 電子マネー
法的に位置づけられた貨幣そのものではなく、情報通信技術を活用した、企業により提供される電子決済サービスのことをいいます。
※4 リスティング(Listing)
マーケティング手法の一つで、「検索連動型広告」とも言われます。検索エンジン(Yahoo!やGoogleなど)でユーザがあるキーワードで検索した時に、検索語と関連性の高い広告を選択して表示する広告手法のことをいいます。
※5 アフィリエイト(Affiliate)
マーケティング手法の一つで、「成功報酬型広告」とも言われます。ブログやサイトに、商品やサービスの広告を掲載し、その広告経由で商品購入やサービス利用などの条件を満たした成果が発生した際に、広告主から対象者へ広告報酬が支払われる広告手法のことをいいます。
※6 リターゲティング(Retargeting)
マーケティング手法の一つで、「行動追跡型広告」とも言われます。広告主のWebサイトを訪問したことがあるユーザの行動をクッキー等を利用して追跡し、他サイトの広告枠上で同じ広告主の広告を表示させる手法のことをいいます。
※7 クッキー(Cookie)
Webサイトの提供者が、Webブラウザを通じてユーザのコンピュータに一時的にデータを書き込んで保存させる仕組みのことをいいます。
※8 LTV(Life Time Value)
「顧客生涯価値」とも言われ、顧客が取引を開始してから終了するまでの間、その顧客がもたらした損益を累計した指標のことをいいます。
※9 SDK(Software Development Kit)
ソフトウェア開発キットを意味し、特定のソフトウェアパッケージのためのアプリケーションを作成するための開発ツールのことをいいます。
※10 KPI(Key Performance Indicator)
「重要業績評価指標」とも言われ、目標達成のために、具体的な業務プロセスを評価するために設定される指標(業績評価指標:Performance Indicators)のうち、特に重要(Key)となる指標のことをいいます。
※11 ネイティブ広告
マーケティング手法の一つで、インターネット上のメディアに掲載される広告の表示形式や内容などが、そのメディアに掲載されている記事などと同じ形式で一体的に表示される広告手法のことをいいます。
※12 DAU(Daily Active Users)
特定のサービスについて、1日にサービスを利用したユーザ(アクティブユーザ)の数のことをいいます。
※13 クラスタリング(Clustering)
クラスタ解析、クラスター分析とも言われ、異なる性質のものが混ざりあっている集団(対象)の中から互いに似たものを集めてグループ(クラスター)を作り、自動的に分類するデータ解析手法のことをいいます。
※14 DMP(Data Management Platform)
様々なデータを一元管理することで、高度な分析や予測を行うためのツール群のことをいいます。
※15 デモグラフィック(Demographics)
人口統計学的な属性データのことで、具体的には、性別、年齢、居住地域、所得、職業、学歴、家族構成などの属性データのことをいいます。
※16 言語解析
自然言語処理とも言われ、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術のことをいいます。
※17 API(Application Programming Interface)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた仕様のことをいいます。
※18 プリペイド型(Prepaid)
現金や料金をあらかじめ前払いして、商品を購入したり、サービスを利用したりすることをいいます。
アプリ開発者のマネタイズがグローバルで進み、世界規模の広告プロモーションが活発になる中、地域ごとに異なる広告戦略の立案が求められております。当社グループでは、シンガポール、中国、英国、韓国に子会社を設立し、これらの子会社を中心にグローバルで事業展開を行っており、既にアジアを中心に世界中のアプリ開発者との取引を行っています。地域毎のユーザ特性等をふまえた広告配信に加えて開発段階からアドバイスを行う等、グローバルな顧客のクロスボーダーでの展開をサポートできる体制を構築しております。
“metaps”は、AI(人工知能)(※1)が様々な角度からアプリの成功パターンを学習し、アプリ開発者が勘や経験に頼らず、データを活用して様々な意思決定を行うためのアプリ収益化プラットフォームを展開しております。アプリ開発者はアプリストアの分析データとユーザの行動履歴等から、より精度の高い広告と媒体のマッチングを行うことが可能となるとともに、自社アプリのプロモーションを行う場合は広告主となり、自社アプリを媒体(メディア)として広告収益を得たい場合には媒体となります。
また、新規サービスとして立ち上がったオンライン決済サービス“SPIKE”は、手数料無料の決済サービスとしてEC(※2)事業者を中心に導入が進んでおり、今後決済に限らずマーケティングや電子マネー(※3)をはじめとする様々な付加価値をEC事業者に提供していきます。
なお、当社グループはアプリ収益化事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しています。
(1)背景:アプリ時代におけるマーケティング手法の変化
インターネット広告業界では、これまでウェブを中心としたビジネスモデルが主流でした。しかしながら、スマートフォンの普及により、ユーザのアプリ利用が増え、インターネットの利用時間もウェブからアプリにシフトしています。そのため、マーケティング手法にも新しいノウハウが必要とされており、当社は2011年以降アプリ領域に注力し、アプリ開発者向けにマーケティングノウハウの提供を行っています。
上記のように、アプリにおける広告運用の最適化の方法として「人」に対する広告配信の最適化が求められる中、当社グループの展開するアプリ収益化事業は、アプリ収益化プラットフォーム“metaps”と、オンライン決済プラットフォーム“SPIKE”で構成されており、その概要は以下の通りとなっています。
(2)アプリ収益化プラットフォーム“metaps”
“metaps”は、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援するアプリ開発者向けのプラットフォームで
す。SDK(※9)(以下、「Metaps SDK」という。)と呼ばれる開発キットを導入するだけでアプリ運営に必要なKPI
(※10)及びデータを一元管理出来ます。また、AI(人工知能)を活用して適切なユーザに適切な広告を配信することで、アプリの収益を最大化します。具体的には、AI(人工知能)を活用した機械学習により、過去から現在に至るデータを解析し、自然言語処理による単語レベルでの類似性や、画像解析による、アイコンやクリエイティブの類似性、売上順位やダウンロード規模での競合可能性など、様々な角度からアプリの現状を可視化します。また、GooglePlayやAppStore“内”での順位の変動と、それに対応するGooglePlayやAppStore“外”(ソーシャルメディアや検索、ブログでの出現頻度/回数、テレビCMなど)でのイベントとの相関関係を解析し、予測に活かします。その結果、アプリ開発者は勘や経験に頼らず、データに基づいて最適なターゲットに対して広告配信を行うことが可能となります。
Metaps SDKが導入されているアプリは2015年3月末現在、世界で累計約20億ダウンロード規模に上っています(過去実績:2013年2月末⇒約1億ダウンロード、2014年1月末⇒約10億ダウンロード)。アプリに紐づく端末固有の広告IDを検知することで、端末ベースでは約2億端末に広告配信できる規模に成長しました。当社では、Metaps SDKを導入し、アプリ内に広告を表示するアプリの集合体のことを自社ネットワークと呼び、LINE等のMetaps SDKの導入はされていないものの、当社が広告を配信できるアプリの集合体のことを外部ネットワークと呼んでおります。当社は、以下の様々な広告関連サービスを、当社グループの世界8拠点において顧客に提供することが可能です。その上で、自社ネットワーク及び外部ネットワークを用いて、より幅広いユーザに対して広告配信できることが他社との大きな差別化の要因となっております。
“metaps”の主なサービスは、以下の5つとなります。
(ア)インセンティブ付与の成果報酬型広告サービスの提供
(イ)成果報酬型広告(ネイティブ広告)(※11)サービスの提供
(ウ)クリック課金をベースとした広告サービスの提供
(エ)“Metaps Analytics”の提供
(オ)テレビCM等のオフライン(インターネット以外)広告の提供等
“metaps”のサービスのコアとなるプロダクトが、Metaps Analyticsです。アプリ開発者はMetaps Analyticsを導入することで、アプリ運営に必要なKPI及びデータを一元管理することが出来、その上で自社が求めるユーザをターゲットとする最適なマーケティング施策を打つことができます。Metaps Analyticsでは、DAU(※12)やインストール数などの主要KPIの把握や、GooglePlayやAppStoreデータに基づく競合比較分析、自社アプリのユーザ動向分析、当社独自のAI(人工知能)による売上シミュレーションなど、アプリ運営に必要な様々な機能を提供しています。現在、世界8拠点に展開する当社コンサルタントが、Metaps Analyticsを活用したマーケティングソリューションを顧客に提供しています。また、当社では、マーケティングノウハウを蓄積するために試験的にスマートフォンアプリの運営も行っており、常にアプリ開発者の目線に立ったサービス開発を行っています。
Metaps Analyticsの具体的な機能は、以下の4つとなります。
① 広告効果レポート:配信ネットワークごとのユーザの残存率や課金率等のKPIを可視化して把握することで、最適な広告投資をサポートします。世界中の1,000以上の主要な外部ネットワークや媒体(メディア)に対応しており、広告効果の測定が可能です。
② データマネジメント(DMP(※14)):アプリユーザの課金額、課金回数、利用頻度などの行動履歴に基づいたセグメントを自動で作成し、一元管理することができます。複数のアプリを運営する場合はアプリを横断してデータを管理することで、顧客ごとに強固なプラットフォーム基盤の構築が可能です。
③ インテリジェンス:蓄積したアプリの様々なデータを解析し、AI(人工知能)により将来の売上や各種KPIの予測が出来ます。
④ マーケットの分析:ランキングや競合分析などのマーケット情報の提供を行います。また、アプリストアやソーシャルメディアを解析することで、自社アプリのデモグラフィック(※15)を見ることが可能です。ユーザレビューの言語解析(※16)も行っており、自社アプリの満足点と問題点の発見が可能です。
① 広告主は、アプリ収益化に関するコンサルティング及び広告プロモーションを当社に発注します。
② Metaps Analytics(DMP)を経由して、最適な属性・セグメントに限定されたスマートフォンユーザをターゲ ティングし広告を配信します。
③ スマートフォンユーザが、アプリを利用した際にアプリ内に広告が表示されます。広告が表示されるアプリを
媒体(メディア)と呼び、以下の2種類の媒体ネットワークがあります。
(ア) 自社ネットワーク:Metaps SDKを導入し、アプリ内に広告を表示するアプリの集合体のこと
(イ) 外部ネットワーク:LINE等のように、Metaps SDKの導入されていないものの、当社が広告を配信できるア プリの集合体のこと
④ スマートフォンユーザが広告を閲覧し、クリックやダウンロードをした瞬間に来訪ユーザの情報とその成果通 知が当社システムに自動的に送信されます。
⑤ スマートフォンユーザが広告を閲覧し、当社が成果通知(クリックやダウンロード)を受信すると、当社より 媒体(メディア)に対し、媒体手数料の支払いを行います。
⑥ 広告主は、当社によるコンサルティング及び広告プロモーションにより、効果的に自社アプリの宣伝効果を獲 得することが可能となります。その対価として、当社に広告料等を支払います。
(3)オンライン決済プラットフォーム“SPIKE”
SPIKEは、販売者が短時間で導入出来、専門知識不要でリンクを設置するだけで利用できるEC向けのオンライン決済サービスです。これまで、ネット上でのオンライン決済は複雑なシステムの導入が必要であり、時間もかかり、手数料も発生するため粗利の低い事業者や単価の低い商品を扱う事業者にとっては導入のハードルが高いものでした。SPIKEは、誰でもシンプルな販売ページを作成出来、Web上のあらゆるところでオンライン販売を可能にします。必要なのは販売ページのリンクをシェアすることだけです。これまで、インターネット上でクレジットカード決済を導入する場合、初期費用と1回の取引ごとに約3%〜5%+数十円程度の決済手数料が発生していました。しかし、SPIKEを利用することで、これら初期費用や決済手数料が無料になります(月間100万円までの決済)。
また、ECサイトに数行のコードを実装するだけで、カード決済が導入できる開発者向け導入システム(API)(※17)も提供しており、中~大規模ECサイトにも対応しています。現在、①初期費用・月額・決済手数料が無料で、月間決済額100万円まで利用可能な「フリープラン」と、②月額3,000円で決済手数料2.55%+10円~で利用できるビジネスプレミアムの2つのプランを用意して事業を展開しています。
新しい取り組みとして、プリペイド型(※18)の電子マネー“SPIKEコイン”の提供も開始しています。SPIKEで商品を販売した販売者が、代金をそのままSPIKEコインに変換でき、プリペイド型の電子マネーとしてネット上の支払いに使用できます。また、“SPIKEコイン”を使い様々な商品を購入できる“SPIKEマーケット”の提供も行っています。
① EC事業者が提供するECサイトが決済システムとしてSPIKEを導入します。利用の際に、各種手数料がEC事業者から当社に支払われます。
② SPIKEが導入されているECサイトで商品を購入するユーザが、クレジットカードを利用し決済を行います。決済が行われると、提携先の決済会社経由で決済情報や履歴がSPIKEに送信されます。
③ 決済会社は、商品を購入したユーザから代金を回収し、回収した代金を当社へ支払います。
④ 当社は、決済手数料を決済会社に支払います。
⑤ 当社は、EC事業者の指定するタイミングで売上金を支払います。
事業系統図
≪用語集≫
※1 AI(人工知能)
Artificial Intelligenceの略で、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術のことをいいます。
※2 EC(Electronic Commerce)
電子商取引やeコマースとも呼ばれ、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称のことで、インターネットや通信回線を介して遠隔地間で必要な情報を送受信して行う商取引やWebサイトなどを通じて企業が消費者に商品を販売するオンラインショップなどのことをいいます。
※3 電子マネー
法的に位置づけられた貨幣そのものではなく、情報通信技術を活用した、企業により提供される電子決済サービスのことをいいます。
※4 リスティング(Listing)
マーケティング手法の一つで、「検索連動型広告」とも言われます。検索エンジン(Yahoo!やGoogleなど)でユーザがあるキーワードで検索した時に、検索語と関連性の高い広告を選択して表示する広告手法のことをいいます。
※5 アフィリエイト(Affiliate)
マーケティング手法の一つで、「成功報酬型広告」とも言われます。ブログやサイトに、商品やサービスの広告を掲載し、その広告経由で商品購入やサービス利用などの条件を満たした成果が発生した際に、広告主から対象者へ広告報酬が支払われる広告手法のことをいいます。
※6 リターゲティング(Retargeting)
マーケティング手法の一つで、「行動追跡型広告」とも言われます。広告主のWebサイトを訪問したことがあるユーザの行動をクッキー等を利用して追跡し、他サイトの広告枠上で同じ広告主の広告を表示させる手法のことをいいます。
※7 クッキー(Cookie)
Webサイトの提供者が、Webブラウザを通じてユーザのコンピュータに一時的にデータを書き込んで保存させる仕組みのことをいいます。
※8 LTV(Life Time Value)
「顧客生涯価値」とも言われ、顧客が取引を開始してから終了するまでの間、その顧客がもたらした損益を累計した指標のことをいいます。
※9 SDK(Software Development Kit)
ソフトウェア開発キットを意味し、特定のソフトウェアパッケージのためのアプリケーションを作成するための開発ツールのことをいいます。
※10 KPI(Key Performance Indicator)
「重要業績評価指標」とも言われ、目標達成のために、具体的な業務プロセスを評価するために設定される指標(業績評価指標:Performance Indicators)のうち、特に重要(Key)となる指標のことをいいます。
※11 ネイティブ広告
マーケティング手法の一つで、インターネット上のメディアに掲載される広告の表示形式や内容などが、そのメディアに掲載されている記事などと同じ形式で一体的に表示される広告手法のことをいいます。
※12 DAU(Daily Active Users)
特定のサービスについて、1日にサービスを利用したユーザ(アクティブユーザ)の数のことをいいます。
※13 クラスタリング(Clustering)
クラスタ解析、クラスター分析とも言われ、異なる性質のものが混ざりあっている集団(対象)の中から互いに似たものを集めてグループ(クラスター)を作り、自動的に分類するデータ解析手法のことをいいます。
※14 DMP(Data Management Platform)
様々なデータを一元管理することで、高度な分析や予測を行うためのツール群のことをいいます。
※15 デモグラフィック(Demographics)
人口統計学的な属性データのことで、具体的には、性別、年齢、居住地域、所得、職業、学歴、家族構成などの属性データのことをいいます。
※16 言語解析
自然言語処理とも言われ、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術のことをいいます。
※17 API(Application Programming Interface)
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた仕様のことをいいます。
※18 プリペイド型(Prepaid)
現金や料金をあらかじめ前払いして、商品を購入したり、サービスを利用したりすることをいいます。
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- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
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