ＡｐｐＢａｎｋ株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年12月期)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、2,485,266千円(前連結会計年度末1,456,098千円)であり、前連結会計年度末に比べて1,029,167千円の増加となりました。主な要因は、運転資金の借入等による現金及び預金が1,228,573千円増加したものの、売掛金が144,335千円減少、商品が51,978千円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は、202,786千円(前連結会計年度末172,463千円)であり、前連結会計年度末に比べて30,323千円の増加となりました。主な要因は、ソフトウェアが15,287千円減少したものの、敷金及び保証金が44,475千円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は2,688,053千円(前連結会計年度末1,628,562千円)となり、1,059,490千円の増加となりました。

(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、936,040千円(前連結会計年度末988,122千円)であり、前連結会計年度末に比べて52,082千円の減少となりました。主な要因は、運転資金の借入による1年内返済予定の長期借入金が150,545千円増加したものの、買掛金が79,446千円減少、借入返済による短期借入金が70,000千円減少、前受金が25,817千円減少、並びに未払法人税等が28,645千円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、622,163千円(前連結会計年度末260,317千円)であり、前連結会計年度末に比べて361,845千円の増加となりました。主な要因は、長期借入金が359,061千円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債は1,558,203千円(前連結会計年度末1,248,440千円)となり、前連結会計年度末に比べて309,763千円の増加となりました。

(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,129,849千円(前連結会計年度末380,122千円)となり、前連結会計年度末に比べて749,727千円の増加となりました。主な要因は、「当期純利益」を551,444千円計上したこと及び自己株式の処分により資本剰余金が189,570千円増加したことによるものであります。


(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,966,839千円(前連結会計年度3,012,858千円)となり、前連結会計年度末に比べて953,980千円の増加となりました。主な要因はメディア事業の中核メディアサイトである「AppBank.net」の広告収入が堅調に推移したことに加え、メディア事業の伸びとシナジー効果のあるストア事業のEコマースが順調に伸長した結果であります。Eコマースサイト売上は994,956千円(前連結会計年度825,339千円)となり、前連結会計年度末に比べて169,617千円の増加となりました。店舗においては、店長教育等により店舗運営を強化し増収となりました。
なお、ゲーム事業については、経営資源を集中し、コンテンツ・プロデュース事業の強化、経営の効率化及び当社グループの資金効率改善を目的とし、さらなる事業基盤の強化を図ることを目的に2015年5月1日付でメディア事業に吸収統合したため、本書提出日現在において、セグメント区分を設けておりません。

(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,022,722千円(前連結会計年度1,584,325千円)となり、前連結会計年度末に比べて438,396千円の増加となりました。主な要因は、売上増加に伴う広告原価及び商品仕入の増加等によるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は1,944,117千円(前連結会計年度1,428,532千円)となり、前連結会計年度末に比べて、515,584千円の増加となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,031,469千円(前連結会計年度784,484千円)となり、前連結会計年度末に比べて246,984千円の増加となりました。主な要因は、人件費、地代家賃、支払報酬、運賃及び広告宣伝費の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度における営業利益は912,647千円(前連結会計年度644,048千円)となり、前連結会計年度末に比べて268,599千円の増加となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は9,967千円(前連結会計年度2,441千円)となり、前連結会計年度末に比べて7,526千円の増加となりました。営業外収益の増加の主な要因は、主に保険解約返戻金によるものであります。営業外費用は60,856千円(前連結会計年度124,843千円)となり、前連結会計年度末に比べて63,987千円の減少となりました。営業外費用の減少の主な要因は、主に元役員の不正行為に関連した貸倒引当金繰入額等によるものであります。
この結果、当連結会計年度における経常利益は861,759千円(前連結会計年度521,645千円)となり、前連結会計年度末に比べて340,113千円の増加となりました。

(特別損益、当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の計上はありません。特別損失は12,310千円(前連結会計年度4,168千円)となり前連結会計年度末に比べて8,142千円の増加となりました。特別損失の発生要因は、「AppBank Store池袋パルコ7F」及び「AppBank Store渋谷パルコ」に伴う減損損失の計上によるものであります。
法人税等合計は298,004千円(前連結会計年度232,570千円)となり、前連結会計年度末に比べて65,433千円の増加となりました。法人税等合計の増加の主な要因は、元役員の不正行為に関連したことにより過年度法人税等を28,628千円計上したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度における当期純利益は551,444千円(前連結会計年度284,906千円)となり、前連結会計年度末に比べて266,537千円の増加となりました。


(4)キャッシュ・フロー状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況に記載しております

(5)事業環境と戦略的見通し
当社グループを取り巻く事業環境としましては、国内におけるインターネット及びスマートフォンの普及速度が加速する中、関連する市場の規模も急速なスピードで拡大を続けており、今後もさらなる市場の拡大が見込まれます。
このような事業環境に対応するための具体的な課題及び戦略にかかる見通しにつきましては「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に、また、事業展開上のリスクにつきましては「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」にそれぞれ記載しております。