有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10078Z9
AppBank株式会社 事業等のリスク (2015年12月期)
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには下記のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境等のリスク
①スマートフォン関連市場について
現在、当社グループはスマートフォン関連における広告事業を主力事業としており、当社グループの継続的な拡大、発展のためには、更なるインターネット環境の整備、iPhoneを中心としたスマートフォン市場の拡大、スマートフォン端末の普及拡大が必要と考えております。しかしながら、インターネットの環境整備やスマートフォンの普及等において新たな規制の導入や技術革新等の要因により、今後スマートフォン市場が減退するに至る状況になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②他社との競合について
当社グループのメディア事業、ストア事業においては、現時点で競合他社が多数存在しているほか、参入障壁も高くないことから新規事業者の参入が相次いでおります。
競合他社との競争が激化し、他社との比較で優位性を保てなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③スマートフォン向けゲーム市場について
ソーシャルゲームやネイティブアプリを含むスマートフォン向けゲーム市場は、高速データ通信に対応したモバイル端末の普及と、利用者の嗜好の多様化、多くのゲームタイトルの開発リリース等により拡大しており、今後も成長が見込まれております。また、国内市場だけではなく、当面は世界的に市場拡大が続いていくものと見込まれております。しかしながら、予期せぬ法的規制や、ゲーム開発事業者の動向、モバイル端末の普及減退等により市場全体の成長が大きく鈍化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制について
当社グループのメディア事業については、「個人情報の保護に関する法律」、「電気通信事業法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「著作権法」、「商標法」等が存在しております。
また、ストア事業においても、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、「特定商取引に関する法律」等が存在しております。
また、近年インターネット関連事業を規制する法令及び知的財産権に関する法令が整備されてきておりますが、今後、新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受け、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営に関するリスク
①新規事業・新規サービスについて
当社グループは、今後も事業規模の拡大と競合他社との差別化、収益源の多様化を実現するために、積極的に新規事業・新規サービスの立ち上げに取り組んでいく方針であります。これにより人材確保、システム投資・広告宣伝費等に係る追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。
また、新規事業・新規サービスの立ち上げについては、新規市場の創出や新規参入の分野であることから不確定要素が多く存在する可能性があり、新規事業等の展開が予想通りに進まない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②広告代理店への依存について
当社グループにおけるメディア事業においては、インターネット広告の販売につき、直接販売の他に広告代理店を活用しております。メディア事業売上における広告代理店に対する広告売上の比率は、第3期連結会計年度18.1%、第4期連結会計年度では36.9%であります。広告代理店との契約内容に変更等が生じた場合、又は当該広告代理店における販売方針の変更又は事業戦略の転換が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③動画チャンネル運営事業における依存について
当社グループにおけるメディア事業においては、YouTube及びニコニコ動画等の動画プラットフォーム上で独自の動画チャンネルを運営し、その媒体において発生する広告売上や会員料金売上を計上しております。動画プラットフォームサービス事業運営者によるビジネスモデルの変更や事業環境の悪化等により、広告売上や会員料金売上が維持できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ユーザーの嗜好の変化について
当社グループにおけるメディア事業において、中核メディアサイトである「AppBank.net」及び動画チャンネルにおける動画コンテンツは当社グループ内で企画制作しておりますが、ユーザーの興味・関心を維持することができない場合、「AppBank.net」及び動画チャンネルのユーザー数が減少することが予想され、その場合は、広告売上や会員料金売上が維持できなくなるおそれがあります。また、当社グループにおけるストア事業においては、各種商品情報の収集・分析を行い、様々な商品を独自に仕入れ販売しており、需要に合った商品の提供に努めておりますが、トレンドやユーザーの嗜好の変化により適切な商品が供給できなかった場合には、販売不振等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤「マックスむらい」を中心とした動画コンテンツ等の出演者への依存について
当社グループにおけるメディア事業においては、当社取締役メディア事業部長を演者とする「マックスむらい」を中心とする動画コンテンツや各演者のパフォーマンスに依拠して事業を維持・伸長させてきておりますが、病気、事故、不祥事など何等かの理由により演者が当社グループの動画コンテンツ等へ出演できなくなった場合、動画コンテンツ等に期待される品質を維持できなくなることが想定されます。その結果として動画チャンネルやメディアサイトのユーザーが減少した場合、広告売上や会員料金売上が減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥プラットフォームサービス事業運営者への依存について
当社グループにおけるメディア事業では、Apple Inc.が運営するApp Store、及びGoogle Inc.が運営するGoogle Playといった大手プラットフォームサービス事業運営者のアプリストア上において各社のサービス規約に従いサービスを提供しております。当社グループは、当該プラットフォームサービス事業運営者に対して、回収代行手数料、システム利用料等の支払を行っておりますが、これらの料率の変更や事業戦略の転換並びに今後のプラットフォームサービス事業運営者の動向によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦システムトラブルについて
当社グループは、スマートフォン関連におけるサイト運営、インターネットショッピングサイトの運営が主力事業であり、事業の安定的な運用のためにシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。また、サーバーの安定稼働を目的とした分散化・定期的バックアップ・稼働状況の監視等により、システムトラブルの事前防止又は回避に努めております。
しかしながら、予期せぬ自然災害や不慮の事故により当社グループが管理するコンピューターシステムで障害が発生した場合や、想定を超える急激なアクセス増等の一時的な過負荷やシステム障害によってコンピューターシステムが動作不能に陥った場合、サービスが停止する可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧知的財産権について
当社グループは、運営するサイトの名称及び当社グループに関連するサービス、ブランドについては商標登録を行っており、今後新たな事業展開を行っていく際にも、関連する名称の商標登録を行っていく方針です。
また、他社の著作権や肖像権等を侵害しないよう運営サイト上に掲載する画像等については監視・管理を行っており、当社グループによる第三者への知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提訴されないという保証はありません。そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨「マックスむらい」の商標権について
「マックスむらい」の商標権は、創業以来の事業推進者である取締役メディア事業部長村井智建が個人名義で取得しており、村井智建より2019年12月31日までの期間について本商標権及び肖像等に係る権利一切の使用許諾等を得て、当社グループにて管理しておりますが、何等かの理由により「マックスむらい」の商標使用について許諾が得られなくなった場合、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、本商標権に関する契約は村井智建と当社との間で締結されており、当社が本商標権を独占的に使用できる旨の契約内容となっております。
⑩商品の在庫及び評価リスクについて
当社グループの主力事業の一つであるストア事業は、たな卸商品を保有しております。現在、当社グループの販売チャネルは、Eコマースサイト、直営店、代理店を有しておりますが、消費者の嗜好の多様化、競合他社との差別化により取扱い商品が多品種となることに加え、保有期間が長期化することにより、たな卸商品が増加する可能性があります。
また、新型スマートフォン発売に伴う外観変更による現行モデル用のiPhoneを中心としたスマートフォンケースの「型落ち」、流行遅れとなった商品の「陳腐化」等により、保有するたな卸商品の評価減が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪配当政策について
当社グループは経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を目指すため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は、内部留保の充実を図る方針であります。
しかしながら、株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しており、今後の株主への利益配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期等については、未定であります。
(3) 組織体制に関するリスク
①社歴が浅いことについて
当社は、2012年1月に設立された社歴の浅い会社であるため、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
②特定人物への依存について
当社グループの創業者であり、創業以来の事業推進者である代表取締役社長CEO宮下泰明及び取締役メディア事業部長村井智建に加え、専務取締役グループCFO廣瀬光伸の各人は、当社グループの事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社グループの事業活動全般において、極めて重要な役割を果たしております。
当社グループでは過度に当該各人に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでおりますが、何等かの理由により当該各人による業務遂行が困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③小規模組織であることについて
2015年12月31日における当社グループの組織人員は、取締役6名、監査役4名、社員108名と小規模であり、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。今後、事業の拡大に合わせて人員増加を図るとともに人材育成に注力し、内部管理体制の一層の強化、充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に行えなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④人材の確保・育成について
当社グループが、今後更なる事業拡大を図るためには、優秀な人材の確保及び社内人材の育成に加え、人材の外部流出を防止することが重要な課題であり、採用による人材の獲得を積極的に行うとともに、各種勉強会の開催や福利厚生の充実等の施策を行っております。
しかしながら、当社グループが必要な人材を十分に確保できなかった場合、又は社内の重要な人材が外部に流出してしまった場合には、社員の充実及び育成が計画通りに進まず、事業規模に応じた適正な人材配置が困難になることから、事業拡大の制約要因となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤セキュリティの保護について
当社グループのデータベースは、外部からの不正アクセスができないように、ファイアウォール等のセキュリティ対策を講じ、社内でも限られた者しかアクセスできないよう管理に努めております。しかしながら、これらのデータの漏洩等があった場合には、当社グループの信用低下を招きかねず、損害賠償の請求を受けるおそれもあり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥個人情報の管理について
当社グループの会員等の個人情報につきましては、システム設計上での配慮は当然ながら、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定や個人情報保護に関する社内規程の整備、外部データセンターでの厳重な情報管理等、管理面及び物理的側面からもその取扱いには注意を払って管理に努めております。また、社内での個人情報保護に関する教育啓蒙を行っており、個人情報保護の重要性の認識について周知徹底を図っております。しかしながら、個人情報の漏洩が発生した場合には、当社グループの信用低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスクについて
①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社グループの役職員に対して新株予約権を付与しております。
2015年12月31日現在における新株予約権による潜在株式数は849,600株であり、発行済株式総数6,798,000株の12.5%に相当します。
権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。
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