有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007V2L
ブライトパス・バイオ株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。
現在のパイプラインは、臨床開発段階にあるHLA-A24拘束性ペプチドで構成されるがんペプチドワクチンITK-1と、米国で第Ⅰ相臨床試験を実施中のHLA-A2拘束性ペプチドで構成されるグローバル向けがんペプチドワクチンGRN-1201の2本があります。
ITK-1は第Ⅲ相臨床試験中、GRN-1201は、米国FDA(米国食品医薬品局)に2015年10月に治験申請(IND)を行い、メラノーマ(悪性黒色腫)を対象とする米国での第Ⅰ相臨床試験を開始しております。
(1)[ITK-1去勢抵抗性前立腺がんを適応症とする薬剤選択型がんペプチドワクチン]
2011年11月に富士フイルム株式会社と商業化許諾契約を締結し、ライセンス・アウトいたしました。これにより、富士フイルム株式会社主導により第Ⅲ相臨床試験が開始、実施され、当社は富士フイルム株式会社から治験実施を委託され、同臨床試験を進めております。
日本人に多いHLA-A24型に対応した腫瘍抗原由来のペプチド群から、個々の患者ごとに免疫応答の誘導を見込むことのできるペプチドを、バイオマーカーを用いて選択して投与する「テーラーメイド型」ペプチドワクチンです。
(2)[GRN-1201 グローバル展開を想定した欧米人向けがんペプチドワクチン]
ITK-1に続くパイプラインとして、グローバル展開を想定したパイプラインであり、現在米国において第Ⅰ相臨床試験を行っております。
欧米人に多いHLA-A2型に対応した複数種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんペプチドワクチンを開発しております。第1適応はメラノーマで、まずは単剤で第Ⅰ相臨床試験を行いますが、他のがん免疫治療薬、特に免疫チェックポイント阻害剤との併用療法や、他のがん種への適応拡大を順次進めていきます。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであります。
当事業年度における研究開発費は848,993千円であります。
ITK-1においては、第Ⅲ相臨床試験を第11期事業年度より開始しており、2015年6月に行われた中間解析において、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、第三者機関である効果安全性評価委員会より治験計画書の変更なく治験を継続するよう勧告を受け、治験継続となりました。前事業年度から引き続き、症例の獲得活動を行い、2016年4月に一定数の被験者数を確保して、症例登録活動を終了しました。当社はライセンス先の富士フイルム株式会社から本試験の実施に関する委託を受けており、同社へデータ・資料・情報提供を行っております。
GRN-1201においては、2014年の資金調達により、米国における開発体制を整備し、第13期中の米国食品医療品局(FDA:Food and Drug Administration)に対する治験申請(IND)に向けて、非臨床試験および治験薬製造を実施しました。そして、2015年10月にFDAへ治験申請(IND)を行い、同年11月に審査が完了したことにより、米国で第Ⅰ相臨床試験を開始いたしました。第1適応としてメラノーマ(悪性黒色腫)患者を対象とする臨床試験の準備を進めております。
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