有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007V2L
ブライトパス・バイオ株式会社 沿革 (2016年3月期)
当社は、がんの治療における手術・放射線療法・化学療法に次ぐ「第4の治療法」として、アンメット・メディカル・ニーズ(未だに有効な治療方法がない医療ニーズ)を満たす新規がん治療薬となりうる「がん免疫治療薬」の開発を行っております。当社の事業は、学校法人久留米大学(以下「久留米大学」)医学部の伊東恭悟教授(現 久留米大学がんワクチンセンター長)らが1992年から先駆的に実施したがんペプチドワクチンの基礎研究及び臨床研究の成果を、2003年の設立とともに承継したところから出発しました。
伊東教授は、1992年に、がんワクチンの研究を行っていた米国テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターから久留米大学医学部免疫学講座(当時)に着任し、1997年までに、がん免疫療法の作用メカニズムにおいて免疫系ががん細胞を攻撃するときの目印となるがん抗原を遺伝子レベルで見つける方法により、がん抗原遺伝子を100種以上、及びそれらによって規定されるタンパク質の断片であるがん抗原ペプチドを200種以上同定することに成功しました。その中から厳選したペプチドを、がん治療のためのワクチンとして用いる「がんペプチドワクチン」として、1998年に、その有効性と安全性の確認を目的とする探索的臨床研究を開始しました。
これらの研究成果を基に、がんペプチドワクチンを承認された新規がん治療薬として全国の病院で保険医療により提供できるようにすることを目指す医薬品開発を行うことを使命として、2003年に当社が設立されました。
当社は、久留米大学で基礎研究及び探索的臨床研究を終えたがんペプチドワクチンのシーズを2003年から2005年にかけて承継(当シーズに関する知的財産権の譲渡を含む)し、最初のシーズであるITK-1の膠芽腫患者を対象とする第Ⅰ相臨床試験を2005年10月に、去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とする第Ⅰ相臨床試験を2006年1月に、それぞれ開始しました。
第Ⅰ相臨床試験及びその継続投与試験は2009年7月に完了し、多額な開発資金を必要とする後期の臨床試験へ進むにあたって、2011年11月に富士フイルム株式会社への独占的ライセンス契約を締結しました。2013年6月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験届が出されて第Ⅲ相臨床試験が始まり、当社はライセンス・アウト後も富士フイルム株式会社から治験実施を委託され、治験を進めています。2015年6月には第Ⅲ相臨床試験の中間解析を実施し、引き続き本臨床試験を実施しております。
また、ITK-1に続くパイプラインとして、米国でのパイプラインであるGRN-1201については、2015年10月に米国FDA(米国食品医薬品局)に治験申請(IND)を行い、現在米国で第Ⅰ相臨床試験を開始しております。
年 月 | 変遷の内容 |
2003年5月 | 福岡県久留米市旭町67番地に当社設立(資本金10,000千円) |
2005年1月 | 本社を福岡県久留米市通町10番4号に移転 |
2005年10月 | ITK-1の膠芽腫に対する第Ⅰ相臨床試験を開始 |
2006年1月 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験を開始 |
2006年3月 | 「テーラーメイド前立腺がんペプチドワクチンに関する新技術の開発」に関して、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「独創的シーズ展開事業」に採択 |
2006年12月 | 「HLA-A24陽性術後放射線化学療法抵抗性の星細胞腫Grade3・4に対するテーラーメイド癌ペプチドワクチンの実用化研究」に関して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「医薬品・医療機器実用化研究支援事業」に採択 |
2008年11月 | 本社を福岡県久留米市百年公園1番1号に移転 |
2009年6月 | 東京支社を東京都文京区本郷に設置 |
2009年7月 | ITK-1の膠芽腫及び去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験継続投与試験が完了 |
2011年11月 | 富士フイルム株式会社とITK-1に関する独占的ライセンス契約を締結 |
2013年5月 | 「グローバルに対応した薬剤選択型がんペプチドワクチン開発」に関して、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「2012年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択 |
2013年6月 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験を開始 |
2014年7月 | 「グローバルに対応した薬剤選択型がんペプチドワクチン開発」に関して、NEDOの「2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択 |
2014年10月 | 東京支社を東京都千代田区麹町に移転 |
2015年6月 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の中間解析の結果、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、効果安全性評価委員会が計画通りの試験継続を推奨 |
2015年10月 | GRN-1201のメラノーマ(悪性黒色腫)患者に対する第Ⅰ相臨床試験を開始 |
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 |
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