有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007EPD
株式会社鎌倉新書 事業等のリスク (2016年1月期)
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① ライフエンディング市場についてライフエンディング市場の動向は、当社のビジネスに重要な影響を与えます。日本における2014年度の葬儀件数は428,657件(出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)と、2009年度以降年々増加しているものの、葬儀・仏壇・お墓に対する考え方が多様化し小規模化が進んだ結果、単価は下落傾向にあります。当社はこれからも多様化するニーズに沿ったサービスを開発し提供してまいりますが、今後単価の下落が進み、ライフエンディング市場が縮小した場合には、当社の事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② インターネットの普及について
当社は、運営するポータルサイトを通じてユーザーと取引先を結びつけることにより、ポータルサイトのユーザーに必要とされる情報やサービスを提供することを主たる事業としております。このため、インターネット及び関連サービスの更なる普及が事業の成長を図る上で重要であると考えております。特に高齢者におけるインターネットの普及は今後も継続していくと考えておりますが、インターネットの普及に伴う個人情報の漏洩、改ざん、不正使用等や、社会道徳または公序良俗に反する行為等への対応としての新たな法的規制導入や、その他予期せぬ要因によって、インターネット及び関連サービス等の普及が阻害されるような事象が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 他社との競合について
当社は、運営するポータルサイト等を通じてライフエンディングにかかる様々な情報やサービスをユーザーに提供しており、更なる情報量の拡張や新たなサービスの提供に取り組むことで、競争力の向上を図っております。
しかしながら、当社と同様にライフエンディングにかかる情報を提供している企業や新規参入企業との競争激化により、ユーザー数の減少、手数料の縮小が起こり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新への対応について
当社は、主にインターネットを活用した事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。また、ハード面においては、スマートフォンの普及が急速に進んでおり、新技術に対応した新しい事業が相次いで展開されております。
このため、当社ではこれらに対応すべく、インターネットに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しておりますが、係る知見やノウハウの取得に困難が生じた場合、または技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスクについて
① 特定のサイトへの依存について当社は様々なポータルサイトを運営しておりますが、「いい葬儀」「いい仏壇」「いいお墓」の3サイトに係る売上高比率は2016年1月期で約79%となっており、これら3サイトに係る収入への依存が高い状況にあります。このため、今後予期せぬ事象の発生等によりこれら3サイトのユーザー数が減少したり、サイトの運営が困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は常にユーザーのニーズに沿ったサービス、サイト構成、システム構築を心掛けて改良を加えておりますが、当社が行った改良がユーザーに受け入れられないものであった場合、ユーザーが減少し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新規事業 について
当社はライフエンディング市場におけるユーザーの多様化するニーズに応えるため、常に新しいサービスの提供を検討し、実施しております。新規事業の展開においては、当社内で事業開発及びシステム開発を行う必要があります。その際、当社では新規事業の蓋然性を十分考慮した上で、開発を行っておりますが、当該開発が何らかの影響で想定以上の工数を要した場合や、ユーザーの獲得に結びつかなかった場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業を展開する中で、必要に応じて他社との業務提携等を検討し、実行してまいりますが、想定していた相乗効果が業務提携等から得られなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ システムやインターネット接続環境の不具合について
当社は、主にインターネットを通して、ユーザーに対しライフエンディングに関する情報を提供しており、当社のシステムやインターネット接続環境の安定的稼働は、当社が事業を行っていく上で根幹となるものであります。当社は、サーバーが停止することで事業の遂行に影響が出ないように、データのバックアップを逐一行う等、リスク回避を図っております。また、外部からの不正なアクセスが出来ないように、一定のセキュリティを確保しております。
しかしながら、自然災害や事故、ユーザー数やデータ量の増大に伴うアクセス数の急増による通信障害、ソフトウエアの不具合、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等の予期せぬ事態が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ サイト機能の拡充及びシステム投資について
当社では、ユーザーのニーズに沿ったサービスの拡充や、IT技術の進展に伴う新たな機能の追加を継続して行い、サイトの活性化及び利便性の強化を図っております。しかしながら、それらの施策が当社の想定どおりに進捗しない、また、システム投資及びそれに付随する人件費等の経費が想定以上に増加した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業体制について
① 内部管理体制について当社は、更なる事業の拡大や継続的な成長のために、今後も内部管理体制を充実・強化させていく方針でありますが、事業の拡大に合わせた適時・適切な人員配置等、組織的な対応が出来なかった場合は事業の拡大や継続的な成長の妨げとなり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材確保と育成について
当社は、ライフエンディングに関する情報やサービスをユーザーに提供する事業を展開しており、競争力のある情報やサービスを提供していくためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠と考えております。そのため、当社は事業計画に合わせた優秀な人材の確保及び育成を行っていく方針でありますが、当社の求める人材を計画通りに確保、育成できなかった場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の人物への依存について
当社代表取締役社長である清水祐孝は、事業の立案や実行等会社経営において、重要な役割を果たしております。当社といたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報管理体制について
当社は、インターネットやファックスを通して各種の個人情報を保有しております。当社では、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉えております。また、個人情報管理規程及び情報セキュリティ管理規程を制定し、個人情報を厳格に管理するとともに、社員教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、外部からの不正アクセスや社内管理体制の瑕疵等により個人情報が外部に流出した場合、当社への損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業に係る法的規制等について
① 法的規制について当社の事業特性上、運営するポータルサイトを通じてユーザーから個人情報の取得を行っているため、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。また、当社はシステム開発やコンテンツ制作の一部を外注する場合があり、「下請代金支払遅延等防止法」の対応が求められます。さらに、「特定商取引に関する法律」及び「不当景品類及び不当表示防止法」等の法的規制を受けております。
当社は上記を含む各種法的規制等に関して、法律を遵守するよう、社員教育を行うとともにそれらの体制を構築して、法令遵守体制を整備・強化しておりますが、今後これら法令の改正や、当社の行う事業が規制の対象となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等について
当社は、法令遵守を基本としたコンプライアンスの推進により、法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、当社の役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、利用者、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等の発生及び知的財産権、個人情報、サービスの安全性及び健全性についても訴訟のリスクがあるものと考えております。
かかる訴訟の内容及び結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他のリスクについて
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は、当社の役員及び従業員、並びに取引先に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当事業年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は210,400株であり、発行済株式総数2,005,000株の10.5%に相当しております。
② 自然災害、事故等について
当社では、自然災害、事故等に備え、定期的なコンピュータシステム、データベースのバックアップ、稼働状況の常時監視等によるトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害の発生により、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けており、将来の企業成長と経営基盤の強化のための内部留保を確保しつつ、株主に継続的に配当を行うことを基本方針としております。
しかしながら、現在当社は成長過程にあり、株主への長期的な利益還元のために、財務体質の強化と事業の拡大を目的とした投資等を当面の優先事項と捉えていることから、配当を実施しておりません。そのため、配当実施の可能性及びその時期等については未定であり、現在は内部留保の充実に努めております。将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討する方針であります。
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