有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007MR9
株式会社ベルシステム24ホールディングス 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年2月期)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。(2)経営成績の分析
①売上収益当連結会計年度の売上収益は、主力事業であるCRM事業において、既存顧客からの受託業務を着実に積み増している事や、多国籍企業顧客向け業容拡大に加え、伊藤忠商事㈱との事業シナジーによる新規顧客売上寄与等があったものの、当社子会社であった旧BBコールがクライアント企業との間で締結していた大口契約における受注単価や受注時間の減少等の影響が大きく、前連結会計年度と比べて95億31百万円減少(前連結会計年度比8.5%減)し1,025億40百万円となりました。
②売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、 売上収益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、102億72百万円減少(前連結会計年度比33.7%減)し201億96百万円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費の減少や、前連結会計年度発生の会社設立に係る租税公課や登録免許税の反動等により、 前連結会計年度に比べて、7億75百万円減少(前連結会計年度比6.9%減)し105億39百万円となりました。
④その他の収益及び費用
当連結会計年度のその他収益及び費用は、株主へのマネジメントフィー支払や上場関連費用などの、上場に係わる一過性の費用の増加の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、4億52百万円増加(前連結会計年度比141.5%増)し7億73百万円(費用)となりました。
⑤営業利益
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費の減少はあったものの、売上総利益やその他費用増加の影響により、前連結会計年度に比べて、99億49百万円減少(前連結会計年度比52.8%減)し88億84百万円となりました。
⑥金融収支(「金融収益」・「金融費用」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、借入金の借換に伴う支払利息削減や、前連結会計年度発生の借入金に係る資金調達費用の反動により、前連結会計年度に比べて、14億37百万円減少(前連結会計年度比58.7%減)し10億9百万円(費用)となりました。
⑦税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、金融収支の改善はあったものの、営業利益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、85億12百万円減少(前連結会計年度比51.9%減)し78億75百万円となりました。
⑧親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用が減少したものの、営業利益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、48億44百万円減少(前連結会計年度比49.0%減)し50億31百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 資産の分析
流動資産は、主に現金及び現金同等物が29億57百万円減少し、営業債権が33億12百万円、未収還付法人所得税が28億45百万円それぞれ増加したため前連結会計年度末より31億77百万円増加し、273億52百万円となりました。非流動資産は、有形固定資産が2億58百万円及びその他の長期金融資産が4億9百万円それぞれ増加し、無形資産が2億31百万円及び繰延税金資産が6億46百万円それぞれ減少したため前連結会計年度末より2億32百万円減少し、1,104億95百万円となりました。
これらにより、総資産は前連結会計年度末より29億45百万円増加し、1,378億47百万円となりました。
② 負債の分析
流動負債は、借入金が28億31百万円増加し、未払法人所得税が44億18百万円、その他の流動負債が17億21百万円、それぞれ減少したため前連結会計年度末より40億95百万円減少し、266億23百万円となりました。非流動負債は、長期借入金が31億24百万円、長期未払従業員給付が8億55百万円それぞれ減少したため前連結会計年度末より37億13百万円減少し、735億47百万円となりました。
これらにより、負債合計は前連結会計年度末より78億8百万円減少し、1,001億70百万円となりました。
③ 資本の分析
資本は、前連結会計年度末より107億53百万円増加し、376億77百万円となりました。これは主に公募増資を行ったことにより資本金が22億94百万円、資本剰余金が22億73百万円増加したこと、所有者による拠出により資本剰余金が8億29百万円増加したこと、及び当期利益により利益剰余金が50億31百万円増加したことによるものであります。(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力事業であるCRM事業におきましては、市場価格の下落と、オペレーター人材の確保及び人件費の変動が、経営成績に重要な影響を与える主要因と認識しております。当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、2008年の金融危機以降、企業が外部へのキャッシュアウト削減に努めるようになったことから、業界全体として市場価格の下落が起こっているものと思われます。また、当事業における原価の大部分は、主にオペレーターの人件費となります。対応策といたしましては、当社グループが30余年にわたって築き上げてきた実績と経験を活かして他社との差別化を図り、品質向上及び新しいソリューション提供に努める事で市場価格の底上げを実現し、合わせて、当社グループのブランド価値向上によりオペレーターの確保及び単価の抑制に努めていく次第であります。また、今後も戦略型のCRM事業の開発や新しいソリューションを提供し続け、顧客企業とともに成長できるパートナーへ進化を目指します。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループが属する「コンタクトセンターアウトソーシング市場」は、市場規模7,300億円強、市場成長率が年間5~6%、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が進んでいる市場であります(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィル/ビジネスプロセスアウトソーシング市場の現状と展望2015年度版」)。そうした中にあり、上位の競合企業は、当該「コンタクトセンターアウトソーシング市場」に一定のシェアを確保しつつも、その周辺市場に軸足を移し成長の活路を見出しているものと考えられますが、当社グループにおきましては、引き続き当該「コンタクトセンターアウトソーシング市場」に軸足を置き、成長路線を描いていく方針であります。当該市場は上述の通り上位数社で過半のシェアを占める一方、数多くの中小規模以下の事業者が存在しております。また、アウトソーシングされていないインハウスの市場が、同等ないしそれ以上の規模で存在すると言われております。将来的には、大手へのさらなる収斂、専門領域特化、インハウスセンターのアウトソーシング化等を包含した市場再編成が起きる可能性があります。
当社グループの強みは、「お客様の要望・課題等を瞬時に汲み取り、解決の道筋を提示するオペレーターの高い対話力」「WFM(ワークフォースマネジメント)に代表される生産性と品質を高次元で両立させ、顧客企業に最適なリターンを提供できる高度な労働集約型業務マネジメント力」「現状のオペレーションとあるべき姿のギャップを認識し、改善計画を立案・実行する一連のオペレーションパフォーマンス改善PDCAフレームワークや社内ナレッジの共有システム(Knowledge Ring)を駆使した品質改善力」であります。これらは顧客企業から高い評価を得ているものと自負いたしますが、これまでに培ってきたこうした強みに、高生産性を達成するための標準化や可視化のノウハウ、テクノロジーを駆使したインフラ基盤の整備、伊藤忠商事㈱及びそのグループ企業との営業、事業開発、及びテクノロジー分野におけるシナジーを創出していくことにより、上記のような市場再編成あるいは価値基準の変化の中において中核を成し、今後さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。業界全体として市場価格の下落はありつつも、顧客企業も価値・品質の良いものを選ぶという傾向は強くなってきており、当社グループの強みである「対話力」「労働集約型業務マネジメント力」「品質改善力」に加え、高生産性を達成するための標準化や可視化のノウハウ、テクノロジーを駆使したインフラ基盤の整備を可能にする経験値等を身につけることが最大の課題であると認識しております。今後の方針といたしましては、顧客企業のニーズに的確に応えつつ、当社グループの強みである「対話力」「労働集約型業務マネジメント力」「品質改善力」を活かした高付加価値のサービス提供に取り組んでまいりたいと考えております。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後営業利益等を重要な財務指標として位置づけております。ベインキャピタルグループによる子会社化(2010年2月期)以降の調整後営業利益及び調整後当期利益の推移、ならびに2013年2月期以降のフリーキャッシュ・フローの推移は以下の通りであります。(単位:百万円)
日本基準 | 国際会計基準 | ||||||
旧ベルシステム24① | 旧ベルシステム24② | 当社(注1) | |||||
決算年月 | 2010年 2月 | 2011年 2月 | 2012年 2月 | 2013年 2月 | 2014年 2月 | 2015年 2月 | 2016年 2月 |
売上収益 | 113,165 | 111,622 | 107,329 | 105,206 | 107,561 | 112,071 | 102,540 |
営業利益 | 13,940 | 14,863 | 16,098 | 17,984 | 16,599 | 18,833 | 8,884 |
(調整額) | |||||||
+ のれん償却額 | 1,739 | 4,266 | 4,266 | - | - | - | - |
+ マネジメントフィー(注2) | - | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | 576 |
+ 上場関連費用 | - | - | - | - | - | 209 | 299 |
+ 設立費用 | - | - | - | - | - | 426 | - |
+ 上場を前提とした株式報酬 | - | - | - | - | - | - | 325 |
+ 固定資産除売却損 | - | - | - | 303 | 336 | 25 | 69 |
+ その他の費用 (注3) | - | - | - | 16 | 200 | 77 | 129 |
- その他の収益 (注4) | - | - | - | △5 | - | △27 | - |
調整額小計 | 1,739 | 4,566 | 4,566 | 613 | 835 | 1,010 | 1,398 |
調整後営業利益 (注5)(注6)(注11) | 15,679 | 19,429 | 20,664 | 18,597 | 17,434 | 19,843 | 10,282 |
調整後売上収益 営業利益率 | 13.9% | 17.4% | 19.3% | 17.7% | 16.2% | 17.7% | 10.0% |
(単位:百万円)
日本基準 | 国際会計基準 | ||||||
旧ベルシステム24① | 旧ベルシステム24② | 当社(注1) | |||||
決算年月 | 2010年 2月 | 2011年 2月 | 2012年 2月 | 2013年 2月 | 2014年 2月 | 2015年 2月 | 2016年 2月 |
当期利益 | 7,877 | 5,912 | 5,602 | 8,193 | 8,024 | 9,875 | 5,031 |
(調整額) | |||||||
+ のれん償却額 | 1,739 | 4,266 | 4,266 | - | - | - | - |
+ マネジメントフィー(注2) | - | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | 576 |
+ 上場関連費用 | - | - | - | - | - | 209 | 299 |
+ 設立費用 | - | - | - | - | - | 426 | - |
+ 上場を前提とした株式報酬 | - | - | - | - | - | - | 325 |
+ 固定資産除売却損 | - | - | - | 303 | 336 | 25 | 69 |
+ その他の費用 (注3) | - | - | - | 16 | 200 | 77 | 129 |
- その他の収益 (注4) | - | - | - | △5 | - | △27 | - |
調整額小計 (税金調整前) | 1,739 | 4,566 | 4,566 | 613 | 835 | 1,010 | 1,398 |
調整項目の税金調整額 (適用税率) | - (40.70%) | 122 (40.70%) | 122 (40.70%) | 249 (40.70%) | 317 (38.01%) | 384 (38.01%) | 498 (35.64%) |
調整額小計 (税金調整後) | 1,739 | 4,444 | 4,444 | 364 | 518 | 626 | 900 |
調整後当期利益 (注7)(注8)(注11) | 9,616 | 10,356 | 10,047 | 8,557 | 8,542 | 10,501 | 5,931 |
(単位:百万円)
国際会計基準 | ||||
当社(注1) | ||||
決算年月 | 2013年 2月 | 2014年 2月 | 2015年 2月 | 2016年 2月 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 12,130 | 12,512 | 19,730 | △4,260 |
- 設備投資額(注9) | △1,555 | △2,019 | △1,765 | △2,196 |
有形固定資産の取得による支出 | △436 | △1,223 | △1,166 | △1,657 |
無形資産の取得による支出 | △1,119 | △796 | △599 | △539 |
フリーキャッシュ・フロー(注10)(注11) | 10,575 | 10,493 | 17,965 | △6,456 |
(注) 1.IFRS移行日である2012年3月1日から㈱BCJ-15(2014年6月20日設立)が企業集団の頂点にあるとみなし作成した連結財務諸表にかかる数値を記載しています。
2.BCP及び伊藤忠商事㈱とのマネジメント契約に基づく報酬
3.国際会計基準におけるその他の費用のうち、日本基準において特別損失に該当するもの(固定資産除売却損を除く)
4.国際会計基準におけるその他の収益のうち、日本基準において特別利益に該当するもの
5.調整後営業利益(日本基準)=営業利益 + のれん償却額 + マネジメントフィー
6.調整後営業利益(国際会計基準)=営業利益 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 上場を前提とした株式報酬 + 設立費用 + 固定資産除売却損 + その他の費用 - その他の収益
7.調整後当期利益(日本基準)=当期利益 + のれん償却額 + マネジメントフィー - 調整項目の税金調整額
8.調整後当期利益(国際会計基準)=当期利益 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 上場を前提とした株式報酬 + 設立費用 + 固定資産除売却損 + その他の費用 - その他の収益 - 調整項目の税金調整額
9.設備投資額=有形固定資産の取得による支出 + 無形資産の取得による支出
10.フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー - 設備投資額
11.調整後営業利益、調整後当期利益、及びフリーキャッシュ・フローは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益及び調整後当期利益は、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー、上場関連費用及び設立費用や、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
なお、調整後営業利益及び調整後当期利益は、営業利益及び当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後営業利益、調整後当期利益及びフリーキャッシュ・フローは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31896] S1007MR9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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