有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100781W
株式会社マイネット 事業の内容 (2015年12月期)
当社は、「オンラインサービスの100年企業」を経営ビジョンに、社会のオンライン化の最先端で、人と人とを結び付けるサービスを提供し続けることを目指して事業を展開しております。現在最もオンライン化が進行している市場の一つである、スマートフォンゲームの領域でゲームサービスの開発・運営を主たる業務とし、とりわけリリース済のスマートフォンゲームをゲーム事業者から買収ないしは協業という形で再生・運営を行う「リビルド事業」を中心に提供しております。
また、「リビルド事業」以外に「自社ゲーム事業」として、自社で開発したスマートフォンゲームタイトルの運営を行っており、「リビルド事業」と合わせて、スマートフォンゲーム事業を事業内容とする単一セグメントであります。
スマートフォンゲーム市場はネイティブアプリを中心に引き続き拡大が見込まれているものの、大手ゲーム事業者による寡占化が進行し、二極化が鮮明となっています。大手ゲーム事業者は収入の落ち着いた既存のゲームタイトルの運営よりも新規開発のゲームに人員を再配置して、より収入の得られるヒット作を狙いにいきます。一方、中小ゲーム事業者はスマホゲーム事業からの撤退を始めています。つまり市場は優勝劣敗が進行し、強者は更なる投資へ、弱者は整理淘汰へ向かっており、この二極化によってゲームタイトルの売却ニーズが顕在化しているという状態にあります。
このようなスマートフォンゲーム市場の構造変化を受けてスマートフォンゲームのセカンダリ市場(注1)は急速な成長を遂げており、市場規模は2016年には563億円、2017年については1,056億円と予測されております(株式会社シードプランニング「2015年7月15日プレスリリース」より)。しかしこうしたゲーム事業者のニーズに応えるセカンダリ市場における事業を主たる事業とする企業は少数であると認識しております。当社はセカンダリ市場の事業者としての実績を積み重ねることで、ランキング(注2)上位100位以内のタイトルを保有している企業(2015年12月31日現在68社)の多くとリレーションシップを構築しております(2015年12月31日現在取引実績28社、41%)。
(注1) 「セカンダリ市場」とは、スマートフォンゲームタイトルの買収・協業等の二次取引により形成される市場を意味しております。
(注2) 「ランキング」とは、Google Inc.のGoogle Playのゲームカテゴリの売上トップランキング、Apple Inc.のApp Storeのゲームカテゴリのトップセールスランキングになります。
[当社のスマートフォンゲーム事業の特徴について]
当社が展開するスマートフォンゲーム事業はリリース済のスマートフォンゲームをゲーム事業者から買収ないしは協業という形で再生・運営を行うリビルド事業ならびに自社で企画・開発・運営する自社ゲーム事業を展開しております。リビルド事業は「買収型リビルド」事業、「協業型リビルド」事業の形態でサービスを提供しております。具体的な内容は以下のとおりです。
「買収型リビルド」事業は他社ゲーム事業者が企画・開発・リリースしたスマートフォンゲームを買収し、当社スマートフォンゲームタイトルとして自社タイトル同様に提供し、スマートフォンゲーム内の一部アイテムや機能の追加等を有料でユーザーに提供することで収益を得るビジネスモデルであります。既にリリースされたタイトルを買収するため、将来の収益予測が行いやすく、自社で企画・開発する自社タイトルと比べ、事業リスクが低いビジネスモデルであります。
他社ゲーム事業者が開発したスマートフォンゲームを買収した結果、2016年2月末現在当社のタイトルとしてユーザーに提供されている主力スマートフォンゲームは以下の9本になります。
タイトル | 契約先 | 取得月(※1) |
神姫覚醒メルティメイデン | 株式会社イグニス | 2014年9月 |
ドラゴンジェネシス | 株式会社gumi | 2015年4月 |
幻獣姫 | 株式会社gumi | 2015年4月 |
騎士姫 | 株式会社gumi | 2015年4月 |
ドリランド魔王軍vs勇者! | グリー株式会社 | 2015年6月 |
ボーダーブレイク mobile -疾風のガンフロント- | 株式会社セガゲームス | 2015年9月 (※2) |
リバースドライヴ | 株式会社アプリボット | 2015年10月 |
レジェンド オブ モンスターズ /Legend of the Cryptids | 株式会社アプリボット | 2015年10月 |
神界のヴァルキリー | 株式会社Nubee Tokyo | 2016年1月 |
※1 取得月とは、ゲームタイトルを買収または配信権を取得した月になります。
※2 株式会社セガゲームスと共同事業契約を締結した月になります。
なお、提出日現在において、上記タイトルの他に2016年3月に以下のタイトルを運営移管しております。
タイトル | 契約先 | 取得月 |
三国志乱舞 | 株式会社スクウェア・エニックス | 2016年3月 |
「協業型リビルド」事業は他社ゲーム事業者が企画・開発・リリースしたスマートフォンゲームのリリース後の企画・運営等を当社が行うことの対価として、他社ゲーム事業者がプラットフォーム事業者を通じて得られる収入の一定割合を、当社が収受するレベニューシェアモデルを採用しております。当該サービスは、当社がこれまで培ってきたゲーム運営のノウハウや送客力を活かし、ゲームの企画・新機能開発・運営業務を総合的に引き受けるサービスであります。
当社で企画・開発を行う必要が無いことから、開発費等が発生しないため、事業リスクとしては自社ゲームに比べて低い反面、スマートフォンゲームタイトルで得た収入の一定割合しか得られず、収益は自社ゲームに比べ限定されます。
なお、2016年2月末現在、ゲーム事業者からの協業により運営しているタイトルは以下の7本になります。
タイトル(※1) | ジャンル | 運営開始月 (※2) |
タイトルA | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年3月 |
タイトルB | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年5月 |
タイトルC | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年6月 |
タイトルD | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年7月 |
タイトルE | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年9月 |
三国INFINITY エクスタシー | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年12月 |
タイトルG | ビジュアルキャラクターゲーム | 2015年12月 |
※1 タイトル名については、取引先との契約により開示できないものについては上記の表記としております。
※2 運営開始月とは、移管が完了し当社での運営を開始した月になります。
「自社ゲーム」事業はGoogle Inc.のGoogle PlayやApple Inc.のApp Storeに代表されるプラットフォームを通じて当社が企画・開発したスマートフォンゲームを提供し、スマートフォンゲーム内の一部アイテムや機能の追加等を有料でユーザーに提供することで収益を得るビジネスモデルであります。
なお、自社で企画・開発し、ユーザーに提供しているスマートフォンゲームタイトルは以下の2本になります。
タイトル | ジャンル | 配信開始月(※) |
ファルキューレの紋章 | ビジュアルキャラクターゲーム | 2012年10月 |
エンジェルマスター | ビジュアルキャラクターゲーム | 2013年9月 |
※スマートフォンゲームの配信開始月を記載しております。
現在当社は今後の成長領域の中心はリビルド事業にあると考えていることから、当面はリビルド事業に注力し、更なる当社運営タイトルの増加及び当社運営タイトルユーザーの増加を図ってまいります。
いずれの事業領域においても、単なる企画・運営等のコスト削減だけではなく、ゲーム自体の活性化を図ることで、当該ゲームのライフタイムバリュー(注3)の引き上げ、新規タイトルの開発が中心のスマートフォンゲーム市場の中に新たにスマートフォンゲームのセカンダリ市場を形成することで、業界全体の持続的な成長に貢献したいと考えております。
(注3) ライフタイムバリューとは、一人の顧客が取引期間にゲームにもたらすと期待される利益を意味しております。
上記サービスを推進するにあたって当社が有する特徴および強みは次の通りです。
① 獲得力
当社はスマートフォンゲーム事業においてリビルド事業に着目し、経営資源を集中させてから約2年が経過しています。この間に当社が買収もしくは協業という形で関わったゲームタイトルは18タイトルに及びます。ゲームタイトルの獲得にあたってはゲーム事業者より当社リビルド事業に関して理解を得る必要があります。当社はゲーム事業者のリビルド事業に関する理解を促進するため、リビルド事業において最も理解を得ることが困難な、スマートフォンゲームタイトルの買収価格等の算出方法について、標準化に努めてまいりました。特に理解を得ることが難しいのは、対象ゲームタイトルの将来見通しの合理的な算出ですが、当社は買収対象タイトルをビジュアルキャラクターゲーム(注4)にフォーカスすることで将来見通しの精度向上に努め、さらに買収・協業を重ねることにより当社独自の将来予測モデルの構築を行ってまいりました。この結果、リビルドの候補となるゲームタイトル保有事業者87社(2016年2月末現在)と定期的な情報交換等の営業活動が可能になり、引き合い件数が増加しております。
(注4) 当社では「ビジュアルキャラクターゲーム」を「ゲーム内に美麗なキャラクターが登場し、ユーザーがキャラクターの入手と活用を目的にプレイや課金を行うゲーム」と定義しております。
② リビルド力
リビルドにおいて重要なポイントは当該ゲームにおける機能・施策・ワークフロー等を要素分解し選択と集中という観点からそれぞれのパッケージを見直すことにあります。具体的には、過去のユーザーに関する導線分析から使用頻度の低い機能を省き、ユーザーから支持されている機能を集中的に改善するといったことを指しております。
リビルドの実施については、当社内において蓄積された改善プログラム(上記のパッケージの見直し)を実施するに際して、イラストアセットの中から援用できるものを選び出し、改修を行うため、改修期間は極めて短期化でき、コスト削減を実現しております。
リビルド実施におけるノウハウは、案件ごとに当社内においてリビルド実施に係る標準化モデルとしてストックされ、次のリビルド案件にさらに援用されます。今後は、さらにノウハウを蓄積し、システム化を進めることでリビルドに関するベストプラクティスをし、当社固有のノウハウとして育成していきたいと考えております。
③ 集客力
ゲームタイトルの運営において収益を向上させるためには、売上高の増加又は、コストの削減が必要となります。コスト削減は初期段階においては有効な施策となりますが、継続的な収益の向上を目指すためには、リビルドがなされたゲームタイトルに新しいユーザー、既存ユーザーの再訪を促すための集客施策も必要となります。 当社ではこの施策を当社が運営する相互送客ネットワーク「CroPro(クロプロ)」により実現しております。「CroPro(クロプロ)」とは、「ビジュアルキャラクターゲーム」を中心としたスマートフォンゲームを提供しているゲーム事業者向けに当社が提供している相互送客ネットワークです。大手ゲーム事業者も参加しているジャンル特化型の相互送客ネットワークとして、70社(2016年2月末現在)のゲーム事業者が参加し、多数のゲームタイトルがCroPro(クロプロ)上で相互送客を実施しております。CroPro(クロプロ)は、「ビジュアルキャラクターゲーム」のジャンルに注力していることによって、それらのゲームを愛好する良質なユーザーが集まる基盤が整っており、相互送客の実施により広告宣伝費の削減が図れていることから、当社のゲームタイトルへの集客における大きな強みとなっております。
具体的にはCroPro(クロプロ)を活用することにより、当社1社で年15万人の新規ユーザーの獲得(2015年1月~2015年12月の直近1年間)ができております。広告宣伝費換算(CPI(注5)×インストール数)にて年1.6億円分の集客効果(2015年1月~2015年12月の直近1年間)に繋がっており、CroPro(クロプロ)参加企業においても、効果的な集客を実現しており、多額の広告費用を使用できないゲーム会社においては有効な集客サービスとして、認知が広まりつつあります。
(注5) CPIとは、広告(特にスマートフォンを対象とした広告)においてはCost Per Install(コスト・パー・インストール)として、APP Store ・Google Play Storeなどからアプリケーションをダウンロードし、インストール・起動するまでの単価を示す指標になります。
④ キャラクターIP
当社が注力しているビジュアルキャラクターゲームにおいて、収益を向上させる重要なポイントはキャラクターであると考えております。ゲーム内で人気投票を行い、どのような要素を持つキャラクターがユーザーから支持されているかを分析します。人気の高いキャラクターは当社が運営する他のゲームタイトルにも登場させることで、複数のゲームに跨ってユーザーに楽しんでもらえる仕組みとなっております。またデータ分析を活かした新しいキャラクターの創出も行っております。当社ではユーザーにとって付加価値の高いキャラクターを月に約370体ずつ制作し、既に累計で5,000体を超えるキャラクターを保有しております。今後も多くのキャラクターを継続して創出し、収益の向上と情報の蓄積を行ってまいります。
⑤ データドリブン
ゲームタイトルのリビルド後も当社ではユーザー行動データの収集を通じて、日々PDCAを行いゲームの最適な調整を続けております。特に注視するのは当該ゲームのユーザー継続率(注6)で、継続率が当初の想定を下回っている場合にはその原因を分析することで継続率の低下に歯止めをかけ、さらに新規ユーザーの定着を図るための導線分析を運営改善に繋げております。当該分析については、ゲーム内でのユーザーの行動データをもとに分析しており、タイトル間での比較も行っております。当社は当該ビッグデータを用いてユーザーに最適かつ豊かな体験を提供することをスマート運営と呼称し、コスト削減を主軸とした運営とは一線を画しております。
(注6) ユーザー継続率とは、ゲームを開始したユーザーの内、1日後にゲームにログインした割合や、ゲームを開始した1日後にログインしたユーザーの内、ゲーム開始7日後(または30日後)にもログインした割合等のユーザーがゲームを継続しているかを図る指標になります。
上記の通り、ゲームタイトルの獲得を行い、リビルドをし、スマート運営を実現することで、タイトルのリビルドが完了し、そのゲームタイトルに集客を行うことで、利益の最大化を行っております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31991] S100781W)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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