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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10059XJ

有価証券報告書抜粋 株式会社タクマ 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


持続可能な循環型社会の実現と原子力発電や化石燃料に過度に依存しない社会の構築に向けて、環境保全と再生可能エネルギー活用の分野を当社グループの主要事業領域と位置づけ、ここでの事業に経営資源を集中し、リーディングカンパニーとして社会で必須の存在であり続けることを企業ビジョンに掲げ、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携および社外の研究機関や大学との共同研究等を通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は586百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動は以下のとおりであります。

(1) 環境・エネルギー事業
① 廃棄物処理関係では、当社の主力商品であるストーカ式都市ごみ焼却炉について、燃焼改善による有害物質(窒素酸化物、ダイオキシン類など)の低減および発電効率の上昇に関する開発を引き続き実施しております。また、アンモニアガスの代替として尿素を利用した安全で安価、高効率な窒素酸化物低減システムの開発を実施しております。さらに、産業廃棄物焼却炉で長期耐久実績のある水冷式ストーカを都市ごみ焼却炉に適用することにより、従来の空冷式ストーカに比べ耐久性の向上による維持管理費の低減効果について引き続き実証をすすめております。
② エネルギー関係では、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度関連で引き合いの多い未利用バイオマスの燃焼・発電利用に向けた要素技術の開発を引き続き実施しております。また、木質バイオマスの燃焼灰の有効利用技術の開発を林野庁補助事業として実施しております。さらに廃食油から製造するBDF(バイオディーゼル燃料)の問題点を解決できる革新的なバイオ軽油製造技術の開発をすすめており、環境省補助事業として実証試験を実施いたしました。
③ 水処理関係では、2012年度に国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)として採択された「固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術に関する技術実証研究」と2013年度に同事業として採択された「下水道バイオマスからの電力創造システム実証事業」を引き続き実施いたしました。「アナモックスプロセス」では従来の技術と比較して、建設や維持管理などのコスト、エネルギー使用量、温室効果ガス排出量を大幅に低減できる技術を開発いたしました。引き続き更なる低コスト化を図るため実証をすすめております。また、「下水道バイオマスからの電力創造システム」では、下水汚泥の燃焼に補助燃料を必要とせず、従来不可能だと考えられていた発電が可能となり、温室効果ガスの一種である亜酸化窒素の発生量も環境省令に対し概ね80%低減できる技術を開発し商品化いたしました。
これら当事業に係る研究開発費は488百万円であります。

(2) 民生熱エネルギー事業
貫流ボイラは、低NOx(窒素酸化物)化による環境負荷の低減と省エネ化によるCO2の低減を実現したスーパーエクオスEQiシリーズにおいて、小型でありながらパワフルな能力を搭載したガス焚きEQi-3000型、並びに油焚きEQi-2501型を開発し、高性能・高機能な商品をより一層拡充いたしました。
真空式温水機では、従来より効率を向上させたスーパーバコティンヒーターGTLシリーズにおいて、ガス焚きGTL-630型、GTL-800型を開発し商品化いたしました。これにより、同シリーズは350~930kWまで幅広い出力範囲に対応できるようになりました。
このように貫流ボイラ、真空式温水機の更なる改良開発をはかり、より一層省エネルギーに貢献できる商品の拡充をすすめております。
当事業に係る研究開発費は58百万円であります。

(3) 設備・システム事業
半導体工場向けの最先端の液浸露光装置に用いられる低沸点有機物除去用ケミカルフィルタについて、従来よりも長期間使用できるケミカルフィルタを開発し商品化いたしました。また、半導体及び液晶パネル工場のクリーンルーム向けのケミカルフィルタを改良し、中国上海で開催された半導体の展示会(SEMICON CHINA)に出展いたしました。
当事業に係る研究開発費は39百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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