株式会社　赤阪鐵工所 研究開発活動 (2015年3月期)

当社の研究開発は、コンパクト・高出力化・省エネを追求した船舶用主機関開発とその環境規制適合技術開発、船舶運航用の遠隔操縦装置・監視診断装置の開発、機械のメカトロ化等に重点をおいて実施しております。
当事業年度に支出した研究開発費は、134,342千円となっております。
内燃機関関連事業
4サイクルディーゼル機関については、内航船、漁船の市場要望に応えるべく、軽量コンパクト、低燃費、環境規制に適合し、かつ、信頼性・耐久性に優れたAXシリーズラインアップの充実に努めてまいり、「AX34A」形機関を市場投入しました。本機はAX34Sを上まわるストローク・ボア比でより燃費消費率を低減し、油圧管制動弁を採用して従来のプッシュロッド式と比べ静粛性の高い機関となりました。また、AXシリーズで好評の鋳込管式ボアクーリングライナ、アンチポリッシングリング、電子制御式シリンダ注油システムを備え、燃焼室の信頼性・耐久性を確保しつつ潤滑油消費量を最小限に抑えて総合的な運航コスト削減に貢献いたします。
2013年から開始された外航船舶の省エネ規制(EEDI)は2025年の30%省エネを最終目標に段階的(Phase0～Phase3)に強化されていきます。従って主機についてもより一層の低燃費機関が求められており、外航船の主機として多用される2サイクルディーゼル機関については、前年度に電子制御機関「6UEC45LSE-Eco-1」(三菱重工舶用機械エンジン㈱開発)の導入設計・製造完成に続き、本年度はさらなる低燃費化を図った電子制御機関「6UEC45LSE-Eco-B2」を製造完成いたしました。また小形2サイクルディーゼル機関では、超ロングストローク,低燃費機関である「6UEC33LSE-C2」を製造完成いたしました。
継続的に開発を進めてまいりましたフィルター自己再生機能を有することを特徴とする排ガス脱塵装置(DPF)については、陸上施設のA重油焚きディーゼル機関用として既に複数台採用され順調に稼動しております。C重油焚き機関用DPFについては、引き続き一般財団法人日本海事協会、㈱商船三井との共同開発事業として実船に搭載し検証を進めております。また、ユーザーニーズに応えるため、黒煙だけでなく捕集が難しいとされる白煙も除去可能なDPFの開発も進めております。