シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10056NR

有価証券報告書抜粋 三菱化工機株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、既存技術・各種装置の高度化並びに技術の差別化・競争力の向上を目指し、開発を行っております。また、新分野への積極的展開及び新技術・新製品開発を行っており、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費は、エンジニアリング事業59百万円、単体機械事業95百万円の総額155百万円であります。主な研究開発は次のとおりであります。
(エンジニアリング事業)
HyGeia-Aの標準化設計
当社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により開発を行った水素ステーション用水素製造装置「HyGeia-A」(水素製造能力 300Nm3/h)の標準化設計を実施し、コスト競争力の強化に取り組んでまいりました。
2014年12月には燃料電池自動車の市販が開始され、これに水素を供給する商用水素ステーションの整備が進められるなか、「HyGeia-A」についても納入数を増やしております。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時期までに水素インフラを整備し、水素社会の可能性を発信して行く方針が示されており、本年度以降も水素ステーションの整備は拡大が予想されますので、「HyGeia-A」を積極展開し、CO2排出削減に寄与する水素社会の実現に貢献してまいります。

下水バイオガス原料による水素創エネ技術
当社は、水素ステーション用の水素製造装置の商品開発を行い、既に都市ガスやLPGを原料とした水素製造装置を、水素ステーション用に多数納入してきております。
その一方で、再生可能エネルギーであるバイオガスを原料とした水素製造について研究を進めてきました。この研究成果を基に2014年2月に国土交通省の2014年度下水道革新的技術実証事業(B-DASH)に、「下水処理の過程で発生するバイオガスから水素を創出する創エネ技術の実証事業」を提案・応募し、採択され、2014年6月に契約を締結いたしました。2015年2月に実証設備を完成させ、現在、実証運転中であります。
下水処理場は都市型のバイオマス集積場であり、そのバイオマスを利用して水素を製造するシステムは地産地消型の理想的なエネルギー創生システムとなります。本設備は再生可能エネルギーからの水素ということでマスコミからも注目され、自治体・研究機関・民間企業・海外等から見学者も多く、反響を呼んでおります。実証終了後は、2014年12月に一般販売開始されたトヨタ「MIRAI」をはじめとした燃料電池自動車の普及に合わせ、全国に約300箇所ある消化槽を有する下水処理場に向けて本技術の普及に取り組んでまいります。

(単体機械事業)
船舶に係る海洋環境規制への対応
船舶から排出される硫黄酸化物(SOx)は、2015年より一部の海域で、また2020年からは世界中全ての海域で排出削減が求められ、また窒素酸化物(NOx)は2016年建造開始の船から指定した海域における排出規制が開始されます。
当社は、SOx規制に対応するため、三菱重工業㈱殿と共同して、「三菱ハイブリッドSOxスクラバー」を開発しました。現在、新規に建造する自動車運搬船へ「三菱ハイブリッドSOxスクラバー」初号機の搭載を進めており、2016年には、実船搭載した装置の能力審査を完了し、国産製品としては初めての装置承認を取得するべく取組んでおります。
また、NOx規制に対しては、三菱重工舶用機械エンジン㈱殿と共同でNOxを低減する同社「UEシリーズエンジン用EGRシステム」用付帯機器の開発と提供を行ってまいりました。現在、検査機関により同エンジンの規制値達成の陸上運転評価を終え、実証試験を行うため新造ばら積み船に搭載工事を進めております。2015年中には船上での評価を終え、営業活動を開始する予定です。
今後も、舶用市場における環境分野への貢献を目指して販売活動及び製品の改善を進めてまいります。


回転式セラミック膜フィルターの開発
電子材料やファインケミカル業界において、粒子径が数十から数百ナノメートルのナノ粒子を素材とした機能性部材の開発が活発化しております。従来の固定式の膜濾過装置は、清澄液を回収する用途には適しておりますが、高濃度のナノ粒子分散液に対しては濾過の維持が難しく、到達濃度にも限界があり、工業的生産装置としては多くの課題がありました。
この課題を解決するため、当社は、ナノレベルの微細粒子を精密に分離する回転式セラミック膜フィルター「三菱ダイナフィルター」を開発しました。
「三菱ダイナフィルター」は、セラミック膜ディスクを濾室内で高速回転させて濾過を行うため、到達濃度が高く、高濃度分散液に対しても効率的な濾過が維持でき、ナノ粒子製造用の工業的生産装置として採用されております。
「三菱ダイナフィルター」の開発に合わせ、コア技術であるナノ粒子を精密に分離できる濾過孔径が数十から数百ナノメートルのセラミック膜ディスクの製造技術を確立しました(特許取得)。また、ナノ粒子の製造プロセスで必須とされる高濃縮濾過に加え、微粒子洗浄精製と分散溶媒置換など機能的な濾過操作手法を開発しました(特許出願中)。「三菱ダイナフィルター」と機能的濾過操作を組合せた生産技術提案は、ナノ粒子製造プロセスにおける新たなソリューションとして採用されております。
「三菱ダイナフィルター」は、電子材料用微細粒子、半導体用レジスト、リチウムイオンバッテリー部材、化粧品ピグメント、機能性樹脂フィラー、微細顔料、セルロースナノファイバー、また、菌体、藻類の分離精製、船舶排ガス用スクラバーの排水処理等、幅広い産業分野への営業展開が期待できます。
また、「三菱ダイナフィルター」は、既に23台の採用実績があり、ナノテクノロジー分野にける分離技術への貢献度も高いと評価され、学術団体である分離技術会より2015年度「分離技術賞」(技術名称:ダイナミック・クロスフロー・セラミック膜フィルター)を受賞いたしました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01536] S10056NR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。